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ボランジェ スペシャルキュヴェはどんな味? 有力生産者のスタンダードシャンパーニュを飲んでみた。【bollinger special cuvee】

ボランジェ スペシャルキュヴェは一次発酵を樽で行うシャンパーニュ

有力生産者のスタンダードシャンパーニュを飲んで自分の好みのシャンパーニュを見つけよう! という試み、その第一弾としてボランジェ スペシャル キュヴェを購入。夏のある日に飲んでみることとした。

なぜボランジェを飲むかの経緯はこちら↓

himawine.hatenablog.com

さて最近、日々ワインについて調べるなかで、造り手を象徴するものは公式サイトのトップ画像に現れるんじゃないかみたいな怪電波を私の妄想脳は受信している。

たとえばオーパスワンのサイトを開くと、トップ画像は「畑」だ。大西洋を渡ってシャトー・ムートンのサイトは「シャトー」がトップ画像。ジョセフ・ドルーアンは「ブドウ」。面白いもので、モンテスとかフレシネとかの規模の大きい造り手は「ニュース」がトップに来る。アワードとりましたよとか新商品出ましたよとか。ちなみに、なかには画像が一点もないという今どき信じられないサイトもあった。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティとか。

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ボランジェ スペシャルキュヴェを飲みました。

公式サイトをブランディングに用いるか、マーケティングに用いるかの方針の違いがそこには現れているような感じ。でもって今回飲んだボランジェの場合やはり前者で、トップ画像が面白い。「樽」なのだ。

ボランジェが自社の森で育ったオークで樽作ってるのすごくないですか

 手元にある本『シャンパン大全』(山本博日経ビジネス人文庫)によれば、「ボランジェのボランジェたるところ」のひとつとして「ワインの第一次発酵を樫の小樽で行う点」を挙げている。そして、「そのため、四五〇〇ほどの樽を常備し、専従の樽職人を雇っている」というから半端ない。プロ野球の球団が自前のバット職人を抱えているようなもんでしょうか。

ではなぜ樽職人を抱えるほど樽にこだわるのか、前掲書によれば小樽で発酵させることにより「ワインはフレーバーがよく出てしっかりしたものに」なり、かつ「選酒が厳密に行える」のだそうだが、一方で「その手間は大変なもの」なんだとか。さもありなん。

しかも、thedrinkbusiness.comの2019年の記事によれば最近のボランジェはその樽を「自社所有の森」で伐採したオークから作っているんだそうですよコレすごくないっすか。広島カープが自社所有の森からアオダモを伐採、球団正社員の職人がそれを加工したバットを持って鈴木誠也選手が9回裏のバッターボックスに立つとか胸熱過ぎるわ野球の話じゃなかった。包丁作りにこだわるあまり鉄鉱石掘るところからはじめるみたいな姿勢はリスペクトするほかないです。「鉄腕ダッシュ」の企画かよ。

ボランジェ スペシャルキュヴェを飲んでみた

さて今回飲んだ「ボランジェ スペシャルキュヴェ」はピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ムニエ(公式サイトの表記)15%で構成され、そのうち85%がプルミエクリュ、あるいはグランクリュのブドウを使っているそうな。

でもって飲んでみると、ガッハッハッハッハ、めっちゃうまい。まず香りが素晴らしい。誰かおれのグラスのなかに柑橘系のくだものとか植えた? っていういい香り。そして味わいも、先日、プレステージシャンパーニュ飲み比べという贅沢なイベントに参加したが、そのとき味わった高級シャンパーニュと比べると深みとか厚みはさすがに敵わないかもだけどフレッシュさとか飲みやすさなら負けずとも劣らないような気がする。

なんなんですかね。液体を飲む擬音は通常「ゴクゴク」とか「コッコッ」とか「クッ」とかのカ行で表現される場合が多いと思うのだけれども、このワインの場合「シャクッ!」とかそういう水分でパンパンのリンゴかなんかをかじったときみたいなサ行系の擬音が脳内で出た。煮たリンゴと生のリンゴと乾燥させたリンゴ、それぞれのニュアンスが全部液体の中に溶け込んでる感じがする。だからってリンゴジュースっぽいわけでは全然ないんだけど。自分でもなにを言ってるんだかさっぱりわからなくなってきたぞ。

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ボランジェを選んだのは私ではなく、twitterの質問にご回答いただいたみなさんの集合知。「オススメの1万円以下シャンパーニュを教えてください!」とお願いし、望外に多数の回答をいただいたうち、もっとも多く挙げられたのがこのワインであった。実際に飲んでみて、すごく納得がいった。まずもっておいしいし、個性的だし、なにより「シャンパーニュ以外でこういう感じの飲んだことないでしょ?」とみなさんに言われてる気がする。教えていただいたみなさんに、改めて感謝申し上げる。

さて最後に、夫の遺志を継ぎ、ドイツ占領下のシャンパーニュでメゾンを守り抜いたという女傑マダム・エリザベス・リリィ・ボランジェの言葉を引用する。

「私はシャンパーニュを幸せなときに飲み、悲しいときに飲み、一人で飲み、仲間とも飲み、お腹が空いていても飲むけれど、喉が乾いていなければ飲みません(ニッコリ)」(ヒマワイン訳)

要するに「いつだって飲む」ってことですね。 蛇口をひねるとボランジェが出る家に僕は住みたい。