ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

4300円のシャンパンくじに挑戦! ワインくじのコスパをROIで分析してみる

シャンパンくじのROIとは?

シャンパンがおいしい季節なので、CAVE DE L NAOTAKAでやっているシャンパンくじを買ってみた。本ブログではしばしばその挑戦の結果をご報告しているワインくじだが、今回はそれを評価するためにROIという指標を用いることとした。

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月イチくらいのお楽しみ。ワインくじに挑戦してみました。

ROIとはリターン・オン・インベストメントの略称で、「投資収益率」を表す。よっしゃ新製品完売して売り上げ2000万作ったぞ! 原価が1000万、広告宣伝費に2億4000万円かかったけどな! がっはっは! みたいになると会社は倒産、社員は離散、死してしかばね拾うものなし、みたいになるので日頃から重視したい指標である。

このROIという指標をワインくじに導入してみようというのが今回の趣旨だが、その実私は普段ROIをKPIにしてPDCAをYOU回しちゃいなよ的な仕事をしておらず、用語の定義も含めてガバガバのまま突き進むので、その点をあらかじめご了承いただきたい。じゃあなんでやろうと思ったんだよ。知らないよ。重要なのは勢い。あとノリ。同義語だけど。 

ROIの期待値から「何等以上が当たりか」を考える

さて、気を取り直してROIの計算式は以下のようなものだ。
(売り上げ-売り上げ原価-投資額)÷投資額×100(%)
要するに、利益÷投資額×100(%)ということ。
これをワインくじに置き換えると、
当選したワインの通常価格÷投資額×100(%)
となる。なることにしてください。

投資額は4300円なので、たとえば4万3000円のワインが当たった場合ROI=1000%となり大勝利。反対に430円のワインが当たった場合ROI=10%となり大惨敗という感じだ。

では、その視点で今回のワインくじのラインナップを眺めていこう。まずは特賞から。

【特賞】(当選確率0.25%、1/400)
アルマンド ブリニャック ブリュット エディション スペシャルジャパン2020(5万円)

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特賞はアルマンドブリニャックの日本限定ボトル。通常価格は5万円ということで、さっそく計算式に当てはめてみると、
50000÷4300×100(%)となり、ROI=1162.7%ということになる。投資対効果11倍以上ですよこれ。ROIが1162%になるようなビジネスをプレゼンされたらそれは詐欺を疑うべきレベル。

それだけにいかんせん確率0.25%なので、期待値は極めて低い。拾った球をパチンと弾いたらヘソに入って魚群リーチからのサム登場でいきなり確率変動に突入するくらいの確率。まさに大当たりで、これは期待してはいけない。

では1等以下はどうか。

【1等】(4/400) 1%
インフィニット エイト アルティメイト リミテッドシリーズ ブリュット2003 2万7000円
ヴァザール こカール 82/13 エクストラブリュット 2万6000円
セドリック ブシャール ローズ ド ジェンヌ ラ プレシュル ブラン ド ノワール(2013) 2万4800円

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平均価格は2万5933円。ROI=603.0%

【2等】(42/400)10.5%
メゾン マム RSRVキュヴェ ラルー 2002 1万9800円
アンリ ブラン 1990ブリュット 1万5000円
コラール ピカール エッセンシャル2010 1万5000円
A.ベルジェール キュヴェ フルール ロゼ 1万3000円
ペリエ ジュエ ブラン ド ブランNV 1万2000円
ヴァザール コカール ブリュット ゼロ グランクリュ 1万800円

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平均価格は1万4266円。ROI=301.4%

【3等】(163/400)40.75%

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6銘柄で平均価格7783円。ROI=181.0%

【4等】(190/400)47.5%

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8銘柄で平均価格5525円。ROI=128.5%

以上のように、末等でもROIは100%を超え、絶対に損をしないことがわかる。とはいえ、末等でもいいやと思ってワインくじを買う人間はこの世に存在しない。末等なんて眼中にも入っていない人のところに末等のワインを届けるのがワインくじというものである。確率4割7分5厘は全盛期のイチロー出塁率(4割6分0厘)に匹敵する数字であり、オリックス所属最終年、日本球界で完全にやることがなくなっていたイチローが、なんらかの手段で一塁ベースにたどり着く確率で、末等はあなたのお宅にたどり着くのだ。

狙うはROI=200%超え

末等を引くリスク、そして「なにが当たるかわからない」というリスクをとっていることを鑑みると、やはりROI=200%を超えるパフォーマンスを期待したい。つまり、狙うは……ズバリ2等(カッ、と目を見開きながら)!

2等の確率は10.5%。もちろん、1等、特賞でもそりゃまあアンタ、何の問題もないので、勝利の確率は1等の1%と特賞の0.25%を加えて11.75%となる。8.51分の1の確率で勝利。あれこれ意外といけるんじゃないですかね。いや……いける! (再びカッ、と略)
つまり今回の勝利条件は以下だ。

勝利 11.75%(特賞、1等、2等)
敗北 47.5%(末等)
妥協枠 40.75%(3等)

ちなみに、私はブログ開設後4回ワインくじに挑戦しており、その結果は以下。

  1. ショップ:セラー専科 内容:赤ワインくじ 当選:5等級中4番目 価格:1万円 売価:2万5000円 ROI:250%
  2. ショップ:エノテカ 内容:赤ワインくじ 当選:7等級中6番目 価格:3000円 売価:5000円 ROI:166.6%
  3. ショップ:ワインショップソムリエ 内容:白泡くじ 当選:5等級中5番目(末等) 価格:3000円 売価:3718円 ROI:123.3
  4. ショップ:カルディコーヒーファーム 内容:ワインくじ 当選:最安値のもの(実質末等) 価格:2000円 売価:2700円 ROI:135%

うーん、想像以上にひどい。末等or下から2番目しか当たってない。ROI 200%超えも1万円投資でもともとリターンの期待値が高かった初回のみ。しかしいいんですよ。過去なんてしょせんは未来の参考資料にすぎないんですよ。

いざ、BOXオープン

というわけで、今私は風のない夜の湖の湖面のように穏やかかつ澄み切った心でもってワインくじと相対している。

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鎮座するワインくじの箱。人はそれを可能性の塊と呼ぶ。

さて、ではいざBOXオープンの儀をしめやかにはじめたいと思います。いでよっ、特賞ッ!

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ひらけっ! 可能性の扉!

段ボールを開封すると、そこにはシャンパーニュの瓶(そりゃそうだ)! 心を鎮めて、箱から慎重に取り出すと……。なんか黒いボトルが出てきたぞ。君の名は……!?

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現れた黒いボトル。キミは一体、どこから来たんだい?

同梱のチラシに目を走らせる。1等のリストにはない。2等にも……ない! これは同点のまま贔屓チームの10回の表の攻撃が終了した状態。つまり勝利の可能性が消えたということ! 果たして3等か、あるいは末等か……と調べると、3等の「ルソー バトー キュヴェ ノワール グランクリュ」でした。3等のなかで最安値だったけどもういいんだ俺そういうの。 みんなワインなんだもの。ましてやシャンパーニュなんだもの。シャンパーニュっていう神の飲み物に当たりもハズレもありません。生命(いのち)に当たり外れがないように……というワインくじ開封後あるあるの賢者モードになりつつリザルトを確認すると、今回の結果は以下だ。

ショップ:CAVE DE L NAOTAKA 内容:シャンパンくじ 当選:5等級中4番目 価格:4300円 売価:6800円 ROI:158.1%

というわけで今回もノーサイド。ROIは実際は複数の商材やら広告やらのうちどれがもっとも効果的かを比較するための指標。今後もワインくじに挑戦するたびに比較していくと「お得なワインくじ」が定量的に見えてくるかもしれない。面白そう。乞うご期待である。