ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

2020年10月に飲んだワインBEST3とテイスティングで印象に残ったワイン。

10月もおいしいワインをたくさん飲んだ。今年は毎月おいしいワインを飲んでいるので毎月がいい月で、このまま順調に行けば今年はおいしいワインをたくさん飲んでいい一年だったと振り返ることはほぼ確実。これを残りの人生で生きる年数分積み重ねるとおいしいワインをたくさん飲んでいい人生だったとなる。ワインを飲むと人生がいい人生になることの証明が以上で完了した。論理的に考えてワインは人生を幸せにしてくれるので、楽しく飲んでいきたいものである。

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10月もワインをおいしく飲むことができました。

一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。

三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。

1週間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。

永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。

これは開高健がウルトラど名著『オーパ!』で紹介した中国の古いことわざ(ただし正確な引用ではない)だが、この釣りはワインに置き換えられる。永遠に幸せになれる上に、1時間幸せになることもできる。ワインってすごいだぞ! (うちの父ちゃんは三冠王だぞみたいなノリで)

テイスティングでとくに印象的だったワインたち

さて2020年10月に飲んでおいしかったワインの話だ。今月はテイスティングイベントにもいくつか参加したりした。そのなかで、とくに印象に残ったのはオーソリティ カレッタ汐留店で飲んだプリューレ・ロック ロゼ(2017)と同店で別日に飲んだシルヴァー・オーク アレクサンダー・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン(2001)、ウィルトスワインの自然派ワイン試飲会で飲んだヤウマ ピーク・ア・ブー、恵比寿駅のアトレの成城石井系列のお店で飲んだカロン・セギュール(2002)といったみなさん。

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プリューレ・ロックのロゼ素晴らしかったなあ。

このうちプリューレ・ロック、ヤウマはロゼで、今年の夏ごろまで私はロゼに苦手意識を持っていたのが信じられない。おいしいよなあ、ロゼ。いいなあ、ロゼ。ヤウマは購入したので、飲むのが非常に楽しみだ。

第3位 フリードリッヒ・ベッカー プティ・ロゼ

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イソップ童話のキツネのラベルはかわいいけれど、込められたメッセージはガチ。

さて、ロゼつながりで10月に飲んだベストワイン第3位はフリードリッヒ・ベッカーのプティ・ロゼ。ローズヒップティみたいな鮮やかな色合いに、さくらんぼみたいなかわいい香り、でも甘ったるくはまるでなくて味わいはシャープで超レッカーだった。ドイツ語で「おいしい」の意ですね。トロッケンで。ドイツ語で「辛口」の意ですしつこいですかそうですか。

himawine.hatenablog.comベッカーのプティ・ロゼ、プリューレ・ロックのロゼ、で、とどめにヤウマのロゼ泡で完全にロゼ大好き人間に魔改造されてしまった感がある。どんどんやってくれ!

第2位 ジョセフ・ドルーアン サヴィニー・レ ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー

続いては、ジョセフ・ドルーアンの「サヴィニー・レ ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー」が印象的だ。ドルーアンのワインを安い順に買ってきて、実勢価格5000円の閾値を超えた途端に明らかに味のランクがスコンと上がった感じが非常に面白かったのだった。ともかく香りが非常に良く、木漏れ日の差し込む野の花が茂った5月の森のなかで寝転んでるみたいなその香りだけをずっとくんくんしていたいみたいな気分。そして、「ブルゴーニュにはまだまだ先が(果てしなく)ある」ことを教えてくれた感があったのもこのワインだった。

himawine.hatenablog.com

球漫画で主人公チームが全力で挑みボロボロになった末にようやく勝利した相手が実は二軍でした(絶望) みたいな展開がよくあるが、「サヴィニー・レ ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー」に抱いたのはそれに似た印象だ。「サヴィニー・レ ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー」は大変おいしい素晴らしいワインだがそれでもまだ村名格に過ぎない。プルミエクリュだのグランクリュだのといった高校野球でいう大阪桐蔭高校野球部のレギュラーみたいなワインは無数にあり、「サヴィニー・レ ・ボーヌ クロ・デ・ゴドー」を飲むことで、その片鱗を味わうことができたような気がしたのだった。地元で神童と謳われたあの選手がスタメンどころかベンチ入りもせずスタンドで太鼓叩いてるってマジ!? みたいな。そしてキリがないので私は地方大会でキラリと光る好選手(AOCブルゴーニュのおいしいやつ)を探そうと思いました。11月以降の課題として。

第1位 ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエ

さて最後10月のベストはなんのひねりも意外性もなくルイ・ロデレール ブリュット・プルミエだ。クリスタルで有名なルイ・ロデレールのスタンダードクラス。とってもおいしかったですおわり。という印象のワインだった。ルイ・ロデレールは自社畑の比率が非常に高く、そのなかで樹齢25年以下のものはブリュット・プルミエ、25年以上のものはクリスタルに使うんだそうだ。しかも、澱を取り除くデゴルジュマン時に味わいを決めるために添加する門出のリキュールはクリスタルのリザーブワインを使うとのこと。そんなのうまいに決まってんじゃん。プロ野球選手が年齢を偽って高校生としてプレーしているようなもんですよそんなもんは。

himawine.hatenablog.com

たとえ散らかりに散らかって見たくもない状態の自宅であろうとも、このワインを開けた瞬間にそこはパーティ会場。過去、無数のパーティをセレブレートしてきた歴史の堆積がボトルに封じ込められ、抜栓と同時に部屋の空気を支配する。やっぱり強いよ、歴史あるシャンパーニュ

このように10月も大変おいしいワインを飲むことができた。11月は果たしてどんなワインに出会うことができるのか。毎月のことながら、実に楽しみだ。