ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ドメーヌ・ミシェル・マニャン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲んでみた。【Domaine Michel Magnien Cote de Nuits Villages】

ドメーヌ・ミシェル・マニャンとはどんな造り手なのか?

先月東京・汐留のオーソリティ カレッタ汐留店に伺った際、同店の名物的な3本1万円コーナーでおいしそうなワインをみつくろってもらったうちのひとつにドメーヌ・ミシェル・マニャンのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュがあった。開けるのを楽しみにすること数週間、休肝日明けの秋の良き日に飲むことにした。

f:id:ichibanboshimomojiro:20201103183859j:plain

ドメーヌ・ミシェル・マニャンのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲みました。

ドメーヌ・ミシェル・マニャンは、モレ・サン・ドニ村を本拠地に4代目の父ミシェルと、5代目で現当主の息子フレデリックが運営するドメーヌだそうで、このフレデリックがかなりのやり手っぽいですね調べてみると。もともと協同組合にブドウを納めるだけだったのを自社畑のワインのリリースをはじめたり、自分の名前でネゴシアンものをはじめたり、ビオディナミに切り替えたりしている。伝統を守るのも大事だけど変化し続けるほうが大事だよねっていういい例ですねこれ。

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュとアンリ4世

今回飲んだのはその造り手のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ。なるべく一次情報にあたりたいのでよく参照するんだけれども毎度いまいち要領を得ないことが私のなかでよく知られるブルゴーニュワイン日本公式サイトによれば、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュのワインの特徴は「赤でも白でも、このワインはアンリ4世が日曜日の家族の食卓に思い描いた鶏の煮込みに合うワインである」ということになる。だからなに言ってるかわかんないっつーの。

アンリ4世は偉大な王だった反面、家庭生活には恵まれなかったようなので、アンリ4世もこんなワインを飲みながら、家族の食卓を囲みたかっただろうなあ、きっと。みたいなことなのだろうか。わからない。詳しい方ご教示ください。

改めて勉強すると、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュはフィサンの一部、ブロション、プレモー・プリシーの一部、コンブランシアン、コルゴロアンという、シャンボール・ミュジニー、ジュブレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネら綺羅星の如き村々が連なるコート・ド・ニュイ地区にあって村名アペラシオンを名乗れない村でとれたブドウを使ったワイン。あれですよ、学連選抜ですよ。箱根駅伝でいうところの。コンゴロワン大学としては箱根路を走れないけれども仲間たちの思いもタスキに込めて、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ選抜のボトルに詰まるわけです。アツいぜ。

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュについては過去にも記事にしてました。

himawine.hatenablog.com

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュとブロション村の不遇感

では今回飲んだドメーヌ・ミシェル・マニャンのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュはどこの村のブドウが使われているのかといえばブロション村のブドウみたい。ブロションはコート・ド・ニュイ北部の村で、AOCジュブレ・シャンベルタンの一部やAOCフィサンの一部も含むのだそうだ。なのにAOCブロションはないのか。気の毒だなあ。

一体どういうところなのか。わからないのでGO TOブロションしてみることにした(Googleマップで)。

f:id:ichibanboshimomojiro:20201103183938p:plain

赤い線で囲まれているのがブロション。幅の狭いところでは南北1キロないくらい細い。

この画像がグーグルマップで見たブロションだがなんていうかフィサンとジュブレ・シャンベルタンがパンだとしたらそこに挟まれたハンバーガーの肉的な感じ。隣り合うふたつの区画のブドウで造られたワインの味が異なるのがブルゴーニュテロワールの摩訶不思議な魅力、なんだろうけどさすがに気候も土壌も極端に大きく異なることはないように思える。高円寺と荻窪に挟まれた阿佐ヶ谷だけ極端にブドウの作柄が悪い、みたいなことはないんじゃないですかね東京都杉並区とコート・ド・ニュイは違うかもしれないけど。でも地図上で見るとマジで新宿-新大久保駅間くらいの感じなんですよブルションの幅。新大久保と東中野だけ快速が止まらない的な不遇感がある。

ともあれその地で採れたピノ・ノワールを使い、DRCやルロワと同じ樽やテラコッタの甕を使って熟成させるんだそうです。すごい。ヴィンテージは2014年だけどこの年のブルゴーニュはあんまりいい年じゃなかったそうな。あいにく。

ドメーヌ・ミシェル・マニャン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲んでみた。

さて、それで一体どんな味わいなんでしょうかとグラスに注いでみると、少しくすんだ薄いルビー色でなんとも良さそう。で香りがすごくいい。放課後しこたま逆上がりに挑戦したもののついに成功せず、失意のまま食べた梅干し、みたいな香りでそんなもんがなんでいい香りって感じられるんだろうか。これはワインの不思議なのか人体の不思議なのか。飲んでみると渋みが強め酸味もしっかり果実味控えめで要するに渋くて酸っぱくて甘くないのにおいしいの改めてなんなんスかね。なるほどこれは日曜日に鶏の煮込みと合わせたら最高だろう。いいじゃないブルション。AOC認定されない分だけ価格が安いお得感があるのではないかっていう気がしてくるぞ。

himawine.hatenablog.com

3本1万円で飲めるワインとしてはかなり満足度が高いのだが、このコート・ド・ニュイ・ヴィラージュはミシェル・マニャンの入門編的立ち位置のワインなのだとか。いやーこれ別のワインも飲んでみたいなあ、高いけど。

オーソリティの3本1万円、ウェブ版もあった。↓

[rakuten:s-authority:10016395:detail]