ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

グラハム・ベック ブラン・ド・ブラン2015。非シャンパーニュ泡自己ベストが更新されたかもしれない。【GRAHAM BECK BLANC DE BLANC 2015】

南アフリカのグラハム・ベックの泡を買ってみた 

6月に飲んだシャンパーニュがあまりにもおいしすぎて逆にシャンパーニュを飲みたくないという好きすぎて会いたくない的な脳内バグが起き、非シャンパーニュの泡を飲もう月間に突入している。
その一環として、よくワインを買うショップ・葡萄畑ココスの泡特集で紹介されていた、南アフリカのグラハム・ベックのスパークリングワインを飲むことにした。

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グラハム・ベック ブラン・ド・ブラン2015を飲みました。

さてじゃあ一体いかなる造り手なんじゃろかとグラハム・ベック・ワインズの公式サイトを訪れると、こんな文言が迎えてくれる。
「celebrate what matters」
いいじゃないですかなんですかこの最高の言葉は。
「なんでもいいから祝っちゃおうぜ(ヒマワイン訳)」ですよ。同意だよ。私も日常を泡でもってセレブレートしたい。泡セレブしたい。高まる。

さらに公式サイトの「legacy」の項目では、創立者であるグラハム・ベックのプロフィールが紹介されている。グラハムはどんな人物か。
「Extraordinary visionary and remarkable man」
「とてつもない先見性を持つ規格外の男(ヒマワイン訳)」ですよ。田中角栄かよ。

2010年に80歳で亡くなったベックは、シリアルアントレプレナー的な人物だったようで、その生涯で住宅改修事業、石炭採掘事業、その輸出事業などを成功させ、前世紀の南アフリカ経済の発展を牽引したみたいなことが書いてある。ホースレース界でも有名で、ワインビジネスでも大成功っていうまさに立志伝中の人のようだ。

「血が泡でできている」ワインメーカーが造る泡

ワインメーカーはピーター・フェレイラ。
「remarkably gifted and passionate vintner」
とこれまた公式サイトにある、才能あふれて、情熱的で、やっぱりリマーカブルな男なようです。グーグル翻訳によれば「『Mr Bubbles』として愛情を込めて知られているピーターフェレイラは、泡を食べたり、飲んだり、呼吸したりしています。」とのこと。確実に信頼できるなこの人。泡は食べ物。泡イズ酸素。行くぜ体内二次発酵ってな具合である。

ピーター氏はモエ・エ・シャンドンやマムなどで経験を積んだという人物だそうで、凄まじいのはグラハム・ベックの醸造設備はすべてシャンパーニュから取り寄せているという点。しかも、今回飲んだワインの半分はシャンパーニュから取り寄せたオーク樽で発酵(残りはステンレスタンク)させているという徹底具合。これほぼシャンパーニュですね。さらに、畑のあるロバートソンはシャンパーニュ地方の一部と同じ石灰岩質土壌であり、シャルドネの銘醸地なんだとか。輸入元のモトックスのサイトにはさらりと「南アフリカに存在するシャンパーニュと言っても過言ではないでしょう。」とか書いてある。これもう間違いなくロバートソンは南アの小シャンパーニュ(小京都的な意味で)。

グラハム・ベック ブラン・ド・ブラン2015を飲んでみた

なんだか調べれば調べるほど期待が高まってくるが、今回購入したブラン・ド・ブラン 2015は瓶詰後48カ月の瓶内二次発酵が行われているのだとか。「これはミレジメのシャンパンの規定よりも長く、2000円台のスパークリングワインとしては異例」って書いてあり、要するにシャンパーニュと同じ醸造設備、同じ樽を使い、十分に熟成させたスパークリングワインってことになる。ここまでの情報でもはやパチンコでいうところの当選確率80%のスーパーリーチ感がすでにありますが、飲んでみるまで結論は急げない。いざ飲んでみようそうしよう。ちなみに、ブドウはブラン・ド・ブランなので100%シャルドネだ。

おいしそうだなたまらんな、と、週末にスポンと抜栓して飲んでみた。いやーたまげたこりゃ最高。マジでうまい。正直ジェネリックシャンパーニュみたいなことを期待していたけれど、そしてその味わいはたしかにシャンパーニュっぽいような気がするけれど、シャンパーニュとはまた違う、南アフリカの太陽を総身に浴びた結果健康的に日焼けした小麦色の女子的果実味がガツンとくる。うまい。今月飲んだワインで一番うまい。なんならシャンパーニュ以外のスパークリングワインで自己ベスト更新かもしれないレべル。自己ベスト更新があっさりくるのは初心者あるあるだけれども。でも本当においしいと思う。すごいな南アフリカ

最近、南アフリカが生んだノーベル文学賞作家、J・M・クッツェーの『恥辱』を読んだ。読む前は文学マイナー国だしいかがなもんかとどこか一段低く見ていたように正直思うけど読んでビックリ、凄まじい小説だった。『恥辱』は西洋の小説ではないけれども、完全に西洋の、いわば世界水準を余裕でクリアして、なおかつ南アフリカでしか生まれえない独自のテロワールが表現された小説だといえ、グラハム・ベックの泡もそれと印象が一脈通ずるものがある。西洋のっていうか正確にシャンパーニュの方向を向き、その上で、南アフリカの気候と土壌でなければ生まれえないものもしっかりある的な意味で。

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vivinoの点数は4.0点と高得点。なっとく。

こうなってくると南アフリカっていう国自体がすごいんじゃないかっていう気がしてくる。2017年から2018年にかけて南アフリカでは1日に57人が殺害されたそうで、「平時にもかかわらず戦争中レベルの治安」(wikipediaより)だそうだけど。行ってみたいんだけど、良くならないんですかね、治安。