ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノってどんな味? カルディのくじで当たったワインを飲んでみた! 【 LE MACIOCHE BRUNELL DI MONTALCINO】

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは?

以前カルディで2200円のワインくじを引いたところ、参考上代6400円のワインが当たった。「ファミリア・コタレッラ レ・マチョーケ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」がそれである。届いたそれをみてみると、ヴィンテージは2008年とある。

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2008年のブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。私は瓶詰めされてから12年も経過しているワインをほぼ飲んだことがない。さらに、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノも初めて。ということで、この2点について今回は調べつつ飲むことにしようそうしよう。

まずブルネッロ・ディ・モンタルチーノだ。いいなあ、イタリア語。モンテプルチアーノ・ダブルッツォとかキャンティ・クラシコとかどれも響きが良すぎて『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』、俗にいう五部に出てくる技の名前かよってなる。ブチャラティのスタンドってブルネッロ・ディ・モンタルチーノじゃなかったでしたっけ。行くぞブルネッロッ! ディ! モンタルチーノッ! とか言ってましたよね敵スタンドぶん殴りながら。あれミスタだっけ? みたいになる(ならない)。

イタリア語のdiはざっくり英語のofでいいはずなので、モンタルチーノのブルネッロ、ということになる。モンタルチーノトスカーナ州の地名。ブルネッロがブドウの名前ということになるはず。なんだけど、公式サイトのデータシートをみると、品種はサンジョヴェーゼ・グロッソとなっていてあれこれどういうことってなる。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとサンジョヴェーゼ・グロッソ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの英語のwikiに詳しいところが書いてあり、それによると、地元の人はブルネッロを地元固有の品種だと信じていたんだけれどもよくよく調べたらあ、これサンジョヴェーゼだわってなった、とある。あるある。で、ブルネッロ=サンジョヴェーゼなんだけど、慣例的に今もブルネッロって呼ぶみたいな。地名=ブドウ品種でわかりにくいっていう意味でプロセッコと同じ感じですね。あるある。

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ファミリア・コタレッラ レ・マチョーケ・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲みました。

じゃあサンジョヴェーゼグロッソってなんだよって調べると、そもそもサンジョヴェーゼが突然変異しやすい品種で、サンジョヴェーゼ・グロッソ系統と、サンジョヴェーゼ・ピッコロの系統に大きく分かれるのだそうだ。サンジョヴェーゼ・大とサンジョヴェーゼ・小ですね。で、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに使われるのは大のほう。でもって「ジュピターの血」を意味するそうですよサンジョヴェーゼ。ジュピターは英語で、ローマ神話ではユピテルギリシア神話ではゼウス。サンジョヴェーゼはゼウスの血。すげえなサンジョヴェーゼ。グロッソグロッソ(偉大だなあの意)

さて、では2008年のトスカーナはどんな年だったのかとファインズのサイトでサクッと調べてみると◎。とても良い年とある。いいじゃない。なのだが、前述したように私は熟成したワインを飲んだことがないので、熟成したワインがどんな感じなのかがわからない。最新ヴィンテージと飲み比べるとかすればいいのだろうけれども買うとなるとまあまあ高い。

熟成するとワインはどうなるんだろう?

そこで、熟成するとワインはどうなるのか? を勉強し、その付け焼き刃の知識で持ってワインとの直接対決に臨みたいと思う。仕方ない、誰もが最初はルーキーだ。不惑を超えて世間に恥をさらせるなんてむしろラッキー! くらいの気持ちでGOである。

さて、では瓶の中では何が起きているのだろうか。「イギリス王立化学界の化学者が教えるワイン学入門」によれば、「アルコールと酸と水の化学反応」が起こり続けることで、「熟成したワインの風味成分には500種類を超える化合物が確認されている」のだそうだ。

アルコールと酸が反応して生まれる、新鮮なブドウ果汁中にはさほど多く含まれないエステルという化合物が、パイナップル、バナナ、イチゴ、ラズベリーとかの香りを放ち、「熟成を経て飲み頃となったワインは、上質で魅惑的な香りをまとうようになる」。要するに、熟成するといい匂いがする。ということでいいんでしょうか。良く皮とかタバコとか森の下草とか言うけどそういうのもアルコールと酸がゆっくりと反応して作られるってことなんですかね。不思議だな〜。飲む化学実験ですなこりゃ。

また、赤ワインが熟成に向くのはフェノール類のフラボノイドを豊富に含んでいるからでフラボノイドのうちタンニンとアントシアニンがブドウには多く含まれていてってこれキリがないわ。「赤ワインは熟成するとどんな味になるの?」っていう5歳児レベルの疑問の答えを調べてるはずがなんで俺は今「フェノール類」のwikiを熟読してるんだよ。学生時代化学の評価が2(10段階評価)の自分には荷が重すぎる。というわけで熟成の勉強はまた次回に回してもう飲む。

ファミリア・コタレッラ レ・マチョーケ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲んでみた

グラスに注いでみると、おお、なるほど、紫っぽい感じがなく、赤から少しオレンジがかって見える。香りはこれ非常にいいですね。エステル生まれてますねこれは。で飲んでみて困った。感想が「ピノ・ノワールっぽくておいしい」である。なんだよそれ。サンジョヴェーゼだっつってんでしょうが。ブルネッロとブルゴーニュって「B」しか合ってないっつーの。なのだが、舌に感じる味わいはどうにもこうにもピノ・ノワールでこんなことあるんですかねと不安になって「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の英語版wikiを熟読したらこんな記述があった。

「ブルネッロは、ブルゴーニュピノノワールワインとよく比較され、滑らかなタンニンと熟した果実味のある特徴があります」

うーんこれどうなんだろう。これを持って12年熟成のブルネッロ・ディ・モンタルチーノピノ・ノワールみたいに感じた私の感覚が間違っていないと断言できない頼りなさ。しかしながらそう感じてしまったものは仕方がない。ま、おいしかったからいいか! ドンペリ狙いで毎回買ってるカルディのワインくじ、非ドンペリでもしっかりおいしいのありがたい。

結局、熟成由来の味わいとはどんなもの? ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは? 双方ともによくわからないという結果に案の定なってしまったが、これもまた経験。飲み続けていくうちに、少しずつ理解が進んでいくはずだ。俺たちのワイン道はまだ始まったばかりだぜ、である。