ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

チリのプレミアムワインなのになんで3900円なんだ!? 「インドミタ ザルトス」を飲んでみた。【INDOMITA ZARDOS】

インドミタ ザルドスをプレゼントでもらった

よく買い物するショップ「CAVE de L NAOTAKA」で今年1月にプレゼントキャンペーンをやっていたので応募したところ当たった。私は小学生のころ近所のお祭りでまさかの一等を当て、景品は一体なんだろうおもちゃか、あるいは旅行、それともレストランでの豪華な食事か……と幼い胸を弾ませていたら町内会長が困惑気味に手渡してくれた景品がまさかの日本酒(一升)だった、という悲しい思い出がある。

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インドミタ ザルドスを飲みました。

だいたい昭和すぎるんですよ賞品が。昭和だったけど実際に。ともあれこの悲しい事件以来私はくじ運が悪く、こういったものに当選することのない人生を歩んできたので前置きが長くなったが大変にうれしい。ありがとうございます。

せっかくの好意なのでブログでも取り上げ、エクストリーム微力ながら販促の足しになればと思ったのだが当選のタイミングでは品切れ。このたびショップへの入荷が確認されたので飲むことにした。

さて、とはいえ評価は忖度抜きでしたい。みたいなカッコいいことを言いたいのだが、本ブログはワイン批評ブログではなくワインレコメンドブログ。取り上げるワインはすべて私がおいしいと思ったものなのでこのワインも先に結論を言うとうまい。超おいしい。

インドミタ ザルドスはどんなワインか

ではこのインドミタ ザルドスはどんなワインなのだろうか。2021年の2月頃、Twitterのワイン界隈ではインドミタの「デュエット ピノ・ノワール」がおいしいと話題になっていたが、このザルドスはカベルネ・ソーヴィニヨンで造られたワイン。そして、インドミタの最高級レンジとなる。

どんなワインか、公式サイトを訪ねてみると、ザルトスという名は「一族に属していた偉大な馬」にちなんで名付けられたと書いてある。すごくないすか「一族に属していた偉大な馬」。私の一族には属する偉大な馬がいない。犬もいない。属していたのは手乗り文鳥くらいである(関係ない)。

そしてとにかくワイナリーの建物が異様なまでにカッコいい。ワイナリー訪問ツアーなんかもやってるみたいなのでチリに行ったら是非行きたい。画像は公式サイトのトップページだが、カッコ良すぎませんか。

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インドミタの公式サイトのトップページのキャプチャ。めちゃカッコ良くないすか。

価格は3980円。「最高級レンジ」の割にずいぶん安い印象で逆に大丈夫かなという気になるが、これはCAVE de L NAOTAKAも含まれるリカマングループが大量仕入れ、独占輸入を行っているからこその価格のようだ。エントリーレンジに関しては現地で買うより安いとリカマンのショップサイトには書いてある。いいじゃないの。

インドミタ ザルドスを飲んでみた

というわけで飲んでみようとボトルを持つと……重い! めちゃくちゃ重い!なるほど、プレミアム感のある重さだ。女性だと片手で注ぐのが少し難しいんじゃないかってくらい。ともかくそれをがんばって注ぐと、いかにもチリのカベルネ・ソーヴィニヨンらしい濃い紫色。

クンクンしてみると、なんていうんですかねこれは。社長室、みたいな高級感のある香りがする。高そうな家具(黒っぽいやつ)と高そうなソファー(合皮とか布じゃないやつ)が醸し出す複層的な香りってあるじゃないですか。あれ。

で、飲んでみるとイチゴとかラズベリーみたいな甘酸っぱい感じに、ヴァニラのいい香り。それと、巨峰の裏側に意外に果肉がついちゃった場合に、私みたいなものはいじきたないので皮を含んで歯でそれをこそげ落とすんですが、あの味がする。甘くて、すっぱくて、ちょっと渋くてほんのり苦い。だがそれが乙。

いやこれはすごくおいしいですよどう考えても。そして3900円はいかにも安い。5000円台って言われても驚かない。

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vivinoの点数も見ての通りの4.1点と超高得点。そしてすごく納得感がある。わかりやすくおいしいので、高く採点したくなるのではなかろうかという気がする。

このワイン、2021年3月6日現在CAVE de L NAOTAKAで1万3200円税込みの赤ワイン10本セット「赤鬼コスパワイン10本セット 第4弾」に含まれているのだが、これを含むセットがこの価格っていうのはお世辞抜きですごいと思う。

a.r10.to

というわけでインドミタ ザルドス、大変おいしいワインだったのだった。未飲の「デュエット ピノ・ノワール」も俄然に気になってきたぞ。

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おいしい! 安い! 500本飲んで選んだ1000円台のオススメワイン赤白10選

ワインにハマって約2年。ざっくり500本くらい飲んだ

このブログをはじめて2021年3月25日で1年になる。私はだいたい週に4.5本くらいのワインを消費するので、年間234本。ワインにハマったのが2019年の1月なので、ちょうど500本くらいだろうか。試飲したワインを加えればさらにその数は増えるから、この2年ちょっとで700〜800種類のワインを味わったことになる。

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飲んだワイン約500本の中から、おいしかった1000円台ワインを選びました。

もちろんもっと飲んでいる方はいくらでもおられると思うが、自分としてはずいぶん飲んだなあ、というのが振り返っての感想だ。休肝日を設け、食事を摂りながら飲んでるのでいたって健康な上に冷え性が直り、ついでに四十肩もなぜか直った(関係ない)。ワインってすごい。

さて、日本人の平均的なワイン消費本数は2020年の時点で年間4.3本程度。私は平均の約50倍のワインを飲んでいることになる。それも90%以上は3000円以下で買えるワイン。そこで、飲んだ約500本のなかから価格帯別においしかったワインを2本の記事に分けてまとめていきたいというのが今回の趣旨。まずは1000円台から行ってみよう。白、赤それぞれ5本ずつ、計10種類を選んでみた。

1000円台でおいしかった白ワインBEST5

【こってり部門】イントゥ・シャルドネ

1000円台の白ワインで私が飲んだ中の最強の一角が、「イントゥ・シャルドネ」だ。これホントおいしいんですよ。カリフォルニアで滋賀県野洲市とほぼ同じ面積のブドウ畑を所有する巨大企業のブランドだけに低価格・高品質。「買い値1452円に対して2480円くらいに感じられる味がする。それでいて見た目は980円」というのが私がブログに書いた感想だ。樽のバニラ感のなかに果実味もあり、意外とさっぱり飲めて味のバランスが良い。ちなみにこの場合のイントゥは「夢中」みたいな意味。シャルドネにハマってる! みたいなことのようだ。一時期よく飲んだ1000円台樽ドネのイチオシはこれ。

 
【いい香り部門】ヴィリエラ・ジャスミン

アロマティック部門に王として君臨していたコノスル レゼルヴァ ゲヴュルツトラミネールが終売となり、1000円台アロマティック部門の新たな王の座に就く資格があるのがこのヴィリエラ・ジャスミンではなかろうかという飲みやすさ。

キレイな水、ポカリ、柑橘、水飴、薔薇、ハーブ……とスッキリしたものと甘いものと香りが良いものを混ぜた液、みたいな華やかでクセの少ない味わいは、ワイン初心者に勧めるならこれ一択でいいんじゃないかという印象。素晴らしい。

af-liquor.com

【すっきり&コスパ部門】スピアー ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランは名産地のニュージーランドのものを差し置いてこの南アフリカのワインがおいしい上に1000円台前半とコストパフォーマンスに優れていた。このワインはワイナリー訪問ツアーに申し込むとお土産でもらえるというワイナリーの名刺代わり的なエントリーレンジ。

「これを飲んだ人にファンになってもらおう」というワインだからか価格に対してやたらとうまい。ちなみにソーヴィニヨン・ブラン単独ではなくセミヨンがブレンドされており、それによってちょっとのコクがあって料理への合わせやすさも抜群。地味にいい。

 

【日本ワイン部門】酒井ワイナリー まぜこぜワイン(白)

日本ワインでは最近飲んだこのワインがすごくおいしかった。ノンフィルターで瓶詰めしたワインの澱部分を集めて落ち着かせ、さらに上澄みだけを瓶詰めしたというワインで、デラウェアみたいな甘い香りに、ソーヴィニヨン・ブランのようなさっぱりした味わい。価格は1870円で、しかもネットでも買える。日本ワイン入門編としてすごくいいワインじゃないかと思う次第。

 

【総合部門】リントンパーク76シャルドネ

1000円台の白ワイン、総合1位はリントンパーク76シャルドネだ。本ブログの1000円台ワイン不動の1位。果実味が強く、めっちゃくちゃ華やか。飲みやすいだけじゃなくてリッチな気分も存分に味わえてまさかの1000円台半ば……! ちなみに「76」には南アフリカの歴史にまつわる深い理由があるので、ご興味のある方は記事をぜひ。

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1000円台でおいしかった赤ワインBEST5

【最多リピート部門】30マイル シラーズ

めちゃくちゃピュアな果実味にすっきりとした酸味、そこにシラーズならではのちょっとスパイシーさが加わって、印象としてはまるでロングカクテルみたいにスイスイ飲めるオーストラリアのシラーズ。

成城石井で買える」のが大きなポイントで、友人とのちょっとした集まりに手土産として持っていくみたいなタイミングでの入手難度の低さが素晴らしい。1000円台シラーというカテゴリだとすれば南アフリカの生産者、ブーゲンハーツクルーフの「ポークパインリッジ シラー」も同価格帯で滅茶苦茶おいしかった。

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【濃い旨部門】チャンキー・レッド・ジンファンデル

1000円台の赤ワインは濃くて果実味が豊かなものを選ぶべきだというのが個人的意見だが、ベストはカルディでもたまに買えるチャンキー レッド ジンファンデル。「ジンファンデル」はアメリカの品種名なのでアメリカワインかと思いきやイタリアのブーツのかかと部分にあたるプーリア州で造られるワインで、その味わいは南イタリアの燦々と降り注ぐ太陽を思わせる明るくて、濃くて、果実味たっぷりのチャーミングなもの。

豚肉を焼いただけのポークソテーとかケチャップ主体のソースをかけたハンバーグとか、甘みのある肉料理と合わせたら無敵。同じマーレ・マンニョム社の「マンモス ジンファンデル」も同じ味の傾向でおいしかった。

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自然派部門】パンパネオ テンプラニーリョ ナチュラ

試飲会で飲んで一目惚れしたワイン。1000円台で自然派的な造りと聞くとなんだかとても不安な感じがするがこれはすごくおいしかった。酸味が主体の赤ワインは1000円台だとすっぱいだけになりがちで、過去何度も文字通りの苦杯を嘗めてきたがこのワインはこの価格とは思えないほど甘ずっぱうまい。ただ、フィルターを通していないので澱がすごい。澱が苦手な人は避けたほうがいいかもしれない。私は澱ごとおいしくいただきました。

これはフィルターがかかっているタイプ↓

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コスパ部門】アストラーレ ロッソ ヴィノ ディタリア

リカーショップチェーン「やまや」で売られていた1000円ポッキリのワインだが、これも1000円台としては珍しいやや酸味が強いタイプ。めちゃくちゃおいしい! すごい! というわけではないが、1000円台前半と1000円台後半では正直味のボリュームが大きく違うなか、1000円ポッキリでこの味はいい。たくさん飲みたい! 安く買いたい! という場合に悪くない選択肢。

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【総合部門】サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン

1000円台の赤ワイン、総合1位はアメリカ・カリフォルニアの689セラーズの「サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン」一択だ。チャンキー的な濃くて果実味たっぷりなタイプで、こちらは少しビターなチョコレートみたいなニュアンスが加わる。ほとんどのショップで2000円を超えてしまうが、まれに1000円台で売っているショップがあるというある意味オーバーエイジ枠的な存在ではあるけれど、どうしてもこの枠にねじ込みたい1本。

 

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というわけで10本のワインを挙げた。これは本当にどれもおいしい、あるいはコスパが非常にいいワインたちだ。ほとんどが有名ワインではあるが、もしまだ飲んだことないやつが紛れ込んでいたら、ぜひお試しください。

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ちらし寿司に合うワインはなに? ツイッターで意見を聞いて合わせてみた!【Jauma Peek a Boo】

ひな祭りのちらし寿司になにを合わせればいいのか問題

3月3日は桃の節句・ひなまつり。私には娘がいるので、雛人形を飾り、ちらし寿司で祝うわけだがここで問題はどんなワインを合わせるか、だろう。選択肢はなんとなく思い浮かぶが、ここはツイッターで私みたいなもんをフォローしてくださっている賢者のみなさんのご意見を募るのがよかろうと考え、つのってみた。

すると、予想を超えて17ものコメントをいただいた。ワイン以外のご意見もいただいたが、その内訳をワインに限って羅列すると以下のようになる。

もっとも多かったのはロゼ、あるいはロゼスパークリング(ロゼシャンパーニュ)というご意見。桃の節句の桃色だし、酢飯の甘酸っぱさとロゼ泡の酸味・果実味がいかにも互いを引き立てそうだ。

こうなってくると、バレンタインはチョコ、クリスマスはKFC、節分は恵方巻みたいなノリで桃の節句はロゼ泡、みたいなキャンペーンをワイン業界はやるべきなんじゃないかって気もしてくるな余談だけど。

 

選ぶべきはロゼか、スッキリ白か、甘やか白か?

さて、赤ワインはマスカットベーリーAというご意見ひとつで、アンバーワインの提案があり、それ以外はすべて白という結果となった。それも主に酸味とサッパリ感が持ち味の品種中心。酢飯の主に酸味と合いつつ、日本酒の純米吟醸的にサッパリ合わせられそうで、それも実に魅力的。

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ちらし寿司に合うワインって、なんだと思いますか?

一方で、甘やかなデラウェアを合わせるという意見も頂戴した。なるほど、酢飯の甘さに着目すれば、甘く煮たしいたけやたけのこといった具の甘さに合わせてデラウェアなどの日本ワインは良さそう。日本ワインの白ブレンドって香り甘め、飲むとスッキリでおいしいですよね。

というわけで、ちらし寿司に合うワインは大きく3つに分かれることがわかった。
【1】ロゼ泡>酢飯の甘酸っぱさに合わせる
【2】サッパリした白>酢飯の酸っぱさに合わせる
【3】甘やかな白>酢飯や具の甘さに合わせる
以上の三択になりそうだ。

 

ヤウマ ピーカブーを選択

というわけで手持ちから選んだのが、
【1】ヤウマ ピーカブー(ロゼ泡)
【2】シャルル エルネー(シャンパーニュ
【3】ドメーヌ・モン モンペ(白泡)
の3つ。で、悩んだ末に「ヤウマ ピーカブー」を調査した。

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ヤウマは2006年にオーストラリア最優秀ソムリエに輝いた人物が立ち上げたワイナリー。ピーカブーはグルナッシュ100%で造られる微発泡のペットナット。試飲会で飲んで甘酸っぱくて旨味あふれる味わいが気に入って買った1本だ。

ツイッターで様々な意見をお聞かせいただいた上で選んだので非常に納得感がある。ちらし寿司にお吸い物(ハマグリまさかの売り切れ)、刺身盛り合わせ等と一緒に食卓に並べ王冠をスポンと外して飲んでみた。

 

ヤウマ ピーカブーをちらし寿司に合わせて飲んでみた

色はオレンジとピンクの中間のような色。ノンフィルターなので少し濁り気味だけど、きれいな色だ。で、味も香りもイチゴっぽいのだが、なんていうんでしょうか。まったく「あまおう」的でない、限りなく野苺に近い酸味の強いイチゴ感がある。イチゴ狩りで摘みたてのまだ熟す前の食べた時のフレッシュ感と、同時にビニールハウス内に充満している土の香り、さらには同じ敷地内にある牛舎の香りも風に乗ってナノレベルで漂ってくるみたいな感じ。

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ちらし寿司に合わせて、ヤウマ「ピーカブー」を飲みました。

良くも悪くも自然派らしい野趣、それがしかし、今回のちらし寿司には異様なまでに合ったんですよ本当に。『ルパン三世 カリオストロの城』の終盤に大怪我を負ったルパンが回復すべくパンと肉をガツガツ食べかつワインで流し込むといったシーンがあるがあんな感じになった。ヤツはとんでもないものを盗んでいきました……あなたのお寿司です!

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それにしても。料理を想定して、それに合わせるべくしっかりと準備してワインを選ぶとこんなに食事が楽しくなるのか! と今更ながら感動である。試飲会で飲んでおいしいと感じた、それ以上の感動がこの日の食事では得られたのであった。ピーカブーは試飲会の印象よりわずかに酸味が強く(果実味が弱く)、それがいいほうに作用したのかもしれない。

それもこれも、ツイッターでご意見をお寄せくださった皆様のおかげ。この場を借りてお礼申し上げる次第だ。ありがとうございました。しかしつのるもんだなあ、意見。また折に触れてつのらせていただくと思いますので、その節はよろしくお願いします(テへ&ペロ)。

ヤウマ、「ピーカブー」は残念ながら見つけられず。。

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「ヴィナイオータ」試飲会レポート! 16種の飲んだうちのお気に入りワイン6選

イタリアのナチュラルワイン16種類を試飲した

東京・神宮前のワインショップ・ウィルトスで開催された「ヴィナイオータ」試飲会に参加した。ヴィナイオータはイタリアワインを中心に、食品、さらにはそれらの造り手の哲学・理念までをも輸入したいと考えるインポーターとのこと。

ちなみに今回飲んだワインは酸化防止剤の添加を極力減らした自然派的なワインがほとんど。毎回書くことだが私はワインはおいしければなんでも良いという立場。無思想・無批判・無節操が本ブログのポリシーであり、自然派大好き! みたいな感じではないことを最初にお断りしておく。私はワインならなんでも好きだ。

さて、試飲会に話を戻すとこの日飲むことができたワインは16種類ですべてイタリアワイン。そのうち、配布資料においしかったマークをつけた6種類のワインについて記録しておこうと思う。

 

甘口ワインの造り手が造った辛口「フォル」と「リフォル」

まず面白かったのが、ピエモンテ州の造り手、エツィオ・チェッルーティの「フォル2017」と「リ フォル2018」。

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「フォル2017」(右)と「リ フォル2018」(左)。奇人と奇人再びの意。

配布資料によれば、エツィオさんは「モスカートの栽培と醸造に人生を賭けた」人物。もともとは甘口ワインのだけを造る珍しい生産者だったのが、ヴィナイオータの方曰く「やっぱりそんなには売れないので」という理由で辛口ワインも作ることになったんだそうだ。そりゃそうだ。

そうして造った辛口ワインが「フォル」。さらに、そのフォルにブドウ果汁(モスト)を加えて瓶詰めし、二次発酵を促したのが「リ フォル」。再フォル。

どちらも使用ブドウはモスカートで、飲んでみると桃の天然水のブドウバージョンみたいなスッキリした味わいで夏場にグビグビ飲みたくなるような感じ。リ フォルのほうはそのまんまの味が発泡してる印象で、全体の2番目と3番目に飲んだのだが早くも購入候補となった。ちなみにフォルはピエモンテの言葉で奇人・変人。リ フォルは奇人・変人再び、である。キュヴェ・奇人。

 

珍しい! 桃の葉を白ワインに漬けてつくる「ペルセギン」

次に印象に残ったのが、というかこの日もっとも印象に残ったのが8番目に飲んだリグーリア州の生産者、ポッサの「ペルセギン2016」で、彼の造るトップキュヴェだという白ワイン「チンクエテッレ」の発酵途中に桃の葉を漬け込んだという代物。

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ペルセギン2016。桃の葉を白ワインに漬けたというワイン。

飲んでみるとまず昔懐かしい杜仲茶(90年前後になんか一瞬流行りましたよね)みたいな香りがして直前に試飲した「チンクエテッレ」よりも味は甘やか。聞けばカテキンの作用によって発酵が止まり、それによって残糖が残ったのだろうとのこと。それでいてアルコール度数はしっかり14度。また、ヴィンテージによって味わいはまったく違うようで「発泡してるヴィンテージは最高ですよ」とのこと。「発泡してるヴィンテージ」とかあるのかよ面白すぎるじゃないの。

なんでも「ペルセギン」は生産者の地元・リオマッジョーレに伝わる伝統的なお酒なんだそうで、桃の葉だけでなくハチミツやアルコールなども入れるリキュールなんだそうだ。この「ペルセギン」はワインに桃の葉を漬けただけでその他のものは添加していないそうだが、「果たしてこれをワインと呼んでいいのか……」とインポーターさんも悩む的なワイン。

ただ、香りは変わってるけど飲み口は完全にワイン。女性ウケも非常に良いんだそうで興味のある方は手に取る価値が十二分にあると思う。個人的にもこれが今回の購入の最終候補3つのうちのひとつとなった。

 

地元で不人気! 泡の出なかったランブルスコ

さて次はエミリアロマーニャの造り手、カミッロ・ドナーティのランブルスコ2016。ランブルスコといえば赤の発泡ワイン、なのだが、「このワイン、ほとんど泡がありません」とのこと。二次発酵がうまい具合に起こらなかったんだって。もちろん、人為的に介入すれば発泡は起こせるのだが、それをあえてしないのが「自然派のつらいとこ」とのこと。いろいろ大変だなあ……。

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自然に任せて造ったら発泡しなかったというランブルスコ。でもおいしい!

発泡していないので、だからつまりほぼ赤ワインなのだが、赤ワインとして飲んだときに非常においしかったのだった。ちょっと残糖がある感じで、甘酸っぱくてほんっっっのわずかな泡とともに楽しむと非常にうまい濃い目の甘酸っぱ。しかも「発泡してないランブルスコ」は地元でまったく売れないらしく、そのため値段も安い。これも購入候補である。

 

「超人農家」のつくるおいしい赤ワイン

さて、残すは赤ワイン2本。まずは再びピエモンテに戻ってフランチェスコ・ブレッツァのバルベーラ・デル・モンフェラッラート・スーペリオーレ2017。良年のみ造られるっていうキュヴェで、フリーランジュースだけで造るってだけあって(余った分はバッグ・イン・ボッグスになるそうな)雑味がないキレイな味わい。

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バルベーラ・デル・モンフェラッラート・スーペリオーレ。良年のみ生産されるキュヴェだそう。

フランチェスコさんは「自分はブドウ農家である」というスタンスの人で、インポーターの方の説明も「要するに農家です」とのこと。つまり農家なんスね。肉牛を育て、その排泄物で堆肥をつくり、それを畑に撒く循環農法を用い、ほぼ一人で管理する畑はなんと30ヘクタールってそれ東京ドーム6個分とかですよ。説明文いわく「超人」である。超人農家。ワイン造りもいたってシンプルなのだが、「専門の造り手でも敵わないくらいレベルが高い」のだという。たしかにうまい。

フランチェスコさんのもとには近所の人が大瓶を抱えて量り売りのワインを買いに来るのだそうだ。それをコップにいれてぐびぐび飲む。夏には炭酸と氷でやっぱりぐびぐび飲む。いいなそれ。最高だな。

ともあれ、果実味と酸味がクッキリとあってガブガブ飲んでもチビチビ飲んでもよさそうな、おおらかで生き生きしたワインだった。

 

イケメンが造るピノ・ネロ

そして最後はヴェネトの造り手、ダニエーレ・ピッチニンのピノ・ネロすなわちピノ・ノワール。これも両年のみ造られるキュヴェだそうで、いまいちな年はロゼのフリッツァンテになるんだそうだ。

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ラベルには「MUNI」と書かれてるけど資料には「ピノ・ネロ2016」と書いてある1本。一番おいしかったのがこれ。

ダニエーレさんは資料によれば38歳の「イケメンすぎる造り手」とのこと。「造り手の哲学・理念までをも輸入したい」ってだけあって、今回の試飲会は造り手がどんな人物で、何歳で……みたいな情報がいちいち多いのが特徴だった。へー、そういう感じのオッサンが造ったんだ、このワイン。みたいにイメージしながら飲めて非常に良かった。

ワインに話を戻すとこのダニエーレさんのピノ・ネロは自然派感はとくになく、ただのとってもおいしいピノ・ノワールという印象の一杯。ヴィンテージは2016。早めに販売すればお金になるところ、納得いかないワインはリリースしない! と販売時期を遅らせたりするようで、それだけに飲み頃感があったような気がした。味わいでいえばこれがベスト。だったのだが、先週の試飲会でフランスの自然派的なピノ・ノワールを買っているので今回は別のを買うことにした。

というわけで、選んだのが発泡してないランブルスコ。「発泡してないランブルスコって(笑)」っていう感じがなんとも乙で良い。しかも2100円なんですよこのワイン。味わいがベストだったピノ・ネロは先週購入した1本と価格もカブり気味な5000円。楽天スーパーセールに向けて体力温存したい民である私には約2000円のお値ごろランブルスコ(泡なし)がふさわしい。

ただ、ネタ消費っぽく書いてしまったがこのランブルスコ本当においしかったんですよ。1本まるまる飲んだらどんな感じか、今から楽しみである。

 

【番外編】「オランジーナの素」の“お湯割”がなんだかとってもおいしかった

最後に余談なのだがこの日はヴィナイオータが輸入する食品類も試食および試飲することができた。なかでも、生産者が「世に出回るあらゆるメーカーの商品と比較すること自体がナンセンスなほどの差があると思っている」と語ったという“オランジーナの素”をお湯で割ったものがめちゃくちゃ絶品だった。なんだったんだろう、あれ。なんでお湯割だったのか。冬だからかな。謎である。最高だったけども。

ともかく、いろいろ飲めて大満足のヴィナイオータ試飲会なのであった。

自宅で飲み会をしたら図らずも3000円台のおいしいワイン3選みたいになった話。

外でワインを飲むのがおいしい季節になってきた

2月とは思えない天気の良いある日、友人たちを誘って近所の公園へピクニックに出かけた。わざわざ来てもらうのでワインは私が用意。3本のワインを開けたのだがそれがどれも大当たりという小さめの奇跡が起きたので記録しておきたい。

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友達と飲んだ3本のワインが全部おいしかったので備忘録的にまとめます。

 

アラン・ルナンダ・ファッシュ「ビュジェ・セルドン・メトード・アンセストラル」

まず1本目は、公園にレジャーシートを敷いてテイクアウトのピザと一緒に開けたアラン・ルナンダ・ファッシュの「ビュジェ・セルドン・メトード・アンセストラル」。購入価格は約3000円。

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アラン・ルナンダ・ファッシュの「ビュジェ・セルドン・メトード・アンセストラル」試飲会でのご様子。

以前試飲会で飲み、その際にサクッと調べてまとめているのだが、ピジェ・セルドンとはガメイとプールサールでつくるサヴォア地方の伝統的なロゼ泡。メトード・アンセストラルは二次発酵を行わず、アルコール発酵時に発生するガスをそのまま利用する方式だ。「田舎方式」とか言われるやつで、ペティアン(ペット・ナット)とかは大抵この作り方とのこと。そしてこの造り手はビュジェ・セルドンだけを造る人物なんだそうだ。渋いぜ。ワインは甘いけど。

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アルコール度数は8%、残糖40g/ml。ガス圧弱め。「すあま」とかいちご大福(あんこ抜き)とかを思わせる和菓子系のやさしい甘味が特徴的で、甘いだけじゃなくてすっぱみもあるから料理にも合う。

少しだけ暖かい2月の終わりの公園で、友人とおしゃべりしながら乾杯するためのワインとして適材適所の感があった。これはいい先発投手。

 

アルザスのうますぎ白。マルセル・ダイス「アルザス コンプランタシオン」

続いて、ピクニックからヒマワイン宅へと河岸を変えての1本目はマルセル・ダイスのアルザスコンプランタシオンをチョイスした。購入価格は3344円。

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マルセル・ダイス「アルザスコンプランタシオン」。これは最高だった。

以前、恵比寿のワインマーケットパーティでそのフラッグシップ、アルテンベルグ・ド・ベルグハイム・グラン・クリュを飲み、そのあまりのおいしさに即身仏になりかけた生産者のスタンダードライン的なワイン。twitterで尊敬する方に教えていただいて即購入した1本だ。

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そしてこれがですね奥様、やべえやつだったんですよホント。3000円台前半とは思われぬ爆発力だった。このワインはアルザスで認められた13種類の品種の混植・混醸(コンプランタシオン)で造られるというワイン。っていうとなんかこう、オレンジっぽい見た目の濁った感じのワインかな? と思ったりするわけなのだがグラスに注いでみると極めて美しい薄ゴールド。

で、飲んでみると味わいはいよかんみたいなジャパニーズ柑橘系のじんわりとした旨み。私は和柑橘のなかではデコポンをギリギリ抑えていよかんがいちばん好きで、いよかんは剥くのが手間なのだけが難点だが、ただグラスに注ぐだけでそのもっとも美しいエッセンスを味わうことができた。原料は13種類のブドウなのに。

このワイン、友人の一人がだまってワインのボトルをつかみ、ラベルの写真を撮影していた。友だちがおいしいと思ってくれることがワイン好きとしてはなによりハッピーだ。これは良かった。

3本のワインをつなぐ中継ぎ投手としては実力がありすぎる、ソフトバンクホークスの中継ぎ陣みたいな1本。えっ、このレベルの投手が同点の6回に投げんの!? みたいな。

 

スペインのキレイな赤、アルバロ・パラシオス「カミンス デル プリオラート2018」

日も暮れかける頃、友人が持ち込んでくれたファルネーゼのノヴェッロ2020を挟み(これもすごくおいしかった!)、最後に抜栓したのがアルバロ・パラシオスのカミンス デル プリオラート2018。

これは、先月別のスペインワインを飲んだ際にtwitterに「おいしいスペインワインを教えてください」と書き込んだところ教えていただいたワイン。皆様の善意で「ヒマだしワインのむ。」は運営されております。

ちなみに購入価格は3124円。この記事を書いて思ったが、はからずも3本ともほぼ同じ価格帯のワインだった。3000円を超えるとワインはまたひとつ上のステージにいくことがよくわかった。

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アルバロ・パラシオス「カミンス・デル・プリオラート2018」。これまた非常においしかった。

アルバロ・パラシオスはシャトー・ペトリュスやスタッグスリープで修行したあとスペインはプリオラートでワイナリーを開業、英誌デキャンターのマン・オブ・ザ・イヤー2015に過去最年少で選ばれたという人物だ。

その早飲みタイプのワインであるカミンス デル プリオラートはガルナッチャ、カリニャン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロなどをブレンド、40日間の醸しの後、8カ月間少しずつ樽を回転させて澱に長く触れさせて造ったというワイン。

渋みと果実味が二人三脚してる感じの「ぼくのかんがえるおいしいボルドーブレンド」的な味わいで、普段ワインを飲まない、というか普段お酒自体を飲まない友人が「これ、ワインが好きな人が好きなワインの味だね」と評価した一方、普段はバイスサワーとかハイボールをメインで飲む大衆居酒屋好きの友人(酒飲み)は「これはうまいわ」と独りごちでいた。ワインに限らず普段からアルコールに親しんでいる人ほど楽しめるお酒なのかもしれない。

渋みと酸味、果実味のバランスのなかにスパイシーさもあって、生ハム、豚リエット、牛厚切り肉のステーキなどと合わせて実においしかったのだった。とてもキレイで、なめらかなワインだった。うっとり。

これを飲んで改めて思ったが、スペインワインって価格に対して味わいが良く、それでいて問答無用の旧世界なのでクラシカルな良さも併せ持っていてひょっとしてコスパ的には世界最強なんじゃ? みたいになってます今更ですが最近。個人的には南アフリカと並んで味と価格がもっともバランスしているのがスペインワインな気がしています。

このワインも見事な味で、試合(飲み会)を締めるクローザーの役割を見事に果たしてくれた。ストレートの球速は150キロに満たないけどなんだか抑えるベテラン投手的な味わい。プロ野球はもうすぐオープン戦の季節です。

というわけでどのワインも大変おいしかったのだった。ごく少人数&換気環境で20時解散という健全過ぎる会だったが、おいしいワインを少しずつ、料理と会話とともに楽しむのはやっぱり最高だなあと思った次第。ワインしか出ない家での飲み会に付き合ってくれた友人たちに感謝である。

 

カーブ・ド・リラックスの「量り売りワイン」4種類を飲んでみた。なにが飲める? お得? 味は?

カーブ・ド・リラックスでワインを量り売りしてもらった。

カーブ・ド ・リラックス虎ノ門本店でワインの量り売りをはじめた、と知ったので行った。カーブ・ド ・リラックス虎ノ門本店は日本ワインの品揃えが豊富で、棚を眺めているだけで幸せな気分になれる都会のパワースポット的な場所だ。下手な神社仏閣より心が落ち着く。

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カーブ・ド・リラックス虎ノ門本店で量り売りされる高級ワインのみなさん。

量り売り実施期間は2日間それぞれわずか2時間ずつ。初日は予定が合わず2日目にいざと出陣したところすでに売り切れているものもあったが、残りの4種類を捕獲することができた。

ピックアップされていたのは後日開催されるセールの商品だそうで、それを先行してちょっぴり味見できるみたいなコンセプトのようだ。ワインは注文ごとに小瓶に分けて提供され、小瓶1本あたりの量は65mlとなっている。そのラインナップは以下のようなものだ(価格の後ろのカッコ内の数字はセール販売価格。すべて税抜き)。

アンリ・ジェルマン ムルソー (2018) 700円(6980円)
ドメーヌ・ペロ・ミノ ジュヴレ・シャンベルタン(2016)1200円(1万1980円)
アルロー シャンボール・ミュジニー(2018)1200円(1万1800円)
シャトー・ジスクール(2014)800円(7980円)
パオロ・スカヴィーノ バローロ(2016)600円(6380円)

このうちアンリ・ジェルマンのムルソーは残念ながら売り切れだった。無念。購入したのは残りの4種で、野暮を承知でまずはそのお得度を考えてみたい。

 

カーブ・ド・リラックスの量り売りはお得か?

ドメーヌ・ペロ・ミノのジュヴレ・シャンベルタンを例にすると、セール価格は税抜き1万1980円。1mlあたりの価格は15.973円となる。すごいな高級ワイン。2mlでうまい棒3本である。それはともかく15.973に小瓶の容量である65をかけると、出てくる数字は1038。量り売り価格は1200円なので、差額の162円が小瓶代+手間賃、といったところだろうか。

量り売り800円のシャトー・ジスクールの場合ならどうか。ボトルのセール価格は7980円であるため、1mlあたり単価は10.64円。かける65は691となり、差額は109円。小瓶価格600円でセール時価格6380円のパオロ・スカヴィーノのバローロの場合1mlあたり8.506円で、65をかけると552円で差額は48円。なんとなく値段が安いほうがお得感があるという不思議な感じであることがわかった。

ともあれ、セールで約1万2000円するワインが1200円で、しかも自宅で飲めるのはありがたい。高級ワインは基本的に私の人生とここまでほぼ接点がなく、どのワインも飲んだことがないので余計に楽しみだ。

というわけで「全部ください」とスタッフの方に告げると、その場で瓶詰めをしてくれる。しばし待って会計を済ませて自宅へ運搬。テーブルに置いてみると実にいい感じ。

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テーブルに並んだ小瓶のみなさん。ボトルに入っているとわからないワインの色が見比べられるのが楽しい。

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」が子どものころ私は好きだったのだが、そこに出てくる「私を飲んで」というメッセージがつけられた小瓶の飲み物、それを想起させるビジュアル。こんなもん飲んでと頼まれなくとも飲む一択である。

あとこういうのいうべきじゃないかもだけど並ぶとちょっと採血感ある。小瓶に分けたワインを飲むのは大人のお医者さんごっこ。おクスリ出しておきますね!

とかなんとか言ってるうちに夜が来た。せっかくのいいワインなので、近所のイタリアンレストランでおいしそうな料理(手の込んだ豚の煮込み)をテイクアウトして、いざ飲んでみた。本稿とは直接関係ないけどカキの香草バター焼きもオーダーした。焼いたカキ大好き。

 

カーブ・ド・リラックスで買った量り売りワイン4種類を飲んでみた

さて、まずはモレ・サン・ドニに本拠地を置く人気生産者だというドメーヌ・アルローのシャンボール・ミュジニー(2018)から。

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ドメーヌ・アルローのシャンボール・ミュジニー(2018)。攻略難易度高め。

セール価格1万1800円の高級ワインですよこれ。すごい。そして、その香りは……これは懐かしい、小学校の焼却炉を開けたときに香る消し炭の香りみたいな、やや鉄っぽさとスモーキーさ。そして味わいはかなり渋みが強く果実味はほぼ感じられず上級者向け感がすごい。

やっぱりこれはあれですかね。1万円を超える高級ブルゴーニュは私みたいなニワカワイン好きにはまだ早いのか……と思いつつ開けた2本目、同じくブルゴーニュの人気生産者だというドメーヌ・ペロ・ミノのジュヴレ・シャンベルタン(2016)はこれは打った瞬間にそれとわかるホームランだった。打球はバックスクリーンに直撃し、電光掲示板に「UMAI」と表示される味わい。「HOMERUN」みたいなノリで。

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ドメーヌ・ペロ・ミノ ジュヴレ・シャンベルタン(2016)。これはやべーやつ。

色は薄めのレンガ色。焚き火が終わったあとの余韻のような香りの奥から、バラみたいな華やかな香りが漂ってくる。飲むと渋みと酸味の奥に果実の存在も感じられてこれは大変においしいです。65mlといわずに6.5L飲みたい。昨日の友は今日も友。俺とお前と、ドメーヌ・ペロ・ミノ。そりゃもう人気になるでしょうよこの味ならば。

というわけで、今回飲んだ4本のなかではこのドメーヌ・ペロ・ミノがダントツだった。抜群においしかった。

 

雑に調べたところ「モダン・バローロの旗手」って書いてあったパオロ・スカヴィーノ。

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パオロ・スカヴィーノ バローロ。派手目な味でおいしかった。

そのバローロは酸味、渋み、果実味がどれもアクセル全開でまるでオペラみたいな華麗で派手な味。これもとてもおいしかった。

最後に飲んだのはボルドーの格付け第3級、シャトー・ジスクール。

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明らかに色が濃いシャトー・ジスクール。渋さ全開。

これはかなり渋みが強く、果てしないパワーを感じるけれども私の手にはまたも負えない感じ、外国人選手のオープン戦での特大ファール、みたいな底知れない印象を残してグラスから消えた。

この量り売り、今回限りではなく次回セール時にまた先行して行う予定だとスタッフの方が教えてくれた。おいしいワインを少しずつ飲めるのでとても楽しかったので、また買ってみたいと思う次第である。

 

「ハドウケン」に「コンピラマル・ワインズ」ってなんだ!? 5インポーターのワイン17種試飲レポート。

5インポーター17種のワインを試飲した

東京・神宮前のワインショップ「ウィルトス」の試飲会に行ってきた。今回のテーマは「新規インポーターワイン試飲会」というもの。内容はそのものズバリでウィルトスが新たに取引を開始するインポーターのワインを試飲する会である。

用意されていたのはインポーター5社の17銘柄。結論を先にいうと、今回の試飲会は「ばかうま!」みたいになるワインが複数あった。とはいえ我が家のワインセラーはすでにパンクしており、にも関わらずこれからワインが複数届く。今日という今日こそは買うのはマジで1本に絞ると固い決意を胸に臨んだ。

というわけで、5社それぞれでもっとも印象に残ったワインをレポートしていきたい。

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ズラリ並んだ17種類。これを試飲させてもらいます。

 

コンピラマル・ワインズ「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」とは!?

さて、試飲会がスタートして最初に登場したのはインポーター「winy」が取り扱うオーストラリアの生産者「コンピラマル・ワインズ」のワイン3本。

コンピラマルワインズってなんだよ、となるわけだが、なんでも生産者がTBSのスポーツ番組「SASUKE」の大ファンで、その完全制覇者である漁師・長野誠氏の所有する船「第50金比羅丸」にちなんだ名前なんだそうだが本人たちは日本と縁もゆかりもないらしい。世界にはいろんな人がいる。

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コンピラマル・ワインズの3本。一番右が「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」

さて、3本のなかでもっとも印象的だったのは最初に飲んだロゼ泡「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」。マウント・ミドリヤマはTBS緑山スタジオ、トータル・ヴィクトリーは完全制覇ですね。世界にはいろんな人がいる。

サグランティーノ、ヴェルメンティーノ、ドルチェットから造られたペティアンで、甘みと酸味が実にチャーミングでお花見なんかに激ハマりしそうなワイン。名前のインパクトや背景のキャッチーさも含めてワイン会に持っていくのにも良さそうワイン会に行く予定はないけど。ともかくいきなりの購入候補だ。

 

さわやかポルトガル白、VINHO APARTE「スーパーラヴィット」

続いては鹿児島のショップ兼インポーターをだという「セラヴィー」のワイン。ポルトガルワインを専門に扱うインポーターで、今回飲むことができたワインももちろんポルトガルのもの。

3本飲んだ中でもっともいいなと思ったのはワイン醸造学校に通う3人の論文プロジェクトからスタートしたというVINHO APARTEの「スーパーラヴィット」。ポルトガルの地ブドウなんですかねこれは、アリントとフィルナンピレスを使った限定1000本という希少なワインは、レモンジュースみたいなスッキリした味わいでこれからの季節に良さそうな印象だった。

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一番右が「スーパーラヴィット」。真ん中のオレンジワイン「アパルテクラシコ」もおいしかった。

ウィルトスの方いわく「ポルトガル由来の食べ物は日本にたくさんあるし、日本と同様海の物を多く食べる。だから和食と相性がいいんです」とのこと。たしかにこれは和食にピッタリな感じがした。

 

若き女性醸造家ラファエル・ギュイヨの「レ・ザット」が素晴らしかった件

お次は東京・築地のインポーター「VIVIT」のワイン5種。この中で、全体の9番目に飲んだブルゴーニュの造り手ラファエル・ギュイヨの「レ・ザット」が強烈においしかった。

インポーター資料によれば、ラファエル・ギュイヨはミレニアル世代のフランスの女性。高校卒業後に様々なワイナリーで研鑽を積み、2016年にコート・ド ・ニュイのコンブランシアンにミクロネゴスを設立して買いブドウでワイン造りをスタートしたという小規模生産者。

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ラファエル・ギュイヨの「レ・ザット」が素晴らしかった。右に見える「リディル」も秀逸。

レ・ザットはピノ・ノワール100%の全房を使って野生酵母で発酵。添加物なし、無清澄、SO2はボトリング時にトータル13mg/lっていう自然派な造りなんだけどこれはもう口の中がお花畑状態で大変においしかった。自然派かどうかは置いといて、ただのめちゃくちゃおいしいピノ・ノワール。この人の造るほかのワインも素晴らしかった。

ワインの格付けはヴァン・ド・ペイ・ド ・ヨンヌで、ヨンヌは彼女の生まれ故郷なのだとか。応援したいしおいしいし、「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」とならんで購入候補の最前線に躍り出たのだった。ブルゴーニュの若き醸造家のワインと「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」のギャップがすごい。世界にはいろんな人が略。

 

素晴らしいガメイ。ドメーヌ・ド・グロット「バルべロッソ」

残すとところはあと2インポーター。ラス前は「ぶどうモンスター」という凄まじい名前のインポーターの2本。

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ボジョレーのガメイ100%で造るドメーヌ・デ・グロットの「バルべロッソ」(右)がとてもおいしかった。

そのうちの1本、フランスはボジョレーのドメーヌ・デ・グロットの「バルべロッソ」が印象に残っている。ガメイ100%で果実味がめちゃくちゃピュア。ちなみに造り手はタイでヨガや瞑想に耽り、中国で武術を学んだというスピリチュアルな感じの人物。私はスピリチュアルにはほぼ一切興味がないがこのワインは最高。バラの香り。これも購入候補になってしまった……!

 

ワインキュレーター・ZULUの「ハドウケン」とは一体なんだ!?

そしてこの日の試飲会の最後は兵庫は芦屋のインポーター、ラ ・グリューの取り扱うワイン4種で、生産者は同じフランスの「ZULU」。生産者、というかZULUはワインのキュレーションを行う人々のようで、ルーション、ラングドックの生産者とコラボし、さまざまなスタイルのワインを世に送り出しているようだ。

このなかでなんといっても気に入ったのがその名も「ハドウケン」。「スト2」ですね。↓↘︎→Pです。ラングドック地方リムー近郊の生産者とのコラボだというこのキュヴェは、リムーではスパークリングワインに主に使われるというモーザックを使った白ワイン。これがまあいきいき溌剌としたキレイすぎる栄養ドリンク、みたいな味わいで非常に良かった。

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見ればわかると思いますが右から2番目がハドウケン。

しかし、このハドウケンにしてもその前のバルべロッソにしても、自然派ワインってラベルが変ですよね(真顔)。しかしながらいずれも味はマトモ(失礼)。このハドウケンには「春の苦味のある野菜に合わせたらおいしそうですよね」とウィルトスの方。それはマジで最高だなー。フキノトウの天ぷらと合わせることを想像するだけでヤバい。ワインの苦味とフキノトウの苦味が重なり合って、油を酸味が洗い流して……うーん、たまらん。

 

いずれ劣らぬおいしいワインの数々……1本選んだのはこれ!

ともかくこれで17種のワインの試飲をすべて終えた。いよいよ1本に絞るタイムである。ハドウケンを次点に、候補は「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」「レ・ザット」「バルべロッソ」の3つ。

このうちレ・ザットはピノ・ノワール、バルべロッソはガメイで味の方向性が近い。どちらも非常においしかったのだが、未来に羽ばたく若き女性醸造家を応援したいという気持ちが勝ち、「レ・ザット」をチョイス。「マウント・ミドリヤマ トータル・ヴィクトリー」とのまさしく最終決戦である。ちなみに価格はレ・ザットが4000円、マウント・ミドリヤマが3060円(いずれも税別)と、ミドリヤマのほうが財布にはやさしい。

外飲みの機会も増えそうだし、ロゼ泡で花見にもいいし、なにしろネタになるしミドリヤマか……と思いかけたがしかし、「花見に良さそう」と同じウィルトスの試飲会で以前買ったヤウマのロゼ泡がそういえばある、家に! という事実を思い出し、「レ・ザット」に決めた。第一印象から決めてました!

というわけで今回のウィルトスでの「新規インポーターワイン試飲会」、魅力的なワイン、生産者、インポーターを知ることができて大満足の会だったのだった。「レ・ザット」いつ飲もうかなー!

 

ハドウケン売ってたー!

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