ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

「エラスリス エステート カルメネール」ドン・マキシミアーノ・エラスリスという男。

「エラスリス」創業者の伝説

昨夜はチリの赤ワイン、エラスリス エステート カルメネールを飲んだ。

生産者であるヴィーニャ・エラスリスのことを調べると、1870年、チリの政治家で、外交官で、連続起業家でもあったドン・マキシミアーノ・エラスリスが設立したとある。で、このドン・マキシミアーノの人生がすさまじすぎるのでちょっとお時間ください。

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エラスリス エステート カルメネールを飲みました。

ドン・マキシミアーノがチリに生まれたのは1832年。スペインから移住してきたバスク人の家系で、その家系からは2人の大統領を出しているというだけですごいのだがドン・マキシミアーノも半端ない。彼の偉業をまとめるとこんな感じだ。

銅会社設立>世界の生産量の1/3を産出するまでに
ガス会社設立>チリの首都初の照明インフラとなる
ワイナリー設立>単一の所有者による世界最大のワイナリーへ

しかも外交官として上院議員を9年務めたという伊藤博文岩崎弥太郎を合体させたようなキャリア。司馬遼太郎が小説にしてませんでした? っていう感じの人生だ。ただ、ワイナリー設立は妻が第四子の出産直後に24歳の若さで逝去したのがきっかけという悲劇が背景にあるというから人生は無常だ。

エラスリスとベルリン・テイスティング

ともあれ時は流れて2004年、ベルリンで行われたブラインド・テイスティングシャトー・マルゴー、ラトゥール、ラフィット等を抑えてエラスリスのワインがナンバー1に輝いたことで、ヴィーニャ・エラスリスは世界的名声を手に入れるに至る。


The Berlin Tasting Documentary (English)

そのベルリンテイスティングがまたすごく、イベントをオーガナイズしたのがそもそもドン・マキシミアーノの子孫で現社長のエドゥアルド・チャドウィックだと書いてある。自分でオーガナイズしたコンペティションで自分たちのワインが優勝するというのは端的にいって力技。すげえなこの一族。自力も強いし寝業もできる。まさに立って良し、寝て良し。氷の皇帝ことエメリヤーエンコ・ヒョードルかよ。いや、一族が強いという意味ではグレイシー一族かな南米だしワインの話だった。

エラスリス エステート カルメネールはどんなワインか

さて、ヴィーニャ・エラスリスはウェブサイトもド丁寧なまさにこういうサイトがベストですっていう教科書のような作りで、廉価レンジ(買値は1397円税込でした)の「エステート」シリーズでもビンテージごとのデータシートをダウンロード可能。

それによると、私が飲んだ2017年のカルメネールはカルメネールが85%、シラーが15%、ステンレスタンクで発酵後、70%をフレンチオーク樽で7ヶ月熟成しているとのこと。

エラスリス エステート カルメネールを飲んでみたら……

さて、実際に飲んでみた。まず香り、と、クンクンするとなんでしょうか、この香り。香りというか、匂い。動物っていうか“雄”。下駄を鳴らして奴がくる。男の匂いがやってくる。そうムッシュかまやつが歌った“男の匂い”がこれなんじゃないかという香りがやってくる。公式サイトによればトースト、ピンクペッパー、クローブのノートって書いてあるんだけどクローブっていうかグローブ(野球部)感まである。

味は果実味が豊かで、これまた公式サイトによれば「黒い果実、イチジク、黒鉛、レッドペッパー」とあってなるほどそんな感じするわっていう味。おいしい。

この匂い、半分飲み残した2日目はかなりマイルドになり、3日目はどうなるだろうと少し残したら3日目になってほぼ消えていた。

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vivinoの点数は3.7点でした。あの匂いは仕様なのか……?

一体なんだったんだろう、あの匂い。ジャングルの奥地に咲いた巨大な花が発する匂いってあんな感じなんじゃなかろうか。「なんじゃこりゃ!?」って思ったはずなのに、ボトルが空になった今、あの匂いをもう一度味わいたいと思う気持ちがわりとある。

好きな人の匂いは多少くさいくらいが好き。たまらぬ。みたいなご婦人がたまにっていうかわりといる気がするが、今私が感じているようなこんな気持ちなのだろうか。

ドン・マキシミアーノ・エラスリスに聞いてみたい。

 

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