ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK45】

ブラインドテイスティングWEEK45に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成だ。

そして今回、1杯目の白より2杯目の白のほうが明らかに色が薄い。言ってしまえば1杯目は黄色、2杯目は透明だ。目に見えてる罠感がすごいが、順番通りに1→2の順で飲んでいこう。1杯目は樽の効いたシャルドネ、2杯目はヴィオニエと予想(気が早い)!

 

 ブラインドテイスティングWEEK45/1杯目

とはいえ、割と予想通りというか、1杯目のグラスからは蜜っぽい香りが強めに漂ってくる。しかしわずかに還元的な香りもしていて、樽ではなさそう。ステンレスタンク発酵のシャルドネ……ルイ・ジャドのスチールシャルドネとか、アンオークトなシャルドネの香りがするような気がする。

飲んでみてもその印象は覆らない。第一印象はハチミツレモンなのだが、レモン成分が多めで酸がしっかりとあって、かつキレイ。外観の割に中身はピュアな感じのワインだ。うまい。ちょい還元感あるけどそれもアクセントになっていて、わずかな苦味とともにおいしさを構成している気がする。

涼しい年のブルゴーニュ、2021年とかのやつで、タンク発酵してるやつ……っていうかその特徴って要するにシャブリじゃないの? という感がある。他、候補としては南半球のリースリングとかアリゴテも挙げられる気がするが、ここまできてシャブリという結論を曲げるほどのことはない気がする。


フランス (シャブリ)/シャルドネ/2021/13%

と予想した。ヴィンテージは悩ましい。2020でも、2022でもいい気がする。自信度は割と高めの40%でお願いします。

ブラインドテイスティングWEEK45/2杯目

さて、次は2杯目だ。色は非常に薄く、ゴールドよりはシルバーの印象。わずかにゴールドを帯びたいい感じのフォークみたいな硬質でメタリックな色。香りは1杯目の印象に近く、酸を予感させる香りで、わずかに蜜の印象が乗る。少しのハーブっぽさもあって、現時点での予想はアリゴテ、ソーヴィニヨン・ブランリースリングとかそっち系。どっち系かといえばアロマティックじゃなくて酸が主体の野郎ども、だ。

飲んだ印象は中庸で、あにはからんや、酸が主体だ。アリゴテ、リースリングではない。あとなんですか酸が主体の品種っつったら。ああ、甲州。先週出た甲州ね(行ってはいけない方向の予想)。あと北海道のみなさんなにかご意見ありますか? え? ケルナー? ケルナーもうちょい甘やかな気がするんすよね、ありがとうございました。

というわけで脳内オーディエンスを使用したがあまり有力な意見が出ない。私がソーヴィニヨン・ブラント誤認しがちな品種でおなじみのアルバリーニョ、ソアヴェ(ガルルガーネガ)にガヴィ(コルテーゼ)といったイタリア連合のみなさん、新世界からハンター・セミヨンといったみなさんもこっちをチラチラみている気がするが、今回は素直にソーヴィニヨン・ブランで行こう。正解じゃない気がするけど他のを選ぶ根拠がない。自信度17.5%。当たったらラッキー。

ニュージーランドマールボロ)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/12.5% 


 

ブラインドテイスティングWEEK45/3杯目

最後、3杯目は赤ワインで外観は深めのガーネット。色は深いが清澄度は高いタイプ。香りは革っぽさ、葉巻のようなスモーキーな香り、カシス、ロッテのブルーベリーガムの包み紙。飲んでみるとかなりしっかり果実があって、かなりチャーミング。ロッテでブルーベリーガムを造っていた技術者が引退後に立ち上げたワイナリーの看板ワイン、みたいな味がする。要するに飲みやすく、おいしい。

おいしいのだがなんだろうこれ。もう少しスパイシーならオーストラリアのバロッサ・シラーズと答えると思う。色が濃くて意外と果実みたっぷりという意味ではプティ・ヴェルド……と言いたいが出ますかねプティ・ヴェルド。いや難問だなこれ。

いやでも待った、プーリアはあるか。プリミティーヴォはあるかもしれない。バニラ感もあるし、色は濃いし、最低限の酸が意外とある感じも含めてプリミティーヴォはありえる。だとしたらカリフォルニアのジンファンデルも選択肢に残さなければならないでしょうどう考えても。

これはどちらもあり得る。濃いっつってもそこまでドス濃いわけではないので官能検査的にはジンファンデルなのだが、ここは第一印象先輩の顔を立ててこちらにしよう。

イタリア(プーリア)/プリミティーヴォ/2020/14.5%

 

ブラインドテイスティングWEEK45の予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

フランス・ローヌの帝王「ギガル」のワインを飲む会開催! なにがおいしかった?

ローヌとギガル

「避けて通れない道」みたいなものがこの世にはある。日本映画ファンなら黒澤と小津は避けて通れない、みたいな。ワインだったらブルゴーニュボルドーシャンパーニュはどこをどう考えても避けて通れない。ではジュラやサヴォワは? これは避けて通れるっちゃ通れそう。ロワールは……ギリいける。間一髪縫っていける気がする。

しかしローヌはダメだ。どうしても避けて通れない。シラー単体、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのGSMブレンド、さらにはヴィオニエと魅惑の品種(ブレンド)が多すぎるし、それらの世界的広がりがありすぎて、避けて通ろうにもどうしてもブチ当たる。

そのローヌを代表する造り手がギガルだ。北ローヌの主要なアペラシオンを網羅し、どれを飲んでもハズレがなく、またアペラシオンの個性も忠実に表現されていると言われる。

ならば、ギガルを飲めばローヌがわかるということになるまいか。ということで、ギガルのワインだけを飲む会、「きがるにギガル会」を企画したところ、ど平日にも関わらず7名の方にお集まりいただいた。

ちなみに今回は私が発案者であり幹事でもあったため会の最中はなにかと忙しく、写真は一枚もない。文字ばっかりで読みにくくて恐縮だが、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

ギガル会のワインリスト

まずワインリストがこちら。

泡に加えて白と赤それぞれ3本ずつの構成で、広域名→アペラシオン名→区画名的なやつ、と段々価格が高くなっていく構成。ちなみに、白は2020、赤は2017とヴィンテージも揃えた(どちらもローヌの良年)のだが、これは結果的にすごくいい結果につながった。

というわけで、ボトルバイボトルで会の模様を振り返っていこう。

 

【1杯目】ドメーヌ・ド・キュイロン「ヴィオニエ・メソッド・トラディション2021」

さて、このギガル会は最初の1杯だけが非・ギガル(ギガルは泡がない)で、ドメーヌ・ド・キュイロンのヴィオニエ・メソッド・トラディション2021。「標高が高すぎるという理由でコンドリューが名乗れない」というなんとも気の毒な畑で造るワインで、会はこの泡で乾杯するところからスタート。

ヴィオニエの泡は初めて飲んだが、2021VTとわずかに熟成していることもあってかスティルのヴィオニエの印象とは異なり、クリーミー。メソッド・トラディショナルであることもあり、まるでほんのちょっと熟成したシャンパーニュのブラン・ド・ブランみたいなワインだった。

こちらのワイン、提供時の温度が少し高かったかもと反省している。もっと冷やして飲みたいワインだったかもしれない。

 

【2杯目】コート・デュ・ローヌ・ブラン2020

でもって次に飲んだのがギガルのコート・デュ・ローヌ・ブラン2020。ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌ、クラレット、ブール・ブラン、グルナッシュ・ブランがブレンドされたややこしいワインだが、これがまあほんとに安い白ワインのお手本とはこれか、という仕上がり。

私はギガルのワインは赤ばかり飲んで白をほとんど飲んでなかったのだがこのクオリティには改めて驚愕。1000円台最強まであんじゃないすかこの白。

味わい的には「いいシャルドネ」以外のなにものでもない。マコンの3000円前後の白、とか言われたときに「なるほどね」みたいに言いそうな味筋だ。その半分くらいの実売価格でこのクオリティはお見事。

このあといいワインをたくさん飲んでどれも素晴らしかったのだが、不思議なことにこの広域ローヌ白の良さは最後まで色褪せなかった。普通「比べちゃうとしょぼい」になるところ、ずーっと「これはこれでうまい」だった。

 

【3杯目】コンドリュー2020

続いて飲んだのがコンドリュー2020だ。これは、今回飲んでみたかったワインの一つであるコンドリュー ラ・ドリアーヌ2020と飲み比べてみたくて用意したワインで、ヴィオニエ100%で造られている。コンドリュー は新樽1/3で8か月熟成、コンドリュー ラ・ドリアーヌは新樽率100%で8か月熟成+マロ発酵という違い。ちなみにギガルの新樽は自分たちで造っているのだそうだ。こだわりがエグい。

ヴィオニエの特徴は、アロマティックなのに酸が高くないところ。その印象が白桃などのストーンフルーツ感につながっているのだが、このワインの印象はズバリ最上級のポカリ。ポカリプレミアム。ポカリプレミアムDX。

新樽で熟成させているからなのか、アロマティックな印象は薄れ、シャルドネ的な厚みが感じられる。香りも桃感はあまりなく、むしろ紅茶のような印象になっている。参加者のみなさんのコメントは「放課後に飲んだ午後の紅茶」で、それもよくわかる。集まった善男善女みなしばし思い思いの郷愁に耽るの図となったのだった。

 

【4杯目】コンドリュー ラ・ドリアーヌ2020

だが、その印象を超えてきたのがやはり「コンドリュー ラ・ドリアーヌ2020」だったのだった。これはブラインドでヴィオニエと言い当てるのは私のレベルではほぼ不可能で、ブルゴーニュのすごくいいやつやすごくいいボルドー・ブランにも似た、フランスのおいしい白ワイン味がする。前に飲んだコンドリューよりも、さらにアロマティック感は少なめだ。

新樽で品種の個性が覆い隠されているのかといえばそんなことはなく、言われてみればたしかにヴィオニエ。ヴィオニエが持つ華やかさを樽がブーストし、マロ発酵も経ているからか、黄金色のとろっとろうまい液へと変化している。すごいなヴィオニエ、新樽100に負けない力が君にはあったのだね…!

今飲んでもおいしいが、あと何年か経ってから飲んでもまたおいしそうという素晴らしいワインだった。ありがとう、ラ・ドリアーヌ。

 

【5杯目】コート・デュ・ローヌ ルージュ 2017

そして会は赤ゾーンへと突入していく。まず飲むのは白同様、広域ローヌから。シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルのGSMブレンドで、ワイン高騰が著しい昨今でも2000円を切る価格で手に入る安ワインだが、この2017VTはVTからプラス7年の今飲んで余裕でおいしい。

思えばこれは「シラーっておいしいな」と初めて思った3-4年前のころにツイッターでおすすめしてもらったワインなのであった。あの日教えてもらったことが今日のギガル会につながっていて、私は今も1000円台で買える世界でももっとも偉大なワインがギガルのコート・デュ・ローヌ赤白だと思っている。ありがとうございます。

シラーが中心でありながらグルナッシュ、ムールヴェードルが加わることで非常にバランスが良い。果実が主体の味わいなので、とっつきやすさも抜群だ。

2017は2000円を上回るけど、ご興味あれば。味わいに対しては間違いなく安い

 

【6杯目】シャトー・ヌフ・デュ・パプ ルージュ 2017

そして、次に開けたシャトー・ヌフ・デュ・パプ2017がこのイベントの影の主役的存在となった。金額的にはこの会では下から数えたほうが早いワインだが、なんと参加8名中3名が「今日のベスト」に挙げる大健闘具合だったのだ。

グルナッシュ70%、ムールヴェードル15%、シラー10%、その他5%というGSMブレンド。ステンレスタンクで発酵し、36か月大樽で発酵させたというワインだが、まさにピークの絶頂にあるような味わいだったと思う。

たっぷりとした果実があり、それを支える酸があり、おそらくは7年の歳月によって角の取れた渋みが指揮者のように全体を調和させていた。2017という大波の真上に立ったかのような乗るしかないこのビッグウェーブに状態。みなさん、ギガルのCNDP2017は見かけたら買ってください。

 

【7杯目】シャトー・ダンピュイ 2017

シャトーヌフ・デュ・パプが波の真上だとしたら、来るべき波に備えてパドリングしてる真っ最中みたいな状態だったのが、この日私が一番楽しみにしていたギガルのコートロティ、シャトー・ダンピュイ2017だった。ダンピュイ村はギガルの本拠地。本拠地キュヴェにハズレなしの法則に従って、これも大変おいしいワインだった。

セパージュはシラー93%、ヴィオニエ7%という北ローヌならではの感じ。果実は濃く、奥行きや深さもありつつヴィオニエが加わっていることによる独特な清涼感がなんとも良い。

前に飲んだCNDPが完全に調和していたのに対して、こちらはちょっとまだ荒々しい感じなきにしもあらずだがそのポテンシャルは間違いなく感じられるという飲む山下舜平太感のあるワインだったのだった急にオリックス・バファローズの投手にたとえて言うと

私はプロ野球絡みのイベントでいうとキャンプインの次にドラフト会議が好きなタイプの野球好きなので、こういう(ポテンシャルの高い)ワインをこういう(まだちょい早い)タイミングで飲むのが好き。故にこの日のベストはこれだと感じた。すべてが溶け合う前の、まだちょっと青い感じが好きなんです。好きなんです!

 

【8杯目】エルミタージュ・ブラン エクス・ヴォト 2001

さて、これで用意したワインは全部開いた……のだが会はまだまだ終わらない。参加者の一人・DHGさんがとんでもないワインを持ち込んでくれていたのだった。それが良年にしか造られないギガルの白の最高峰「エルミタージュ・ブラン エクス・ヴォト」、それも2001年ヴィンテージ(!)。今買おうと思ったらこれ1本でそれ以外の私の用意した7本より余裕で高額、という恐ろしいワインである。

なんでもDHGさん、コート・デュ・ローヌ(安い)と間違えてコート・ロティ(高い)を飲んで以来のローヌ好きなのだそうで、このエクス・ヴォトはワインにハマった頃に勢いで購入、その後長くセラーで眠り続けていたのをこのギガル会をいい機会だとお持ち込みいただいたのだったありがてえありがてえ。

マルサンヌ90%とルーサンヌ10%を100%新樽発酵、100%新樽熟成させたというワイン。色はかなり褐色に近づいており、23年の時の経過を感じさせる。そしてグラスに接近して驚いた、「ど…ドンペリ!?」というのが第一印象だ。熟成したドン・ペリニヨン的な、ものすごく芳醇な熟成香がする。マルサンヌ(とルーサンヌ)ってこんな感じになんの!?

DHGさん家のセラーで約20年眠っていたこのワイン、四半世紀に近い時を経て、飲んでみても熟成がかなり進んでいる。2020年の白ワインとは明らかに異なる、芳醇・豊穣・爛熟の極み。ワインという領域を逸脱し、エクス・ヴォト(神への供物)に相応しい神性を帯びた味わいになっている。いやはやすごい。DHGさんに改めて感謝したい。

 

ギガル会を終えて

というわけでギガル会は終わった。アペラシオンごとの個性までつかめたかと言われればそんな簡単なものではなかったが、新樽発酵・熟成させたヴィオニエがまるでシャルドネのような味わいになることがわかったし、マルサンヌとルーサンヌのポテンシャルも知ることができた。そしてローヌの2017年は間違いなくいい年だ。2017の赤と2020の白を3本ずつ飲み比べたときに、現時点でおいしかったのは2017年の赤だった。とくにシャトーヌフ・デュ・パプ ルージュは間違いなくコスパNO.1だったと思う。

そしてなにより「ローヌの個性」「ローヌの魅力」は確実にインストールすることができたのだった。

お店は牛込神楽坂のラビチュード。事前にワインを持ち込んでいたこともあり、ワインに寄せた料理をちょこちょこ提供してくださり、終わってみればお腹も満足。いいお店、いい人といい会ができてよかった。

お集まりいただいた皆様に感謝。またきがるにギガル飲みましょう!

 

 

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK44】

ブラインドテイスティングWEEK44に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白1、赤2のオーソドックスな構成。先週は1杯目に出たドイツのピノ・ブランが正解者ゼロ。それを踏まえて今週はどんな問題が出されるのだろうか?

とはいえ、「グラスの外」の情報は一切無視し、あくまでグラスの中身と向き合っていきたい所存だ。早速いってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK44/1杯目

さて1杯目は白ワイン。外観は透明と黄色とゴールドが作る三角地帯のど真ん中、みたいな色合い。なんていうか、ごく普通の白ワイン色だ。

香りは弱め。蜜っぽさ、バニラっぽさがないこともあってステンレスタンクっぽさを感じる。

飲んでみると、これ確実に飲んだことあるよって味がする。確実に飲んだことがあるので絶対に当てたいのだが、会ったことが100%あるのに名前が1ミリも思い出せない人とパーティで出くわしたしたときみたいな気分。えーっとお名前……なんでしたっけ?

味わいは杏のような甘ずっぱい印象に、少しの苦味。わずかにナッティなニュアンスと塩味に似たなにか。甘さやや強く、酸はやや多め。アロマティックまでギリいかないニュートラルな味わい。なんだろうこれ……イタリアのピノグリージョか、あるいはスペインのアルバリーニョか。

極々わずかに発泡しているっていうか「さっきまで発泡してました」みたいな雰囲気があるのでヴィーニョ・ヴェルデ的ななにかもワンチャンあるかもしれない。

わからない。ならばせっかくなので一度も当てたことのない品種で勝負してみよう。

スペイン/リアス・バイシャス/アルバリーニョ/12.5%/2022
と予想した。自信度は10%だ。

 

ブラインドテイスティングWEEK44/2杯目

2杯目は薄めの落ち着いたルビー色をした赤ワイン。キレイに透き通っていて、伝統的な造りを思わせる。

香りはなんすかねこれ。年季の入ったバーに入店した時の香り。少し燻したような木の香りと、カゴに盛られた野生のベリー類の香り。アルコール感もある。

飲んでみると渋みしっかり、酸味しっかり、果実もいる。いや、これは普通においしいピノ・ノワールじゃないんすかね。

と思ったがちょっと待った。この妙に陰性な感じはネッビオーロも全然あり得る。一方陽気さがないのでエレガント系グルナッシュとかではないと思う。ネレッロ・マスカレーゼ……じゃないでしょう多分。

ピノかネッビか。これはガチで2択でいいと思う。いやでもこれはピノ・ノワールだ。自信度50%でこう予想した。

フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13%


ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

さて最後は一転、非常に濃くてインキーな青紫色みたいな外観の赤ワイン。スワリングしてみると液体がグラスにへばりつくアメーバ状態で粘性は高め。

香りは樽っぽい香りにベリーの香り。オッス、オラ、新世界の赤!  と自己主張してくるようなシンプルな香りで、飲んでみた印象もそのまんま。力強くて果実たっぷり。渋みと酸味がカレーにおける福神漬けとラッキョウ的な立ち位置で添えられている。少しスパイシーさもあって、少し緑っぽさもある。

新世界の赤。熟成させずに収穫から3、4年で飲み切っちゃおうっていう早飲みタイプ……な気がする。とてもとっつきやすくておいしいワインだ。

なんとなく、フランスの品種が国外で発展しました、みたいな印象を受ける。アルゼンチンのマルベックとか、チリのカルメネールとか。味わいの柔らかさからはメルロー、後味に野菜っぽさがあるのでカベルネ・ソーヴィニヨンもあると思う。いずれにせよ王道品種、その新世界バージョン。

いやでもこれチリな気がするな。そんなに高くない、ガブガブ飲んでぐるぐる回る、おいしいチリワインであるような気がする。これも奇をてらわずにいっちゃおう。

チリ(セントラル・ヴァレー)/カルメネール/2022/14.5%

と予想した。自信度は30%くらいか。カベソーかなあ。カベソーな気もするが、なんか今夜はカルメネールって言いたい気分だ。そんな気分あるんだ。

 

ブラインドテイスティングWEEK44予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。(ちなみに回答用紙は撮り忘れました)

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目

予想:
スペイン/リアス・バイシャス/アルバリーニョ/12.5%/2022
正解:ポルトガル(ミーニョ)/ロウレイロ、アザル、アリント、トラジャドゥーラ/2022/12%
 


シュワシュワしてんだからそりゃヴィーニョ・ヴェルデなんだよ! というわけで、私名物・カスってはいたが不正解だった。

聞けばヴィーニョ・ヴェルデは初登場だったのだそうで、当てたらカッコよかった。残念。

 

ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目

予想:
フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/13%
正解:フランス(ブルゴーニュ)/ピノ・ノワール/2021/12.5%
 

2杯目は見事に正解。とはいえ、73人中44人が品種を正解したそうでこれは比較的簡単な問題だったようだ。比較的簡単な問題ばっかり出して欲しい。

 

ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目

予想:
チリ(セントラル・ヴァレー)/カルメネール/2022/14.5%

正解:オーストラリア(マーガレット・リヴァー)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2022/14%
 

「新世界のカベルネ的ななにか」という「白人男性」くらいの大雑把な予想は当たったが、チリでもカルメネールでもなくオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニヨンだったという私の予想解像度の低さを露呈する結果となった。

これ、過去にも多分間違えていて、私はたぶんオーストラリアのカベルネを一度も正解できていない。オーストラリアはシラーズばっかり履修してて、カベルネはほぼ未履修。ちょっとオーストラリアのカベルネ買ってきます。

終結果は2問目がほぼパーフェクトだったこともあり5問正解とまずまず。

「ヒマさんはさ、(発表される5位以内には全然入んないけど)10位以内とかには結構入っているわけよ。もうちょいなんだよね」

という沼田店長の慰め(?)の言葉を背に受けて、来週は久しぶりのベスト5入りに向けて頑張りたい所存だ。

 

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK43】

ブラインドテイスティングWEEK43に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成。

ちなみに先週は風邪でダウンして参加できなかったのだが、休養日明けにホームランを連発する大谷翔平の気分で休み明けならではの好成績を期待したいところ。私はただ酒を飲むだけだけど。

 

ブラインドテイスティングWEEK43/1杯目

さて1杯目はやや薄めのシルバーゴールド(どっちだよ)といった金属質な色合い。香りにもどこかステンレスのような岩のような感じがあり、蜜っぽさも漂ってくる。

飲んでみるとまずくるのは切れ味鋭い錐のような酸。ついで甘みと少しの苦味がついてくる。

第一印象はリースリングだ。ていうかリースリングだと思う。恐ろしいのはソーヴィニヨン・ブランである確率が一定あることなのだが、ほんのわずか、あるかなきかの石油香もある気がするので、今回はリースリングで行ってみる。

ただこれドイツじゃない気がするんだよな。オーストラリアかチリあたり。なんだけど、そのあたり自分あんま土地勘ないのでここはドイツにしておこう。無難に最大の産地でお願いします!

ドイツ (ラインヘッセン)/リースリング/2022/12.5%


こう予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK/2杯目

外観は1杯目に似ているが、もう少しゴールド寄り。食用の白ブドウのような甘やかな香り。ハチミツの巣みたいな雰囲気。なんだろうこれアロマティックな白かなと思って口に含んで仰天、シュワシュワしてる! しかも甘口! 2杯目が甘口、それも泡というのは初めてのパターンだ。2杯目に不意打ちの泡、これが今週沼田店長が仕掛けた罠か……!

でですね、友よ、いきなり結論を言おう。これはモスカート・ダスティだ。なぜか。私は以前ワインマーケット・パーティのブラインドテイスティングでモスカート・ダスティが出た際、それまでモスカート・ダスティを飲んだことがなかったことで回答できず、悔しくてモスカート・ダスティを買って飲んだ、という経験をしているからだ。

だからモスカート・ダスティなのだこれは。この甘い感じと白ブドウ感。Yeah、めっちゃモスカート・ダスティ。アルコール度数も7.5%くらいの感じがするし。甘口ヴィーニョ・ヴェルデとか甘口フリッツァンテとかもあり得るとは思うがあり得るからなんだってんだ!

イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2022/7.5% 


と、強い気持ちでモスカートと予想した。

 

ブラインドテイスティングWEEK/3杯目

2杯目に甘口が出た後で3杯目が赤なの難しすぎないですかね問題だ。案の定私の味覚レベルではワインから果実味をまったく感知できない。これはデザートを大福→イチゴの順に食べた状態と思われる。

なのだがこのワイン、飲んだ印象としては果実を感じないが実は果実のあるタイプな気がする。香りは意外と爽やかだ。獣っぽい感じやインキーな感じの少ない爽やかなグリーンノート。渋みと酸味はおだやかなタイプな気がする。

候補としてはカリフォルニアのカベルネか、ジンファンデルか。あるいはチリカベとかもありそう。ひとまず無難にこう予想しておこう。

アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2021/14%

ま、ぶっちゃけ口の中が甘くてさっぱりわからないっす。

 

ブラインドテイスティングWEEK43予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】

さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:1杯目

予想:
ドイツ (ラインヘッセン)/リースリング/2022/12.5%

正解:ドイツ(バーデン)/ピノ・ブラン/2022/12%
 


正解はピノ・ブラン。これ、参加95名で正解者ゼロだったそうだそうでしょうそうでしょうそりゃあそうでしょう。以前Amazonでドイツの白ワインセットを買ったことがあり、セットに入っていたリースリングとリヴァーナー(ミュラートゥルガウ)とヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)を飲み比べたことがあるが、もちろん記憶は皆無だ。とはいえ正解者ゼロということは、ぴたりと当てたらたった一人の正解者になれたということ。次回はそれを狙っていきたい(できるとは言ってない)。

リースリングっぽいけどリースリングじゃない気もする、主な理由は蜜の少なさ(と、ペトロールのなさ)。と思ったときに、今後はピノブランを疑おう。

 

ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:2杯目

予想:
イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2022/7.5% 

正解:イタリア(ピエモンテ)/モスカート/2020/5.5%
 

というわけでこれは正解だ。これは正解なんですよ。モスカート・ダスティめっちゃ特徴的な味わいなのでこれは自分のなかで当てなきゃならんやつ。そして次同じ問題が出たときに深読みし過ぎて外すところまでがセット。

アルコール度数はかなり低めに感じたが、なんと5.5%。このあたりまだまだ解像度が低いので要反省だ。

 

ブラインドテイスティングWEEK43 / 正解発表:3杯目

予想:
アメリカ(カリフォルニア)/カベルネ・ソーヴィニヨン/2021/14%
正解:フランス(ボージョレ)/ガメイ/2022/13.5%
 

最後は案の定、甘口微発泡で味覚が破壊され、箸にも棒にもかからない、ここだけ違う人が鉛筆転がして予想してんじゃない? みたいな結果となった。ガメイが出ると、大概「うっわー、ガメイかーっ、当てられたなーチキショー!」みたいになるのだが(つまり大概外すのだが)、今回はそれもないくらい全然わからなかった。神々(ブラインドガチ勢)はこういう場合どうやって体勢を立て直すんだろうなあ。

今回のガメイはクリュ・ボジョレーのムーラン・ナ・ヴァン。箸にも棒にもかかってないのにアレだが、おいしいワインだったと思います。

というわけで、今回は12項目中4項目の正解だった。というわけで、恵比寿ワインマーケット・パーティでの毎週月火のブラインドテイスティング、大変楽しいでみんなで #パーティブラインド しましょう!

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK42】

ブラインドテイスティングWEEK42に臨んで

先週お休みを挟んで今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成。

通常同じ色のワインは薄い・濃いといったようにニュアンスが異なることが多いが、今週の白は色味的には薄い・薄いの組み合わせ。いきなり高難度が予想されるが張り切って行ってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK42/1杯目

さて1杯目だ。外観は薄めのイエローで、ゴールドっていうかややシルバー寄り。特徴的な華やかな蜂蜜的な香りがして、この時点でヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、トロンテスあたりのアロマティック勢が脳裏をよぎる。白桃が強ければヴィオニエ、ライチがいればゲヴュルツ、決め手がなければトロンテスで行くか…みたいな戦略で行きそうな気配。

しかし、飲んでみるとかなり酸のトーンが高く、かつかなりドライに感じる。ライチがいない(ような気がする)のでゲヴュルツではないような気がするし白桃っぽくもないし飲んでみると香りほどにはバラみもない。

むしろイタリアのガヴィとかソアヴェとかあのへんな気がする。ワンチャンアルバリーニョ……もあるかもしれない。新潟のアルバリーニョとか薄くワンチャンありそう。印象としてはかなりレモンだ。となるとガヴィかソアヴェでいきたくなる。

というわけで、
イタリア(ピエモンテ)/コルテーゼ/2022/12.5%
と予想した。ガヴィ、全然当たらないんだよな……予想しておいてなんだが早くも暗雲が立ち込めております。


ブラインドテイスティングWEEK42/2杯目

2杯目も外観はかなり薄めのイエローで、1杯目より強いて言えばやや濃いめかなくらい。とはいえ1杯目と2杯目がシャッフルされたらまったくわからなくなっちゃうくらい外観は似ている。

ただ、香りは全く異なっており、樽を思わせるバニラっぽい香りと蜜っぽい香りがする。ブルゴーニュとか、ロワールとか、いずれにしてもフランスワインっぽい香り。

飲んでみても印象は大きく変わらず、クラシックな造りの白ワインという印象だ。ロワールのシュナンブラン、あるいはサンセール、それかブルゴーニュのアリゴテの3つに決め打ちしていきたい。え、どれだろう。全然わかんない。

アリゴテがレモンで、ソーヴィニヨン・ブラングレフルで、シュナン・ブランがその中間とするならば、ほんのわずかにグレフルが勝ってる気がする。

フランス(ロワール)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/13%
と予想した。

ブラインドテイスティングWEEK42/3杯目

3杯目はここまで薄めだったのから一転、かなり濃いめのガーネット色をした赤ワインだ。味わいは渋みがメインで、続いて酸。果実は一番後ろっていうか卒業写真撮影当日にインフルエンザと診断されて泣く泣く丸囲みにされてしまった生徒、くらいのニュアンスでしか存在していない。そして、おお、これは品種を思わせるたしかな香り、イチゴキャンディっぽい香りがする。

この香りが出たならば選択肢は無限の広がりを持つこの宇宙にふたつ。マスカット・ベーリーAかガメイかだ。香り的にはベーリーAとも答えられる。しかし、ここまで色が濃く、骨格があってアルコール感もしっかりあるベーリーAってあるのかなともなる。暑い年のベーリーAをがっつり樽熟成させたらこうなる可能性ワンチャンあるだろうか。

いやでも、ここまでどっしりしたベーリーAは飲んだことがない。飲んだことのないものを予想するわけにはいかぬ。というわけで、
ブルゴーニュ/ガメイ/2020/13.5%
と予想した。今回はこれが当たってないと相当ヤバい。


ブラインドテイスティングWEEK42予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。

 

【追記】
さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。以下、結果を見ていこう。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目

予想:イタリア(ピエモンテ)/コルテーゼ/2022/12.5%
正解:ドイツ(フランケン)/シルヴァーナー/2021/13%

ししし、シルヴァーナー!?!?!???!!?
 いやこれはまったくわからなかった。実はドイツは一瞬脳裏をよぎったのだがよぎったのはヴァイス・ブルグンダー(ピノブラン)で、これは黒ネコとハクビシンくらい違う。まったくもって考えもしなかった。

アロマティックっぽいけどアロマティックじゃない、すっきりした白ワインっていう、東か西かで言えば西、くらいの粒度での方向性は合っていたが、要するにかすりもしない不正解だった。無念。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目

予想:フランス(ロワール)/ソーヴィニヨン・ブラン/2022/13%


正解:フランス(ブルゴーニュ)/ソーヴィニヨン・ブラン/2018/13%

というわけでこれは割と当たった。ロワールのソーヴィニヨン・ブランブルゴーニュのアリゴテとで迷って正解はブルゴーニュソーヴィニヨン・ブランだったので不正解だったのになんか嬉しい、という奇妙な結果となった。一方で、酸化熟成っぽいニュアンスは感じていたのに言語化できず、結果的にヴィンテージを4年も間違えたのは
反省材料。


ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目

予想:ブルゴーニュ/ガメイ/2020/13.5%
正解:日本(山形)/マスカット・ベーリーA/2021/13%


こちらが今週の千葉県立やっちまった工業高等学校案件。ガメイとマスカットベーリーAという2択を外したのもそうだが、正解ワインの山形・朝日町ワインの「マイスターセレクション 遅摘み マスカット・ベーリーA」を私は飲んだことがあるのだ。しかもここワインマーケット・パーティで。そのときと全然違う印象だったんだよなあ。無念である。ノーマルリーチで外してもなんとも思わないけど激アツリーチで外すと本気で辛いのと似ている気持ちだ唐突にパチンコにたとえさせていただくと。

このワインを飲んだときの詳細はこちら↓

numero.jpというわけで、全体的に予想の方向性は間違っていなかった感があって手応えもないわけではないのだが、結果的には的中項目はわずか3つと寂しい結果となったのだった。しょぼん。

この赤セット良さそうなので買いました↓ お得感ある。

興味のない方にワインを勧める方法を考えつつ、「刺さった」ワインを振り返る

ワインに興味を持ってもらうためには?

お友だちのとりゅふさんと「花よりロゼ会」を開催した。

とりゅふさんはXおいしいもの界隈で知らぬもののないインフルエンサー。彼女が東京・田原町のオールデイダイニング「101 ichi maru ichi」の運営に関わっている関係から、同店でイベントを開催するようになって今回が3回目なのだが、とりゅふさんの恐ろしい集客力により毎回70名前後のゲストをお招きする大盛況のイベントとなっている。

イベントのクリエイティブもとりゅふさん作

私はワインを選び・提案し・注ぐ係として参加。飲み物はワインがメインであるため、30本近いワインが毎回空になる一方で、必ずしもワインに興味のある方だけが来るわけではない、なんならワイン苦手という方もおられる会なのが大きな特徴。そんな方にもワインに興味を持ってもらい、できれば楽しんでもらうのが私のミッションとなる。

 

デコイ ピノ・ノワールをどうプレゼンするのか

たとえば「デコイ ピノ・ノワール」というワインを紹介する際に、「アメリカ、カリフォルニアのピノ・ノワール」です、と説明したとする。ワイン好きはそこから多くの情報を汲み取る。アメリカ、かつカリフォルニアならばきっと果実味にあふれたチャーミングなスタイルの赤ワインだろう、味わいは濃いめで酸はちょっとゆるいかもね、みたいな感じだ。銘柄の味そのものを知っている方も多いだろう。

ワインリストがこちら

だが、ワインに興味のない方は当然そんなことを1ミリも考えない。「アメリカ」も「カリフォルニア」も「ピノ・ノワール」もワインに対する修飾語にならないのだ。なので、「大谷翔平選手の愛犬のデコピンって、元々はデコイって名前だったんですけど、それと同じ名前なので今爆売れしているワインです。おいしいですよ」といった説明のほうが正しいということになる。

「サクランボや熟したザクロのアロマ、中程度の酸、タンニンは少なめでほんの少し樽由来のナッツ入りチョコレートのような香ばしさもあります」みたいなのは求められない。先の説明で言えば味の説明は「おいしいですよ」しかないがそれでいいのだ。犬の話のほうが良い。プレゼン時間は15秒くらいしかないし。

一方、そうかと思えばWSETやワインエキスパートといった資格をお持ちだったり、「北海道のワインおいしいですよね、去年ラフェト(チケット入手困難な余市で開催されるイベント)行ってきました」みたいなガチ勢の方にも来場いただくのがこのイベントの恐ろしいところ。そういった方に大谷翔平の犬の話をするのもアレなんですよ今度は。

もちろんその方の見た目からワイン度を測ることは不可能なので、カウンターのこちらと向こうでリアル人狼ゲームみたいになる。この中に……ワインガチ勢がいる!

 

ワインを紹介する粒度を考える

話がそれた。ともあれ、目の前には70名ほどのゲストの方がおられ、その方々のワイン習熟度はカオス的にさまざまだ。ただ、とりゅふさん(一部私)フォロワーの方々なので、おいしいものやお酒への興味は一様に高い。なので、1本のワインに対して粒度の異なる複数の説明を用意し、それを目の前にいる方の興味レベルとワイン解像度に応じて当てていくことが求められる(ような気がする)。

大谷翔平の犬の名前のワインです!
・濃すぎない赤ワインで、チェリーっぽさがあって飲みやすいですよ!
・中程度の酸を持つサクランボやダークチョコっぽいニュアンスのあるカリフォルニアのピノ・ノワールです!
・デコイってのは「囮」って意味でして、鴨猟の際に使う囮の鴨の意味なんですよ! 池に浮かべて仲間と思った鴨がやってきたところを撃つ…!(もはやワイン関係ない)

みたいな感じだ。間違ってもインポーター資料を朗読するようなことはしない。これを現場でやるのが楽しく、4時間が一瞬で過ぎる。プレゼンが上手くいくとすんなりそのワインを選んでもらえるし、気に入ってもらえる確度も高まる。そうして数十分後に空になったグラスを手に「次はなにがおすすめですか?」とカウンターを再訪してもらえるのはこのイベントを開催する個人的な醍醐味のひとつだ。(もちろんすべてうまくいくわけではない。ワインの味が説明と違っていたり期待値を下回ったら当然次の1杯にも手が出ないはずで、そういった方も中にはおられたはずだ)。

盟友・沼田店長のセレクトワイン。どれも一癖あって素晴らしかった

この弾み車が上手く回ると、人間誰しもリストがあるとそれを埋めたくなるもので、「全部の味を試してみたい!」みたいなサイクルに突入、たくさんリピートをしてもらえる状態になるような気がした。全種コンプリートしてくれた酒ガチ勢の方と「次は一体何を飲みましょうね…? 日本酒…? いっそビールで締めますか…?」と頭を悩ますのも楽しい時間だった。(ちなみにたくさんワインを飲んでもらうと歩合で私にお金が入る、とかではない)

 

イベントで人気だったワイン5選

今回は顔見知りの割合が少なく、目の前にいる方がどれくらいのワイン解像度を持っているかがわからない、というスリリングな状況でのプレゼンとなった。非常に難しく、その分やりがいが感じられたが、30本前後のワインが空になったという結果からも、一定程度喜んでいただけたのではないかなあと思う。

というわけで、ここからはイベントでとくに人気だった(良い評判が聞こえてきたり、すぐに売り切れてしまった)ワインをご紹介したい。

 

モルトポワレ N.V

まずスパークリングワインではダントツでこれ。カルヴァドス(フランス・ノルマンディー地方で造られるアップルブランデー)の蔵元が造る洋梨のスパークリングワイン、という説明が問答無用でキャッチー過ぎ、1杯目から指名で注文される方が多数いた。ワインマーケット・パーティ沼田店長にセレクトしてもらった1本なのだが、まさか洋梨を出してくるとは……! 味わいにも洋梨感がたしかな輪郭で存在し、とてもおいしかった。沼田さんありがとう!

 
98WINES 霜 SOU 2022 ROSE

山梨で人気の生産者、98WINESのロゼ。「ロゼ会」なのでロゼを多めに用意したのだが、98WINESってやっぱり人気あるんだな〜と実感する売れ行き。白の甲州と赤のマスカット・ベーリーAのブレンドで、甲州の下地の上にマスカット・ベーリーAの化粧を乗せたようなすっきりチャーミング味。ワインに詳しい方からの指名買いがとくに多かった1本。

 

マックマニス ヴィオニエ

桃みたいなニュアンスが割としっかりとある個人的に大好きなワイン。「赤ワインは飲めないけど白ワインなら飲める」「炭酸の入った(発泡性の)ワインは無理」「フルーティなのがいいけど甘口はイヤ」といった方は少なくない割合でおられ、そういった方々への受け皿として用意した銘柄だったが見事に役割を果たしてくれた感がある。わかりやすいは正義だ。みなさんぜひ“ヴィオニエ”という品種を覚えて帰ってください。

 

ダブル・ダイヤモンド カベルネ・ソーヴィニヨン 

他のワインが約500円の(まとめ買いだと安くなる)チケット1枚で飲めるのに対し、チケット2枚が必要で、かつ注ぎ量も30ccと非常に少なかったのだが文字通り瞬殺だったワイン。「高いワイン」のすさまじさを非常にわかりやすく感じられるワインとして選んだのだが、それが伝わっていたらいいなと思っている次第。あまりに売れ行きが良すぎてテイスティングできなかったの誤算すぎる(状態は前日にお店のソムリエさんに確認してもらってます)。

 

サブミッション カベルネ・ソーヴィニヨン

そして今回のMVPといえるのがサブミッション カベルネ・ソーヴィニヨンだったと思う。「フルボディのワインは渋くて苦手と思っていたけど、これはおいしかった」というご意見をいただいた。ワインマーケット・パーティで売り上げ1位に君臨するワイン、複雑さはないかもしれないが、わかりやすいさおいしさではそうそう比肩するものはないと思う。

 

個人的には乾杯用に用意したドメーヌ・シャンドンのロゼが想像よりずっとおいしかったのと、沼田店長が用意してくれた「メリーニ キャンティ ゴヴェルノ アッルーゾ トスカーノ」が素晴らしかった。今度買いに行こ。

というわけで、ご来場いただいた皆様ありがとうございました。「あのワインおいしかったな」と記憶に残るようなものがもしもあったら、ワインを選び、注がせていただいた立場としてはなにより嬉しく感じる次第だ。ぜひぜひ、ワインという素晴らしくて奥深い、一生をかけても楽しみきれない世界に足を踏み入れてみてください!

 

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK41

ブラインドテイスティングWEEK41に臨んで

今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白2、赤1の構成だ。

さて今週は前の予定が押してしまい、後ろにも予定が入っていたことから、パーティ滞在可能時間はわずか10分。でもブラインドはやりたい。ということで完全第一印象のみテイスティングをすることとした。

第一印象を大事にするか否かはブラインドテイスティングをしているといつでも悩む大問題だが、あえて悩むことができない状況に自らを追い込むことで、第一印象は正しいのか否かをテストしたいという趣旨だ。

それで1問も正解できなかったとしてもそれは私の選んだ方法での結果であり、つまり私の実力であるということを冒頭に宣言しつつ、今週も張り切って飲んでいこう。


ブラインドテイスティングWEEK41/1杯目

さて1杯目は色が薄めの白ワイン。香りは白い花的なのと柑橘的なのと少しのハーブっぽさと蜜っぽさという、白ワインのハッピーセットみたいな香り。

飲んでみると酸が豊かなポカリというよりアクエリ系。おいしいワインだ。第一印象はアリゴテ。2020年とかのアリゴテはすごくありそう。

なのだが、ていうか第一印象だけで決めると言った2分くらい前の前言をあっさり撤回するのだが、15秒くらい経過するとあるかなきかの石油香が出てきた気がする。

というわけで、
ドイツ (ラインヘッセン)/リースリング/2022/12.5%
と予想した。


 

ブラインドテイスティングWEEK41/2杯目

続いては2杯目だがここで変化球が投げられてきた。色が濃いめ、香りも独特で、なんでしょうかねこれは。たくあんとか、ゆずのジャムとか、日光で干された畳とか、そんな雰囲気。1杯目とはまったく異なる個性的なワインだ。

飲んでみるとかなり旨みが強く、果実もいて非常においしい。個性的ではあるけれど、スパイスやハーブを効かせた煮込み料理かなんかと合わせたらとんでもなくマッチしそうな味わい。

色と個性的な香りを、私は第一印象で酸化熟成だと解釈した。だとすると候補はフランスはジュラのヴァン・ジョーヌ。以前飲んだワイナリーで長期熟成させてからリリースするカリンセラーズのシャルドネとかもこんな味だったような。

ヴァン・ジョーヌはもっと香り成分が強烈な気がしなくもないが、こう予想した。

フランス(ジュラ)/サヴァニャン/2015/13.5% 


 

ブラインドテイスティングWEEK41/3杯目

最後は赤ワインで、これはとってもおいしいワイン。

色は濃いめのガーネット。粘性高め。プラムやブルーベリーの香り、赤い花、木、皮みたいな1杯目同様の赤ワインハッピーセット的香り。

飲んでみると果実・酸・タンニンが調和して酒質が非常にやわらかい。個人的にこのやわらかさはメルローで出やすいと思っていて、シラーズやカベルネ・ソーヴィニヨンなども候補となるが素直にメルローでいくことにした。というわけで、

アメリカ(カリフォルニア)/メルロー/2021/14.5%
と予想してみた。

 

ブラインドテイスティングWEEK41予想を終えて

というわけで今週も予想が出揃った。果たして私の予想は合っているのだろうか? っていうか、第一印象だけで決めると書くことが少なくて買いてて楽しくないことがわかった。せっかくのワインも全部飲み切れなかったし、ブラインドテイスティングには十分な余裕を持って行きましょう、みなさん。今週は3杯全部すごく好みだったんだよなあ。

ともあれ正解は公式の発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。ブラインドテイスティングに必要なのは、インスピレーションなのか、それとも熟考なのか……!?(惨敗フラグ感がすごい)