ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

アフリカーの南アワイン試飲会に参加! おいしかったワイン5選

アフリカーの試飲会に参加してきた

ワインショップ・アフリカーの南アフリカワイン試飲会に参加してきた。参加費はワインを購入することを前提に2500円と割安ながら、12種のワインを田邉公一ソムリエの解説のもとでテイスティングすることができ、気に入ったものは割引価格で購入できる、チケットが発売されれば即完売となる人気イベントだ。

私は今回が初参加。泡が3種類、白が4種類、赤が5種類をテイスティングしたなかから、とくに印象に残ったものを挙げていこう。

 

おいしかったワイン1:ドメーヌ・デ・デュー「アナ・ルイス2011」

まずは泡から。1杯目で出てきた「セレマ MCC2018」(4290円 ※価格は税込の試飲会での販売価格。以下同)も素晴らしかったのだが、その次に出てきた南アから帰ってきたばかりの小泉店長のお土産ワインだというドメーヌ・デ・デューのブラン・ド・ブラン「アナ・ルイス2011」(価格未定)がとんでもなかった。

「瓶の中で7年間澱とともに熟成。これはドン・ペリニヨンと同じくらいの熟成期間です。ブドウの質が良くないとここまでの長期熟成はできません」と田邉ソムリエが教えてくれたが、それも納得。

シャンパーニュに匹敵するというよりも偉大なシャンパーニュに匹敵し得るというべきモンスター級のワインだと感じた。南アのMCC(メソッド・キャップ・クラシック=シャンパンと同じ瓶内二次発酵)のポテンシャルはやはりすごい。

ドメーヌ・デ・デューはアフリカーが直輸入している生産者。このキュヴェはこの日の客の反応を見て日本に入れるかどうかを決めるのだそうで、日本に入ってきたら話題になりそうな1本だ。産地はエメル・アン・アード。エメル・アン・アードはガチでなにを飲んでもうまい南アで必ず覚えておきたいサブリージョンだ。私のなかでは南アの余市

 

おいしかったワイン2:ウェルデフレーデ「プレイス・オブ・ロック」

白ではウェルデフレーデの「プレイス・オブ・ロック2022」(5489円)がおいしかった。かの南ア・スパークリングの雄、グラハム・ベックを擁するロバートソンの造り手。「ウェホフというシャルドネの名手がいますが、彼らもロバートソンです」と田邉ソムリエ。つまりロバートソンはシャルドネの名産地だ。

シャルドネ100%のキュヴェで全房でプレス後、新樽率25%のオーク樽で発酵。毎週バトナージュしながら8か月熟成とあるだけにヴァニラの香り、抽出強め……なのだけれども後味にしっかりと酸が乗る。

ブルゴーニュでいえば、コート・ド・ボーヌ。サン・トーバンを想起させるミネラル感です」(田邉ソムリエ)しかし田邉ソムリエの言語化能力すさまじいな。

ロバートソンは石灰岩質の土壌が広がる土地なのだそうで、酸のしっかりと乗ったブドウを収穫しやすい土地なのだそうだ。ロバートソンも覚えておきたい産地ですね。

 

おいしかったワイン3:ローレンスファミリー「ハワード・ジョン2019」

さて、印象に残ったワイン、残りはすべて赤ワイン。今回は終盤の4キュヴェがどれも心に残る素晴らしいものだった。

まずどうしてもお伝えせねばならないのがローレンスファミリーの「ハワード・ジョン2019」、通称“ジョン”だろう。妙にやさしいタッチで描かれたオッサンの顔のラベルが賛否両論(否寄り)だったが味はガチ。

グルナッシュ・ノワール、サンソー、シラーのブレンド。赤果実系ピュアピュア甘ずっぱワインという私の大好物系で、うまいうまいと一同興奮、この回の参加5人中4人が購入し、それが翌日のアフリカーのメルマガでニュースとして配信された。3850円はお値打ち。

「グルナッシュは果実感、サンソーはフレッシュさ、シラーは酸をワインに与えています。おいしいワインですね」と田邉ソムリエもニッコリ。

また、ハワード・ジョンが南ローヌっぽい果実味あふれる明るいワインだとしたら、シラーを中心にカリニャン、ムール・ヴェードル、グルナッシュをブレンドしたオリファンツベルクの「ザ・ブル2018」(4730円)も北ローヌを想起させる冷たい果実感とスパイシーさが魅力でおいしいワインだったことを付記しておきたい。

 

おいしかったワイン4:スタークコンデ「スリーパインズ カベルネ・ソーヴィニヨン2018」

残るは2本で、どちらもカベルネ・ソーヴィニヨン主体。まずはスタークコンデの「スリーパインズ カベルネ・ソーヴィニヨン2018」。

ボルドーの格付け……3級!」と田邉さんが冗談ぽく言っておられたが、かなりいいボルドー左岸と言われて納得の味。シャトー・ラグランジュ、なんて名前もあがっていた。

品種はカベルネ・ソーヴィニヨンが90%、以下、プティ・ヴェルド、カベルネ・フラン、マルベックをブレンド。新樽率50%の300Lのフレンチオーク樽で20か月熟成させているという。

価格は6380円だが、2倍の値段を言われても納得しそうな味わいだ。グレネリー、ヴィラフォンテ、そしてこのスタークコンデと、南アフリカはクラシックなボルドースタイルのワインも(ボルドースタイルこそが、と言ってもいいレベルで)おいしいのだ。

余談だがラグランジュは3級だってのに意外と安い…!

 

おいしかったワイン5:ルリッシュ「カベルネ・ソーヴィニヨン2016」

そして最後、会の12番目に供されたルリッシュの「カベルネ・ソーヴィニヨン2016」がこれはもう本当にため息が出るほど素晴らしかった。

価格は1万1000円と高額だが、「サッシカイアに対抗できるんじゃないですか」と田邉さんがポツリと漏らすほどのクオリティ。構造の大きさも緻密さも、ちょっと他のワインとは異なるレベルにあると感じた(唯一、2番のスパークリングは負けてないと個人的には思うけど)。

アフリカーのサイトによれば、ルリッシュは「ステレンボッシュを代表するカベルネの造り手」なのだそう。これは覚えておきたい生産者。ルリッシュのカベルネはガチ。

というわけで素晴らしいワインがざっくざくだったのだった。私は“ジョン”をお買い上げ。ついでに小泉店長オススメの白ワイン「マリヌー クルーフ ストリート シュナンブラン 2022」も購入。さらにはアフリカー名物のコイン式の試飲機のワインも6種堪能し、試飲で使わせてもらったシドニオスの「ルニヴェルセル」が欲しくなるなど楽しい時間を過ごさせていただいた。

これ↓

お店の皆様、田邉ソムリエ、同じ会に参加の皆様みんないい方々で良い時間だった。こりゃチケットも即完売するわ。

というわけで、みなさんもアフリカーの試飲会に、ぜひ。

ふるさと納税は9月のうちがお得みたいですよ!↓