2023年6月2日加筆
ポール・マルタンの価格の推移
2023年3月5日現在、Amazon.co.jpで「ポール・マルタン」という名前のシャンパーニュが安売りされている。定価とセール価格を以下に挙げる。こんな感じだ。
ブラン・ド・ノワール3493円→2445円
プルミエクリュ3649円→2554円
グランクリュ3873円→2711円
グランクリュ・ロゼ 4648円→3175円
Amazonのセールで前回話題になったグランクリュシャンパーニュ、ポール・マルタンが再び2,711円という破壊的価格になってます。しかも解約に一手間かかる定期おトク便でなく普通に買える価格でこれはエグい。もちろん送料無料!https://t.co/M2vBeOG5Ld
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年3月2日
うーん、安い。すべてprime対象なので配送料も無料。いま宇宙で売られているもっとも安いシャンパーニュ、という可能性がある。私は手始めにプルミエクリュとグランクリュを購入。(その後ブラン・ド・ノワールも買った)
さて、元記事の執筆から3か月が経ち、その後価格はどうなったのだろうか? ちょうど現在Amazonではタイムセール祭りが開催中なので、価格を調べてみた。
プルミエクリュ3288円→2466円
【やべえやつ】Amazonですっかりお馴染みの安うまシャンパーニュ、ポール・マルタンのプルミエクリュがセールで2466円というとんでもない価格になってる(もちろんprime対応で送料込み)。割引率は脅威の43%。これはすごい。https://t.co/O7UH06QvKs
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年6月1日
残念ながら他キュヴェは現在売り切れ状態で比較できなかったが、3か月前に比べて定価、セール価格ともに下がっていることがわかる。
現時点で2000円台前半で買えるシャンパーニュ自体がまず非常に少なく、そのなかにプルミエクリュはもちろんなく、送料無料(prime対応)のものもない。あらゆる点で破格ということがわかる。
ポール・マルタンとポール・ルイ・マルタン
さてこのシャンパーニュ、その名称の紛らわしさから「ポール・ルイ・マルタンとは違うの?」という問いが生まれる。paul martinとGoogleで検索しても結果はほとんどなにも出てこない。なのだが、調べたところ手がけているのはポール・ルイ・マルタンだ。
Amazonでセール中のシャンパーニュ「ポール・マルタン」、やっぱりポール・ルイ・マルタンのプロダクトみたい(裏ラベルにS.A.S P.LOUIS.MARTINの記載あり。※S.A.Sはフランスの簡易型株式会社の意)。グランクリュ・ブージィ村の歴史あるRM。詳しいことがわかったら続報します。 pic.twitter.com/juZDXijKTi
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年3月3日
というのも、裏ラベルに製造元としてP.Louis Martineの記載がしっかりあり、Amazonの商品キャプションに1864年にブジー村で設立されたと書いてある。公式サイトで確認したところ、ポール・ルイ・マルタンの創業年も1864年だ。
ポール・マルタンとamazon
念のためポール・ルイ・マルタンにポール・マルタンはどんなワインか問い合わせのメールを送ってみた。
すると、数週間後に返信があった。返信をくれたのはポール・ルイ・マルタン、ではなく、G.H.マーテル社の輸出マネジャーの方だ。そこにはこんなことが書いてあった。
「(ポール・マルタンは)私たちのエクスポート用ブランドなのです。素晴らしい品質ながら、とてもリーズナブルな価格なんですよ」
というわけで正解は年間に200万本を出荷するという「G.H.マーテル社のプロダクト」なのだった。ポール・ルイ・マルタンの公式サイトには家族経営である旨が明記されているので、G.H.マーテルがポール・ルイ・マルタンからワインを買い、そこにポール・マルタンというラベルを貼って出荷しているといったところかもしれない。
そしてAmazonがG.H.マーテルから全量を引き取り、「Amazon限定ブランド」として販売している……たしかなところはわからないが、以上のようなところで大きく外れてはいなさそうだ。国際的ワインビジネスの一端が垣間見れた感じで楽しい。
ポール・ルイ・マルタンについて
ちなみに、(おそらくポール・マルタンの生産者であろう)ポール・ルイ・マルタンがワイン造りをスタートさせたのは1929年なのだそうで、それを手掛けたのが当代の祖父にあたるルイ・マルタン。
1929年にワイン造りをはじめ、グランクリュ村であるブジーの協同組合の初代会長に選ばれたという人物で、ルイの息子がポールだ。そして現在は3代目に代替わりしている。
というわけで、現在は品切れ中だがポール・マルタンのグラン・クリュはブジーのブドウで造られている。
ポール・マルタンは輸出向けブランドで、使用品種はピノ・ノワール70%、シャルドネ30%とのこと。ヴジーはピノ・ノワールの名産地として知られる村だけに、ピノ・ノワール主体のパワフルなブレンドだ。
https://twitter.com/hima_wine/status/1632993490102816768?s=46&t=GblRTx4cjkqDv3KtNhXTvg
ポール・マルタン グランクリュ ブリュットを飲んでみた
ポール・マルタン グランクリュを飲んでみよう。グラスに注いでみるとシャンパーニュらしい豊かな泡立ちで、色は薄ゴールド。かすかに熟成を思わせる香りがして、パン屋入店直後、みたいな雰囲気がグラスから立ち上がる。
味わいはかなりシャープな酸味が主体だ。「酸こそがシャンパーニュである」と液体を通じてポール・マルタンさんがキメ顔で主張しているような感じだ。
それでいて果実もしっかりといるのがありがたい。それによってグラスの中身のバランスが良く、おいしいシャンパーニュだと感じられる。
セパージュは……シャルドネ50、ピノ・ノワール30、ムニエ20とかそんな感じだろうか。(追記:すでに述べたようにセパージュはピノ・ノワール70、シャルドネ30であることが執筆後に判明している。よくぞこんなにまあ外せるものだ、という外しっぷりだったので記録として残します)
プルミエ・クリュ、ブラン・ド・ノワールも飲んだが、どちらも非常に好印象だった。安シャンパーニュはときに金属質な印象を私は受けるのだが、いずれもそのようなことがなく、シャンパーニュでしか味わえないおいしさをしっかりと味わうことができた。
ポール・マルタンのラインナップ
ポール・マルタンには、冒頭で述べたようにプルミエ・クリュ、グラン・クリュ、ブラン・ド・ノワール、グラン・クリュ・ロゼがあるが、現在はプルミエ・クリュ以外は品切れとなっている。
価格やラインナップが日々変更されるのが見ていて楽しい(ビジネスの勉強にもなる)ため、私はほぼ毎日Amazonのワインの品揃えと価格をウォッチしているのだが、ポール・マルタンが初登場したのは2023年2月のこと。それから4か月と考えると、在庫がだいぶ減ってきたのかもしれない。
Amazonのタイムセールは今日2月5日23時59分まで。今回の目玉はこの謎のシャンパーニュ。シャンパーニュ高騰の折、グランクリュシャンパーニュが3360円送料無料はすごすぎ。https://t.co/cyJQIi2cRg
— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年2月5日
もしかするとプルミエ・クリュもなくなり次第終了という可能性は大いにある。Amazonではシャンパーニュは「あるときはあるけど、ないときはない」商材なので、あるうちに買っておくのが吉だ。
私はグラン・クリュ・ロゼを買おうと思っていたのですが売り切れてしまったのでプルミエを買い足します。
少し価格は上がるがニコラ・フィアットもセールで安い。かつ非常にうまい。