ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ブラインドテイスティング挑戦記【WEEK6】

ワインマーケット・パーティのブラインドテイスティング

Twitterを通じたお友だちであるワイカンさんと一緒に、恵比寿のワインマーケット・パーティ(WMP)で毎週月・火の恒例となっているブラインドテイスティングに行った。

アメリカから一時帰国中のワイカンさんは、現地でブラインドテイスティングコミュニティに参加、グリューナー・フェルトリーナーなどのマイナーな品種を的中させるなどして「えっ……ユー、なんでわかるんだ!?」とワイン好きのアメリカ人を驚嘆せしめているという人物。

アメリカ帰りの俊英と、毎度ブラインドに当てに来てるんだか飲みに来てるんだかわからないと評判の私、果たしてどちらがより正解にたどりつけるのか? を今回はレポートしていきたい。

なお、ブラインド中も楽しく会話をしているが、互いにヒントを出し合うようなことはしておらず、一度書いた答えはその後書き直したりもしていないことを付記しておきたい。

いつものようにWMP沼田店長が目の前にグラスを3つ並べてくれて準備完了。今回は白1、赤2のラインナップ。今からこの3つのグラスの品種、生産国、ヴィンテージ、アルコール度数を当てていく。

 

ブラインドテイスティングWEEK6/グラス1

まずは白ワインが注がれた「1」のグラスだ。外観はライトイエローで、わずかに濁りがある印象。香りからは樽のニュアンスが感じられる。え、カリフォルニアのシャルドネじゃない? が第一印象。

1杯目。香りはカリフォルニアのシャルドネっぽいが…?

なのだが、飲んでみると樽ドネ的なバター感、バニラ感はなくむしろアロマティック品種みたいな印象。樽の印象からカリフォルニア感はぬぐえなかったので、ソーヴィニヨン・ブランか、ヴィオニエか……と考えて、最終的に「先日ワインマーケット・パーティで試飲したワシントンのリースリングじゃない、これ?」と予想。アメリカ/リースリング/2021/12.5%と予想した。

ちなみにこの原稿を書いている今、念の為確認したところ私が飲んだのはワシントンではなくニューヨークのリースリングだったが気にしないでほしい。どっこいどちらもアメリカだ。

イカンさんはどう予想したのかというと、「飲んだことのある気がするんですよね。樽が効いていて、香りは甘い。ポール・クルーヴァーのシャルドネ……?」と予想しておられた(南ア/シャルドネ/2021/13%)。うわっ、ありそう。

 

ブラインドテイスティングWEEK6/グラス2

続いて2杯目だが、今回は2杯目と3杯目が互いに似ていると感じ、それはワイカンさんも同じことを感じておられた。両方とも陽キャ

比較で考えていくと、「2」のグラスはちょっとボルドー右岸っぽい感じがある。私の脳内用語でいうところの「サンテみ」だ。サンテミリオンっぽさという意味の覚える必要が1ミリもない用語だがそれがあるってことはなんだろ。メルロー? ちょっとミンティーな感じもするので、メルローカベルネ・ソーヴィニヨンブレンドな気がする。

2杯目。ボルドーっぽさがある気がするが……

温度が上がるとカベルネ・ソーヴィニヨン感が増してくるように感じられたが、カベルネ・ソーヴィニヨンは前回出題されているので除外だ(メタブラインド)。というわけでフランス/メルロー/2019/13%と予想した。

「タンニンが強くて、イタリア的なトマトっぽさを感じます。第一印象はネッビオーロかサンジョヴェーゼ。タウラージとかアマローネも選択肢として挙がります。ただ色味が濃いこともあって、ネッビオーロではなさそう。少し後ろ髪を轢かれつつ、サンジョヴェーゼにします」とのことで、イタリア/サンジョヴェーゼ/2017/13.5%と予想。

全体的に「『サンテみ』がするからフランスのメルロー! うひょー!」みたいな私の予想に対してワイカンさんの予想がはるかに分析的でちょっと自分こんなで大丈夫かなと不安になるが、こういうのは当てることも大事だが楽しむことがより大切だ。お尻を出した子一等賞的アティテュードで最後のグラスと向き合っていこう。

 

ブラインドテイスティングWEEK6/グラス3

続いて「3」だが、こちらも渋みがしっかりとありながらも果実味たっぷりで飲みやすい赤ワイン。「2」と比較すると、グラスのふちがオレンジ色で、全体にほんの少しだけ色味が淡い。そしてかなり明確な甘さがある。甘いっつーとなんですかね。南仏グルナッシュとか、カリフォルニアのジンファンデルとかだろうか。

かなり甘く、濃い。なんだろこれ。

なんだろうなあと香りをとっていると、錯覚レベルだがピーマンっぽさを感じるような気がしなくもないような気がする。果実味たっぷりであることも加味し、イタリアのカベルネ・フランと予想した。

WMPのブラインドは代表的な産地と品種の組み合わせで出題される。フリフリのカベフラとかありそうじゃないスかいかにも。沼田店長はイタリアワインの専門家でもあることだし(メタブラインドアゲイン)。というわけでイタリア/カベルネ・フラン/2016/14%と予想してみた。

イカンさんも「この甘さはなんだろう…?」と甘さに注目。「タンニンは強く、スパイシーさもある。直感では北ローヌのシラーなのですが、北ローヌほどフラワリーではありません。南ローヌは選択肢に入りますが……」といいつつ、豪/シラーズ/2012/14%と予想しておられた。

こんな感じで回答しました。

というわけでふたりの予想は出揃った。果たして正解はなんだったのだろうか? いざ、正解発表いってみよう。

 

ブラインドテイスティングWEEK6/正解発表:1杯目

ヒマ予想:アメリカ/リースリング/2021/12.5%
イカン予想:南ア/シャルドネ/2021/13%

正解:アメリカ/シャルドネ/2020/14.1%(アナベラ ソノマカウンティ シャルドネ2020)

品種はワイカンさん、産地は私が正解という結果となった。が、シャルドネリースリングと回答したのは個人的にはかなりの痛恨事。香りの第一印象はカリフォルニアのシャルドネだったんだよなぁ! 無念である。

「涼しいニューワールドのシャルドネ」というところを見事に当ててきたワイカンさん、お見事だ。

 

ブラインドテイスティングWEEK6/正解発表:2杯目

ヒマ予想:フランス/メルロー/2019/13%
イカン予想:イタリア/サンジョヴェーゼ/2017/13.5%

正解:南アフリカ/シラーズ/2017/14%

というわけで私は出ました、なにひとつカスリもしない完全不正解…!イカンさんも残念ながら不正解だがヴィンテージを的中させていた。ここまで私は1項目、ワイカンさんは2項目の的中。果たして3問目の答えは!?

 

ブラインドテイスティングWEEK6/正解発表:3杯目

ヒマ予想:イタリア/カベルネ・フラン/2016/14%
イカン予想:豪/シラーズ/2012/14%

正解:イタリア/コルヴィーナ/2018年/15%

というわけで正解はアマローネ品種のコルヴィーナ。コルヴィーナにロンディネッラ、モリナーラもブレンドされており、どれかの品種の記載があれば「アマローネだと思って書いてくれているんだろう」と正解扱いになるという問題だった。アマローネは経験値が極めて少なく、品種名も頭に入っていなかった。単純な知識不足で、必然の不正解。要・修行です。

ちなみにこの件、コルヴィーナなんてわかるの!? と思われる読者の方もおられるかもしれないが、公式によれば「複数名いた」とのこと。

アマローネだとわかるテイスティング能力と、アマローネの主要品種がコルヴィーナだっていう知識を兼ね備えていないと正解にはたどりつけない。WMPのブラインドテイスティング魔境すぎるんですよ。

以上、私、ワイカンさんともに12項目中2項目的中という、全体的になんていうか、ちょっとしょんぼりした結果となったが楽しかったので結果オーライだ。誰かと一緒にブラインドするのはやっぱり楽しい。ワイカンさん、またぜひいきましょう!

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