ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

セブンイレブンのカップワインを飲んで品種と原産国が気になったのでサントリーにメールしてみた【セブン プレミアム カップワイン】

「セブン プレミアム カップワイン」はどんなワインか?

多くのワイン好きの方がそうであるように、私はコンビニエンスストアに行くとお酒コーナーの前に行く。どんなワインが売られているかを見るためだ。私にとってワインのボトルは猫とか夕陽とかと同じで見るだけでいやされるものだからだ。

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セブンイレブンのワイン売り場でこちらを見つめるカップワイン(税込198円)。白だけ連れて帰りました。

実際に買うことはあまりないのだが、ある日バチコンと目があったので購入したのがセブンイレブンの「セブン プレミアム カップワイン」である。つい先日缶ワインを試したので、今度はさらにディープにカップワインに挑戦しようと思ったというのがことの次第だ。

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さて、調べるとこのカップワインは「セブン&アイグループとサントリーワインインターナショナルの株式会社の共同開発商品」であり、サントリースピリッツ(株)が製造していることがわかる。アルコール度数は10度。内容量は180mlで、原材料名には「濃縮還元ぶどう果汁(外国産)、輸入ワイン/酸化防止剤(亜硫酸塩)」とある。

セブンのカップワインの原材料の「ワイン」はどこから来たのか

そこでハタと気になった。このワイン、どんな品種のブドウを使っているんだろうか。そして、「濃縮還元ぶどう果汁(外国産)、輸入ワイン」とあるが、具体的にはどこに国からやってきたのだろうか?

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お前さん、どこの国のどんなブドウなんだい? とワインに問う。

気になる。気になるけれども、気になったところで答えはわからない。わからないなら聞くしかない、ということで、サントリーのお客様センターにメールをしてみたら、丁寧な回答が返ってきた。以下のようなものだ。

まず、輸入ワインの品種に関してが、以下のようなものだ。

様々なワインをブレンドして作っており、具体的なぶどう品種のご案内はしておりません。
年間を通じて一定の香りや味わいを保つように作っているため、使われているぶどうの収穫された年や、製造された時期によって品種が異なることもあり、ご案内がいたしかねており、誠に申し訳ございません。

続いて、輸入ワイン、ぶどう果汁の生産地に関しては、以下のような回答を得た。

「輸入ワイン」と「濃縮還元ぶどう果汁」の生産地(原産国)は、基本的に需給や品質管理により変更し、特定できないためお答えしておりません。
製造の時期によって異なりますが、主として南アメリカ、ヨーロッパからの原料を使用しています。

さすがだな、サントリー。対応が丁寧。メールが「季節の変わり目でございます。どうかお体を大切にお過ごしください。」で締められてたりして。今の所送る宛はないけれどもお中元にビールを贈るならサントリーだなプレモル一択だなと固く決意するレベルの丁寧さであります。

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「セブン プレミアム カップワイン 白」はどこから来たのか。

というわけで、基本「案内はしておりません」「お答えしておりません」という回答だが、「主として南アメリカ、ヨーロッパからの原料を使用」という情報が得られた。

国税庁のサイトを見ると、「輸入ワインには、一括表示欄に原産国名を表示する必要があります。」と書いてあるけれども、このカップワインの場合、濃縮果汁、輸入ワインを原材料とした国内製造ワインだから原産国名の表示は必要ないということなのだろうか(違ったらご指摘ください!)。いずれにしても、この件に関してここでは是非を論じない。なんすかね、真面目な話をする気はないけれども、ロバート・モンダヴィの言葉を借りれば「ワインは食料のようなもの」なので、もう少しトレーサビリティ的なものがあってもいい気がするような気がしなくもないけれども是非は論じないんだった。

セブン プレミアム カップワインを飲んでみた。

あとは、目の前にある主として南米とヨーロッパからやってきたなんらかのブドウから造られたワインとなんらかの濃縮果汁ブドウを原料に造られ、栃木県で瓶詰めされたこの一杯のカップワインを味わうのみである。ちなみに飲んだのは「白」です。

夕刻を待ち、コルクを抜栓、でもなく、スクリューキャップを回転、でもなく、プルタブを引き上げる、でもなく、カップのフタをペリリと剥がす。いいなあ、この瞬間。カップ酒にはカップ酒でしか演出できない時間があり、その時間を作り上げるているのがこのフタをペリリと剥がす瞬間だ。

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カップ酒の醍醐味はこのフタを剥がす(?)瞬間にある気がします。

で、飲んでみる。どこの国のどんなブドウから造られたどんなワインかは不明なだけに、シャルドネっぽいような、ソーヴィニヨン・ブランっぽいような、その他の品種のような味がする。よく言えば中庸で、悪く言えば凡庸となってしまうかもしれないけれどもアルコール度数の低さもあって、飲みやすいは飲みやすい。

以前、やんちゃな感じの友人が、カップアイスに白ワインと炭酸水を入れて、公園で飲むと最高っスと言っていたが、そのような用途に使用した場合、麻雀でいうところのカンチャンをズッポシ引いたときのような合い方をたしかにしそうに思える。

ユースケースとしては、やはりなんといってもおれたちの東海道新幹線だろう。夕方、おひとり様専用の飲み屋列車状態の東海道新幹線のぞみ号新大阪発東京行きの車中で、ビールでもハイボールでもチューハイでもなくこれを飲む。白で名古屋の手前まで。赤で静岡を過ぎたあたりまで飲んで、残りの時間をウトウトしてるうちに終点までたどり着き、帰宅後飲み直す、みたいなのは悪くなさそうだ。グラスの問題がないのは強い。やりたい。

どちらも保存容器でありグラスの役割も兼ねられるという点で共通点のある缶との違いは、保存や品質管理といった点を除いた純ユーザ目線で見た場合、「中身が見える」というこの一点に尽きるだろう。口を開けたときのなみなみとした水面の具合、チュウチュウと、飲むというより吸うの体で飲み進めたときに中身が減っていくのが可視化される良さはカップならではの良さと言えそう。

甲子園でカチ割り氷にぶち込んで飲んだらおいしいだろうな、と、2020年、甲子園のない夏の入り口で思う6月の夜だった。

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楽天スーパーセールが開催中なので予算3万5000円でワインを16本買ってみた。【2020年6月】

楽天スーパーセールは戦(いくさ)である

ワインをまとめ買いする良い機会である楽天スーパーセールに乗り遅れてしまった。セールの開始は2020年6月4日20時であることをうっかり失念し、今朝6月5日にチェックすると、あれを買おうこれも買おうとカートに放り込んでいた商品のうちのいくつかが、すでに完売になっていたのだ。

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月初にセールがあったので、今月飲むワインをまとめ買いしました。

これは私の認識が甘かった。世の中のワイン好きの兵(ツワモノ)のみなさんの動きの鋭さ・苛烈さを私は絶望的に甘く見ていた。まさに風林火山、(セール品を買うのが)疾きこと風の如く、(なのにセール開始前)徐かなること林の如し(セール開始と同時に)侵掠すること火の如し、(買い物が済んだ後は)動かざること山の如しで世のワイン好きのみなさんはなんでしょうか、武田二十四将の末裔かなんかなのでしょうか。私には、風林火山の旗差物を背負い、槍(マウス)をしごいてセール品をポチりまくるワイン兵(つわもの)の姿がたしかに見えた。楽天スーパーセールは戦だ。

楽天スーパーセールはドラフト会議である

とはいえ、ドラフト1位の抽選に外れたならば外れ1位を指名するまでのことであり、トリプルスリーを3回達成した名選手・山田哲人もドラフトでは外れ・外れ1位指名である。残り物には福があるんだ手の届かないブドウはすっぱいに違いないんだとポチポチ6月に飲むワインを購入していったので以下にそれを公開する。ちなみに予算は3万5000円を用意した。

まず、ドラフト1位で指名したのが「CAVE de L NAOTAKA」の魅惑の辛口シャンパーニュ4本セット9999円だ。6本セット1万5000円と悩みに悩んだが、最終的にここに落ち着いた。毎週末シャンパーニュがこれにて確定。梅雨入りが予想される東京は1年でもっとも冴えない季節を迎えるが、シャンパーニュを開ければ世界中どこでもそこがシャンパーニュである。

続いて、ドラフト2位指名したのはしあわせワイン倶楽部で購入のシックス・エイト・ナインの最新作「キラードロップ」3828円だ。「シックス・エイト・ナイン」も、同セラーの「サブスタンス」もおいしかったので、すごく楽しみだ。

そして、ドラフト中位では葡萄畑ココスでジョセフ・ドルーアンの「ボジョレー・ヴィラージュ」(1782円)「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」(3234円)の左右の好投手を指名し、スペインはバスク地方から「ゲタリアコ チャコリーナ ホワイト」選手(2112円)、ギリシャからは「ミロナス ワイナリー マラグジア」選手(2068円)の獲得に成功した。ドルーアン高校の左右の二枚看板を指名できて担当スカウトも思わずニッコリ。そしてチャコリとギリシャワインはともに初めての指名で、これも非常に楽しみ。

下位ではエノテカの「6月のおすすめ赤ワイン3本セット」(5500円)と“今月の送料無料ワイン”である「ドメーヌ・ド・ヴィルマジュー・コルビエール・ブートナック」(2530円)の即戦力選手たちを指名した。エノテカの送料無料ワインは先月飲んだ「カイケン ウルトラ マルベック」がおいしかったので、“枠”を再購入した格好だ。

そして育成ドラフトでは「ワイン&ワインセラー セラー専科」で半額になっていた「ヘス シャーテイル ランチス シャルドネ」(1540円)そして「デュラス コート・デュ・ローヌ サン・エスプリ」(各880円)を赤白兄弟指名し、2020年6月のドラフトは選択終了とあいなった。最後の3本は半額セールのため育成指名扱いとしたが、無論、初年度から支配下登録され一軍で大活躍することを期待しているワインたちだ。

楽天スーパーセール、終わってみれば16本を無事購入

購入したのは2セット+9本の軽16本。内訳は、泡4本、赤8本、白4本。金額は、セットを除けば3000円台が2本、2000円台が3本、1000円台が2本、1000円以下が2本で購入総額はクーポンで割り引かれたり送料が加わったりも含めて3万5176円税込と、ほぼ予算ピッタリ。暑い時期なので白がもう少し指名できたら良かったが、満足のいくドラフトとなった。

プロ野球のドラフト会議が成功だったか、失敗だったかを判断できるかのは早くて3年後、本当に評価できるのは指名した選手が全員引退した後だと言われるが、ワインの場合すぐ飲んじゃうので今回のドラフトの成否もたぶんひと月後くらいに判明するのがいいところ。

各ワインの評価はまた追って記したいと思う。楽しみだなあ。

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「サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン」SUBMISSIONの言葉の意味と、価格や感想をまとめてみた。【SUBMISSION CABERNET SAUVIGNON】

「サブミッション」の言葉の意味をご存知か

ワインは本当に多くのことをわたしに教えてくれる。

昨夜飲んだのは689セラーズの「サブミッション」なのだが、みなさんはサブミッションってどんな意味かご存知だろうか?

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689セラーズの「サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン」を飲みました。

私は「関節」という意味だと思っていた。信じ込んでいた。理由は簡単で、格闘技で関節技のことを「サブミッション」あるいは「サブミッション・ホールド」と呼ぶからだ。

藤原喜明の脇固め、武藤敬司の足4の字、永田裕志ナガタロック……格闘技っていうかプロレスの世界には有名な関節技が多くあり、いま「藤原喜明 サブミッション」で検索したら藤原喜明のサブミッションセミナーっていうのが出てきてなにそれ行きたすぎる(もう終わってました)。

これが幼少期から刷り込まれていたため、
「サブミッション/ホールド」=「関節/技」
という図式が私の脳裏には「月極=げっきょく(つきぎめ)」とか「台風一家(台風一過)」レベルで焼き付いていたのだ。

でですね、関節は「ジョイント」です。サブミッションではなくて。で、サブミッションとはなにかといえば「服従、降伏」みたいなことらしいですよみなさん知ってました? ガチのマジで知らなかった。ワインの名前が関節技ってどういうことだよ(笑)みたいに思っていた自分が恥ずかしすぎる。(笑)とか言ってる場合じゃないレベルだよ!

689セラーズとサブミッション

というわけで、そんな恥ずかしさを抱えながら昨夜は689セラーズの「サブミッション」を飲んだ次第だ。

ワイン業界で長くマーケターとして活躍していたカーティス・マクブライドが、長年の友人であるワインメーカーのケント・ラスムーセンと組んで立ち上げたのが689セラーズ。ナパバレーを本拠地とし、提携するワイン畑からのブドウでワインを造っているっていうからフランスでいうところのネゴシアン的なことをしてるってことで合ってますかね。いずれにせよ、長くワイン業界にいる経験から、カリフォルニア全土から良質なブドウを集めることができ、それによりコストパフォーマンスに優れたワインを造るのが689セラーズの特徴なのだとか。

ではサブミッションはどんなワインか。公式サイトを見てみると……全五章にわたる謎のポエム的な文章が掲載されている。以下に(雑に)訳出してみます(誤訳はご容赦あるいはご指摘ください)。

第一章
ここに来たのは久しぶりだ……すべてが変わり、しかしすべてが同じであるように感じられる。ここが、私が彼女とはじめて出会い、秘密が生まれた場所だ。

第二章
なぜ彼女は変わらないのだろうか。私は驚くべきではないのだろう。彼女が初めて会った日のように、今も複雑で美しいことに。

第三章
10年以上、その面影は私の心に浮かんでいる。雫の記憶。それを引き離すことはできず、すべての味わいは味わうごとに増していく。

第四章
実を結ぶことを彼女は望む。彼女は強い。これはコントロール不能なラブ・アフェアなのだ。

第五章
私が見たもの、私が抱き続け、私が味わってきたものをあなたも見る時は来た。そのときあなたはサブミッション<服従>を体験する。

これ以上の説明はなし。なんでしょうかこのポエムは。要するに「構想10年超! 一度飲んだら忘れられない『サブミッション』ついにリリース」みたいなことをポエム化したということでしょうか。洒落てんな、689セラーズ。マーケターがトップの企業だけあるな。

出会ってしまったが最後男性を破滅させる魅力的な女性のことをファムファタルというが、そういったファムファタル的イメージをワインに重ねてるイメージだ。抗えない魅力に<服従=サブミッション>させられてしまう。抗えない魅力に<関節=サブミッション>を極められてしまう。あれこっちでも意外とイケるんじゃないですかね。美しい女性に関節技を極められたい。男はみんな心のどこかにサブミッション願望を抱えて生きる孤独な魂であります。

サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨンの味わい

さて、ではその味わいはいかがなものか。カベルネ・ソーヴィニヨンメルロー(比率不明)を使用し、新樽率30%のオーク樽で10カ月熟成したという2017ビンテージをグラスに注いで飲んだ印象はこれはもうブドウの風呂。お風呂。飲むというより入浴レベルで味わいが感じられる濃厚さ。五右衛門風呂にブドウを詰めて40度に熱した中に身を浸しながら飲んでるみたいな気分になる。超おいしいけど食事とかは選ぶ感じだけにアメリカのステーキ屋で巨大なTボーンステーキとかを顎の筋トレのごとくに噛み締めながら流し込むにはさぞかし合うでしょう、そりゃあという味わいだ。

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vivinoの評価は3.9点と高い。そりゃそうだ。

濃い・甘いっていうワインだと思うので苦手な人もおられるかと思うけれども、購入価格2178円、税抜き1000円台で買える赤ワインとして、私が飲んだ中ではベストのひとつです。サブミッション(白旗を掲げながら)!

このセットを買おうかどうか悩み中。ベントもおいしかったしほかも気になる。

「サラ・ビべ・ブリュット」ドローレス・サラ・ビべという女性とメキシコ泡の意外な関係【SALA VIVE BRUT】

サラ・ビべ ブリュットのキャップに描かれた女性は誰だ?

昨夜はメキシコのスパークリングワイン、サラ・ビべ・ブリュットを飲んだ。購入したのは近所のイオン系列のスーパー、まいばすけっと。AEONdeWINEで確認すると、価格は968円税込と非常に安い。昨年の夏、ヤクルトスワローズの梅野勇吾投手の登板頻度(68登板)を思わせる頻度で飲んでいたこのワインだが、考えてみると「メキシコ産」であること以外何も知らない。そして再び手にして気がついた。キャップに誰かいますね、これ。

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この女性は一体……?

というわけで、サラ・ビベ・ブリュットについて調べてみると、激動の時代と波乱の人生を生きた女性、ドローレス・サラ・ビべをめぐる物語が秘められていたのでわたしの話を聞いてください。

ドローレス・サラ・ビべの波乱万丈の人生

舞台は19世紀のスペイン。カタルーニャ州ペネデスに、ラ・フレシネーダという農場があった。そして1911年、農場の所有者のペドロ・フェラーと、ワイナリー「カサ・サラ」創業者の孫娘であるドローレス・サラ・ビべが結婚したところから物語は始まる。

醸造家でもあったサラ・ビべと、敏腕セールスマンだったペドロは手を携えてワイン造りに励む。折しも1890〜1910年代のフィロキセラ禍を機に、ふたりは黒ブドウを白ブドウ品種に植え替え、1914年にはスパークリングワイン生産に参入、ビジネスを成長させ、1930年代には世界進出を果たすまでになる。

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サラ・ビべ ブリュットを飲みました。

しかし、悲劇が訪れる。1930年代後半に勃発したスペイン内戦で夫ペドロと、ふたりの長男が死去。ドローレスは悲しみも負けず、3人の娘とともに経営に邁進。農場の名前「ラ・フレシネーダ」にちなんでつけられた「フレシネ社」がやがて“世界NO.1カヴァ”と呼ばれるまでになる、その礎を築くに至る……。

というわけで、フレシネの創業者だった。すごい人だった、サラ・ビべ。しかもその人生、朝ドラみたいだった。連続テレビ小説みたいだった。連続テレビ小説「サラちゃんのブドウ」とかあってもおかしくないレベル。サラ・ビベ、なんとなくの語感からスペイン語で「泡、万歳!」とかそんな感じの意味かな? と思っていた30分くらい前までの己を深く恥じたい。波乱万丈の人生を送った女性、サラ・ビべをその名に冠したワイン、それがサラ・ビべ・ブリュットだったのだ。

18カ月熟成の味わいは? サラ・ビべ・ブリュットを飲んでみた

サラ・ビべ・ワイナリーはフレシネがメキシコで手がけるワイナリー。そして、サラ・ビべ・ブリュットはピノ・ノワールシャルドネサンテミリオンの3種のブドウを用い、瓶内二次発酵、18カ月以上熟成させるのだそうだ。おいしいわけだわ。

というわけで、久しぶりに飲んだ。よく晴れた休日に、ガレージに簡易テントを設営、宅配ピザをつまみながら飲む、というもうこれなに飲んだって最高なんじゃないか、というシチュエーションではあったものの、やっぱり非常においしく飲んだ。

昨年と今年のわたしを大きく分かつのは、カクヤス500円泡を集中して飲んだことによる安泡に対する知見だ。かつてラッパーのzeebraは悪そうな奴はだいたい友達とラップしたが私には安そうな泡はだいたいこの味、という低いハードルがある。その物差しで測った場合、やっぱりサラ・ビベは値段に対しておいしいと思う。泡が細かくて。飲んだあとの喉の奥でまだ泡立ってるみたいな感覚がある。メキシコで飲んだらうまいだろうなあ。コロナビールにライム入れて飲んだときのあの爽快感を上品にして苦味を抑え果実味を加えるとサラ・ビベの味になる(ならない)。

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vivinoの点数は衝撃の2.8点。わたしの感覚のあてにならなさが良くわかる。おいしいと思うんだけどなあ。

1930年代、ドローレス・サラ・ビべは、スパークリングワイン事業を世界に展開する理由を夫とともにこう説明したという。「お祝いは世界中の人々が行うことであり、私たちのカヴァはその一部であるはずです。」これは素晴らしい言葉だと思う。

メキシコを舞台にしたディズニー/ピクサーの名作映画『リメンバー・ミー』の世界では、死者は祭壇に写真が飾られているか、あるいは誰かが覚えていてくれる限り、死者の国で生き続けることができる。

ドローレス・サラ・ビべは、永遠に生き続けるだろう。世界にお祝いがある限り。そしてわたしは今夜も元気にワインが飲めることを祝うべく、サラ・ビベをこの夏も飲む。梅野勇吾投手の登板数くらいに。

バロークス プレミアムバブリー シャルドネ。缶入りスパークリングワインを飲んでみた。【Barokes prmium bubbly chardonnay】

缶スパークリングワイン「バロークス」の魅力

ツイッターで缶ワインの話題が盛り上がっているなあと思いながら近所のスーパーに行ったらドリンク・ミーみたいな眼差しでこちらを見つめてくる缶ワインがあったのでお迎えした。「バロークス プレミアムバブリー シャルドネ」がそれである。

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バロークス プレミアムバブリー シャルドネを飲みました。

実は私はバロークスの缶ワインを昨夏週一ペースで飲んでいた。屋外で開かれるなんかのパーティとかに行くと最初にサーブされる一杯の泡、あれが好きで、あの感じを家で味わうにはバロークスの250ml缶がベストと感じていたのだ。

ただ、ここ最近はとんとご無沙汰していた。その理由は単純で、カクヤス500円泡の登場によってである。バロークス1缶400円とか。カクヤス500円泡、500円。容量約3倍。あとは推して知るべしで、最近はもっぱらカクヤス500円泡を飲んでいたという次第だ。

しかし、この考えは言わずもがな痩せた考えで、それならばワインは値段が低ければ低いほうがいいということになってしまう。わたしにとってワインは多様性の海に漕ぎ出すための船であって、価格などといった基準だけで選べるものでは到底ない。

私はバロークスが好きだったのだ。缶に入ったそれを夏の夕方に注いで一口飲む、スッと汗が引くあの感じがいいな、わたし時間だな、わたしナウ・オンだなと感じていたのだ。いちいちストッパーをつけて冷蔵庫にしまって……みたいな手間がないのも素晴らしい。缶の底にチョビっと残って気が抜けてしまったのなら、そのあとに赤ワインと合わせる肉料理に入れて風味をつけるもをかし。

バロークスの技術の鍵「vinsafe」とは?

さて、バロークスに話を戻すと、この缶ワインの鍵を握るのがvinsafeなる技術であることがわかる。vinsafeとは、公式の説明によれば「ワイン、缶、および充填技術を組み込んだ統合システム」であり、それを採用することで「非vinsafe缶の2倍の長さ」の12カ月間品質が保証され、「ワインの完全性を最大5年間維持することが証明されています」とのこと。

ワインの品質管理について主に論じられる書籍「イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門」の著者は、強く、軽く、光やガスを通さないアルミ缶を「空気も微生物も遮断した状態で充填作業を行えるうえに、通常より少ない量の二酸化硫黄でも品質が9カ月ほど保てる」と評価しつつ、「さほど普及していない」理由を、「アルミ缶といえばビールという印象」「設備投資がかさむこと」そして「ガラスボトル以外の容器に対する人々の抵抗感」を挙げている。うむ、そうっすね。

これは電子書籍の普及の問題に似ている。電子書籍はなにをどう考えても便利だが、「紙以外のデバイスで長文のテキストを読むことに対する人々の抵抗感」によって、期待されたほどには普及していない。プロ野球セ・リーグにおけるDH制導入にも似たようなところがあって、投手も打席に入るのがセ・リーグの野球であるというDH制に対するセ・リーグ関係者の抵抗感によって導入が遅れているように思えるワインの話だった。

缶ワインと「気分」の問題について

ただ、これが無視できない議論であるのは間違いがない。書籍『GAFA 四騎士が創り変えた世界』に、スティーブ・ジョブズ最高の発明はほかのなんでもなく、アップルストアだという話が出てくる。レジの後ろにキーボードやむき出しのハードディスクが積み重ねられたPCショップでナードな店員から購入するものだったパソコンを、洗練されたブティックのような内装のショップで、知性と将来性に溢れているように見える店員から王のような扱いを受けて購入するものに変えた、それこそがジョブズの革命だという話だ。「マニアしか入れない雰囲気のショップに入ることに対する人々の抵抗感」をなくしたことで、アップルは天下をとった。消費者の購買行動において「気分」は死ぬほど重要だ。

缶ワインでは気分が出ない、という意見は間違いない。今夜こそ告白するぞと前のめりに臨んだデートでフランス料理店に行き、テキトーにワインを注文したら缶ワインが出てきた、となると現状そりゃまあちょっといっやー、どうですかね、缶。ここはボトルで出てほしかったです、僕、みたいになると思う。

一方で、一仕事終えてようやく涼しくなってきた夕方に、ベランダかなんかで風かなんか浴びながら、本格的に飲み始める前にサクっと飲む、ピンク色に染まる空を見ながら、みたいな状況においては、缶ワインの強みは大いに出てくる。あるいは飛行機の機内で飲むのにも良さそうだ(航空機内で供されるペットボトルワインは、酸素を透過するため寿命が3〜6カ月ほどになってしまうのだとか)。出張帰りの東海道新幹線で駅弁に合わせるシーンは想像するだけでたまらない。神宮球場の外野席でスワローズ対カープ戦を眺めながら飲むなんてのも乙でしょうなぁ。若い二人が井の頭公園で池かなんか見ながら、ベンチに二人で並んで座る。間にバロークス、とかもいいじゃないですか。うらやましいな、若い人。

バロークス プレミアムバブリー シャルドネを飲んでみた。

というわけで、缶ワインがさらに人口に膾炙していくかどうかを決めるのはマーケティングいかんにかかってるという超ふつうの意見に落ち着いてしまったのでもう飲む。

バロークスはふつうの泡とロゼを飲んでいたので、金色のこの缶ははじめて。どんな味かなと飲んでみたら……うまい! けど、泡、弱い!

味は本当においしいと思う。シャルドネ100%の泡の味を脳裏に描いていただいて、ややりんごみたいな味わい強めって考えていただければその味ですっていう味。なのだが、泡は弱い。微発泡って言いたいレベル。

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vivinoの点数は2.8点。この評価も、「缶である」っていうことが作用している気がする。

おいしいけどな〜、もう少しこう、シュワシュワしてるほうがいいなあ、と思っていてふと気がついた。「これ、缶のまま飲むべきなんじゃないか」と。だって缶なんだし。あのさあ、子どものころ缶コーラをコップに移してないだろう? そういうことだぞ、っていう心の声に従って、缶のまま飲んでみた。

うっま。

なんだこれ、しっかり泡を感じることができる。シュワシュワしてる。このワイン、缶のまま飲むようにチューニングされている!? 「缶で飲む」そのことにしっかりこだわって、このワインは造られている……!

以上はもちろん勝手に私が受信した怪電波にすぎないが、グラスで飲んだ場合と、缶のまま飲んだ場合の明らかな味わいの感じ方の違いからは、「缶ワインを造る」ことへのプライドみたいなものを感じたような気がしたのだった。

アルコール度数13%と意外と強くてイージー・トゥ・ドリンク。若い恋人たちは、バロークスを飲むべきだ。お外で。いいなあ。

 

2020年5月に飲んでおいしかったワインBEST3とワインでしあわせになるための方法についての私見

2020年5月は21本のワインを飲みました。

2020年5月、東京は新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう緊急事態宣言下にあった。都民には外出自粛が求められ、わたしも毎日乗っていた通勤電車に別れを告げて自宅で仕事をしていた。

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今月もワインが大変おいしかったです。

そんななか、飲んだワインは21本(多くはブログで取り上げたが、取り上げなかったものもある)であり、そのほとんどが1000〜2000円台のデイリーワインだった。購入総額は3万5000円くらいで、予算は3万円だったのでやや赤字だが、これは予算が悪かった。来月からは3万5000円で行こうと思います。

月初に購入したワインのまとめがこちら↓

himawine.hatenablog.com

と、ここでいきなり脱線するのだが、数年前まで私は1日2杯の酒を飲み、肴はとくにこだわらず、マイクが来たならほほえんで、オハコをひとつ歌うだけ、みたいなつつましい日本酒&ビール飲みだった。その当時飲んでいたのは四合瓶で1000〜2000円台の純米吟醸が中心であり、それを安酒と私は認識していなかったにも関わらず、いま1000円台のワインばかりを飲んでいる自分に対しわたしは、自分安ワインばっかり飲んでやして、へへへ、すいやせんね、みたいな自嘲的・自虐的気分を抱いている。しかし、それは大きな間違いではないかと思うようになってきた。

昔、とある尊敬する作家と偶然酒席をともにした際、その作家はこう言った。
「なんでもかんでも最高を求めるからダメなんですよ。みんなもっと低いほうがいい。最高裁判所があるんだから、最低裁判所もあったほうがいいんですよ」
それを聞いて私はこう思った。「なにを言っているのかわからない」と。しかし、同時に深く感動してもいた。なにを言っているかわからないけどとにかく感動した。前を向き、上を向くことを己に課し続ける人生はときに窮屈だからだ。ワインだってしかりで、上を見ればキリがない。1000円台のワインでも十分にしあわせになれる、その喜びを噛みしめるべきなのだ五大シャトーとか飲んでみたい(本音)。

1000円台のデイリーワインだからといってテキトーに造られているわけではない。エントリーモデルとして飲みやすさに特化していることも多いためむしろユーザフレンドリーなiPhoneSE的な良さがあることも多い気がする。というわけで、デイリーワインも最高だけど、いつかはいいワイン飲みたいな〜と100万人のワイン好きがいたら99万7800人くらいが言いそうなことを言って、今月飲んだおいしいワインを紹介するという本来の趣旨に戻る。

ブリュット・ダンジャン・フェイ

まず挙げたいのがシャンパーニュのブリュット・ダンジャン・フェイだ。ワインショップソムリエの白泡くじの末等、そのなかでも売価がもっとも安い、(そのワインくじのなかでいえば)まさしく最低レンジの景品であったが、そこはさすがシャンパーニュ。週末に近所イタリアンでテイクアウトした料理の数々と合わせると言った緊急事態宣言下の緊急事態シャンパーニュとして見事な役割を果たしてくれた。

ブリュット・ダンジャン・フェイの生産者のいる村のオブジェが最高↓

himawine.hatenablog.comまた飲みたいというか、また同じくじを引いた場合に当たるんじゃないかという気がなぜかしているワインだ。そのときには、私は親しみを込めてこう言いたい。「またお前か」と。

カイケン ウルトラ マルベック

続いては、エノテカの5月の送料無料ワインだったアルゼンチンの赤ワイン「カイケン ウルトラ マルベック」を挙げたい。エノテカの赤ワインくじを買う際に、1本から送料無料商品だという理由だけでテキトーに選んだ1本だったのだが、当該くじで当たった5000円台のワイン「クラレンドル・ルージュ サンテミリオン」よりもむしろ印象に残った。

himawine.hatenablog.comちなみに飲んだ第一印象は「このワイン、ブドウの味がする」という肉を食べて「肉の味がしておいしい」というレベルの自分でもガッカリする知能が残念なものだったのだがそれくらいストレートにおいしかった(ウェルチ感がある、と書こうとしてさすがにやめたということをここに告白しておきますね)。

いちばん印象に残ったのは「76シャルドネ」でした

そしてベストは南アフリカの白ワイン「リントンパーク 76シャルドネ」だ。これは抜群においしかった。

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「76」という数字に込められた深い意味に思い馳せながら飲んだこともあったのかもしれないが、悲しい歴史を名に冠しながら味わいは超華やかっていうギャップにもやられた。おいしかったなぁ。購入価格1584円はお得すぎた。ジューシーとかジャミー的な意味で蜜っツィー(ミッツィー)で。また飲みたいワインだ。

さて、本稿は題名に「ワインでしあわせになるための方法」と記したが、その答えはすでに自明だ。ワイン初心者がしわわせになるためには、まずハードルを下げること、そしてその低さを愛することである。yes! 高須クリニック。yes! デイリーワイン。6月は果たしてどんなワインに出会えるのだろうか。楽しみすぎるぜ。

ヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワールを飲んで調べて価格や感想をまとめてみた。【Vine in Flames Pinot Noir】

ヴァイン・イン・フレイムの名前の由来は?

昨夜はルーマニアの赤ワイン、ヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワールを飲んだ。ヴァイン・イン・フレイムっていう名前が気になったので調べてみると、面白い話があった。

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ヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワールを飲みました。

ときは紀元前。当時ルーマニアを支配していたダキア人の王・ブレビスタが、当時盛んに栽培されていたブドウの木を焼き払ってしまったという伝説。それに由来するネーミングのようなのだ。なぜブレビスタはブドウを焼いたのか、その理由は諸説あるようだが、ダキア人のワイン消費を減らすためという説とともに、素晴らしいワインで知られるブレビスタ王の領土への侵略者の関心を減らすためという説もあるんだとか。
ブレビスタ王の土地、いいワインができるんだよな〜。よし、攻めよう」(侵略者)
となるのを防ぐ、という意味合い。書を焼いたのが始皇帝、寺を焼いたのが織田信長、ブドウを焼いたのがブレビスタであります。

とにもかくにもブドゥレアスカ社はこの伝説を巧みにマーケティングに利用、伝説の王が国を守るために焼き払わざるを得なかったほど優れたブドウの産地で造られたワインです、というメッセージを伝えるために「ヴァイン・イン・フレイム」という名前にしたというのがことの次第。

見つけた! って3回言ったからエスエスエストとか盗賊からワインを守るために蔵の中に悪魔がいるぞという風説を流布したからカッシェロデルディアブロとか、なんかこうハッタリ感のあるワインの名前ってなんかいいですよね。非常にどうでもいい話ですが、ネーミングって面白いな〜深いな〜と思った調べたら発電機搭載の運搬車・伝導よしみ、っていうのが出てきてこれもう正解がわからないです。

ヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワールの製法と味わい

よしみはさておきヴァイン・イン・フレイム ピノ・ノワールは、発酵後12カ月のオーク樽熟成ののち、4カ月以上の瓶内熟成を経てリリースされるとのこと。

さて、じゃあその味わいはどんなものなのか。グラスに注いでみると、非常に色が薄い。ブドウジュースというよりシソジュースって言われたときに納得するような色合いで、色は若干オレンジがかった赤褐色っぽい色。ワインにハマったここ2年で飲んだ300本くらいの赤ワインのなかでも1、2を争う薄い色調な気がする。

色の通りに香りもあんまり主張しない感じだけど味わいはピノ・ノワールらしいかわいらしい感じ。東欧の田舎娘感がある。そこそこ美少女なのに一人称が「わだす」みたいなね。なにを言ってるんだ馬鹿と思われるかもしれないけれども思ってしまったものは仕方がない。ものすごくうまい! という感じではないけれども、1日働いて疲れたあとに入る、家族全員が使ったあとのちょっとぬるい風呂、みたいな独特の心地よさがあって、全然悪くない。購入価格1408円とお手頃だし。

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vivinoの点数は3.5点。そんな感じで合ってると思います。

ベストじゃなくてベターがいい夜が人間にはあるので、そんなわりかし頻繁に訪れる夜に飲みたいワインな気がします。