ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

3月8日は国際女性デー! 過去に飲んだ女性醸造家のワイン6本を振り返ってみた。

今日3月8日は「国際女性デー」。そこで今回は、過去に飲んだ女性醸造家の造ったワインをまとめてみたい。指折り数えてみたところ、私はブログをはじめたこの1年間で少なくとも6本の女性醸造家のワインを飲んでいた。

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国際女性デーなので、女性醸造家が造ったワイン(自分で飲んだもの)をまとめました。
東京ワイナリー(日本)「北海道余市産ツヴァイゲルとレーベ」

まず記憶に新しいところでは東京ワイナリーがある。代表の越後屋美和さんが「東京の農業をもっと元気にしたい!」と転職して修行を重ねて立ち上げたというワイナリーで、私は「北海道余市産ツヴァイゲルとレーベ」を飲んだのだが、実においしかったのだった。

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越後屋さんのインタビュー記事などを読むと、どうやら私とほぼ同世代。収穫やワイナリー作業などはボランティアを募集して行うことも多いようなので、いつか手伝いにいきたいなあと思うワイナリーだ。

 

キスヴィンワイナリー(日本)「キスヴィン甲州スパークリング」

日本ワインでいうと、ちょうどデジタルデトックス中に飲んだのでブログ記事がないのだが山梨県甲州市のキスヴィンワイナリーも女性醸造家がワインを造っている。キスヴィンワイナリーの公式サイトをチェックすると、醸造責任者・斎藤まゆさんが紹介されており、そのプロフィール画像は赤ちゃんをおんぶした状態でブドウの世話をする、素敵すぎる写真だ。最高だ。

彼女は早稲田大学中退後にカリフォルニア州立大のワイン醸造学科を卒業、その後ブルゴーニュで研鑽を積んで平成25年よりキスヴィンワイナリーの醸造責任者を務めているという人物。私は「キスヴィン甲州スパークリング」を夏の暑いときに飲んだのだが、高温多湿な日本の夏にピッタリのスッキリした泡だった記憶がある。

 

ラファエル・ギュイヨ(フランス)「レ・ザット」

最近飲んだものでいうと、試飲会で飲んだラファエル・ギュイヨが素晴らしかった。ラファエルさんは現在30歳前後というまだ若い女性。フランス・ブルゴーニュで生まれ、生まれ故郷のトレニーの村を本拠地に、2018年に引退した農家から1ヘクタールのピノ・ノワールが植えられた畑を引き継ぎ、2019年に初収穫を迎えたという自然派の作り手。

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そのファーストヴィンテージが今自宅のセラーに眠っているのだが、1ヘクタールの畑で獲れたピノ・ノワールの全房を野生発酵させたというキュヴェ「レ・ザット」は自然派うんぬん抜きにして激うま。ご興味ある方はぜひお試しいただきたいというワインだ。これはオススメなんスよ本当に。

 

ティンポット・ハット(ニュージーランド)「ティンポット・ハット ソーヴィニヨン・ブラン

ニュージーランドのティンポット・ハットも女性醸造家が造るワインだ。名前はフィオナ・ターナー

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そのソーヴィニヨン・ブランは2016年ヴィンテージがデキャンター誌でソーヴィニヨン・ブラン史上最高得点の98点を叩き出したというワイン。なのにお値段2178円と決して高くない魅力的なワインだった。

 

キャサリン・マーシャル(南アフリカ)「キャサリン・マーシャル ソーヴィニヨン・ブラン

 続いては南アフリカで、まずはキャサリン・マーシャル。おいしかったなあ、キャサリン・マーシャルのソーヴィニヨン・ブラン。南アのなかでも冷涼な産地・エルギンに本拠地を置き、エルギン産ブドウを100%使うことにこだわりを持つ生産者だ。

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このワインに関しては殻付きの牡蠣を焼いてレモンを絞ったものと合わせるという合法ドーピングを行ってしまったので冷静に評価できていないのだがめちゃくちゃおいしかった記憶がある。殻付きの牡蠣を向いて焼き、レモンを絞ってソーヴィニヨン・ブランと合わせると途方もなく合うっていうのは2020年の大きな学びのひとつです。

 

アスリナ(南アフリカ)「アスリナ カベルネ・ソーヴィニヨン

そして、最後はなんといっても南アフリカ初の黒人女性醸造家がつくるアスリナだ。醸造家はヌツィキ・ビエラという女性。貧しい家庭に生まれ、高校卒業後メイドとして働きながら応募したスカラシップに合格、それがたまたまワインを学ぶことが条件だったことでワイン造りの道に進んだという人物。

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「私がワインを選んだんじゃない。ワインが私を選んだの」は彼女が発したシビれる名言だ。貧しい境遇から苦労を重ねて夢をつかんだ彼女の物語に私は感動、ブログを読み返すと「21世紀のシンデレラは魔法じゃなくて努力で夢をつかみとる」とか「ガラスの靴じゃワインは造れない」等の妄言を私は発している。自分のブログって後から読むと恥ずかしいなどうでもいいけど。

「アスリナ」はものすごく力強いワインで、もしかしたら飲み頃がまだ先だったのか? と感じるような重厚な味わいだったのも印象的だった。

というわけで、この1年で思い出せる限りで6人の女性が造ったワインを私は飲んできたのだった。私はだいたい年間234本ほどのワインを消費するので、6本はわずか2.5%に過ぎない。

ただ、国際女性デーの日に振り返り、女性醸造家が造ったワインを思い出してみると、改めて飲んだワインには女性が造ったも男性が造ったもないな、とも思う。たまたまかもしれないが、ただおいしい! と思えるワインばっかりだったのだった。

というわけで、国際女性デーの夜も更けた。今夜は女性たちに乾杯だ。

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