- 中川ワインの試飲会に参加してきた
- 【BESTコスパ】マックマニス・ファミリー・ヴィンヤード「ヴィオニエ リヴァー・ジャンクション 2021」
- ジャム・セラーズ「バター バブルズNV」
- リンカーン・セラーズ「シャルドネ ナパ・ヴァレー2018」
- 【3000円以下BEST】イーター「ピノ・ノワール カリフォルニア2020」
- 【5000円以下BEST】デコイ「デコイ・リミテッド カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2019」
- 【10000円以下BEST】オー・ボン・クリマ「“イザベル”ピノ・ノワール2020」
- ナパ・ハイランズ「カベルネ・ソーヴィニヨンナパ・ヴァレー2022」
- アルマ・デ・カトレア「ピノ・ノワール ソノマ2021」
- とくに気に入ったやつBEST3
中川ワインの試飲会に参加してきた
お招きいただいて、中川ワインの試飲会に参加してきた。中川ワインといえばカリフォルニアワイン。ということで魅力的なカリフォルニアワインを多数テイスティングしてきたなかから、こりゃすげえ! と思ったものをご紹介したい。
とはいえ試飲会に出されたのは下は1980円の安ワインから上は55000円(本稿はすべて税抜表記)の超高級ワインまで様々。ボクシングでいえば47.62kg以下のミニマム級から90.72kg超のヘビー級までが並んだようなものなのでまとめて紹介するのもちょっと難しい。
というわけでざっくり10000円以下級、10000円以上の無差別級の2階級で行ってみよう。前編にあたる本稿では10000円以下のワインの中から8本を選んでみた。さっそく行ってみよう。
【BESTコスパ】マックマニス・ファミリー・ヴィンヤード「ヴィオニエ リヴァー・ジャンクション 2021」
まず最初に紹介したいのがマックマニス・ファミリー・ヴィンヤードの「ヴィオニエ リヴァー・ジャンクション 2021」。これは最軽量級の1980円のワインだが、下世話な言い方をすれば体感2980円+。
1000円台のアロマティック品種にありがちな薄さ・弱さ・雑味みたいなものがまるでなく、太くて緻密な果実味と全体に芯を通す酸味ももちろんあって価格に対して素晴らしい。
全体を通してのベストコスパワインはこれだと思った。静かな衝撃である。
ジャム・セラーズ「バター バブルズNV」
続いて個人的にすごく気に入ったのが黄色いラベルの「バター シャルドネ」でおなじみのジャム・セラーズの瓶内二次発酵スパークリングワイン「バター バブルズNV」。
バターを泡にして大丈夫なんですかね、と思わないでもなかったがまさに杞憂で、ものすごくクリーミーさのあるリッチな泡で、同時に爽快な飲みやすさも併せ持っている。
なんでもこれ、上級キュヴェに「トースト ブリュット・スパークリング」なるブラン・ド・ブランもあるようだ。そちらも大変気になる…!
リンカーン・セラーズ「シャルドネ ナパ・ヴァレー2018」
どんどん行こう。続いてシャルドネゾーンからは、金色のシルクハットがトレードマークのリンカーン・セラーズの「シャルドネ ナパ・ヴァレー」がとても良かった。
試飲会なので現行ヴィンテージが出品されているのだが、その現行ヴィンテージがなんと2018。希望小売価格4600円ながら、実に4年半も瓶熟成させてからのリリースということになる。贅沢だなあ。
黄金色の外観に、ヘーゼルナッツをたっぷり乗せたクリームパイにかじりついたような香りと味わい。ナパ・ヴァレー シャルドネと聞いてイメージする味わいそのもののど真ん中を撃ち抜く必殺のストレートパンチといった印象だ。
しかしリンカーン・セラーズいい名前だな。日本でいうと犬がトレードマークのサイゴー・セラーズとかか。コルクを抜いたら文明開化の音がしそう。
【3000円以下BEST】イーター「ピノ・ノワール カリフォルニア2020」
ピノ・ノワールではイーターの「ピノ・ノワール カリフォルニア2020」が2300円とピノの最安値ながら素晴らしかった。
値段に対してうますぎるなこれと思って調べると手がけているのはダリオ・ディ・コンティ。ブレッド&バターの仕掛け人でカリフォルニアのエクストリーム安うまワイン・ベンドも手がける安ワイン界の巨人が関わるワインだった。
安ワインを造る名手とはつまり原料調達のプロということなのだろうか。ともかくダリオさんの造るワインのハズレのなさは異常。
【5000円以下BEST】デコイ「デコイ・リミテッド カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2019」
ナパといえばのカベルネ・ソーヴィニヨンでいうと、5000円以下ではデコイ・リミテッド カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2019が良かった。デコイ・リミテッドはダックホーンのセカンド的存在のデコイの上級版、という位置付け。
なにを飲んでもおいしいのがデコイの大きな特徴だけど、これはただでさえ高い平均点をさらに超えてくるような味。ド派手ではなくシックな味わいで、食事とともに楽しめるカベルネという印象。4400円はお値打ちだ。
というわけで以上は価格も含めて無条件に推せる。とくにマックマニスとイーターはデコイよりさらに安い価格帯でめちゃうま。覚えておきたい生産者となった。
【10000円以下BEST】オー・ボン・クリマ「“イザベル”ピノ・ノワール2020」
続いては5000-10000円のワインを見ていこう。
まず印象的だったのは2021年に醸造家のジム・クレンデネンさんが亡くなったオー・ボン・クリマ。3980円のミッション・ラベル ピノ・ノワール2021もおいしかったが、“イザベル”ピノ・ノワール2020(9800円)が印象的だった。
オー・ボン・クリマは他と比べて色が明確に薄い。なのに飲むと味わいは強く、いくらでも飲んでいたくなるような滋味に溢れている。1万円以下ベストは悩むがこれだ。
イザベルは故・ジムさんの娘さんの名前で娘の名前キュヴェにハズレなしの法則だ。今後はジムの息子のノックスさんとともに、イザベルさん本人もワイナリーの舵を取っていくことになるのだろう。
先代のワインを多く飲んだわけではないけれど、代替わりしてもしっかりおいしいのは間違いないと思ったのだった。
ナパ・ハイランズ「カベルネ・ソーヴィニヨンナパ・ヴァレー2022」
有名生産者でいえば、ナパ・ハイランズの「カベルネ・ソーヴィニヨン 2022」がこんなにわかりやすくおいしいワインがこの世にあるっけみたいな味わいで素晴らしかった。
果実・酸味・渋みが調和したバランスタイプで、わかりやすく「高いワインの味」が5800円なのにする。人気になるのも納得だ。
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アルマ・デ・カトレア「ピノ・ノワール ソノマ2021」
ピノ・ノワールで印象的だったのをひとつ忘れてた。「アルマ・デ・カトレアのピノ・ノワール ソノマ2021」はスパイスやハーブを感じるめっちゃくちゃ複雑でエレガントな香りがありながら、飲んでみると意外や味わいはジューシーというわかりやすいツンデレ系キュヴェ。
ちなみに醸造家のビビアナ・ゴンザレス・レーヴさんはコロンビア出身の女性の方で、ワイナリーの名前でもありラベルにも描かれているカトレアはコロンビアの国花だそうです。日本だと「サクラ」とか「キク」になる感じか。
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とくに気に入ったやつBEST3
というわけでたくさん飲んだ中からめちゃくちゃ無理やり8本を選んでみた。本当は38本くらい選びたい。なので断腸の思いなのだが、だからこそ厳選したラインナップになっていると思う。あくまで個人の嗜好の話だが、もしなにかの参考になれば幸甚だ。
そして、選びに選んだ8本からさらにBEST3をあえて選ぶとするならば、
1:オー・ボン・クリマ「“イザベル”ピノ・ノワール2020」
2:デコイ・リミテッド カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2019
3:リンカーン・セラーズ「シャルドネ ナパ・ヴァレー2018」
といったところだろうか。私はカリフォルニアのリッチなスタイルがなんだかんだ割と好み。2と3はカリフォルニアらしいワイン。ただ、オー・ボン・クリマのイザベルは薄うまスタイルで全然タイプが違うのだが、なんというか、造り手の「偉大な父の功績を後世に繋いでいく」という気魄みたいなものが液体に溶け込んでいる感じがした。根性論みたいになっちゃうけど。昭和生まれは根性論が好きなんすよ。
中川ワインの試飲会ではまだまだたくさんのワインを味わっている。明日は本命の10000円以上ワイン編を公開したいと思う。すごいワインがたくさん登場するので、乞うご期待だ。
【次回予告】ピゾーニ・ピゾーニなどが登場します…!
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