ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

アルネイスってどんな品種? ワインブロガーが調べてみた

アルネイスとは

アルネイス、というブドウ品種がある。

イタリア北部のピエモンテ州原産の白ブドウで、ロエロ・アルネイスDOCG、ランゲ・アルネイスDOCといった産地が有名。世界中の全生産量のうち97%がイタリアに集中し、なかでもピエモンテ州がそのほとんどを占めるというピエモンテを代表する白品種だ。

ピエモンテ。イタリアの西端であり、さらに西端のクーネオ県がメインの栽培地(画像はwikipediaより)

ちなみにアルネイスはピエモンテ語で「いたずら好き・気まぐれ」を意味する。私が今春入学の大学一年生ならば第二外国語ピエモンテ語で決まりだ。

 

アルネイスの歴史

このアルネイス、もともとはピエモンテといえばの黒ブドウ品種・ネッビオーロブレンドしてその酒質をまろやかにするという役割を与えられたブドウだった。北ローヌでいうところのシラーにブレンドされるヴィオニエ的な役割だったわけですね。

そのため、ネッビオーロ・ビアンコとかバローロ・ビアンコいう呼び名もある(ただしネッビオーロと遺伝上の関係はない)。

洋梨。アルネイスのメインの香りがこれ。(画像はwikipediaより)

伝統的にはアルネイスとネッビオーロは混植されており、それは「熟したアルネイスの果実の甘い香りで鳥を引きつけ、アルネイスより貴重なネッビオーロの果房に近づけないという目的(wikiより)」があったのだそうだひどい。おとりかよ。

アルネイスはネッビオーロバローロなどの単一品種で仕込まれるのが一般的になるにつれ絶滅寸前となり、ついにはブルーノ・ジャコーザとヴィエッティの2生産者しか扱ってない、というところまで追い込まれる。崖っぷちすぎ。

ネッビオーロをまろやかにする、という補助品種ここに極まれりという役割でありながら栽培が難しいのがその原因だったようだ。仕事のできる人は大概性格にクセがある。ブドウ品種も同じですなあ。

ただ、そこから再評価の機運が高まったのかなんなのか、1970年に45ヘクタールまで減少したイタリアにおけるアルネイスの栽培面積は、2010年には970ヘクタールにまで拡大する。よかった。ブルーノ・ジャコーザは偉大だ。グラツィエブルーノ。

これは年内に絶対飲みたい↓

 

アルネイスの味わい

wikipediaによればそんなアルネイスの特徴はキレのある酸味、白い花のアロマ、洋梨アプリコットのニュアンス。なかでも洋梨はアルネイスを象徴する香りで、ほかにはアーモンド、アプリコット、桃、ホップのアロマを持つとある。ホップってあんまり聞かなくて面白いっすね。

で、そもそもなんでまた急にアルネイスの話をしているのかだが、それはカッシーナ・キッコの「ロエロ アルネイス アンテリージオ」を飲んだから。

2023年11月の下北沢ワインショップの試飲会で飲んで衝撃を受けて購入、あらためて飲んでみたのだがこれが素晴らしかったのだ。2024年ははじまったばかりだが、今年の3000円以下ベストワイン白部門のかなり有力な候補になりそう。

白い花や透明な蜜、あんず、そしてツーンとしない「ミツカン かんたん酢」的な酸味。余談だがかんたん酢はガチで便利なのでみんな買うべき。酢の物なんて一発ですからねこれ。いずれにしても非常にまろやかで、それでいてシャープさもあり、圧倒的に香りが良く素晴らしいワインだったのだった。

イタリアの赤品種はネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、プリミティーヴォとか好きな品種がいくつかあるが、白品種となると途端に指が折れなくなっていたのだが、これは明確に「好き」と言える味わい。私はアルネイスが好きだ。

つーかこんなにおいしいんですねアルネイス。シャルドネを50%、リースリングを40%、ヴィオニエを10%ブレンドしたみたいな味がする。

アルネイスを足がかりに、イタリア白品種という山を登っていけそうな、そんな気配。みなさんもぜひ、試してみようアルネイス。

このシャンパンイチオシです(価格に対して味が良い)↓