ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

Nagiさんワインを飲んでみた。Prinz Salm「DALBERGER RITTERHOLL RIESLING KABINETT 2022」

醸造家・Nagiさんからお土産にもらったワインを飲んでみた

ドイツ・ラインガウの生産者、エファ・フリッケで醸造責任者を務めているNagiさんという方がいる。

東京出身の醸造家で、私と年齢が近いこともあって友人付き合いをさせてもらっており、YouTubeチャンネルも共同運営している。

そんなNagiさんが前々回帰国された際、1本のワインをお土産にいただいた。Nagiさんの前の職場であるプリンツザルム醸造所のDALBERGER RITTERHOLL RIESLING KABINETT 2022というワインだ。

Nagiさんワインを飲みました。

「そこそこ悪くない仕上がりだと思います」と手渡された1本なのだが、Nagiさんは(とくにシラフのときは)鬼のように謙虚なので、これは「完璧な出来です」の意だろうと勝手に脳内変換、飲むのを非常に楽しみにしていた。

2月にNagiさんが帰国された際にお土産としていただいたこのワインを、先日ちょっとした身内のお祝いがあったタイミングで開けてみた。

 

Nagiさんワインとカビネット

さて、カビネットという言葉は必ずしも甘口ワインであることとイコールではないのだそうだ。

ビネットとかシュペトレーゼ、アウスレーゼという分類は基本的に「収穫時の果汁糖度」による分類であり、カビネットかつトロッケン(辛口)ということもあり得る。

なのでカビネットだから甘口だというわけではないのだが、今回いただいたワインはアルコール度数7.5度。アルコール度数がそれだけ低いということは、酵母が糖を喰い切っていないということであり、つまり残糖が高い=甘口であるということだ。

みたいなややこしい話をNagiさんとのYouTubeではいつもしているので、ご興味ある方はぜひチャンネル登録してください↓

www.youtube.com

 

Prinz Salm「DALBERGER RITTERHOLL RIESLING KABINETT 2022」を飲んでみた

さて、そんなこんなでDALBERGER RITTERHOLL RIESLING KABINETT 2022に話は戻る。乾杯に某シャンパーニュの2014ヴィンテージを飲んで、そのあとこのワインを開けたのだが正直驚いた。

某ヴィンテージシャンパーニュも悪くなかったのだが、このワインを飲んでから飲むと雑味や苦味が気になってしまって、一切進まなくなってしまったのだ。なにかを下げて別のなにかを上げるのは好きではないが、事実としてそうだったのだから仕方ない。

「友人の造ったワイン」なので2割増しでおいしく感じるのはおそらく事実。それにしたってむちゃくちゃおいしいですよこれは。

これはNagiさんのワインを飲んだときにわりといつも感じることなのだが、レモンとかハチミツとか、そういう「別のなにかたとえ」があまり思い浮かばない。

このリースリングってブドウはきっとこういう味なんだろうな、みたいな印象になるのだ。ドイツのナーエという地方にあるブドウ畑の一角で育ったブドウを一房パチンともぎり、ギュッと絞ってグラスに入れたらこのワインになってました、という印象を受ける。脳裏に浮かぶのは城でも湖でも高原でも深淵でもなく、ただただ畑。ただただラーゲ(ドイツ語)。

甘口なので発酵を止めるためにがっつりSO2が入れられていると思うのだが(このあたりのややこしい話は以下略)、「畑のブドウをそのままワインとして表現する」とかってこういうワインのことを言うんじゃないか感ある。

そしていつものことながら、ペトロール香は一切ない。Nagiさんいわくペトロールは欠陥臭とのことで、これもいつも思うことだがリースリングにペトロールはいらなかったんだ」と今回も思う。

Nagiさんのリースリング、過去にペトロール香がしたことが一度もない。

残糖はこれどれくらいなのだろうか。30g/Lとかそれくらい……? いや、もうちょっとあるのかもしれない。ほのかな以上ゆたかな未満の甘みがありながら、ゆたかな以上すっぱい未満な酸味があることで舌がベタつくような感触はない。

アルコール度数は7.5度と下手すると濃いめのクラフトビールとかより低く、750mlは油断しているとゴクゴク飲み干してしまえる量だ。公式サイトに飲みごろは2024年以降と記載されており、翌日以降の変化も(もしするのであれば)楽しみたいという理由で残しておくのには強い意志が必要だった。

 

Nagiさんと、ワインについてかんがえる。YouTubeLiveやります。

このワインはNagiさんの前の職場のワインであるので、もう飲むことはできない。次に飲めるNagiさんのワインはエファ・フリッケのワインということになる。楽しみだなあ。楽しみで仕方ない。「あまりプレッシャーをかけないでもらえませんか?」と言われそうではあるが……。

というわけで素敵なお土産をくれたNagiさんに感謝。そして、今夜そんなNagiさんとYouTubeLiveをやりますのでよかったらぜひご覧ください&面白かったらチャンネル登録お願いします!

 

7月1日土曜日20時〜。テーマはワインの劣化と欠陥。知っておきたい購入後の劣化の原因など!

www.youtube.com

www.youtube.comエファ・フリッケ、飲んでおこう。