ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

シャンパーニュと泡と南アフリカ。8月に飲むワインまとめ買いの記録。

夏は泡の季節

泡の出るワインってなんだかコスパが悪いような気がする。1年ほど前、私はそのような印象を抱いていた。基本的にワインを一日で飲み切ることがないため、翌日に泡が抜けてしまう泡は2日目にパフォーマンスがガクンと落ちちゃってなんかなあと思っていたのだった。

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8月も元気にたくさんワインを飲もうと思います。

それから1年。私は泡が大好きだ。「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」っていう方丈記の出だしはあれシャンパーニュの魅力について書いたんじゃないの鴨長明、みたいに思うレベル。グラスに浮かぶうたかたがかつ消えかつ結びて久しくとどまらないあの感じを私は毎晩だって味わいたい。しかもおいしい泡は2日目も余裕でうまいのなんなんですかあれは。聞いてるか、一年前の俺、というわけで、今月は泡を中軸に、脇を白赤で固めるという布陣で飲むワインのラインナップを構成しようと試みた。春はあけぼの、夏は泡。シュワシュワするもをかし。これほんとマジをかし。

今月はこんなワインのみなさんを飲もうと思います。

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今月飲むおそらく一番いいワイン、ボランジェ スペシャルキュヴェ選手のお姿。

今月飲むワイン、その中軸はなんといってもボランジェ スペシャル キュヴェだ。買値5072円と冷静に考えると非常に高価格なワイン。ところがシャンパーニュのことを調べるだに5072円が高価格とは到底言えないことに気づかされて卒倒しそうになるのだが、ともかくツイッターでオススメシャンパーニュを問いかけたところ、多くの方から推薦いただいたワインでもあり、非常に楽しみな一本だ。

さて、前述したツイッターでのオススメシャンパーニュ質問ツイートに対する返信として、多くの方から出た名前がカリスマ生産者だというジャック・セロス。残念ながらジャック・セロスのシャンパーニュは3万円とかしちゃうもんでまったく買えないのだが、せっかくご推薦いただいたこともありなんとかならんもんかなあと思って調べると、ジャック・セロスの現当主、アンセルモ・セロスがイタリアの生産者に請われて造ったプロセッコというのがあったのでノールックパスの要領でショッピングカートに蹴り込んだ。

お次は実店舗だ、ということでカーブ・ド・リラックス虎ノ門本店へ。そこで買ったのはまず北海道は余市町登地区のドメーヌ・モンが造るシードル、「モンシー」。以前、同ドメーヌのペティアン「モンペ」を飲んで感動したこともあり、これまた店舗で目と目が合った瞬間に買い物かごに安置。なんならちょっと「やっと会えたね」みたいな表情を浮かべていた可能性まである。価格は1800円(税抜き)。

同じくカーヴ・ド・リラックスでは小布施ワイナリーのロゼ泡「ソガ・ペール・エ・フィス グラップ・アンティエール」も購入した。裏ラベルの「品種名」の項に「先入観を排除するために秘密」と書かれたこのワイン、果たしていかなる味わいなのか。こちらも大変楽しみだ。こちらの価格は3500円(税抜き)。

ほかにもちょこちょこ買ったけど長くなるので割愛。

いま南アフリカで起きていること。

そして、あと買わなければならないのが南アフリカのワインだ。ツイッターのタイムラインで「南アフリカでアルコール販売が禁止され、ワイナリーが危機に瀕している」といったことを知り、調べたところ、米メディア、wineindustryadvisor.comに詳しい記事を見つけた。「ワインズ・オブ・サウス・アフリカ・USAが危機に瀕する南アフリカワイン産業の危機に対するサポートを要請」というド直球すぎるタイトルが付されたその記事(2020/7/30)によれば、南アフリカ政府がアルコール販売を禁止したのは2020年3月末のこと。販売禁止は6月1日まで続き、いったん解除されたのもつかのま、7月13日に期限のないアルコール禁止が再導入されたのだとか。小売・流通用語で「オフプレミス」と「オンプレミス」というそうなのだが、買った場所(酒屋とか)から離れた場所で消費する(オフプレミス)のも禁止、買った場所で(つまりレストラン等で)消費する(オンプレミス)のも禁止され、つまり全面的に禁止されているため、ワイナリーの1/5が存続できないと推定されるという状況なのだとか。やばすぎる。ただ、売り上げの半分を占める輸出は規制されていないため、南アフリカワインの未来は現在、国外の南アフリカワイン消費者にゆだねられているようだ。こりゃ大変だ。責任重大だ。生物多様性が重要であるように、ワインの多様性も間違いなく大切だ。というわけで超微力ながら私もできる限り南アワインを選ぼうと思う。ただ、私は悲しいかな南アフリカワインの知見がない。なので、明日以降腰を据えて調べ、今月買う赤・白ワインは南ア縛りでいこうと思う。クラス・オブ・76とか、グラハムベックのブラン・ド・ブランとか、基本的に南アにはいい思い出しかないし。

himawine.hatenablog.comちなみにどうして南ア政府がアルコール販売を禁止しているかといえば、「アルコール関連のトラウマに苦しむ人々が占めている病院のベッドを(※筆者注 COVID-19への対応のため)解放するため」なんだとか……。なにはともあれ、南アフリカオススメワイン情報があれば、ぜひお寄せいただきたい次第である。