ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはどんなワイン? ワイン会に参加して調べてみた

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲む会に参加してきた

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲み比べるワイン会に参加してきた。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはイタリア・トスカーナ州を代表するワインのひとつ。くらいの知識しか私にはない。せっかくお誘いいただいたので、しっかり飲んで学んでいきたい。

ブルネッロをたくさん飲んだ

さて、この会の主催は無垢ワインさん。てことは無垢ワインさんが集めたワインを飲むのかなと思ったらさにあらずで、Xワイン界隈屈指のワイン購入の達人・かしたくさんがワインを提供、Xワイン界隈屈指のマニア・TZKさんがお店の予約やペアリングの段取りをしてくれているというとんでもない会となっている。

このあたり個人名が出てくるのでピンとこない方も多いと思うが、とにかくマニアックな会なんだね、みたいなふうに理解していただければOKだ。モノホンのマニアが絡むワイン会はしばしとんでもないことになる。

会場はトスカーナ料理の専門店だという浜町のトラットリア・コッレ。休日の午前11時半から15時まで、ランチタイムをフルに使って楽しんだ会の模様を、飲んだワインを軸に以下にレポートしていきたい。

 

フェッラーリ マキシマム ブラン・ド・ブラン

さて、この日の乾杯はTZKさんご提供のフェッラーリ マキシマム ブラン・ド・ブラン。2015がベースヴィンテージのものを、TZKさんのご自宅で数年熟成させたというもの。

飲み始めはスッキリさわやか系。時間が経って温度が上がるとどんどん甘やかに、やわらかく変化していき、最終進化系は飲む栗きんとんみたいになるという素晴らしいスプマンテだった。

ワイン愛の強い人の自宅で熟成させるとワインはおいしくなる、ワイン愛が強ければ強いほどそうなる、という都市伝説が私の中であるが、それを証明する見事な1本なのだった。

ただあくまでもこれは乾杯用。ここから怒涛のサンジョヴェーゼ6連発の幕が開く。

 

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲もう!

まずはワインリストを眺めていこう。以下だ。

1:ファットリア・ラ・レッチャイア ロッソ・ディ・トスカーナ2016
2:ヴァルディカヴァブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2010
3:マストロ・ヤンニ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2016
4:サセッティ・ペルティマリ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ2016
5:ビオンディ・サンティ ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2019
6:ポッジオ・ディ・ソット  ロッソ・ディ・モンタルチーノ2019

さて、どれもおいしかったのだが、ボトルバイボトルの詳細は参加者の米柱さんがまとめてくださっているので屋上屋を重ねるのは避けて、いただいたものの中からやべえやつof the やべえやつを発表したい。

早速だが発表しちゃおう。サセッティ・リヴィオ・ペルティマリのブルネッロ2016だ。ちょっとこれはとんでもない、年間ベスト級のワインだった。いやーすごいワインだった。

これは本当に素晴らしいワインだった

かのロバート・パーカーをして「私がたった1本だけブルネッロ・ディ・モンタルチーノを味わうとすれば、それはペルティマリのものになるだろう。」と言わしめた生産者。パーカーってこういう言い方がめっちゃうまいんですよ。「貨物列車ごと買うべき」的なやつとか。パーカーはコピーライティングの世界に進んでも間違いなく大成していた、あるいはワインの世界でコピーライターとして大成した人なんじゃないかという気さえするが話がずれてた。

 

 

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはどんなワインか

サセッティ・リヴィオ・ペルティマリのブルネッロの前に、まずはそもそもブルネッロとはなにかをまとめておきたい。

・イタリア、トスカーナ州の赤ワイン
・品種はサンジョヴェーゼ・グロッソ
・大樽で長期熟成

基本はこんなところ。そして、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ組合のサイトによれば、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リゼルヴァ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ロッソ・ディ・モンタルチーノの違いは以下のようになる。

重要なのは熟成期間、そしてリリースまでの時間。ブルネッロとリゼルヴァには大差がないが、両者とロッソは規定において大きく異なることがわかる。

なんでこんなことを調べたかといえば、それはサセッティ・リヴィオ・ペルティマリのブルネッロがステンレスタンク発酵だから。

あれ、ステンレス発酵はありなんだっけ? となったのだが、あくまでも規定は発売まで5年、その間樽熟成2年+αなので、発酵容器はたぶんなんでもオッケーぽいのだった。

 

サセッティ・リヴィオ・ペルティマリのブルネッロ2016の衝撃

そんなわけでサセッティ・リヴィオ・ペルティマリのブルネッロはステンレスタンクで発酵後8か月熟成、スロヴォニアンオークの大樽に移して3年寝かせ、瓶詰め後さらに16か月熟成し、リリースされる。

全体の4番目でこのワインを飲んだのだが、とにかくすさまじいのは単騎性能。料理と合わせなくてもおいしい、みたいなレベルを軽々と跳躍し、世界に自分とこのワインだけあればいい、みたいなちょっと行っちゃいけない場所に連れていかれる感覚がある。

たっぷりとした果実、やわらかな渋み、おだやかな酸が液体のなかで正三角形を構成している。その三角形の頂点に光が灯り、やがて高速で回転し、輝く頂点が円を描く。飲んだときは「球」だと思ったけど思い返すと「円」のイメージなんだよな。

この2016ヴィンテージはジェームズ・サックリング100点だそうだが、思わず「おっ、ジェームズわかってんじゃん!」と言いたくなるおいしさだった。100点つーのはすごいわ。

15000円くらいするが飲む価値は絶対ある↓

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ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの多彩な魅力

とはいえこの日驚かされたのはこのワインだけではない。ブルネッロの創始ワイナリーであるビオンディ・サンティのロッソ・ディ・モンタルチーノ2019、これも非常に素晴らしいワインだった。

スロヴォニアンオークで12か月熟成されたというこのワインは、印象としてはまるでピノ・ノワール。6杯目のポッジオ・ディ・ソットのロッソ2019も非常に似た印象で、これは熟成期間の短いロッソ・ディ・モンタルチーノだからなのか、2019VTの特徴なのか。非常に興味深かった。

いずれにせよ、非常にパワフルな黒っぽいワインにもなれば、非常にチャーミングな赤っぽいワインにもなり、ときにエレガントなピノ・ノワールっぽくもなる、サンジョヴェーゼの魅力を存分に感じることのできるワインだった。

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コスパ大賞「ラ・レッチャイア ロッソ・ディ・トスカーナ2016」

あと忘れてはいけないのが2番目に飲んだラ レッチャイア ロッソ・ディ・トスカーナ2016。

全日本ブルネッロコスパ大賞受賞ワイン。全日本でもブルネッロでもなかった。

72か月熟成させたワインながら、オーナー自家消費用ワインのため格付け申請していないため、格付け下位のIGTロッソ・ディ・トスカーナとしてリリースされるというワイン。

価格は4000円台ながらその他のゴリゴリマッチョ系のワインと戦える戦闘力があり、圧倒的ベストコスパ賞だった。ただブルネッロって書いてないだけのおいしいワインなのでみなさん、自宅で飲むならこれがオススメだ。むちゃくちゃうまい。

a.r10.to

 

ヴァルディカヴァのブルネッロ2010、マストロヤンニのブルネッロ2016もそれぞれ素晴らしいワイン。いやはや、すげえセレクトだ。

この日出たワイン、すべて当たり前のように五つ星ヴィンテージでさすがすぎる。(画像はブルネッロ・ディ・モンタルチーノ組合のサイトより。赤枠は筆者)

末筆になるがトラットリア・コッレの料理はどれも素晴らしくおいしく、とくにコースの大トリを飾った和牛ビステッカは、ははは、思い出すだけで笑っちゃうくらいおいしかった。ブルネッロと合わせたときのおいしさは戦艦の主砲クラスの破壊力。

シメにはバローネ・リカーゾリのカステッロ・ディ・バローリオ2005っていうめちゃくちゃ旨い甘口(TZKさんご提供)までいただいて、すっかりブルネッロファンとなり果てて家路に着いたのだった。

無垢ワインさん、かしたくさん、TZKさん、ご一緒した皆様に感謝。また飲みましょう。

とにかくこれがえぐえぐにえぐい↓

a.r10.to