ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK47】

ブラインドテイスティングWEEK47に臨んで

ひさしぶりに東京・恵比寿のワインマーケット・パーティのブラインドテイスティングに参加した。今週は白2、赤1の3杯。

果たしてこの3杯のワインはどこの国でいつ造られたどんな品種のワインなのだろうか。さっそく予想してみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK47/1杯目

1杯目は白ワイン。色は限りなく透明に近いシルバーで、香りはかなり豊か。透明な蜜のような香り、花粉がたっぷりとついた春先の花の香り、桃、パイナップル、みかんとかのなんかこう、フルーツゼリーに入ってる果物的な香り。

となると候補は以下のみなさんだ。
ゲヴュルツトラミネール
ヴィオニエ
トロンテス
(一応)ケルナー

飲んでみるとすっきりとドライで雑味が少ない。香りにおいて華やかで、味においてシャープな、これはいいアロマティック品種だ。

飲んでも上の候補の印象は変わらないが、イタリアアロマティック軍団の可能性が浮上してくるが、まあいいか。無視だ。第一印象から決めてました、のこの品種で行ってみる。

アルゼンチン(メンドーサ)/トロンテス/2022/12%

こう予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK47/2杯目

2杯目も白ワイン。極めて薄かった1杯目とはうってかわって、色はシャンパンのような華やかなゴールド。香りも1杯目とは対照的に強くなく控えめだが、わずかに冬場の小学校の灯油ストーブ的香りがするような気がする。それに加えてハニカムすなわちハチミツの巣的な高密度の蜜感が漂っている。

飲んでみるとこれが素晴らしくおいしい。いくらすんのかな。意外と2860円くらいで買えたりしないですかね、という味。でも3850円するのかな。

味わいにおいてもトロリとした蜜感があり、残糖も多少残っている感じがする。酸もあって味わいのバランスもバッチリ。これはもう、ドイツのリースリングしかないんじゃないすかね、という気がするので以下のように予想した。

ドイツ(モーゼル)/リースリング/12.5%/2022

ヴィンテージがわからない。2023と言われても納得するし、2021と言われても納得するので間をとって2022とした。

 

ブラインドテイスティングWEEK47/3杯目

最後、3杯目は濃い色をした赤ワイン。「あんま〜い!」と藤子不二雄A先生のオノマトペの文体で記したくなるような甘やかな香りがグラスから漂ってくる。香りの時点でカリフォルニアのジンファンデルかプーリアのプリミティーヴォ、あるいはなんらかの品種をアパッシメントしたなにか。

香りはダークチョコレート、ダークチェリー、そして割と特徴的なウイスキー的な香りがする。ウイスキーを貯蔵していた樽の香りというか。果実! 樽! 以上、解散! という味で問答無用のおいしさがある。かき氷にかけてもいいんじゃないかレベル。かき氷はアレだけど、チョコアイスにちょっとかけたらワンチャンおいしいんじゃないすかねこれっていう味だ。素晴らしい。

アパッシメント方面でいえばアマローネ。だが、もう少しとっつきやすい感じがするんですよこれ。そして徹頭徹尾ダーク(陰性)なので、旧世界に見える。

ならばこれだ。これしかないよ!

イタリア(プーリア)/プリミティーヴォ/15%/2020

 

ブラインドテイスティングWEEK47予想を終えて

というわけ今週も予想が出揃った。果たして私の予想は当たっているのだろうか? みなさんもぜひ予想してみてください。

 

 

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK46】

ブラインドテイスティングWEEK46に臨んで

少々身辺がバタバタしており2週間空いてしまったが、今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成だ。

2週間空いてしまったので今週はリハビリみたいなもん。正解できないことを前提に、気楽にやっていきたいと思います!(全力で勝ちにいくの意)


ブラインドテイスティングWEEK46/1杯目

さてまず1杯目だ。色は明るめ、夏のはじめの麦わら帽子色。香りは花、蜜、草。色は梅雨明け、季節は梅雨だがグラスの中身は早春ダイアリー状態だ。早春っていうとソーヴィニヨン・ブランとかか。

実際に飲んでみると、香りの印象以上に酒質の厚みがあり、爽やかだけど果実感があり、ともすれば質のいいオリーブオイルのような旨みも感じる。すっきりだけの味わいではない。

ソーヴィニヨン・ブランというか、「ソービニヨン」と表記したくなる旧世界感がある感じ。てことで本命はロワールあるいはボルドーのソーヴィニヨン。薄い可能性として世界のどこかのリースリング。あとイタリアの北のほうのなにか。ワンチャンアリゴテあたりも候補になるだろうか。でもまあここは素直にこれでいいと思う。

フランス(ロワール)/ソーヴィニヨン/2020/13.5% 


 

ブラインドテイスティングWEEK46/2杯目

2杯目は難問だ。色合いは1杯目と酷似しているが、香りはまったく違う。蜜でもなく、バターでもなく、果実でもないんだけどとっても甘やかな、いわば果実感を伴わないアロマティック具合。

この感じは私のなかでイタリア。なんとも言えぬマルヴァジア感がある。飲んでみると、アロマティック感がありながらも酸味で勝負するタイプではないのでイタリアの真ん中から下らへんと予想。そもそも今自宅で飲んでるエミリアロマーニャのワインに酷似してるんですよこの味筋。

エッダとか、サイゼで売られている素晴らしいワイン・オーリみたいな味わい。マルヴァジアビアンコとか、フィアーノとかか。

勝ちに行くと言っておきながらフィアーノと回答していいのか、という問いが脳裏を渦巻くところだが、フィアーノでいっちゃう。

イタリア(カンパーニャ)/フィアーノ/2022/14.5%


ブラインドテイスティングWEEK46/3杯目

色は薄めだがしっかりとした果実と渋みがある美味しいワイン。お肉ください、それも血のしたたるやつを、と元気よくオーダーしたくなるようなワインだ。

色からの印象はピノ・ノワールだが、香りがピノノワールっぽくない。 少しくぐもった、陰性の香り。炭とか品のいい毛皮とか、果実・花よりも少しワイルド寄りの印象を受ける。

てことはこれはシラーでいいんじゃないでしょうか。ガルナッチャとかサンソーとかありえそうだけどこれはシラー。ただしローヌかと言われると違う気がする。

この果実の感じ、酸もあって色が薄めの感じは新世界のクールクライメットシラーな気がする。南アの推し産地、ヘメルアンアードで行ってみよう! ジュリアン・スカールのシラーがこんなだった気がするし!

南アフリカ (ヘメルアンアード)/シラー/2021/13.5%


 

ブラインドテイスティングWEEK46の予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。

勝ちに行くと宣言しておきながら割とガチャガチャな予想をしてしまった結果全問不正解臭がほのかに漂うが気のせいだろう。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

このセット、初めて買ってみたけど満足度非常に高かった。目玉ワインのキアンティがおいしい。↓

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK45】

ブラインドテイスティングWEEK45に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成だ。

そして今回、1杯目の白より2杯目の白のほうが明らかに色が薄い。言ってしまえば1杯目は黄色、2杯目は透明だ。目に見えてる罠感がすごいが、順番通りに1→2の順で飲んでいこう。1杯目は樽の効いたシャルドネ、2杯目はヴィオニエと予想(気が早い)!

 

 ブラインドテイスティングWEEK45/1杯目

とはいえ、割と予想通りというか、1杯目のグラスからは蜜っぽい香りが強めに漂ってくる。しかしわずかに還元的な香りもしていて、樽ではなさそう。ステンレスタンク発酵のシャルドネ……ルイ・ジャドのスチールシャルドネとか、アンオークトなシャルドネの香りがするような気がする。

飲んでみてもその印象は覆らない。第一印象はハチミツレモンなのだが、レモン成分が多めで酸がしっかりとあって、かつキレイ。外観の割に中身はピュアな感じのワインだ。うまい。ちょい還元感あるけどそれもアクセントになっていて、わずかな苦味とともにおいしさを構成している気がする。

涼しい年のブルゴーニュ、2021年とかのやつで、タンク発酵してるやつ……っていうかその特徴って要するにシャブリじゃないの? という感がある。他、候補としては南半球のリースリングとかアリゴテも挙げられる気がするが、ここまできてシャブリという結論を曲げるほどのことはない気がする。


フランス (シャブリ)/シャルドネ/2021/13%

と予想した。ヴィンテージは悩ましい。2020でも、2022でもいい気がする。自信度は割と高めの40%でお願いします。

ブラインドテイスティングWEEK45/2杯目

さて、次は2杯目だ。色は非常に薄く、ゴールドよりはシルバーの印象。わずかにゴールドを帯びたいい感じのフォークみたいな硬質でメタリックな色。香りは1杯目の印象に近く、酸を予感させる香りで、わずかに蜜の印象が乗る。少しのハーブっぽさもあって、現時点での予想はアリゴテ、ソーヴィニヨン・ブランリースリングとかそっち系。どっち系かといえばアロマティックじゃなくて酸が主体の野郎ども、だ。

飲んだ印象は中庸で、あにはからんや、酸が主体だ。アリゴテ、リースリングではない。あとなんですか酸が主体の品種っつったら。ああ、甲州。先週出た甲州ね(行ってはいけない方向の予想)。あと北海道のみなさんなにかご意見ありますか? え? ケルナー? ケルナーもうちょい甘やかな気がするんすよね、ありがとうございました。

というわけで脳内オーディエンスを使用したがあまり有力な意見が出ない。私がソーヴィニヨン・ブラント誤認しがちな品種でおなじみのアルバリーニョ、ソアヴェ(ガルルガーネガ)にガヴィ(コルテーゼ)といったイタリア連合のみなさん、新世界からハンター・セミヨンといったみなさんもこっちをチラチラみている気がするが、今回は素直にソーヴィニヨン・ブランで行こう。正解じゃない気がするけど他のを選ぶ根拠がない。自信度17.5%。当たったらラッキー。

ニュージーランドマールボロ)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/12.5% 


 

ブラインドテイスティングWEEK45/3杯目

最後、3杯目は赤ワインで外観は深めのガーネット。色は深いが清澄度は高いタイプ。香りは革っぽさ、葉巻のようなスモーキーな香り、カシス、ロッテのブルーベリーガムの包み紙。飲んでみるとかなりしっかり果実があって、かなりチャーミング。ロッテでブルーベリーガムを造っていた技術者が引退後に立ち上げたワイナリーの看板ワイン、みたいな味がする。要するに飲みやすく、おいしい。

おいしいのだがなんだろうこれ。もう少しスパイシーならオーストラリアのバロッサ・シラーズと答えると思う。色が濃くて意外と果実みたっぷりという意味ではプティ・ヴェルド……と言いたいが出ますかねプティ・ヴェルド。いや難問だなこれ。

いやでも待った、プーリアはあるか。プリミティーヴォはあるかもしれない。バニラ感もあるし、色は濃いし、最低限の酸が意外とある感じも含めてプリミティーヴォはありえる。だとしたらカリフォルニアのジンファンデルも選択肢に残さなければならないでしょうどう考えても。

これはどちらもあり得る。濃いっつってもそこまでドス濃いわけではないので官能検査的にはジンファンデルなのだが、ここは第一印象先輩の顔を立ててこちらにしよう。

イタリア(プーリア)/プリミティーヴォ/2020/14.5%

 

ブラインドテイスティングWEEK45の予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

フランス・ローヌの帝王「ギガル」のワインを飲む会開催! なにがおいしかった?

ローヌとギガル

「避けて通れない道」みたいなものがこの世にはある。日本映画ファンなら黒澤と小津は避けて通れない、みたいな。ワインだったらブルゴーニュボルドーシャンパーニュはどこをどう考えても避けて通れない。ではジュラやサヴォワは? これは避けて通れるっちゃ通れそう。ロワールは……ギリいける。間一髪縫っていける気がする。

しかしローヌはダメだ。どうしても避けて通れない。シラー単体、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのGSMブレンド、さらにはヴィオニエと魅惑の品種(ブレンド)が多すぎるし、それらの世界的広がりがありすぎて、避けて通ろうにもどうしてもブチ当たる。

そのローヌを代表する造り手がギガルだ。北ローヌの主要なアペラシオンを網羅し、どれを飲んでもハズレがなく、またアペラシオンの個性も忠実に表現されていると言われる。

ならば、ギガルを飲めばローヌがわかるということになるまいか。ということで、ギガルのワインだけを飲む会、「きがるにギガル会」を企画したところ、ど平日にも関わらず7名の方にお集まりいただいた。

ちなみに今回は私が発案者であり幹事でもあったため会の最中はなにかと忙しく、写真は一枚もない。文字ばっかりで読みにくくて恐縮だが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

ギガル会のワインリスト

まずワインリストがこちら。

泡に加えて白と赤それぞれ3本ずつの構成で、広域名→アペラシオン名→区画名的なやつ、と段々価格が高くなっていく構成。ちなみに、白は2020、赤は2017とヴィンテージも揃えた(どちらもローヌの良年)のだが、これは結果的にすごくいい結果につながった。

というわけで、ボトルバイボトルで会の模様を振り返っていこう。

 

【1杯目】ドメーヌ・ド・キュイロン「ヴィオニエ・メソッド・トラディション2021」

さて、このギガル会は最初の1杯だけが非・ギガル(ギガルは泡がない)で、ドメーヌ・ド・キュイロンのヴィオニエ・メソッド・トラディション2021。「標高が高すぎるという理由でコンドリューが名乗れない」というなんとも気の毒な畑で造るワインで、会はこの泡で乾杯するところからスタート。

ヴィオニエの泡は初めて飲んだが、2021VTとわずかに熟成していることもあってかスティルのヴィオニエの印象とは異なり、クリーミー。メソッド・トラディショナルであることもあり、まるでほんのちょっと熟成したシャンパーニュのブラン・ド・ブランみたいなワインだった。

こちらのワイン、提供時の温度が少し高かったかもと反省している。もっと冷やして飲みたいワインだったかもしれない。

 

【2杯目】コート・デュ・ローヌ・ブラン2020

でもって次に飲んだのがギガルのコート・デュ・ローヌ・ブラン2020。ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌ、クラレット、ブール・ブラン、グルナッシュ・ブランがブレンドされたややこしいワインだが、これがまあほんとに安い白ワインのお手本とはこれか、という仕上がり。

私はギガルのワインは赤ばかり飲んで白をほとんど飲んでなかったのだがこのクオリティには改めて驚愕。1000円台最強まであんじゃないすかこの白。

味わい的には「いいシャルドネ」以外のなにものでもない。マコンの3000円前後の白、とか言われたときに「なるほどね」みたいに言いそうな味筋だ。その半分くらいの実売価格でこのクオリティはお見事。

このあといいワインをたくさん飲んでどれも素晴らしかったのだが、不思議なことにこの広域ローヌ白の良さは最後まで色褪せなかった。普通「比べちゃうとしょぼい」になるところ、ずーっと「これはこれでうまい」だった。

 

【3杯目】コンドリュー2020

続いて飲んだのがコンドリュー2020だ。これは、今回飲んでみたかったワインの一つであるコンドリュー ラ・ドリアーヌ2020と飲み比べてみたくて用意したワインで、ヴィオニエ100%で造られている。コンドリュー は新樽1/3で8か月熟成、コンドリュー ラ・ドリアーヌは新樽率100%で8か月熟成+マロ発酵という違い。ちなみにギガルの新樽は自分たちで造っているのだそうだ。こだわりがエグい。

ヴィオニエの特徴は、アロマティックなのに酸が高くないところ。その印象が白桃などのストーンフルーツ感につながっているのだが、このワインの印象はズバリ最上級のポカリ。ポカリプレミアム。ポカリプレミアムDX。

新樽で熟成させているからなのか、アロマティックな印象は薄れ、シャルドネ的な厚みが感じられる。香りも桃感はあまりなく、むしろ紅茶のような印象になっている。参加者のみなさんのコメントは「放課後に飲んだ午後の紅茶」で、それもよくわかる。集まった善男善女みなしばし思い思いの郷愁に耽るの図となったのだった。

 

【4杯目】コンドリュー ラ・ドリアーヌ2020

だが、その印象を超えてきたのがやはり「コンドリュー ラ・ドリアーヌ2020」だったのだった。これはブラインドでヴィオニエと言い当てるのは私のレベルではほぼ不可能で、ブルゴーニュのすごくいいやつやすごくいいボルドー・ブランにも似た、フランスのおいしい白ワイン味がする。前に飲んだコンドリューよりも、さらにアロマティック感は少なめだ。

新樽で品種の個性が覆い隠されているのかといえばそんなことはなく、言われてみればたしかにヴィオニエ。ヴィオニエが持つ華やかさを樽がブーストし、マロ発酵も経ているからか、黄金色のとろっとろうまい液へと変化している。すごいなヴィオニエ、新樽100に負けない力が君にはあったのだね…!

今飲んでもおいしいが、あと何年か経ってから飲んでもまたおいしそうという素晴らしいワインだった。ありがとう、ラ・ドリアーヌ。

 

【5杯目】コート・デュ・ローヌ ルージュ 2017

そして会は赤ゾーンへと突入していく。まず飲むのは白同様、広域ローヌから。シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのGSMブレンドで、ワイン高騰が著しい昨今でも2000円を切る価格で手に入る安ワインだが、この2017VTはVTからプラス7年の今飲んで余裕でおいしい。

思えばこれは「シラーっておいしいな」と初めて思った3-4年前のころにツイッターでおすすめしてもらったワインなのであった。あの日教えてもらったことが今日のギガル会につながっていて、私は今も1000円台で買える世界でももっとも偉大なワインがギガルのコート・デュ・ローヌ赤白だと思っている。ありがとうございます。

シラーが中心でありながらグルナッシュ、ムールヴェードルが加わることで非常にバランスが良い。果実が主体の味わいなので、とっつきやすさも抜群だ。

2017は2000円を上回るけど、ご興味あれば。味わいに対しては間違いなく安い

 

【6杯目】シャトー・ヌフ・デュ・パプ ルージュ 2017

そして、次に開けたシャトー・ヌフ・デュ・パプ2017がこのイベントの影の主役的存在となった。金額的にはこの会では下から数えたほうが早いワインだが、なんと参加8名中3名が「今日のベスト」に挙げる大健闘具合だったのだ。

グルナッシュ70%、ムールヴェードル15%、シラー10%、その他5%というGSMブレンド。ステンレスタンクで発酵し、36か月大樽で発酵させたというワインだが、まさにピークの絶頂にあるような味わいだったと思う。

たっぷりとした果実があり、それを支える酸があり、おそらくは7年の歳月によって角の取れた渋みが指揮者のように全体を調和させていた。2017という大波の真上に立ったかのような乗るしかないこのビッグウェーブに状態。みなさん、ギガルのCNDP2017は見かけたら買ってください。

 

【7杯目】シャトー・ダンピュイ 2017

シャトーヌフ・デュ・パプが波の真上だとしたら、来るべき波に備えてパドリングしてる真っ最中みたいな状態だったのが、この日私が一番楽しみにしていたギガルのコートロティ、シャトー・ダンピュイ2017だった。ダンピュイ村はギガルの本拠地。本拠地キュヴェにハズレなしの法則に従って、これも大変おいしいワインだった。

セパージュはシラー93%、ヴィオニエ7%という北ローヌならではの感じ。果実は濃く、奥行きや深さもありつつヴィオニエが加わっていることによる独特な清涼感がなんとも良い。

前に飲んだCNDPが完全に調和していたのに対して、こちらはちょっとまだ荒々しい感じなきにしもあらずだがそのポテンシャルは間違いなく感じられるという飲む山下舜平太感のあるワインだったのだった急にオリックス・バファローズの投手にたとえて言うと

私はプロ野球絡みのイベントでいうとキャンプインの次にドラフト会議が好きなタイプの野球好きなので、こういう(ポテンシャルの高い)ワインをこういう(まだちょい早い)タイミングで飲むのが好き。故にこの日のベストはこれだと感じた。すべてが溶け合う前の、まだちょっと青い感じが好きなんです。好きなんです!

 

【8杯目】エルミタージュ・ブラン エクス・ヴォト 2001

さて、これで用意したワインは全部開いた……のだが会はまだまだ終わらない。参加者の一人・DHGさんがとんでもないワインを持ち込んでくれていたのだった。それが良年にしか造られないギガルの白の最高峰「エルミタージュ・ブラン エクス・ヴォト」、それも2001年ヴィンテージ(!)。今買おうと思ったらこれ1本でそれ以外の私の用意した7本より余裕で高額、という恐ろしいワインである。

なんでもDHGさん、コート・デュ・ローヌ(安い)と間違えてコート・ロティ(高い)を飲んで以来のローヌ好きなのだそうで、このエクス・ヴォトはワインにハマった頃に勢いで購入、その後長くセラーで眠り続けていたのをこのギガル会をいい機会だとお持ち込みいただいたのだったありがてえありがてえ。

マルサンヌ90%とルーサンヌ10%を100%新樽発酵、100%新樽熟成させたというワイン。色はかなり褐色に近づいており、23年の時の経過を感じさせる。そしてグラスに接近して驚いた、「ど…ドンペリ!?」というのが第一印象だ。熟成したドン・ペリニヨン的な、ものすごく芳醇な熟成香がする。マルサンヌ(とルーサンヌ)ってこんな感じになんの!?

DHGさん家のセラーで約20年眠っていたこのワイン、四半世紀に近い時を経て、飲んでみても熟成がかなり進んでいる。2020年の白ワインとは明らかに異なる、芳醇・豊穣・爛熟の極み。ワインという領域を逸脱し、エクス・ヴォト(神への供物)に相応しい神性を帯びた味わいになっている。いやはやすごい。DHGさんに改めて感謝したい。

 

ギガル会を終えて

というわけでギガル会は終わった。アペラシオンごとの個性までつかめたかと言われればそんな簡単なものではなかったが、新樽発酵・熟成させたヴィオニエがまるでシャルドネのような味わいになることがわかったし、マルサンヌとルーサンヌのポテンシャルも知ることができた。そしてローヌの2017年は間違いなくいい年だ。2017の赤と2020の白を3本ずつ飲み比べたときに、現時点でおいしかったのは2017年の赤だった。とくにシャトーヌフ・デュ・パプ ルージュは間違いなくコスパNO.1だったと思う。

そしてなにより「ローヌの個性」「ローヌの魅力」は確実にインストールすることができたのだった。

お店は牛込神楽坂のラビチュード。事前にワインを持ち込んでいたこともあり、ワインに寄せた料理をちょこちょこ提供してくださり、終わってみればお腹も満足。いいお店、いい人といい会ができてよかった。

お集まりいただいた皆様に感謝。またきがるにギガル飲みましょう!

 

 

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK44】

ブラインドテイスティングWEEK44に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白1、赤2のオーソドックスな構成。先週は1杯目に出たドイツのピノ・ブランが正解者ゼロ。それを踏まえて今週はどんな問題が出されるのだろうか?

とはいえ、「グラスの外」の情報は一切無視し、あくまでグラスの中身と向き合っていきたい所存だ。早速いってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK44/1杯目

さて1杯目は白ワイン。外観は透明と黄色とゴールドが作る三角地帯のど真ん中、みたいな色合い。なんていうか、ごく普通の白ワイン色だ。

香りは弱め。蜜っぽさ、バニラっぽさがないこともあってステンレスタンクっぽさを感じる。

飲んでみると、これ確実に飲んだことあるよって味がする。確実に飲んだことがあるので絶対に当てたいのだが、会ったことが100%あるのに名前が1ミリも思い出せない人とパーティで出くわしたしたときみたいな気分。えーっとお名前……なんでしたっけ?

味わいは杏のような甘ずっぱい印象に、少しの苦味。わずかにナッティなニュアンスと塩味に似たなにか。甘さやや強く、酸はやや多め。アロマティックまでギリいかないニュートラルな味わい。なんだろうこれ……イタリアのピノグリージョか、あるいはスペインのアルバリーニョか。

極々わずかに発泡しているっていうか「さっきまで発泡してました」みたいな雰囲気があるのでヴィーニョ・ヴェルデ的ななにかもワンチャンあるかもしれない。

わからない。ならばせっかくなので一度も当てたことのない品種で勝負してみよう。

スペイン/リアス・バイシャス/アルバリーニョ/12.5%/2022
と予想した。自信度は10%だ。

 

ブラインドテイスティングWEEK44/2杯目

2杯目は薄めの落ち着いたルビー色をした赤ワイン。キレイに透き通っていて、伝統的な造りを思わせる。

香りはなんすかねこれ。年季の入ったバーに入店した時の香り。少し燻したような木の香りと、カゴに盛られた野生のベリー類の香り。アルコール感もある。

飲んでみると渋みしっかり、酸味しっかり、果実もいる。いや、これは普通においしいピノ・ノワールじゃないんすかね。

と思ったがちょっと待った。この妙に陰性な感じはネッビオーロも全然あり得る。一方陽気さがないのでエレガント系グルナッシュとかではないと思う。ネレッロ・マスカレーゼ……じゃないでしょう多分。

ピノかネッビか。これはガチで2択でいいと思う。いやでもこれはピノ・ノワールだ。自信度50%でこう予想した。

フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13%


ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

さて最後は一転、非常に濃くてインキーな青紫色みたいな外観の赤ワイン。スワリングしてみると液体がグラスにへばりつくアメーバ状態で粘性は高め。

香りは樽っぽい香りにベリーの香り。オッス、オラ、新世界の赤!  と自己主張してくるようなシンプルな香りで、飲んでみた印象もそのまんま。力強くて果実たっぷり。渋みと酸味がカレーにおける福神漬けとラッキョウ的な立ち位置で添えられている。少しスパイシーさもあって、少し緑っぽさもある。

新世界の赤。熟成させずに収穫から3、4年で飲み切っちゃおうっていう早飲みタイプ……な気がする。とてもとっつきやすくておいしいワインだ。

なんとなく、フランスの品種が国外で発展しました、みたいな印象を受ける。アルゼンチンのマルベックとか、チリのカルメネールとか。味わいの柔らかさからはメルロー、後味に野菜っぽさがあるのでカベルネ・ソーヴィニヨンもあると思う。いずれにせよ王道品種、その新世界バージョン。

いやでもこれチリな気がするな。そんなに高くない、ガブガブ飲んでぐるぐる回る、おいしいチリワインであるような気がする。これも奇をてらわずにいっちゃおう。

チリ(セントラル・ヴァレー)/カルメネール/2022/14.5%

と予想した。自信度は30%くらいか。カベソーかなあ。カベソーな気もするが、なんか今夜はカルメネールって言いたい気分だ。そんな気分あるんだ。

 

ブラインドテイスティングWEEK44予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。(ちなみに回答用紙は撮り忘れました)

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目

予想:
スペイン/リアス・バイシャス/アルバリーニョ/12.5%/2022
正解:ポルトガル(ミーニョ)/ロウレイロ、アザル、アリント、トラジャドゥーラ/2022/12%
 


シュワシュワしてんだからそりゃヴィーニョ・ヴェルデなんだよ! というわけで、私名物・カスってはいたが不正解だった。

聞けばヴィーニョ・ヴェルデは初登場だったのだそうで、当てたらカッコよかった。残念。

 

ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目

予想:
フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13%
正解:フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/12.5%
 

2杯目は見事に正解。とはいえ、73人中44人が品種を正解したそうでこれは比較的簡単な問題だったようだ。比較的簡単な問題ばっかり出して欲しい。

 

ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目

予想:
チリ(セントラル・ヴァレー)/カルメネール/2022/14.5%

正解:オーストラリア(マーガレット・リヴァー)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2022/14%
 

「新世界のカベルネ的ななにか」という「白人男性」くらいの大雑把な予想は当たったが、チリでもカルメネールでもなくオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンだったという私の予想解像度の低さを露呈する結果となった。

これ、過去にも多分間違えていて、私はたぶんオーストラリアのカベルネを一度も正解できていない。オーストラリアはシラーズばっかり履修してて、カベルネはほぼ未履修。ちょっとオーストラリアのカベルネ買ってきます。

終結果は2問目がほぼパーフェクトだったこともあり5問正解とまずまず。

「ヒマさんはさ、(発表される5位以内には全然入んないけど)10位以内とかには結構入っているわけよ。もうちょいなんだよね」

という沼田店長の慰め(?)の言葉を背に受けて、来週は久しぶりのベスト5入りに向けて頑張りたい所存だ。

 

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK43】

ブラインドテイスティングWEEK43に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成。

ちなみに先週は風邪でダウンして参加できなかったのだが、休養日明けにホームランを連発する大谷翔平の気分で休み明けならではの好成績を期待したいところ。私はただ酒を飲むだけだけど。

 

ブラインドテイスティングWEEK43/1杯目

さて1杯目はやや薄めのシルバーゴールド(どっちだよ)といった金属質な色合い。香りにもどこかステンレスのような岩のような感じがあり、蜜っぽさも漂ってくる。

飲んでみるとまずくるのは切れ味鋭い錐のような酸。ついで甘みと少しの苦味がついてくる。

第一印象はリースリングだ。ていうかリースリングだと思う。恐ろしいのはソーヴィニヨン・ブランである確率が一定あることなのだが、ほんのわずか、あるかなきかの石油香もある気がするので、今回はリースリングで行ってみる。

ただこれドイツじゃない気がするんだよな。オーストラリアかチリあたり。なんだけど、そのあたり自分あんま土地勘ないのでここはドイツにしておこう。無難に最大の産地でお願いします!

ドイツ (ラインヘッセン)/リースリング/2022/12.5%


こう予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK/2杯目

外観は1杯目に似ているが、もう少しゴールド寄り。食用の白ブドウのような甘やかな香り。ハチミツの巣みたいな雰囲気。なんだろうこれアロマティックな白かなと思って口に含んで仰天、シュワシュワしてる! しかも甘口! 2杯目が甘口、それも泡というのは初めてのパターンだ。2杯目に不意打ちの泡、これが今週沼田店長が仕掛けた罠か……!

でですね、友よ、いきなり結論を言おう。これはモスカート・ダスティだ。なぜか。私は以前ワインマーケット・パーティのブラインドテイスティングでモスカート・ダスティが出た際、それまでモスカート・ダスティを飲んだことがなかったことで回答できず、悔しくてモスカート・ダスティを買って飲んだ、という経験をしているからだ。

だからモスカート・ダスティなのだこれは。この甘い感じと白ブドウ感。Yeah、めっちゃモスカート・ダスティ。アルコール度数も7.5%くらいの感じがするし。甘口ヴィーニョ・ヴェルデとか甘口フリッツァンテとかもあり得るとは思うがあり得るからなんだってんだ!

イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2022/7.5% 


と、強い気持ちでモスカートと予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

2杯目に甘口が出た後で3杯目が赤なの難しすぎないですかね問題だ。案の定私の味覚レベルではワインから果実味をまったく感知できない。これはデザートを大福→イチゴの順に食べた状態と思われる。

なのだがこのワイン、飲んだ印象としては果実を感じないが実は果実のあるタイプな気がする。香りは意外と爽やかだ。獣っぽい感じやインキーな感じの少ない爽やかなグリーンノート。渋みと酸味はおだやかなタイプな気がする。

候補としてはカリフォルニアのカベルネか、ジンファンデルか。あるいはチリカベとかもありそう。ひとまず無難にこう予想しておこう。

アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2021/14%

ま、ぶっちゃけ口の中が甘くてさっぱりわからないっす。

 

ブラインドテイスティングWEEK43予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:1杯目

予想:
ドイツ (ラインヘッセン)/リースリング/2022/12.5%

正解:ドイツ(バーデン)/ピノ・ブラン/2022/12%
 


正解はピノ・ブラン。これ、参加95名で正解者ゼロだったそうだそうでしょうそうでしょうそりゃあそうでしょう。以前Amazonでドイツの白ワインセットを買ったことがあり、セットに入っていたリースリングとリヴァーナー(ミュラートゥルガウ)とヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)を飲み比べたことがあるが、もちろん記憶は皆無だ。とはいえ正解者ゼロということは、ぴたりと当てたらたった一人の正解者になれたということ。次回はそれを狙っていきたい(できるとは言ってない)。

リースリングっぽいけどリースリングじゃない気もする、主な理由は蜜の少なさ(と、ペトロールのなさ)。と思ったときに、今後はピノブランを疑おう。

 

ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:2杯目

予想:
イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2022/7.5% 

正解:イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2020/5.5%
 

というわけでこれは正解だ。これは正解なんですよ。モスカート・ダスティめっちゃ特徴的な味わいなのでこれは自分のなかで当てなきゃならんやつ。そして次同じ問題が出たときに深読みし過ぎて外すところまでがセット。

アルコール度数はかなり低めに感じたが、なんと5.5%。このあたりまだまだ解像度が低いので要反省だ。

 

ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:3杯目

予想:
アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2021/14%
正解:フランス(ボージョレ)/ガメイ/2022/13.5%
 

最後は案の定、甘口微発泡で味覚が破壊され、箸にも棒にもかからない、ここだけ違う人が鉛筆転がして予想してんじゃない? みたいな結果となった。ガメイが出ると、大概「うっわー、ガメイかーっ、当てられたなーチキショー!」みたいになるのだが(つまり大概外すのだが)、今回はそれもないくらい全然わからなかった。神々(ブラインドガチ勢)はこういう場合どうやって体勢を立て直すんだろうなあ。

今回のガメイはクリュ・ボジョレーのムーラン・ナ・ヴァン。箸にも棒にもかかってないのにアレだが、おいしいワインだったと思います。

というわけで、今回は12項目中4項目の正解だった。というわけで、恵比寿ワインマーケット・パーティでの毎週月火のブラインドテイスティング、大変楽しいでみんなで #パーティブラインド しましょう!

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK42】

ブラインドテイスティングWEEK42に臨んで

先週お休みを挟んで今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成。

通常同じ色のワインは薄い・濃いといったようにニュアンスが異なることが多いが、今週の白は色味的には薄い・薄いの組み合わせ。いきなり高難度が予想されるが張り切って行ってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK42/1杯目

さて1杯目だ。外観は薄めのイエローで、ゴールドっていうかややシルバー寄り。特徴的な華やかな蜂蜜的な香りがして、この時点でヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、トロンテスあたりのアロマティック勢が脳裏をよぎる。白桃が強ければヴィオニエ、ライチがいればゲヴュルツ、決め手がなければトロンテスで行くか…みたいな戦略で行きそうな気配。

しかし、飲んでみるとかなり酸のトーンが高く、かつかなりドライに感じる。ライチがいない(ような気がする)のでゲヴュルツではないような気がするし白桃っぽくもないし飲んでみると香りほどにはバラみもない。

むしろイタリアのガヴィとかソアヴェとかあのへんな気がする。ワンチャンアルバリーニョ……もあるかもしれない。新潟のアルバリーニョとか薄くワンチャンありそう。印象としてはかなりレモンだ。となるとガヴィかソアヴェでいきたくなる。

というわけで、
イタリア(ピエモンテ)/コルテーゼ/2022/12.5%
と予想した。ガヴィ、全然当たらないんだよな……予想しておいてなんだが早くも暗雲が立ち込めております。


ブラインドテイスティングWEEK42/2杯目

2杯目も外観はかなり薄めのイエローで、1杯目より強いて言えばやや濃いめかなくらい。とはいえ1杯目と2杯目がシャッフルされたらまったくわからなくなっちゃうくらい外観は似ている。

ただ、香りは全く異なっており、樽を思わせるバニラっぽい香りと蜜っぽい香りがする。ブルゴーニュとか、ロワールとか、いずれにしてもフランスワインっぽい香り。

飲んでみても印象は大きく変わらず、クラシックな造りの白ワインという印象だ。ロワールのシュナンブラン、あるいはサンセール、それかブルゴーニュのアリゴテの3つに決め打ちしていきたい。え、どれだろう。全然わかんない。

アリゴテがレモンで、ソーヴィニヨン・ブラングレフルで、シュナン・ブランがその中間とするならば、ほんのわずかにグレフルが勝ってる気がする。

フランス(ロワール)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/13%
と予想した。

ブラインドテイスティングWEEK42/3杯目

3杯目はここまで薄めだったのから一転、かなり濃いめのガーネット色をした赤ワインだ。味わいは渋みがメインで、続いて酸。果実は一番後ろっていうか卒業写真撮影当日にインフルエンザと診断されて泣く泣く丸囲みにされてしまった生徒、くらいのニュアンスでしか存在していない。そして、おお、これは品種を思わせるたしかな香り、イチゴキャンディっぽい香りがする。

この香りが出たならば選択肢は無限の広がりを持つこの宇宙にふたつ。マスカット・ベーリーAかガメイかだ。香り的にはベーリーAとも答えられる。しかし、ここまで色が濃く、骨格があってアルコール感もしっかりあるベーリーAってあるのかなともなる。暑い年のベーリーAをがっつり樽熟成させたらこうなる可能性ワンチャンあるだろうか。

いやでも、ここまでどっしりしたベーリーAは飲んだことがない。飲んだことのないものを予想するわけにはいかぬ。というわけで、
ブルゴーニュ/ガメイ/2020/13.5%
と予想した。今回はこれが当たってないと相当ヤバい。


ブラインドテイスティングWEEK42予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】
さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目

予想:イタリア(ピエモンテ)/コルテーゼ/2022/12.5%
正解:ドイツ(フランケン)/シルヴァーナー/2021/13%

ししし、シルヴァーナー!?!?!???!!?
 いやこれはまったくわからなかった。実はドイツは一瞬脳裏をよぎったのだがよぎったのはヴァイス・ブルグンダー(ピノブラン)で、これは黒ネコとハクビシンくらい違う。まったくもって考えもしなかった。

アロマティックっぽいけどアロマティックじゃない、すっきりした白ワインっていう、東か西かで言えば西、くらいの粒度での方向性は合っていたが、要するにかすりもしない不正解だった。無念。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目

予想:フランス(ロワール)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/13%


正解:フランス(ブルゴーニュ)/ソーヴィニヨン・ブラン/2018/13%

というわけでこれは割と当たった。ロワールのソーヴィニヨン・ブランブルゴーニュのアリゴテとで迷って正解はブルゴーニュソーヴィニヨン・ブランだったので不正解だったのになんか嬉しい、という奇妙な結果となった。一方で、酸化熟成っぽいニュアンスは感じていたのに言語化できず、結果的にヴィンテージを4年も間違えたのは
反省材料。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目

予想:ブルゴーニュ/ガメイ/2020/13.5%
正解:日本(山形)/マスカット・ベーリーA/2021/13%


こちらが今週の千葉県立やっちまった工業高等学校案件。ガメイとマスカットベーリーAという2択を外したのもそうだが、正解ワインの山形・朝日町ワインの「マイスターセレクション 遅摘み マスカット・ベーリーA」を私は飲んだことがあるのだ。しかもここワインマーケット・パーティで。そのときと全然違う印象だったんだよなあ。無念である。ノーマルリーチで外してもなんとも思わないけど激アツリーチで外すと本気で辛いのと似ている気持ちだ唐突にパチンコにたとえさせていただくと。

このワインを飲んだときの詳細はこちら↓

numero.jpというわけで、全体的に予想の方向性は間違っていなかった感があって手応えもないわけではないのだが、結果的には的中項目はわずか3つと寂しい結果となったのだった。しょぼん。

この赤セット良さそうなので買いました↓ お得感ある。