ブラインドテイスティングWEEK28に臨んで
今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は泡1、白1、赤1の構成。最近泡多くないすかと沼田店長に聞くと「いやほら、クリスマスだし(やっぱり泡でしょ、常識的に考えて)」とのこと。
そう、今日25日はクリスマスだ。クリスマス当日、カップルで賑わう恵比寿ガーデンプレイスのど真ん中で、ひとりグラスに注がれた液体の中身はなんなのかああでもないこうでもない考える。酔って狂うと書いて酔狂とはまさにこのこと。楽しいんですよこれがまた。
というわけで今週も元気にブラインドテイスティングの旅へと出発進行である。
ブラインドテイスティングWEEK28/1杯目
というわけで1杯目は泡だ。そしてここで問題なのは、ワインマーケット・パーティのブラインドテイスティングでいまだシャンパーニュが出題されていないという点なのだ。
私の記憶がたしかならば、泡で出題されたのはゼクト、プロセッコ、クレマン・ド・ブルゴーニュの3種。畢竟、「これはシャンパーニュなのだろうか?」がポイントとなる。そろそろ出てもいい頃だ。
外観は銀色に近いような金色。グラスの底全体から豊かな泡立ち。香りはこれもう完全なるアレなんですよ。シャンパーニュ香としかいいようのないアレ。パンとか酵母とかブリオッシュとか言われるアレだ。
いやこれシャンパーニュじゃないのかな。じゃないとすればなんだろう。アルタランガ、フランチャコルタ、イングリッシュスパークリング、そしてもちろんカバ、カリフォルニアのスパークリングに大穴で日本……。
味の方向性はどう考えてもシャンパーニュ系だ。プロセッコではない。そして品種はおそらくシャルドネだと思う。クレマン・ド・ロワールでシュナンブランでした、とかありえるのかな。ありえたらつらい。
と考え出したらキリがないわけだが今日はクリスマス。これしかないでしょう!
と予想……しようと思ったらなんですかこれは。
ドザージュ○g/Lって。わかるかっ
フランス (シャンパーニュ)/シャルドネ/NV/12%/9g/L
と一応回答しておきました。ブリュットということで。
ブラインドテイスティングWEEK28/2杯目
そして2杯目はほんの少し緑がかって見えないこともないような麦わら色の白ワイン。
香りはライチ。これがゲヴュルツトラミネールじゃなくてなにがゲヴュルツトラミネールだというんだ、という香りがする。
飲むとちょっと甘みを感じる。ややオイリーで、ほんの少しの苦み。このほんの少しの苦味がゲヴュルツ感を補強していく感じがする。
ただつい最近私はピノ・グリをゲヴュルツと誤答したりしているので油断は禁物だ。ポイントはこのちょっとの甘みで、この甘さの感じはトロンテスとかありせそうな印象だし意表をついてケルナーとかも出そうな気がしてくる冬だし。ゲヴュルツと断定するには薔薇のニュアンスがないようにも思えるし、よし、わからなくなってきたぞ。
つまりこのあたりが私の限界だ。素直にこれでいこう。
フランス(アルザス)/ゲヴュルツトラミネール/2022/13%
意外とアルコール感はあったように思う。うーん、悩ましい。
ブラインドテイスティングWEEK28/3杯目
渋い。まずは渋みがしっかりあるというのが3杯目を飲んでの第一印象だ。色はディープ紫なんだけど濃すぎない印象で、グラスの底は見える。一方、液体の粘性は非常に高く、グラスにへばりつくことスライムのごとし。
そして味わいは渋みが主体なんだけれどもとげとげざらざらつんつんした感じはなく、適度に丸みを帯びて柔らかい。
最近飲んだこれに似たワインっていうとスペインのモナストレルだ。マタロね。マタの名をムールヴェードル。でもモナストレルは地味すぎて出題されない気がする。おいしいんですよねモナストレル。私はモナストレルが好きだ。
味わいの輪郭に丸みがあるのでシラーではなく、カベルネ、メルロー、ピノ・ノワール、マスカット・べーリーA、とかでもないと思うきっと。
となるとなにが残るんだろう。イタリア品種か。あるいはテンプラニーリョ。南アのピノタージュ。チリのカルメネール。ジンファンデルはないかなあ。あとはグルナッシュかサンソーかカリニャンか……。
うーん、わからない。わからないのでこんなとき令和5年はAIに頼るのがスマートなビジネスマンのtodo。早速、脳内人力AIに予想を聞いてみたところ、以下のような答えが出た。
◎テンプラニーリョ
○グルナッシュ
▲ムールヴェードル
△サンジョヴェーゼ
×ピノタージュ
うーんさすがは脳内人力AI(私)、脈絡のない予想だ。ここは第一印象のスペイン感、アルコールの強さ、渋み酸味果実味のバランスなどからテンプラ、それもボルドーっぽくなくてスペイン感あるのでなんとなくリオハではなくリベラ・デル・ドゥエロでいってみよう。
スペイン(リベラ・デル・ドゥエロ)/テンプラニーリョ/2018/14.5%
こう予想した。
ブラインドテイスティングWEEK予想を終えて
というわけで今週も予想が出揃った。なんか今週は先週来られなかったぶん、脳内のアレコレがリセットされて、わりと素直に予想できた気がする。
果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。
ブラインドテイスティングWEEK28/ 正解発表:1杯目
さて今週も正解が発表されたので答えを見ていこう、まずは1杯目から。
予想:フランス (シャンパーニュ)/シャルドネ/NV/12%
正解:フランス(シャンパーニュ)/シャルドネ/NV/12.5%
というわけでおお、見事シャンパーニュ。ただこれは、味わいから推察したというよりも、沼田店長の心理を読み切っての正解という感なきにしもあらず。 ただ、いきなり3項目的中で幸先のいい感じだ。
テイスティングWEEK28/ 正解発表:2杯目
予想:フランス(アルザス)/ゲヴュルツトラミネール/2022/13%
正解:フランス(アルザス)/ゲヴュルツトラミネール/2019/13.5%
え、どうしたのこれ……。なんと、2連続で国・産地・品種が的中してしまった。こんなことあるんだ。ゲヴュルツトラミネールは言うほど当たらない、ということを痛感する昨今、この的中は嬉しい。2項目的中で、ここまで5項目的中。自己ベストの7項目的中のレコードを更新する可能性が出てきたぞ……(ゴクリ)。
ブラインドテイスティングWEEK28 / 正解発表:3杯目
予想:スペイン(リベラ・デル・ドゥエロ)/テンプラニーリョ/2018/14.5%
正解:スペイン(リベラ・デル・ドゥエロ)/テンプラニーリョ/2021/14.5%
え、なにこれ忖度? 沼田店長、私の答えを見てから出題した?(錯乱) というわけで、ブラインドテイスティングに挑戦すること28度目、今年最後の挑戦で国と品種を全部当てるという目標を、産地まで当てるというおまけ付きで達成してしまったのだった。嘘だろまじか。コツコツ続けてるとこういうこともあるのか…! 奇跡ですよこれは!
というわけで極力軽くまとめたいわけだが私はさすがにちょっと感動している。1問しか当たらない日も、忙しい日も、二日酔いの日も、コツコツ通った日々は「なにか」だったんだなあと思う次第だ。泣ける。
ちなみに結果は52名中2位。これだけ当たっても2位なのだから、上には上がいる。そして今回の良い結果は、もちろん運が99割(990%)だ。
ただ、オールモストたまたまだとしても、残りの10%は外れても外れてもワインマーケットパーティに通い続けた、私のすり減った靴底の手柄なのもまた事実であろう。クリスマスが過ぎたただの平日・12月26日。今夜は祝杯を挙げることをお許しいただきたい。
実は最近ちょっとこの本とかで勉強してるのはナイショ↓