セブンイレブンで「ボッリチーニ」と「ボッリチーノ」を買ってみた
セブンイレブンの缶ワインコーナーが最近にぎやかだ。昔からあるバロークス、温かいお茶なんかが入ってそうなスクリューキャップ の缶に入ったモンデ酒造のプロダクトなどに加えて、最近目にするのがポップなパッケージの缶ワイン。
それが今回取り上げるボッリチーニとボッリチーノだ。なにしろ名前が似てる。「ボッリチー」まで同じですからねなんつっても。「ニ」と「ノ」の違いしかない。なんでもイタリア語で「小さい泡」のことをBollicine(ボッリチーネ)っていうみたいですね。強引に日本語に置換すると「シュワッチ」と「シュワップ」みたいなことだろうか。
ではこのよく似た名前のふたつの缶ワインにはどんな特徴があるのだろうか? それぞれの「白」を買ってみたので、違いを以下に記したい。
ボッリチーニはどんなワインか
まずは水色のパッケージに銀色の泡がデザインされたボッリチーニから。以下、スペックをまとめてみた。
【容量】250cc
【品種】トレッビアーノ、ピノブランコ、シャルドネ、グレラ
【Alc.】11度
【生産者】ヘンケル・フレシネ社
【原産国】イタリア
【輸入元】サントリー
【価格】385円
というわけで生産者はスペインのカバ最大手のフレシネグループ(正確には2018年にヘンケルがフレシネを買収しているのでヘンケルグループ)、輸入元はサントリーっていう大企業連合であることがわかった。強いなボッリチーニ。なんでもアメリカで先行発売されてよく売れたそうだ。
ちなみにピンクの缶のロゼもある。そちらはトレッビアーノ、ピノネロ、ランブルスコが使用品種で、「やや辛口」と表記されているから少し甘めのタイプなのかもしれない。
ボッリチーノはどんなワインか
では一方のボッリチーノはどんなワインだろうか。
【容量】200cc
【品種】トレッビアーノ、シャルドネ
【Alc.】10.5%
【生産者】ドネリ社
【原産国】イタリア
【輸入元】モンテ物産
【価格】264円
ドネリは100年以上の歴史を持つランブルスコの生産者。モンテ物産はイタリア専門の商社と、なんですかね。強いていえばボッリチーニの国際連合に対してボッリチーノはイタリア連合みたいな、そんな対決構造が見えてくる。なんかよくわかんないけどイタリアを応援したくなるな友達住んでるし。
ボッリチーノには「赤」があり、こちらはランブルスコとランチェッロッタから作られているそうだ。
ちなみにボッリチーニ、ボッリチーノはどちらも「微発泡」。いわゆるフリッツァンテってやつですね。ガス圧1〜2.5気圧、アルコール度数7度以上がフリッツァンテの規定であります(参考までにシャンパーニュのガス圧は5気圧以上が規定)。
ボッリチーニとボッリチーノを飲んでみた
では、このふたつの缶ワイン、飲み心地はいかがなものだろうか。夏の終わりの夕暮れの、少し涼しくなってきた風を浴びながら同時に飲んでみることにした。
まずはボッリチーニから。グラスに注ぐとなるほど泡立ちは弱め。香りも弱め。味の主張も弱めとなんだか悪く書いているようだがさにあらずで、際立った特徴のなさが優しさみたいなものに昇華している。缶ワインにありがちな苦味みたいなものがないのがなにより良く、食事を邪魔しない。いいじゃないのアナタ。「お前、合格。」と地獄のミサワみたいな顔でいいたくなる缶ワインだった。
では一方のボッリチーノはどうかというと、これがまあ見事に泡立ち、香り、味わいの各要素がボッリチーニとよく似てる。少なくともポカリとアクエリアスほどの違いは間違いなくないってレベルだが、こちらのほうがやや炭酸が荒々しく、やや酸味と苦味を感じる。よくいえば複雑で、悪くいえば雑味があるといったイメージだ。
というわけで、味わい的には僅差でボッリチーニがおいしいように思う。ただ本当に僅差だ。
ボッリチーニとボッリチーノのコスパ比較とどちらを選ぶべきか問題
なので、あとの選択基準は金額だろうか。ボッリチーニは385円で(楽天でチェックするとどのショップも値段が固定されているから、定価販売以外認めない感じなのかもしれない)。それに対してボッリチーノはショップによって価格が違い、最安値は264円と100円以上安い(もっともその分容量も50ml少ないわけだが)。
750ml換算すると、
ボッリチーニ=1155円
ボッリチーノ=990円
と、1mlあたり単価もボッリチーノのほうがやや安い。容量が200mlであることも含め、より気軽に手に取りやすいのがボッリチーノ。味わいにも価格にもわずかに高級感があるのがボッリチーニというイメージだろうか。私でいえば、誰かと一杯ずつ飲むならボッリチーニ、ひとりで飲み切るならボッリチーノという使い分けをするかもしれない。
ともかく、気軽に飲める缶ワイン、とくに残した場合に味わいの変化が大きいスパークリングワインの缶パッケージは大歓迎だ。そして、ここまでいろいろな種類を試したなかで、この2本は缶泡ワインとしてコスパを含めたレベルが非常に高いと感じた。
というわけで、みなさんもぜひ手にとってみてください。みんなで買い支えることで缶ワインのクオリティがさらに高まったら最高だなと思う次第だ。