ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ドメーヌ・ユイ「T6+254 ペティアン ロゼ」を飲んでみた。【北海道余市町】

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼと北海道余市町と私

桜の花が満開になったのでワインを片手に近所の公園へと向かった。手にしたのはドメーヌユイのT6+254 ペティアン ロゼ。先日、カーブドリラックスのセールで買った(定価でだけど)1本である。

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ドメーヌ・ユイの「T6+254 ペティアン ロゼ」を飲みました。

ドメーヌ・ユイは北海道余市郡余市町の生産者。私は、昨年同じ余市町のドメーヌ・モンの「モンペ」を飲んで以来の余市町が推し自治体。

ふるさと納税余市町に一点張りし、ブログ記事にはしていないのだがモンガク谷ワイナリーの「杤」に静かに衝撃を受けたり、平川ワイナリーのワインがどのワインを飲んでも安定しておいしいことに震えたりしている。

私は千葉県出身で東京都在住だが広島東洋カープが好きで北海道余市町のワインが好きだ。人生ってわかんないもんですね。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼはどんなワインか

さて、このワイン、まず名前が独特だ。「T6+254」ってなんのことかしらと裏ラベルを見ると、ドメーヌ・ユイの畑の地図が記載されている。「T」とはドメーヌ・ユイが余市町黒川地区に持つT圃場のことを表すようで、そこの「6番区画」を中心に、2番区画、5番区画、4番区画のブドウを加えて造ったことを示すようだ。まったく関係ないけど日露戦争の激戦地である203高地は海抜203メートルだからその名前になったそうです。

品種はナイアガラ52%、キャンベルアーリー26%、ポートランド22%。「樹齢30年の古木のブドウ3種を無農薬で栽培し、亜硫酸を加えずに野生酵母で発酵させた」とある。アルコール度数は8.5%。無濾過・無清澄でオリ引きもしてないみたいで、花見会場の近所の公園に移送したこともあって見た目はにんじんジュースみたいになってる。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼとヴィティス・ラブルスカ

さて、ポートランドっていう品種が初耳だったので調べてみると白ブドウなんですねこれ。北海道果樹協会のサイトによれば、「白色生食用品種。甘みが多くジューシーで香りが強い」とある。

川越角屋酒店の商品ページに、このワインのワイナリーからの説明文と思われる文章が掲載されていて、品種に関してこんなふうに書いてある。

「このワインは先に紹介したナイアガラ、キャンベルの白、濃ロゼ3種のキュベと、ポートランドのキュベをブレンドしてできたワインです。ドメーヌユイではラブルスカをどうやって美味しいワインにするかを毎回試行錯誤していますが、昨年藤野ワイナリーで勉強させていただいた際に得た「いろいろな品種をブレンドする」という手法が一つ目の答えかなと思います。」

なるほどなー。ヨーロッパブドウのヴィティス・ヴィニフェラでなく、アメリカブドウのヴィティス・ラブルスカで造られてるってことですね。でもって、品種を混ぜることがおいしさの秘訣であり、それが商品名の「T6+254」にも表現されている、みたいなことが伝わってくる。

なんとなく全体像がぼんやりつかめた気がするので、いざ飲んでみよう。

ドメーヌ・ユイ T6+254 ペティアン ロゼを飲んでみた

というわけで満開の桜の花が弥生の風に揺れる中、王冠をペコッと外してグラスに注いでみた。

外飲み用のプラスチックグラスが見つからず、注いだのは痛恨の紙コップ。にもかかわらずうーん香りが素晴らしいなこれ。あれ? 桜の木の量、増えてない? 100倍くらいに。っていうくらいの華やかな香り。それとこれはナイアガラに特徴的な香りなんですかね、「モンペ」同様のトロピカルフルーツ的な香りがすごい。

放映中の女児向けアニメ『トロピカル〜ジュ! プリキュア』の主人公、夏海まなつは「イケてる」「ワクワクする」といった感情を「トロピカってる〜!」と表現するのだが、まさにこの香り、トロピカってる

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振る舞い酒も好評で、花見には本当に最適な1本でした

飲んでみると、花見会場に移送してすぐ開栓したことも影響してか、泡立ちはかなり弱め。ほんの少しだけプチプチした発泡が舌に楽しいくらいの具合でなんていうかトロピカってるなこれ(2回目)!

南国フルーツとか桃とかあんずみたいな香りなんだけど、濁った外観とは裏腹に飲み口はことのほかシャープ。ご近所さんにも振る舞いつつ飲んでたらスイスイ進んでもっと飲みたかった……という切なさとともに消えた。まさに恋しちゃったんだ多分気付いてないでしょ的切なさですよユイだけに。

それにしても紙コップでこの香りに味わい……これひょっとしてちゃんとしたグラスで味わわなきゃいけないやつだったんじゃないか感なきにしもあらずだが、レジャーシートの中心にデデンと鎮座し、ご近所さんから「ワインなのに王冠?」「なんでこんな色なの?」みたいに注目を浴びながらワイワイ飲むのもまた良し。「T6+254ペティアンロゼ」は華やかで香りが良くて暖かい、春という季節を酒にしたようなワインだったのだった。チラシ寿司とか合いそうだなあ。余市町、それは春や夏を思わせるワインを造る北緯43度の町。

とはいえ夜にグラスに注いでとことん向き合いたくもある。価格は2200円税込。また見かけたら買う確定の1本である。

 

流れ的には藤野ワイナリーも飲んでみたい。

 

もちろんシャンパーニュもね!

 

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