カクヤスでスパークリングワインが500円で売っている!?
カクヤスと私の付き合いは長い。かつてレモンサワーにハマっていたころは炭酸水と氷、キンミヤ焼酎を買いに。かつてビールばっかり飲んでいた頃はザ・プレミアムモルツを買いに。私の飲酒ライフはカクヤスとともにあり、好きですカクヤス、フォーエバーカクヤスと思っていたがワインにハマってガクンと足が遠のいていた。
先日久しぶりに足を踏み入れて驚いた。すすす、スパークリングワインごごご500円均一とかいうマクドナルドのハンバーガー59円(2002年)以来の驚きというべき驚異のキャンペーン的ななにかを断行していたからだ。いいぞカクヤスもっとやれ。
ここで恥ずかしげもなく断言しておくと、私はスパークリングワインの味の違いがわからない。炭酸が強い、弱い。甘い、甘くない。わかるのはほぼ以上で、さすがにいいシャンパーニュとかを飲むと「さすがにいいシャンパーニュだわ」とそのままの感想を口にする場合もあるが、それとて怪しいものである。
とはいえ、もちろん私は泡が好きだ。夏なんか毎日でも飲みたい。レモンサワーとかビールが好きだったことからもわかるように私はシュワシュワしたお酒に目がない。というわけで、わき目も振らずに買った。休肝日用に買う予定だったオールフリーを買い忘れるレベルの一心不乱具合で買った。そして、春の日差しがうららかに差し込む春4月の今日、晴れて抜栓となったわけである。春はあけぼの、春は泡。まだ明るいうちから飲むもをかし。
マサックス「マス・フィ カバ ブリュット」について調べてみた
以上のような浅ましい買い方をしたうちの1本が、マサックス「マス・フィ カバ ブリュット」であった。価格は既に述べたように500円。もちろんフルボトルの価格なのでちょっとどうかしてる価格だ。価格だけでいえばライバルはストロング系ってレベル。ストロング・カバである。2本買っても1000円。3本買っても1500円……! これは人をダメにする価格。
winesellersltd.comによれば、使用ブドウはチャレッロ40%、マカベオ35%、パレリャーダ25%。カタルーニャで生産されるカバに使われる3つの伝統的な品種、なんですね。ワイナリーがあるのはスペインはカタルーニャ州、バルセロナ県のヴィラフラーンカ デル ペネデース。バルセロナから西に30~40キロくらいのところ。スペインは行ったことがないので地理感覚がまるでわからないけど多分いいとこ。ワインの産地は世界中全部パワースポットであります。
ワインは瓶内二次発酵ののち、10か月の熟成を経て出荷されるのだとか。なんといいますか、立派なワイン。買値は500円だったかもしれないけれどもしっかりと作られたことがわかるからワインのことを調べるのはいい。ポイント系でいえば87点とか88点とかそんな感じとのこと。悪くないじゃないの。
マス・フィ カバ ブリュットを飲んでみた。えっ、これ500円でいいの?
で、飲んでみたところこれがもうまったくなんの問題もあろうはずなくウマい。色は薄めの麦わら帽子みたいな色。しっかりと泡が立ち、柑橘系の香りが心地いい。ストロング系とかいってゴメン。アンタ、真っ当なカバだよ! 一口飲んだことをきっかけに人生が変わりましたみたいなことは起きないだろうけれども春のある日に友人とzoom飲み会するおともとしてはおそらく地球上でTOP10%に入るふさわしさ。
スペインで収穫されたブドウを瓶の中で二次発酵させる手間をかけ、ボトリングし、配送会社が運び、インポーターが輸入し、小売店に卸した果てに、なぜおれはこれを500円で買うことができたのだろうかと瓶を眺めながらしみじみ頭に「?」が浮かぶ。搾取、とか、フェアトレード、みたいな難しいワードが脳裏をよぎる。カクヤスの特売品を飲んでグローバリゼーションに思いを馳せるのが令和スタイル。これがおれたちの飲(や)り方、である。
調べたら熟成期間の長いレゼルバ、さらに長いグランレゼルバも存在するみたい。なんか500円で飲んでしまって申し訳ない気がするのでグランレゼルバ買ってみようかな。