- ブラインドテイスティングWEEK35に臨んで
- ブラインドテイスティングWEEK35/1杯目
- ブラインドテイスティングWEEK35/2杯目
- ブラインドテイスティングWEEK35/3杯目
- ブラインドテイスティングWEEK35予想を終えて
- ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目
- ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目
- ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目
ブラインドテイスティングWEEK35に臨んで
今週も恵比寿のワインマーケット・パーティでブラインドテイスティングに挑んできた。今週は白1、赤2の構成だ。さっそくいってみよう。
ブラインドテイスティングWEEK35/1杯目
まず一杯目だが色合いは薄め。香りはなんだろうこれ。子どものころに嗅いだことある系の香りなのだが思い出せない。
少しハッと目が覚めるような柑橘の香り。母が使ってた香水的ななにか? あるいはいただきもののちょっと良いお茶だっただろうか?
飲んだみた印象も極めて曖昧だ。どこかで飲んだことがある。でもどこで飲んだかは思い出せない。酸はおだやか。苦味がけっこう強くある。
まずソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、甲州ではないと言いたいところだが甲州、キミはちょっと残りなさい。樽の効いたシャルドネ、キミ帰ってよし。ゲヴュルトラミネール、ヴィオニエ、キミたちも大丈夫。おつかれ。
候補はふたつ。中庸界のツートップ、ミュスカデとシュナン・ブランだ。あと甲州が居残り。イタリア品種だったら敗北だ。
どれにするかだが今回はミュスカデにした。中庸・オブ・ザ・中庸。シュナン・ブランなら蜜があるはずだし甲州なら酸があるはず。そしてそこはかとないシュール・リー感があったような(ないような)!
フランス (ロワール)/ミュスカデ/2022/13%
と予想した。
ブラインドテイスティングWEEK35/2杯目
さて2杯目行ってみよう。色はわずかに退色した赤紫。香りは非常に厚みがあり、かなり甘やかだ。バニラと焼き芋。焼き芋バニラソフト、みたいな香りだ。
飲んでみてもブドウ自体の甘みと樽由来っぽい甘み、両方がくる。飲んだ印象は干し芋。香りの印象が焼き芋で、飲んだ印象が干し芋。スタッフが熟成中の樽に誤って芋を落とした……?
わずかな苦味はあるが、スパイシーさはないように感じる。青っぽさ、野菜っぽさも感じない。マロン感はある。マロン&ポテトだ。おいしそう。秋の味覚ですね(もうすぐ春ですね)。
これだけの甘さがあるワイン、選択肢は極めて限られる。ここはジンファンデルorプリミティーヴォの事実上の一点予想で行ってみよう。
色が濃くなく、味わいも必ずしも濃いわけでないのが気になるが、香りに素粒子レベルのイタリア感を覚えたので、こう予想した。
イタリア(プーリア)/プリミティーヴォ/2018/14.5%
ブラインドテイスティングWEEK35/3杯目
最後は一転、インキーでグラスの底が見えないベルベットな色合いのワイン。インクとか墨汁を落としたような、黒っぽい外観だ。
で、香りがしない。まだ閉じてるんですかねこの方。2022ヴィンテージくらいの若めの感じだろうか。どうせ出番は後半だからと前半の間はロッカーで寝てる破天荒なサッカー選手みたいな印象だ。
飲んでみても印象は変わらない。タンニンが極めて強く、酸もあって果実は留守。留守っていうか長い旅に出ている、といった印象。数年は帰って来ないんじゃないでしょうか。
というわけでさっぱりわからないというのが回答となる。タウラージとか、ゴリゴリテンプラニーリョとか、ボルドー左岸の超保守的シャトーとか? あと色だけでいえば黒いから黒ワインことマルベック…渋みでいったらタンニンの語源でお馴染みのタナ、アメリカ方面だったらプティ・シラーとか?
置きにいくならカオールのマルベック。いや、ここはフルスイングでいきたい! というわけでウルタナことウルグアイのタナと予想してみよう。産地はググッたら出てきた土地です! ワインマーケット・パーティにウルグアイのタナが売ってるのかって? 知らないよ!
ウルグアイ(カネロネス)/タナ/2022/14%
ブラインドテイスティングWEEK35予想を終えて
というわけで今週も予想が出揃ったが、見返すとかなりやっちまってる感じがする。果たして私の予想は合っているのだろうか? 解答発表後に追記したいと思うので、お楽しみに。
【追記】
さて今週もワインマーケット・パーティ公式SNSで正解が発表された。花粉症が悪化したかなんかで体調を激崩ししてしまい遅くなってしまったが、以下、結果を見ていこう。
ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:1杯目
予想: フランス (ロワール)/ミュスカデ/2022/13%
正解:フランス(ロワール)/ミュスカデ/2020/12.5%
というわけで幸先よく1杯目は正解。なのだが、これは私の実力ではない。先日、ブラインドテイスティングの泰斗である鈴木明人さんとお話しした際「特徴がないのがミュスカデの特徴」的なアドバイスをいただき、それを思い出したのだった。特徴ないな〜これ。うーん、ミュスカデ!w くらいのレベルの回答だが、それが見事にハマった次第だ。鈴木さんありがとうございます。
鈴木さんが最近出された本。これ必読ですよ!
ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:2杯目
予想: イタリア(プーリア)/プリミティーヴォ/2018/14.5%
正解:アメリカ(カリフォルニア)/ピノ・ノワール/2022/13.5%
はいこれが今回の完敗案件。ピノ・ノワールをプリミティーヴォって言うのって鳩を見てカラスというようなもんなんすよ。読売タイガース、みたいに言っちゃうレベルなんですよ野球で言うならば。つまり間違えちゃいけないやつ。
銘柄はブレッド&バター。シャルドネは何度も飲んだことがあるが、実はピノ・ノワールは初めて。沼田店長いわく「典型的なカリピノ」だというこの味、脳に刻み込まねばなるまい。
ブラインドテイスティングWEEK / 正解発表:3杯目
予想:ウルグアイ(カネロネス)/タナ/2022/14%
正解:イタリア(バジリカータ)/アリアニコ/2019/14%
これは選びミス。最初はアリアニコ(タウラージ)が脳裏をよぎり、よぎりというか回答用紙に書き込むまで居座り続けていたのだが、以前アリアニコと書いて外したのがこれまた脳裏をよぎり、そちらを優先してしまったのだったチッキショー!
アリアニコは2019ヴィンテージでもまだかなり堅牢なのかもしれない。数年後、熟成を経た姿も見たくなるワインだったのだった。
※
というわけで今週は3問正解というやや残念な結果に終わったが、まあこういうこともあるわけなんですよ。まったく懲りずに来週も頑張りたいので、みなさんも #パーティブラインド ぜひ挑戦してみてはいかがか。