サマーハウス マールボロ ピノ・ノワールを買ってみた
3000円以下のおいしいピノ・ノワールを探すのが楽しくなってきた。夢もロマンもないかつセコい方法なのだが、ネットショップで3000円以下のピノ・ノワールをソートし、かたっぱしから名称をワイン評価アプリにコピペ、高評価のものだけを買うという焦土戦略っていうかローラー作戦っていうか文化の死、みたいな買い方で買い続けるとまだ見ぬおいしいワインに出会えるのが非常に楽しい。
でもって今回飲んだサマーハウス マールボロ ピノ・ノワールもそうして選んだうちの1本。価格は1980円税込で、ニュージーランドのピノ・ノワールとしてはとってもお手頃な気がする。
サマーハウス マールボロ ピノ・ノワールとスプリングクリークヴィントナーズ
さて、サマーハウスはマールボロを本拠地にするスプリングクリークヴィントナーズのブランド。で、スプリングクリークヴィントナーズは2015年に「ニュージーランドワイン・プロデューサー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したっていう生産者で、その公式サイトを見ると、おお、すげえ。巨大なタンク群がトップページでお出迎えである。
生産者のトップページには、その生産者がもっとも重視しているものが表れると言われる。それを主張しているのが何を隠そうこの私ですっていうのが非常に大きな問題ではあるのだが、樽だったり、畑だったり、ブドウだったり、シャトーの建物だったり、ナントカ賞を受賞しましたっていう情報だったりと、意外と生産者の個性が潜在的無意識的ににじむのは事実だってフロイトが言ってた(言ってない)。
スプリングクリークヴィントナーズの場合は「タンク」。我々は大規模な設備を持っている、その矜恃がトップページからは滲む。Facebookページにひたすら貼っている写真も「タンク」だ。私にはちょっとタンク萌え的な性向が(工場萌え的な意味で)あるのでこれ悪くないな。タンクかわいいよタンク。
そもそも安ワインは大規模生産が可能にするものだ。大量調達、大量生産の結果、ユニクロの服が安くて品質が高いように安くておいしいワインは生まれるはずだ資本主義社会では。そこでこの大規模タンク群ですよ。このスケールを利し、マールボロの何百ヘクタールものブドウ畑から収穫された果実を使ってワインを造る。これぞスケールメリット。その象徴がタンクだ。タンクは筋肉。
とはいえこれはワインブログ。いつまでも「タンクがかわいい」などと世迷言を言っていても仕方がないのでワインについて調べることにしよう。
サマーハウス マールボロ ピノ・ノワールはどんなワインか
マールボロはニュージーランド南島の北に位置するエリア。ニュージーランドでもっとも日照時間が長く、気候は冬(8月)の最低気温が7度くらい、夏(1月)の最高気温が19度とくらいと変化が少なく冷涼。年間降水量は635ミリメートルと少なく(参考:東京は1500mmとか)、沖積土の土壌とあいまって長くゆっくりとしたブドウの生育期があるんだそうだ。いい土地〜。
私が飲んだのは2016ヴィンテージ。そのワインメイキングノートは公式サイトになかったので輸入元の三国ワインの情報に頼ると、発酵はステンレスタンクとフレンチオーク。フレンチオーク樽で12カ月熟成、瓶熟12カ月を経てリリースされるそうな。アルコール度数は13.5度。
サマーハウス マールボロ ピノ・ノワールを飲んでみた
さて、以上のような情報を念頭にスクリューキャップをくるくる回してグラスに注いでみると、色は紫色だけどギリギリ透け感があってねっとりしてない。香りもいい。なんですかねこれは。なんかこう、カフェとかで出てくる「5種のベリーのタルト」とかそう言うの的な香りがする。コーヒーとセットで、バニラ味のクッキーがオマケでついてるみたいな感じ。
そして飲んでみるとこれが非常にいい。すごくいい。1000円台でこれは非常に優秀だ。なにがいいってちゃんと酸っぱい。果実味はすごく強いんだけども1000円台ピノ・ノワールにありがちな、濃くて甘いです以上終わり、みたいな感じがなく、ピノ・ノワールらしさみたいなものが紙一重で残ってる。
果実味があって、基本濃いんだけどギリギリで酸っぱい。要するに甘酸っぱい。不惑を過ぎた男性のいうことではないかもしれないが、私は甘酸っぱい飲み物が好きなのでこのワインが好きだ。本当はもう一声薄くてもう一声酸っぱいとなおいいが、1980円で買っといてあれこれ言うのはこれはもう野暮だ。
定価は2530円。ワインサーチャーで調べると、現地売価は25NZドルとかのようで、日本円換算1800円とか。日本での売価とほぼ同じなので、これはかなりお買い得感があるんじゃないかって気がする。いいの見つけた!
- 価格: 1980 円
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