ドメーヌ・クリスチャン・モロー シャブリ グランクリュ レ・クロと私
ドメーヌ・クリスチャン・モローのシャブリ グランクリュ レ・クロを飲んだ。ネットで1万円前後で売られている、おお、高級ワインだ。貴様みたいなもんがなんでこんな高級ワインを飲んでんだ言え、と思われるかもしれないがこちらのワインはうきうきワインの玉手箱の3本1万円福袋で入手したもの。
なので、売られている金額は1万円クラスだが、気分の上では3000円ちょっとで購入した感覚なのだ。3333円ならば「最近コノスルばっかりだったから」レベルの理由で開けられる。強い。
さて、ドメーヌ・クリスチャン・モロー・エ・フィスの設立は1814年。樽職人だった初代が立ち上げ、ネゴシアンとして発展。5代目のクリスチャンがさらに事業を拡大させ、シャブリ屈指のネゴシアンにまで成長させたものの、経営上の路線対立から社長の座を降りて会社をカナダ企業に売却。
それを1998年にポワセ社が買い戻したのに伴い、畑は引き続きモロー家が所有していたことから、2001年(公式サイトに新生・ドメーヌ・クリスチャン・モロー・エ・フィスを立ち上げたのだそうだ。2002年がファーストヴィンテージ。現在は6代目のファビアンさんがワイン造りを担当。畑を有機農法に転換するなどし、テロワールを活かしたワイン造りを志している。
ドメーヌ・クリスチャン・モローと「グランクリュ レ・クロ」
今回飲んだグランクリュ レ・クロという畑は“シャブリでもっとも有名なアペラシオン”なのだそうで、南向きのキンメリジャン土壌。3ヘクタールの広さがあり、丘の下から上まで3つの区画に分けて醸造されたものを最後にブレンドして造るのだそうだ。平均樹齢は50〜60年。
シャブリワインズドットコムで調べたところ、シャブリにグランクリュは7カ所。シャブリの王冠の中の宝石って呼ばれるそうですよヤダかっこいい……! エノテカによれば、7つのグランクリュはシャブリの街を見下ろす南南西向きの100ヘクタールの斜面にひとかたまりになっているんだそうだ。
写真見るといいところだな〜、レ・クロ。「clos」、フランス語で「ブドウ園」の意ですよ。ザ・ブドウ園。すげえ名前だぜ(間違ってるかもだけど)。この丘からシャブリの街を見下ろしたらさぞかし気持ちいいだろうなあ。いつか行きたいいや行く。
シャブリにおける樽・ステンレス論争とクリスチャン・モローのワイン造り
そんなグランクリュで栽培されたブドウを「シャブリで1ダースの生産者しかいない」という手摘み収穫を行い、「2人しかいない」というテーブル上での選果も行なっているそう。
なんでもシャブリの生産者はシャープさを活かしたステンレスタンク派とコート・ドール式の樽派に分かれるんだそう。ファビアンさんは発酵も熟成も樽(ただし新樽率は2%と低めで、2、3、4年目の古樽を使用)とステンレス半々を用いる、いわばいいとこ取り的なワイン造りをしているいわばハイブリッド派。新世代感ある。
ブドウ品種はもちろんシャルドネ100%。2019ヴィンテージのアルコール度数は13.5度。いざ飲んでみましょう。
ドメーヌ・クリスチャン・モロー グランクリュ レ・クロを飲んでみた
で、これがかなり素晴らしいわけなんですよ。自宅では1000円前後の安ワインばかり飲んでいる身からすると振れ幅からの感動がヤバい。福袋で安く手に入れたけれども、このワインは間違いなく素晴らしい。
ハーブのような爽やかさに、たんぽぽのような温かみの混じった香り。飲んでみるとまずレモン、次にグレフル、遅れて蜂蜜がやってくる長篠の戦いもかくやの味わいの三段撃ち状態。火縄銃の三段撃ちには後世の創作なのではという意見もあるようだがこのワインの味わいの三段構えはガチ。私という名の武田軍もあっさり白旗をあげるおいしさ。
「シャブリはプルミエクリュ以上を飲むべし」と、なにかで読んだ気がしているが、その真偽はともかくさすがはグランクリュ。シャブリ的ステンレスタンク的造りとコート・ドール的樽的造りのマッシュアップだという醸造の説明が、味わいに見事に落とし込まれているのも見事だと思った。シャブリのグランクリュってどれもこんなにおいしいんですかね……!
このワイン、ネットの情報を漁っていると「うきうきワインの玉手箱」の福袋の頻出ワインみたいなので、またいつの日か出会うことがあるかも。楽しみだなー!
今月はシャンパン福袋を買う予定だけども!↓