マウント ライリー ゲヴュルツトラメネールとマールボロ
ニュージーランドはマールボロといえばソーヴィニヨン・ブランという印象がある。東京で新大久保といえば韓国料理、みたいなもんだと思うがもちろんマールボロでは多様な品種が栽培されており今回はゲヴュルツトラミネールを飲んでみた。夏になると飲みたくなるものといえば麦茶、ビール、そしてゲヴュルツトラミネールだ。
生産者はマウント・ライリー・ワインズ。彼らについて調べる前にnz-wines.co.nzでマールボロという生産地について調べると、すごいなマールボロ。2020年のニュージーランドにおけるブドウ栽培面積3万9335ヘクタールのうち、マールボロは実に70%弱の2万7808ヘクタールを占めるのだそうだ。すさまじい。2位のホークスベイ が約5000ヘクタール、3位のセントラル・オタゴが約2000ヘクタールだからその規模がわかる。
私の出身は千葉県千葉市だが、千葉市の総面積が271平方キロメートル。マールボロのブドウ栽培地(278平方キロメートル)とほぼ同じくらいの大きさだ。千葉市けっこう大きいんですよ、人口100万人弱いるし。それがすべてブドウ畑と思うとすさまじい。
マールボロとブドウ品種
さて、マールボロのブドウ栽培面積3万9335ヘクタールのうち、ソーヴィニヨンブランはその約半分(48.4%)の1万9047ヘクタールを占め、ついでピノ・ノワールが2590ヘクタール。次にシャルドネ、ピノ・グリが約1000ヘクタールで続く。ゲヴュルツトラミネールはわずか89ヘクタール。
ざっくりでいうと、
ソーヴィニヨン・ブラン→ピノ・ノワール→アロマティック品種→シャルドネ
というのが、マールボロにおけるブドウ栽培面積のボリューム順となる。雨が少なく日照時間が長いが冷涼で、水はけがいいが地味は豊かっていうチート感のある栽培地、圧倒的に涼しい系の品種がメインであることがわかる。
マールボロの気候
ここでマールボロの気候を東京と比較してみよう。
【年間日照時間】東京:1842時間 マールボロ:2409時間
【降水量】東京:1874mm マールボロ:655ml
うーん、マールボロ強い。
夏でも最高気温20度くらいだっていうし、そりゃあ涼しい感じの品種がおいしいでしょう間違いなく。
今回飲んだワインの生産者、マウント・ライリー・ワインズはそんなマールボロの3つのサブリージョンのひとつ、ワイラウ・ヴァレーに位置している。ワイラウ・ヴァレーは「果実味の強く豊かな味わい」が「顕著な特徴」なんだって。いいじゃないの。
マウント・ライリー ゲヴュルツトラミネールはどんなワインか
ワイナリーはお父さんのジョンさんが設立。ロンドンで弁護士をしていた娘のエイミーがゼネラルマネジャーを務め、娘婿のマットさんがワインメーカーを務めているのだそうだ。ロンドンで弁護士してたのが帰国してワイン造りってなんつーかこうケイト・ウィンスレット主演で映画化されそうな感じがして良い。
そのゲヴュルツトラミネールは夜間に低温で収穫、ステンレスタンクで発酵後、4カ月オリとともに熟成。アルコール度数は14%だそうだ。いざ、飲んでみよう。
マウント・ライリー ゲヴュルツトラミネールを飲んでみた
グラスに注いでみると、ゲヴュルツトラミネールとしてはやや濃い目のレモンの皮みたいな色。で、香りはこれ素晴らしくいいな。テンプレそのままのライチみたいないい香り。ゲヴュルツトラミネールはバラの香りがするっていうけどここで告白しますと私がバラの香りを感じたことがないんだけど大丈夫なのかな私の鼻。
飲んでみた印象を正直に書くならば、香りはゲヴュルツ、味はソーヴィニヨン・ブランという感じ。グレープフルーツ感とかレモン感があって、特有の草原みたいな香りがないことでああ俺はいまゲヴュルツトラミネールを飲んでいるのだなあとわかるみたいな感じ。苦味もないし、非常に飲みやすい。
なんですかねこれは。マールボロの谷でミネラルウォーターを採取、成分分析にかけたら「なんてこった、こりゃワインだ……!」みたいになって瓶詰めして売り出したのがこれ、まさに現代の養老の滝、みたいに説明されても納得しそうな清らかさ。心が浄化される味だ。
これいま楽天のセールで4割引きの1490円、しかも送料無料で買えるのでかなりオススメ。送料無料分とかポイントとかを勘案すれば実質1000円を切る価格と考えると破格の良さで、定価の2000円弱くらいの味わいは十分にあると思う。ちなみにワイナリーでの販売価格は15NZドルで、日本円にして1200円弱だ。どうなってんの。
同ショップでセールしてるこのピノ・ノワールも良さそう。調べたらほぼ現地価格。vivino評価4.0。送料無料