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田邉鬼コスパワインセットのワインで本当にコスパがすごいのはどれだ!? みんなで飲んでたしかめた[PR]

田邉鬼コスパワインセットを飲んでみた

「田邉鬼コスパワインセット」が発売中だ人気ソムリエ・田邉公一さんがセレクトするワインセットで、毎回数百セットが完売する人気のセットとなっている。

田邉鬼コスパワインセットの陣容。ここにおまけが1本つきます。

今回、2024年冬のセットは24,979円で12本入り。さらにおまけが1本付いてくるというセットになっている。おまけも含めた1本あたりの単価は1921円。まずはその内訳を見てみよう。こんな感じだ。

item.rakuten.co.jp

 

田邉鬼コスパセット2024冬の内訳

【泡/スペイン】ベルデホ ブリュット ナチュール パラシオ デ ボルノス

【泡/イタリア】プロセッコ トレヴィーゾ ロゼ ブリュット エミッサリー

【白/イタリア】モナチ ファランギーナ ベネベント カンティーナ モローネ

【白/フランス】リュール ブランシュ ベルナール マグレ

【白/スペイン】エイドセラ リアス バイシャス アルバリーニョ ボデガス エイドセラ

【オレンジ/フランス】タリア オレンジ ドメーヌ コスト ルース

【ロゼ/ポルトガル】キンタ ダ アマレス ロゼ

【赤/フランス】サンテミリオン グラン クリュ 2014 CHカルボネイル ジャン ヴォワザン

【赤/スペイン】ガルナッチャ ティンタ マザス

【赤/イタリア】バルバレスコ ヘレディス

【赤/フランス】ボルドー シュペリウール 2012 シャトー ボレール

【甘/オーストリア】レイト ハーベスト シャルドネ シュペトレーゼ ハーフナー 

泡2種、白3種、オレンジとロゼが1種ずつ、赤が4種に甘口1種とバランスよく選ばれている。クリスマス、お正月、年末のホムパ、家飲み、とにかくなんでもこいと田邉ソムリエがおっしゃっているが如きラインナップと言えそう。

ここで気になるのは、やはりこの12本のうちで真に鬼コスパなのはどれだ? ということだろう。鬼コスパを謳う以上、鬼のようにコストとパフォーマンスに優れたワインがなければ財布の紐はゆるまぬ。そのあたりどうなんですか田邉さん! ということでワイン仲間を招集、田邉鬼コスパワインセットのなかで真に鬼コスパなのはどれなのかを格付けチェックしてみることとした。

こんな感じのチェックリストを参加者に配布し、独自にスコア化。

チェック項目は「高見え度」と「おいしさ」の2点。高額に感じるということと、おいしいと感じることの両輪で評価すれば、おのずとコスパの良いワインが浮かび上がってくるだろうという狙いだ。というわけで、それぞれで上位に入ったワインを見ていこう。

 

【高見えランク3位】ボテガス・エイドセラ リアス バイシャス アルバリーニョ

まずは高見えランク3位はスペインのアルバリーニョ。アルバリーニョの名産地、リアス・バイシャスの協同組合が造るワイン。

ボテガス・エイドセラ アルバリーニョ。個人的にも白ワインで一番おいしいと感じたのがこれ。

「よくできてる」「杏っぽさがある」「ちょっとの塩味を感じておいしい」といったコメントが並ぶおいしいワインで、奥行きのある味わいにラベルの落ち着いた印象もあいまって“高見え”と評価されていた。

ちなみに、今回の田邉鬼コスパワインセットで私が一番好みだった白ワインがこれ。定価は4180円だった。

 

【高見えランク2位】ターレ・ヴェルガ バルバレスコ へレディス

高見え部門で2位にランクインしたのがイタリア・ピエモンテの生産者、ナターレ・ヴェルガの「バルバレスコ へレディス」 。定価6380円という高級ワイン。1本2000円を切るセットにバルバレスコが入っているのがそもそもすごい。

ターレ・ヴェルガ バルバレスコ へレディス。バルバレスコが入ってるのお得感を感じられて良い。

このワインも個人的に好印象。ネッビオーロらしい森の暗闇に咲く花のような繊細な香りと、紅茶のような風味に野いちごのような果実味が調和しておいしい。田邉ソムリエいわくこのワインはビーフシチューと好相性とのことなので、それも含めてこの時期に飲むのに最適という印象だった。

 

【高見えランク1位】シャトー・カルボネイル・ジャン・ヴォワザン サンテミリオン・グラン・クリュ 2014

高見えランクで堂々の1位に輝いたのがシャトー・カルボネイル・ジャン・ボワザンのサンテミリオン・グラン・クリュ。

シャトー・カルボネイル・ジャン・ボワザン サンテミリオン・グラン・クリュ。サンテミリオン大好き。

なんといってもグラン・クリュ。威厳溢れるボトルは高見えオーラに溢れていて、味わいは10年熟成していることもあって秋の散歩道のような少し枯れた魅力がある。実際、これは定価6600円の高級ワイン。非常にわかりやすく熟成のニュアンスが出ているので、熟成ワインってどんなものか知りたい人にとっては格好の教材となりそう。

以上が高見えワイン3選だったのだが、これはなんと今回の田邉鬼コスパワインセットのリアルに価格が高い順と完全に一致していた。なかなかやるな>今回の参加者のみなさん。

続いて、さらに重要なおいしいランクを見ていこう。

 

【おいしいランク3位】ベルナール・マグレ リュール・ブランシュ

おいしいランク3位には、ベルナール・マグレの「リュール・ブランシュ」がランクインした。フランス・プロヴァンス地方のワインで、品種はユニ・ブラン60%、ロール20%、コロンバール20%。

ベルナール・マグレ リュール・ブランシュ。「これはよくできたボルドー・ブランだね」と一同が誤認する味わい。おいしい。

このワイン、情報なしで飲んでもらったとこ「間違いなくおいしいボルドー・ブラン」と誤認する人が続出する味わい。「セミヨン多めですね、これは」という印象で、爽やかな酸味と太めの果実味がうまく調和しており、全体の1位と評価する参加者もいた。私も大好きなんですよ、ボルドー・ブラン。これはボルドー・ブランじゃないけど。

それでいて、実は価格は2750円と今回のセットでは下から2番目の安さ。ワイン単体でのコスパにもっとも優れていたのがこのワインと言っていいかもしれない。

 

【おいしいランク2位】パラシオ・デ・ボルノス ベルデホ・ブリュットナチュール

今回の田邉鬼コスパセットでの意外な発見といえるのが、ベルデホで造られたこのスペインのスパークリングワイン。

パラシオ・デ・ボルノス ベルデホ ブリュット・ナチュール。今回の隠れた宝石。

ブリュットナチュールだけに残糖は2g/lと非常に少ないのに豊かな果実味が感じられ、むしろ「残糖多めじゃない?」という声が挙がるほど。「香りも味もいい!」「おいしいし、値段も高そう」と絶賛する声が多かった(実際、定価は3850円と高め)。

それもそのはず、調べてみるとこのワイン、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で、瓶熟成36カ月というめちゃくちゃ贅沢な造り。それだけに、このワインは「高見えランク」でも実は上位に位置付けられており、総合ランクではトップに近いスコアを叩き出していた。隠れた宝石と言えそう。

スペインのスパークリングワイン=カバという印象だが、ベルデホからもこんなにおいしい泡が造られているんだなあ。ワイン講師としても大人気の田邉ソムリエが選ぶセット、飲むだけで勉強になる。白い花のとレモンのようなさわやかな印象に、朝露のような蜜のニュアンスが乗っかって実においしかったのだった。

 

【おいしいランク1位】ボテガス・マザス ガルナッチャ ティント

そしておいしいランク1位、今回最大のサプライズだったのがこのスペインのガルナッチャ。認証はとっていないもののバイオダイナミック農法でぶどうを育て、天然酵母使用、無濾過、SO2少量添加という自然派ワインで、「自然派っぽさが気になる」という参加者もいたものの、それ以上に「これが一番おいしい」という声が多かった。

ボテガス・マザス ガルナッチャ ティント。個人的にはラベルとかボトルの佇まいもすごく好き。

樹齢50年の古樹ブドウを使用し、2500リットルのフレンチオーク樽で8カ月熟成させるというその味わいはピュアな果実味に溢れていて、そこに自然派ならではの野趣がアクセントとなっている。この日集ったのはマニアックなワイン飲みばかりだが、むしろワインを飲み慣れていない人でも楽しめる味わいなんじゃないか、という気がした。

ラベルもとても華やかだし、年末年始のパーティで開けるのにも良さそう。価格は3300円と意外と安めで、今回の鬼コスパ大賞はこのワインに決定で良いと思う。

 

【ランク外のおいしいワイン1】シャトー・ボレール ボルドー・シュペリウール2012

以上、「高見えランキング」「おいしいランキング」の上位3銘柄を発表したが、惜しくもランク外となったものの、参加者からの評価が非常に高かったワインを2本だけ紹介しておきたい。

シャトー・ボレール ボルドー・シュペリウール2012。年末って美味しいボルドーが飲みたくなりますよね。

まずはシャトー・ボレールのボルドー・シュペリウール2012。おいしいランキング5位に食い込んだワインで、これはまさに今が熟成のピークというワイン。

現場で絶賛の声が多かったのでこれがランク1位かな? と予想していたが、蓋を開けてみれば5位。「どうせみんなが評価するだろうから、自分は別のを評価しよう」みたいなバイアスが働いた感のある影のMVP的ワイン。定価は3850円。

 

 

【ランク外のおいしいワイン2】キンタ・デ・アマレス ロゼ

今回のセットの中で価格は最安値の2200円ながら、おいしいランキングで4位に食い込んだ、影の最強鬼コスパワイン候補がこれ。

キンタ・デ・アマレス ロゼ。飲みやすさの頂点にいると思う。

ポルトガルヴィーニョ・ヴェルデのロゼで、アセロラドリンクのような甘酸っぱさが感じられ、とにかく飲みやすさが頂上レベル。夏にプールサイドでガブガブ飲むのに最高という印象だが、冬の風呂上がりのぽっかぽかの状態でこれを飲むのもまた最高だろうな、という味がした。

ロゼは春とか夏に飲むイメージだが、冬に飲むロゼもいいものだ。

 

田邉鬼コスパワインセットを飲み終えて

というわけで、結局12本中8本のワインを紹介することになった。残りの4本も非常に個性的で、なんならこのまますべて語りたくなるのだがキリがないのでやめておこう。オレンジワインもおいしいし、甘口もおいしい。個人的にはプロセッコもめちゃ好みだったし、もう1本のナチュラル白ワインも非常に個性的だった……!

「自分じゃ買わないなっていうワインを飲めるのがこのセットの魅力だって再認識しました」と、ある参加者の方がおっしゃっていたが、その言葉に私も100%同意だ。トレンドの先端にいるようなナチュラルワインから、クラシックを極めた熟成ボルドーまで、ワインの多様性をそのままセットにしたかのような12本は、サービス精神の鬼・田邉公一ソムリエらしさに満ちている印象。ワインを信頼できる専門家に選んでもらうのはとても楽しく嬉しい体験だが、それをインターネットを通じて実現してくれるのが「田邉鬼コスパセット」の本質かもしれない。

というわけで、まだ見ぬワインと年末年始に出会ってみようかな、という方は、田邉鬼コスパセットがおすすめ。そして図らずも、このセットをみんなでワイワイ飲む体験自体が非常に良い時間だった。「田邉鬼コスパワイン会」、とても楽しいので、みなさんもぜひ。

 

9本+おまけ1本の「10本バージョン」も。高評価ワインはほぼ網羅↓

 

スパークリングワイン4本セットも(こちらは未検証)↓