ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「ロマネ・コンティと同じ製法」で2020年に話題になったアルタ・マリア ピノ・ノワールを飲んでみた。【Alta Maria Pinot Noir】

アルタ・マリア ピノ・ノワールロマネ・コンティと同じ製法」とはなにか

去年の夏ごろ話題になったワインに、アルタマリアヴィンヤーズのピノ・ノワールがある。きっかけは、WEbメディアのTABI LABOに掲載された「『ロマネ・コンティ』と同じ製法で仕込んだピノ・ノワールが2300円台!」という記事。この記事を機にショップに入荷した分がその日のうちに完売する事態となり、一躍“バズワイン”的に注目されたのはまだ記憶に新しい。

 

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アルタ・マリア ピノ・ノワールを飲みました。

一方で、「なんでもかんでもロマネ・コンティの名前を出すのはいかがなものか」的に侃々諤々の議論も展開されていた。

ちなみに、元記事はアルタマリア ピノ・ノワールの独特な香りに触れ、それが全房発酵由来であることを指摘し、全房発酵といえばかの有名なロマネ・コンティも全房発酵だと例示するという構造になっており、なんというんでしょうか、いわゆる「ロマネ・コンティ商法」みたいなものとは一線を画すごくマトモな記事だ。ロマネ・コンティ匹敵! とかまさにロマネ・コンティ級! 的な文言は一言も書いてない。

なのだが、現在は元記事のタイトルが「コスパよし、ハズレなしの「ピノ・ノワール」なら、この1本!」というものに差し変わっていることからも当時の反響の大きさが伺える。バズった地点を未来から眺めるの楽しいな。

 

アルタ・マリア ピノ・ノワールはどんなワインか

さて、昨年盛り上がった際のヴィンテージは2012。現在は2013ヴィンテージに切り替わっている。バズる前にたまたま私も買っていたのだが、友人が遊びに来てくれた際に泥酔した状態で抜栓、中身についての記憶は皆無という私あるあるをやらかしてしまったので、実質はじめてのアルタマリア体験をしようと購入してみた。

 

himawine.hatenablog.com

さて、このワインは定価5500円のところが2000円台前半で売られているというワイン。なんでそんなことになっちゃったんだ、の説明が、しあわせワイン倶楽部の商品ページに詳しく書いてある。その事情はスーパーシンプルだ。以下のようなものである。

米国の小売チェーンで大々的に販売する予定だったが、販売先の人事異動で契約が破棄された。

人事異動だった。5500円のワインが2000円台前半で飲める理由、まさかの人事異動。契約社会のアメリカでも人事異動で契約破棄なんて起こり得るのか……担当者じゃなくてよかった。

ともあれ、生産者としては余ったワインをお金に買えなければ次のヴィンテージのワインをつくることができない。そこで、グローバルマーケットで(大幅値引きの上)現金化する運びになったのだという。昨年のロマネ・コンティ騒動は、バズって売り上げにつながったという意味で生産者にとっては大変ありがたい話だったはずだ。

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では、アルタ・マリア・ヴィンヤーズはその後どうなったのか? 公式サイトを覗きにいくと、サーバが存在しないという表示。ならばと公式のインスタアカウントをチェックすると、2017年から更新がない。詳しいことはわからないが、なんかこう、引っ越して行った友達の住んでいた家が取り壊されて更地になっているのを見た、みたいな気分。人事異動きっかけで色々起きたんでしょうなあ(察し)。

ワイン自体は樹齢40年の古木のピノ・ノワールの8割を全房のまま発酵させ、22カ月フレンチオーク樽で熟成させたという贅沢なつくり。いざ飲んで行こう。

 

アルタ・マリア ピノ・ノワール

抜栓してみるとその瞬間からうーんいい香り。グラスに注ぐとやや薄めで少しオレンジがかったようなルビー色。これはあれですよ。おいしいピノ・ノワールです。

グラスからは青い茎とか葉っぱみたいな香りと、定期的に換気されているログハウスみたいな落ち着いた香り。飲んでみるとしっかりとした酸味と芯のある渋み、あとからほのかに果実もやってきて要するに大変においしいですねこれは。2000円台前半の味わいではなるほどまったくない。

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vivinoの評価は3.7でした。

私が仮に好みのワインを聞かれたら、「ブルゴーニュっぽい新世界のピノ・ノワール」と答え、理由を重ねて問われたならば「おいしくて安いから」という知力7くらいの回答をする。このワインはまさにそのど真ん中。カリフォルニアの同価格帯のピノ・ノワールにままあるジャムとかコンフィチュール的なジトッとした甘さがなくて、本来160キロ投げるポテンシャルのある投手が140キロ台後半にスピードを落としてストライクゾーンの四隅を突いてくる、みたいな抑制の効いた感じが良い。

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安うまピノ・ノワールMAP的にもかなり独自な位置

では、ロマネ・コンティと比較してどうかという点なのだが残念ながら私はロマネ・コンティを飲んだことがないので比較ができない。ロマネ・コンティと比較したい人生だった。

とにもかくにも、バズるのも納得のおいしいワインだったのだった。それにしてもアルタマリアワインズはその後どうなってしまったのだろうか。ご存知の方、教えてください。ひとまず、「あるうちに飲むべきワイン」なのは間違いないと思うところであります。

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a.r10.to