ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュとはなにか⁉ ブルゴーニュワイン「ジョセフ・ドルーアン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」を飲んでみた。【Maison Joseph Drouhin cote de nuits villages】

ジョセフ・ドルーアンのワインを飲んでブルゴーニュテロワールを知ろうシリーズ

ジョセフ・ドルーアンのワインを飲むことでブルゴーニュワインを知ろう! という企画も3回目を迎えて、今回はコート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲むこととあいなった。とはいえ私はブルゴーニュのことはなにひとつ知らないのでイチから調べる必要がある。

himawine.hatenablog.comまず疑問は、そもそもコート・ド・ニュイってなんですかっていうことだ。そこからかよと思われるかもしれないが、野球ってなんで野球って言うんですかって問われた場合に正岡子規から語り起こす的なスタイルが弊ブログの特徴なので仕方ない。子規は自身の幼名である「升(のぼる)」にちなんで、「野球(のぼーる)」という雅号を用いたこともあり、これはベースボールに野球という訳語が正式に与えられる4年前のことであった、wikipediaより。まり投げて見たき広場や春の草 、子規。野球ブログじゃなかった。そしてコート・ド・ニュイの話だった。

コート・ド・ニュイはどこのこと?

http://www.bourgogne-wines.jpによれば、ディジョンとコルゴロワンの間の長さ20キロの地域。ブルゴーニュの北の中心地、ディジョンと南の中心地、ボーヌの間の地域で、幅わずか200~300メートルしかないところもあるのだとか。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200804134413j:plain

ジョセフ・ドルーアン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲みました。

この間に、ヴォーヌ・ロマネ、ラ・ターシュ、ジュブレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーとかがひしめいており、それゆえにコート・ド・ニュイは「ブルゴーニュシャンゼリゼ大通り」と呼ばれ、なかでもヴォーヌ・ロマネは「首飾りの中央の真珠」とも呼ばれるっつーんだからシャレてるってレベルじゃないですねこれは。20キロがどれくらいの長さかといえば、東京駅からJR総武線下総中山駅間を首都高速7号小松川線で移動した場合の距離くらいの距離。うーん、近い。その間に上記アペラシオンが全部あると思うとすごい。関西でいうと梅田から芦屋までくらいの距離であります。距離ってなんだろうってなる。

コート・ド・ニュイ・ヴィラージュとは?

さて、今回飲んだのは「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」だ。このAOCが名乗れるのはフィサン(一部)、ブロション、プレモー・プリセ、コンブランシアン、コルゴロワンの5地域。このうちフィサンはディジョンのすぐ下で、いわばコート・ド・ニュイの最北端。ブロションはその南に隣接し、その他3地域はボーヌのすぐ北、すなわちコート・ド・ニュイの最南端に位置する。名だたる村やら畑やらがハンバーガーでいう肉やらチーズやらレタスやらだとすれば、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの5地域はそれを挟むバンズ的な位置にある。ブルゴーニュワインの公式サイトのこの地図が超わかりやすいのでご覧ください。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200804124127j:plain

黒線で囲まれた地域(上)がフィサンとブロション、黒線で囲まれた地域(下)がプレモー・プリセ、コンブランシアン、コルゴロワン。私でも知ってる有名な村やら畑やらはのきなみ両地域の中間にある。

なんというか、言葉を選ばずにいえばコート・ド・ニュイの有名な地域以外の地域、みたいな印象だ。首飾りの中央の真珠がヴォーヌ・ロマネならば首飾りの後ろの留め金感。つまり『名門! 第三野球部』状態ですね、わかりやすくいうと(わかりやすくない)。とはいえ私はスポットライトが当たってない人たちの逆転劇、みたいな話が好きだ。燃える。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの生産者が、おれたちのワインだって超有名畑のワインに負けてねえ! と一念発起、家族との確執、恋人との別れを乗り越え、天才醸造家(ただしアル中)とともに至高のワインを造り出し、世紀のブラインドテイスティング勝負に挑む、みたいな映画をだれか作ってください。マーク・ラファロ主演で。とにかくだからこのワインを飲むのが楽しみだ。言っても3000円オーバーなんだよ!

ジョセフ・ドルーアン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを飲んでみた。

というわけでようやく前置きが終わった。ジョセフ・ドルーアン コート・ド・ニュイ・ヴィラージュを私は飲もうとしています。AOCの規定では、5地域のブドウをブレンドする必要はないようだが、このワインに関しては5地域のブドウをブレンドしているとのこと。ブドウはピノ・ノワール100%。天然酵母で発酵を行い、新樽率10%のフレンチオーク樽で12~15カ月熟成だそうです。2013ヴィンテージ。

その味わいはさてどうだ、と抜栓して飲んでみると、なんていうんでしょうか同じジョセフ・ドルーアンの広域名ブルゴーニュの上位互換という印象を受けた。AOCブルゴーニュにあったすっぱみが弱まり、果実味が豊かになっている感じ。100メートル先に「味」と書かれた50センチ四方のボードがあるとした場合、広域名ブルゴーニュは35mmの広角寄りのレンズで、今回のワインは50mmの標準レンズでそのボードを見ているような感じがする。今後、さらに村名(コート・ド・ニュイ・ヴィラージュは村名格)、畑名とランクが上がるほど、そのレンズの焦点距離は長くなっていくのだろうか。ニコンの800mm f/5.6のレンズでそれを見れば、視界いっぱいに「味」という文字がバチコンと広がるであろう。そういう体験をしてみたいと我は思ほゆ。どんな味なんだろうなー。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200804131411j:plain

vivinoの点数は3.7点でした。おいしいです。

買値は葡萄畑ココスで3234円。決して安くはないけれど、おいしいワインでした。