ムニエ85％のシャンパーニュ「グラシオ・エ・シー NO.1ブリュット」を買ってみた
安くておいしいシャンパーニュを探していたところ、グラシオ・エ・シーなる全然知らない生産者の、NO.1ブリュットなる景気のいい名前のシャンパーニュが3040円かつ送料無料で売られていたので買った。
品種はムニエ85%、シャルドネ15%。49％が2015年収穫のブドウで造られたワインで、そこに2013年と2014年のリザーヴワインを51%加えて造るのだそうだ。
「ムニエ友の会」グラシオ・エ・シーはどんな生産者か
グラシオ・エ・シーは1868年生まれの初代が1.5ヘクタールの畑でワイン造りを開始、2代目が3ヘクタールから36ヘクタールに畑を拡大（協同組合にブドウジュースを納入したりしていたようだ）。そして4代目のジェラールがシャンパン事業を開始。現在は5代目で1976年生まれのレミー・グラシオが指揮をとっている。おお、私とほぼ同世代。
現在所有する畑はエスヌ県の18ヘクタール。ムニエ84%、シャルドネ13%、ピノ・ノワール3%で構成されているそうだ。なんでもシャルリー＝シュル＝マルヌ州にはコンフレリー・デュ・ピノ・ムニエ・ド・シャルリー＝シュル＝マルヌなる組織があるらしく、その26の加盟者のうちの一人なのだそうだグラシオ・エ・シー。コンフレリーは強引に訳せば「友の会」みたいな感じみたい。つまりムニエ友の会。いいなムニエ友の会。入りたい。
ムニエはどんな品種か
ムニエは「粉屋」に由来する名前だそうで、葉が小麦粉をまぶしたように見えることから名付けられたのだそうだ。ドイツ名はミュラートラーべで、トラーべはブドウ、ミュラーは粉屋の意。以前はピノ・ノワールの変異種だと思われていてピノ・ムニエとも呼ばれていたが、現在はシンプルに「ムニエ」と呼ばれている。ところでついでに調べて今知ったのだがピノは「松ぼっくり」って意味なの知ってましたかみなさん。私の好きなブドウ品種が「黒い松ぼっくり」だったとは…！ pinotとpine、なるほど似てるわ言われてみれば。
ムニエの特徴は「ピノ・ノワールよりも確実に発芽し、熟す」点。wikipediaによれば、オーブ県ではピノ・ノワールやシャルドネが完熟しないような畑で、グラシオ・エ・シーが所在するエスヌ県では冷涼な北向きの畑でもっとも多く栽培されているそうだ。冷涼なシャンパーニュにあって、さらに条件の悪い畑でも「とりあえず熟す」ことの大切さは、きっと我々ただ飲むだけの愛好家にはわからないものがあるんでしょうきっと。
味わいの特徴は柔らかでふくよかな果実味。それあるがゆえに若飲みタイプに使われることが多く、それを理由に「最近まで、シャンパーニュ地方の生産者はピノ・ムニエを認めず、他の高貴品種の使用を強調していた」そうだが、丈夫だからダメってことがあるわけはなく、最近では味わいの面からも再評価されつつあるようだ。いいぞムニエ。
グラシオ・エ・シー NO.1ブリュットを飲んでみた
といったところで大体なんとなくわかったような気になったので休日に昼間にスーンと開けて飲んでみた。だらだらおしゃべりしながら飲んだのだが、面白かったのが冷えた状態と温度が上がった状態で割と印象が大きめに変わった点。
開けたての冷え冷え状態ではパン感弱めでリンゴ感が強く、「ははーん、Youさてはマロ発酵“なし”だな……？」みたにニワカあるあるのドヤ顔で分析してみたのだが、見事にほぼ全量(98%)マロ発酵。しかも1％は樽を使っているらしく、温度が上がるとその感じが出てきてグッとふくよかになってくる。味わいの二刀流感、リバーシブル感がある。どちらがおいしいかといえば、温度が上がったほうがずっとおいしいと私は思った。温度が上がったほうがおいしい感じがするワインって、なんかお得感がある気がするの自分だけですかね……？
ドサージュは9g/L。公式サイトでの売価は13.5ユーロ≒1781円。3040円送料無料は、十分お得と言えると思う。
にしてもムニエ多めのシャンパーニュ、好みのものが多いような気がするなー。ムニエ友の会、入りたい。あと毎日シャンパーニュ飲みたい。
このセットすごく良さそうな気がする↓
