さて今週もワインマーケット・パーティのブラインドテイスティングにやってきた。最近ではこれがすっかり習慣化、なんていうか習い事感覚で毎週のルーティン化している気がする。
読者の皆様におかれましてはそろそろ飽きてきたころだろうか。私はぜんぜん飽きてない。
ブラインドテイスティングWEEK8/グラス1
というわけで今週もスタートだ。目の前のグラスに入っているのは白1種、赤2種だ。
まず1杯目は白ワイン。色はほとんど隣に置かれた水のグラスと変わらない。つまり透明。水を50cc入れたグラスに絞ったレモンを一滴入れたような色から予想されるのはリースリングか、ソーヴィニヨン・ブランか、あるいはピノ・ブランとか甲州とか…? 基本ステンレスタンクで醸すタイプの白品種だと思われる。
飲んでみると、まず感じるのはレモン。岩の感じ。夏の涼しい清流の感じと白い布に一滴の墨を落としたような苦味……ってこれ甲州じゃない? これは甲州だよ。YEAH! めっちゃ甲州。
これはピタリ賞のチャンスだ。産地は日本の山梨。品種は甲州。甲州はブドウ糖度がそこまで高まらないと思うし飲んだ印象としてもアルコール感をさほど感じないので11.5%。ヴィンテージは2022か2021か……悩んだ末に日本/甲州/2022/11.5%と予想した。
ブラインドテイスティングWEEK8/グラス2
続いて2だが、かなり明らかなバラの香りがする。あとなんだろう、少し石鹸みたいな雰囲気もある。お歳暮目薔薇科石鹸属のアロマだ。
バラを感じる品種ってなんだろう。ネッビオーロとかピノ・ノワールとかか。あそうだ昔飲んだシャトー・ローザン・セグラ、めっちゃ薔薇の香りしたっけな。あとは涼しい地域のグルナッシュとかメンシアとか…?
うーん最後、決め手がない。決め手がないのでカウンターで黙々キュッキュとグラスを洗っている沼田店長に「ところで今週、出題は沼田さんですか?」と聞いてみたところ「そうだよ」という答えが返ってきた。
沼田さんといえばイタリアワイン。その沼田さんが選んだとなれば……つまり正解はネッビオーロだ。出題者に聞くのはズルだろうという意見もおありかもしれないが先に言っておこう、ここで余計な質問をしたことが後にアダとなって返ってきます。
ともかくイタリア/ネッビオーロ/13.5%/2016と予想した。ヴィンテージは古すぎる気がするが、1本くらい古めのが入ってそうな気がしたのだった。勘の良い読者の方はお気づきだろう。このあたりから私は目の前にあるグラスに虚心坦懐に向き合うべしというブラインドの基本を逸脱しています。
ブラインドテイスティングWEEK8/グラス3
さて最後、3番のグラスは香りが2番に比べるとやや穏やか。渋みは非常に強く、酸もしっかりとあるけれど果実味がしっかりとあるので飲みにくさは感じない。まだ若い、肩肘張って全力で仕事をしている新入社員の良さ、みたいなものを感じる。
ヴィンテージはきっと若め。2020とか2021だ。そしてアルコール度数も低くない。14%とか。もっとあるかもしれない。
問題はタンニンだ。タンニンめっちゃ強い。その割に香りは穏やかだ。タンニンが強い品種はなんだろう。タナ、マルベック、プティ・ヴェルドとか? 果実も強いからニューワールドだろうか? 意表をついてガメイとか?
とはいえ、このあたりではじめっからスカスカの手持ちのカードは完全に品切れ。答えまでは辿り着けなかった。1問目はほぼ確実、2問目もワンチャンあるぞと思っているが、この3問目は当たっていないと思う。ただ、予想だけはしておいた。
フランス/ガメイ/14%/2021でファイナルアンサー。クリュ・ボジョレーのガメイ、税込4180円と予想! 知らんけど!
というところで予想は出揃った。回答用紙に答えをしたためて回答BOXに入れる姿がよほど自信なさげな様子だったのか「ブラインドはやればやるほど難しいから……」と沼田店長に正解発表前の段階であらかじめ慰めてもらったりしたのだが、なんのまだ全問正解の可能性は残されている。いざ解答編いってみよう。
ブラインドテイスティングWEEK8/正解発表:1杯目
【予想】日本/甲州/2022/11.5%
【正解】日本/甲州/2021/11.5%
惜っしすぎるんだが。ヴィンテージ! ヴィンテージが! 2021と2022で迷って2022にしたの誰? おれかっ。
というわけで甲州は当たってアルコール度数も当たったがヴィンテージが一年違った。
そして予想が正しいととくに書くことがない。銘柄はグランポレールの甲州でした。産地は山梨。まあ山梨だよ、そりゃあ。
ブラインドテイスティングWEEK8/正解発表:2杯目
【予想】イタリア/ネッビオーロ/2016/13.5%
【正解】フランス/ピノ・ノワール/2020/13.5%
ピノ・ノワールだった……「わかんないけど出題者が沼田さんだしイタリア! ネッビオーロ!」みたいな邪(よこしま)予想、見事に裏目である。
エルヴェ・シャルロパンのマルサネ クロ・デュ・ロワ2020が正解のワイン。こちらブルゴーニュの村名なのに驚きの3465円税込なんだそう。お買い得すぎ。
そしてアルコール度数が的中したのはいいが、ヴィンテージは大外れ。大いに反省したい結果となった。そして最後、もっとも自信のない3のグラスだ。
ブラインドテイスティングWEEK8/正解発表:3杯目
【予想】フランス/ガメイ/2021/14%
【正解】アメリカ/カベルネ・ソーヴィニヨン/2019/15%
見事なまでのどこにも当たり要素のない完全無欠の大外し、という結果となった。すべての正解に対して真逆の回答をしているまである。正解のワインはベリンジャー ナイツ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン2019。ソノマの王道だ。
いやあれなんですよ。ブラインドテイスティングに参加するようになって痛感しているのだが、そして認めざるを得ないのだが、私はカベルネ・ソーヴィニヨンの品種特徴をまったく理解していない。完全なるカベルネ迷子。
ワインど初心者のころは「お! カベルネって書いてある。おいしいに違いない。買お。」みたいにカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンばかり飲んでいた時期があり、そこそこ経験値はある気がしなくもないのだが。まずいなこりゃ。カベルネ強化月間やらねばならぬ。
ともあれ、今回は12項目中4項目正解という結果となった。今回は「王道の、それこそ代表的な、国、産地、そして品種。」(WMPのインスタより)という出題だったそうだ。甲州という私にとっての超スーパーウルトラサービス問題が出て、残りはフランスのピノ・ノワールとカリフォルニアのカベルネ。それでこの結果なので、気分的には惨敗だ。
やはり目の前にあるグラスに虚心坦懐に向き合うべしというのがブラインドの基本中の基本だ。虚心坦懐って書いてあるTシャツ着て行きたいレベル。がんばれ、来週の自分!
このシャンパーニュのセットよさそう。
こちら私の推しのシャブリ1級畑4本セット。コストに対するうまさがすごい。