ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

フェウド・アランチョの泡「アックシィ」はどんなワイン? 味や価格や調べたことまとめ。【Feudo Arancio ACCUSSi】

フェウド・アランチョ アックシィを買ってみた。

春はあけぼの、春は泡。シュワシュワするもをかし。冬から春にかけて気温の上昇とともに咲くのが桜で飲みたくなるのがスパークリングワインだ。にも関わらず、冬の間の需要減に伴って在庫が意外となかったりする。そこで、平日の夜に気楽に開けられる泡として楽天のセールでフライパンを新調した際に送料調整で購入したのがフェウド・アランチョの「アックシィ」だ。990円税込と大変お安い。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210325123341j:plain

フェウド・アランチョの「アックシィ」を飲みました。

さて、シチリアの安うまワイン生産者として高名なアランチョだが、私にとって飲むのはこれが初めて。いったいどんな生産者なのかと調べてビックリ、700ヘクタールも畑もってるのか! アランチョ、っていう言葉の響きから、アランチョおじさんみたいな人物が妻と三人の子どもとともに先祖伝来の畑を世話しています。馬にまたがって。みたいな絵面を勝手に想像していたが全然違った。

 

フェウド・アランチョはどんな生産者か?

調べると、アランチョはトレント州の協同組合「グルッポ・メッツァコロナ」傘下のワイナリー。グルッポ・メッツァコロナは1904年に創設された協同組合で、今日では1600名の組合員と2800ヘクタールの畑を管理しているんだそうだすげえ。世界的に流通する安うまワインは大企業の巨大タンクの中からしか出てこない。悲しいけどこれって資本主義社会なのよね、である。毎回思うことだけど。

公式サイトによれば、アランチョのカンティーナには最高のワイン製造設備が設置され、完全に温度調整された環境のもと農学者と醸造家のチームによってワインが造られているとある。アランチョおじさん感マジで皆無。グーグルストリートビューで訪問してみてもなんですかこのはためく国旗は。「敷地」というより「領土」と呼びたい規模感である。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210325123414p:plain

フェウド・アランチョのエントランスのご様子。デカい。(Googleストリートビューの画面キャプチャ)

と、アランチョが安くておいしいと評判であることの理由(スケールメリット)が骨身に染みたところで今夜のワインを見ていこう。

 

フェウド・アランチョ アックシィはどんなワインか?

アックシィはグリッロ100%で造るワイン。ショップ、トスカニーの記事によれば、そもそもシチリアは暖かいのでスパークリングワインに必要な酸が足りないんだそうだ。そのため、酸の豊かなグリッロを用いているみたい。

グリッロってマルサラに使われる品種なんですね調べてみると。シェリー、ポート、マデイラと並ぶ世界四大酒精強化ワインでティラミスの原料としても知られるそうですマルサラ。今知ったのだが「ティラミス」は単語に分解するとティラ・ミ・スとなり、リフト・ミー・アップの意だそうです本当にワインとはなんの関係もないけど。気分がアガるデザートであるティラミスの原料であるマルサラの原料となるのが今回飲んだワインの原料であるグリッロだ。わかりにくい。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210325134700j:plain

ティラミス。食べれば気分がアガるスウィーツ。

データシートによれば、そのブドウの酸味をさらに保つために夜間に収穫してベースワインを造ったあと、耐圧タンクの中で再発酵。20日間ほどの熟成後、瓶詰めされるようだ。「望ましい圧力と残糖に達したら、ワインを-2/3度まで急速に冷却して発酵を止め」るとかって書いてあり、いかにも最新設備が揃ってる感じが字面からする。

調査的に片手落ち感があるのは肝心要の「ACCUSSI」の意味がよくわからない点。「告発」みたいな意味が出てくるんだけど、うーん、告発じゃないですよねたぶん。しかもアクーズィ、みたいな読みかと思いきや日本語表記アックシィっていう「機動戦士ガンダム」におけるジオン公国軍の水陸両用のモビルスーツみたいな読み方だし……というわけでアランチョの泡ということで「泡ンチョ」と呼ぶことにする。かわいいし。

 

フェウド・アランチョ アックシィを飲んでみた。

さて、窓の外の桜を眺めながらスポンと抜栓……しようと思ったら意外と硬くて苦労しつつもなんとか開けてグラスに注いでみると、麦わら帽子みたいな色でグラスの底から強めの泡が何筋が立ち昇る。

でもって飲んでみると、おお、面白い。初めて飲む味。シャンパーニュとはもちろん違うしカバとも違う。フランチャコルタやプロセッコとも全然違って、リモンチェロとか柑橘フレーバーの焼き菓子みたいな甘苦爽やか味。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210325134504p:plain

vivinoの点数は3.6。日本で買うのと欧州で買うのとで価格は変わらない感じ。お得。

そして泡はこれなんていうんですかね。「強炭酸!!」みたいな感じ。シャンパーニュの泡が口の中を泡で満たす感じだとしたら、泡ンチョの場合は喉の奥にガツンと来る泡という感じ。スパークリングワインというよりも、炭酸飲料、という印象を受けて、こういう言い方は良くないかもしれないけどちょっとレモンサワーっぽいなと思ったのだった。

でも飲みやすくてこれはこれでアリ。990円だし。アルコール度数も11%以上12%未満(裏ラベルより)と強くないから、「いただきます」の前にサクッと飲み始めるのにちょうどいい。あまりの飲みやすさにこれをチェイサーにして赤ワインを飲んでたところまで記憶があって目覚めたら深夜だった。

というわけで意外とティラ・ミ・スしてくれるワインだったのだった。お外でパーッと花見とか、夏場のバーベキューのお供とか、プールサイドで飲むとかにいいと思います。

 

 

やっぱりシャンパーニュですよ。なんつったって。