ルイ・ジャド白5本セットを買ってみた
Amazonでルイ・ジャドの白ワイン5本セットが安くなっていたので買った。
経緯はこちらの記事↓にまとめているが、
himawine.hatenablog.comAmazonのソムリエの方に好ましい「飲む順番」を教えてもらったので、実際に提案してもらった順にワインを飲んでみたよ、というのが本記事の趣旨だ。
その順番は以下のようなもの。
ブーズロン ドメーヌ・ガジェ
↓
コトー・ブルギニョン ブラン
↓
ブルゴーニュ シャルドネ
↓
マコン・ヴィラージュ
↓
シャブリ シャペル・オー・ルー
さっぱりからこってりへと進む流れで、twitter上で発表したところ「マコンとシャブリ逆じゃない?」みたいな意見が散見されたがそのあたりをたしかめるのも楽しみ。
で、さっそく飲んで行こうと思うわけなんだけど私にとってルイ・ジャドのワインははじめて。というわけでサクッと生産者についても調べることとした。
ルイ・ジャドはどんな生産者?
ルイ・ジャドは1859年、ルイ・アンリ・ドニ・ジャドが設立し、ブルゴーニュ全域に数多くの畑を取得し、米国と英国に販路を拡大するなど発展するも、後継者に恵まれず1985年にアメリカのKOBRAND社にビジネスを売却し今に至るようだ。アメリカ資本なんですね、ルイ・ジャド。ちなみに、ジャド買収はアメリカ企業がブルゴーニュの生産者を買収した最初の例だったんだそうだ。へー。
特徴的なラベルは酒の神バッカスで、グラン・クリュからAOCブルゴーニュまで「すべてのアペラシオンに対して同等の価値を」置いてワイン造りをしていることを示していると日本リカーのブランドサイトにある。ワインに貴賎なし。あるのは価格の違いのみである。
そしてルイ・ジャドの公式サイトが素晴らしく、すべてのワインに対して詳細な説明が載っている。それを紹介しつつ、購入した5本のワインを飲んでいきたいと思う。
ルイ・ジャド白5本【1本目】ブーズロン ドメーヌ・ガジェ
まずはブーズロン。ボーヌの南、コトー・シャロネーズの小さな村で、ブルゴーニュで唯一の「アリゴテの白ワイン限定の村名アペラシオン」なんだそうだ。そんなのあるんだ。なのでこのワインもアリゴテ100%。
正式名称はブーズロン ドメーヌ・ガジェで、ガジェはルイ・ジャドの現社長のファミリーネーム。仮に楽天がワインを造ってるとしたらドメーヌ・ミキタニみたいなことですよねこれ。社長の名を冠したワイン、おいしくないはずがない。
公式サイトを見ると、手摘み収穫後、半分から2/3をタンクで、1/3を新樽率20%のオーク樽で14〜15か月熟成させてからボトリングされるそうで、手のこんだ造りしてる。
でこれ、飲んでみるとやっぱりもうすごくおいしいわけです。最初は甲州みたいなサッパリ感だなあと感じたのだが、後味に重みを伴う蜜感がドバーッとやってくる。ちょっとビックリ。こりゃ旨い。
少し色褪せたゴールド、なんならシルバーって言ってもいいんじゃなのって色も含めて特徴的。アリゴテってこんなにおいしいのか……!
というわけで1本目からいきなり素晴らしかったのだった。次に飲むのはなんだっけ。そうだ、コトー・ブルギニヨン・ブランだ。
ルイ・ジャド白5本【2本目】コトー・ブルギニヨン
AOCコトー・ブルギニヨンはボジョレーを含むブルゴーニュのどの地域のブドウを使ってもよく、ブレンド比率も自由というフリースタイルな原産地呼称。品種もいろいろ使ってオッケーで、白品種はシャルドネ、アリゴテ、ピノ・グリ、ムロン、ピノ・ブランが認められている。
ムロンって初めて聞いたけどwikiによれば「メロンの香りがするから」ムロンなんだそう。フランス語でメロンはムロン……!? ちなみに「大した個性はないものの、寒さにはめっぽう強い」らしいですよムロン。大した個性がないのかよ笑。がんばれムロン。話が逸れてるのは知ってる。
ルイ・ジャドのコトー・ブルギニヨンに話を戻すと、使っているブドウはブルゴーニュとボジョレー産のシャルドネとアリゴテ。比率は不明だが、全量をステンレスタンクで発酵および熟成させているようだ。
飲んでみると、うん、おいしい。知ってるシャルドネの味にアリゴテのさわやかさが加わって「シャルドネにアリゴテを加えた味」という印象だそのまんまだけど。
十分においしいワインなのだが、前に飲んだブーズロンが素晴らしかったため、印象が薄くなってしまった感は否めない。ブーズロンのほうがこっちよりさっぱりしてるのに味の密度は高いんですよ。
ルイ・ジャド白5本【3本目】ブルゴーニュ シャルドネ
挽回すべく次に飲んだのがブルゴーニュ シャルドネ。主にコート・ドールとマコネ産のブドウで造られるという、3本目にしてついにシャルドネ100%のワインだ。一部は樽、一部はステンレスタンクで熟成(キリンのオウンドメディア『DRINX』によれば、1/3がオーク樽熟成)しているとのことなのだが、飲んでみた印象は「たっる。」という感じ。
おそらくこれが同じ造り手のブルゴーニュ白を連続して飲む面白さで、ブーズロン、コトー・ブルギニヨンというさっぱりしたワインを続けて飲んだからこそ、この「ブルゴーニュ」の樽感が強調して感じられたのだと思う。
造りを見ると最初に飲んだブーズロンのほうがむしろ樽が効いてていいはずだが、品種の違いもあるのか「ブルゴーニュ」のほうがバターとかバニラみたいなベタな樽感、ひらがなで「たるどね」感がある。果実味たっぷり、酸味がさほど強くないこともあり、イケメンだが少々体型がだらしない気のいいアラフォー男性みたいな親しみやすさがあってうまい。ちょうど良くうまい。
さて続いてはマコン・ヴィラージュ……なのだが記事がずいぶん長くなりそうなので記事を分け、残りは後編に記したいと思う。
ちなみにここまでの3本のベストは割と図抜けて最初に飲んだブーズロン ドメーヌ・ガジェ。これはおいしいですよ。残るマコン・ヴィラージュとシャブリ シャペル・オー・ルー はどうなるか、乞うご期待である。