ヘス シャーテイルランチ シャルドネとヴィーダー山
昨夜はカリフォルニアの白ワイン「ヘス シャーテイルランチ シャルドネ」を飲んだ。さてどんなワインかとヘスコレクションの公式サイトを見ると、創業者のドナルド・ヘスが、1970年代にヴィーダー山の土壌と気候に魅了され、この地でワイン造りをはじめたとある。
ではヴィーダー山とはどんな山かと調べてみると、ナパバレーにある火山灰土壌の山で、ときに30度にもなる傾斜がブドウ畑にベネフィットをもたらすそうな。
標高は815メートルで、日本でいえば広島県庄原市の葦嶽山(あしたけやま)と同じ高さ。なんでもこの葦嶽山、どの方向から見てもピラミッド型に見える上に山頂に神武天皇陵とも伝えられる謎の巨石群があり、中腹から山頂付近にかけては岩を人工的に積み上げたような形跡があるという。そしてときは1934年、この山を調査した神秘家・酒井勝軍はこれらのことから「葦嶽山は約2万3000年前に造られた最古のピラミッド」とこれを断定。日本中に空前のピラミッドブームが巻き起こったのだそうな。以上、ナパバレーのワインと1ミリも関係のない話を終わります(参考文献『ムー的世界の新七不思議』学研プラス刊ほか)。
さて、なんの話だっけ。ヴィーダー山の話だった。ナパバレーはその名の通り谷であり、ヴィーダー山はその谷を作るふたつの山脈のうちのひとつ、マヤカマス山脈の一部。35の生産者が、マウントヴィーダーAVAのワインを造っているそうな。
で、「シャーテイルランチ シャルドネ」は、公式サイトによればレストランオンリーのいわば業務用ワイン。カリフォルニアのシャルドネといえば、私の大好物である樽の効いたやつ、俗称“樽ドネ”に違いないということで期待が高まる次第だ。
【2020/0907追記】
後に判明したところによれば、コロナ禍で本国でのレストラン需要が激減。レストランでバイザグラス用に使われていたこのワインが大量にやってきて安く売られているのだとか。以上のような理由で、2020年9月現在日本で非常に安く買うことができる。
樽の効いたシャルドネ問題
さて、最近になって私は、「樽ドネにもいろいろある」ということがおぼろげながらわかってきた気がしてきた。ブドウの違い、土壌の違い、醸造の違い、新樽率やら熟成期間などなどがワインによってまちまちなので当然なのだろうが、同じ樽ドネでも、それぞれ一言でくくれない魅力がこれまた当然ながらある。
たとえば「たるどね!」みたいな、なんですかね。元気のいい感じのものもあれば、「たる☆どね」みたいな、ちょっとキラキラした人なつっこい萌えキャラみたいなものもある。一方で、「樽どね。」みたいなちょっと男くさい感じのものもあれば、「TARU-DONE」みたいな「BUKU-TICK」かよといったややトリッキーな印象のものもある。僕はマジメに話をしています。
私はどちらかというと樽も効きつつフレッシュで、弾けるような味わいのある「たるどね!」的なものが好み。先月のベストワインであったリントンパークの「76」とかがまさにそれ。ひるがえって今回飲んだ「ヘス シャーテイルランチ シャルドネ」はどうかといえば、以下のような感じ。
樽ド樽ネ
藤子・F・不二雄、みたいになった。なんというか、果実味とかフレッシュさ(ドネ要素)が樽に覆われてる感じがする。いや、それが悪いわけではなく、むしろすごくおいしいんだけど。
ただ、調べてみるとこのワインの新樽率は5%。マジか。データからは「いや別に樽効かせてないですけど」感が漂っていてわたしの味覚は大丈夫なんでしょうか。わたしの感じた樽感は別の要素によってもたらされた可能性があり、どなたか同じワインを飲まれた方ご教示ください。これは樽じゃないんですかね。
いずれにしてもこのワイン、白だけれども春夏物というよりも秋冬物っぽい。キノコとカボチャとチキンのクリーム煮、とかなんかそんな料理に合いそう。なんならグラタンでも可。とかって思って商品ページを見たら「シーフード料理やキノコのリゾット等、クリームを使った料理に最適。」って書いてあった。だよなあ。晩秋、とかに飲んだらすごく良さそうな気がする。ひとり娘を嫁に出した夜、笠智衆がひとりで脂の乗った秋刀魚焼いて飲みそう。
いやはや、それにしてもワインの道は奥が深い。標高815メートルのヴィーダー山登山でまさかの遭難、そんな昨夜のワイン体験でした。
おそらく最安値↓
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