ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

カルディが運営する北海道余市町の生産者! キャメルファームワイナリー「ピノ・ノワール プライベートリザーブ」を飲んでみた【北海道余市町】

北海道余市町登町と明治維新田中将大投手

私の推し自治体である北海道余市町。明治時代からの果樹栽培の歴史を持ち、近年はワインの産地として大きな注目を集める自治体なのだがなかでも「登町」というエリアが本当にヤバい。論より証拠でそこに位置して過去に私が飲んだことのあるワインの生産者を列挙すると以下のようになる。
ドメーヌ・タカヒコ
リタファーム&ワイナリー
モンガク谷ワイナリー
ドメーヌ・モン
ドメーヌ・ユイ
うーんすごい。すさまじい群雄割拠具合。これもうグラン・なにかでいいでしょの感がある。

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画像はGoogleマップのキャプチャ。キラ星の如きとはまさにこのこと。

司馬遼太郎は、西郷隆盛大久保利通東郷平八郎大山巌山本権兵衛らが同じ町内(加治屋町)の出身であったことから、「いわば、明治維新から日露戦争までを、一町内でやったようなものである。」と書いているが登地区へのこの集中具合も似たニュアンスを感じる。私が不動産デベロッパーだったら脇目もふらずに全力投資するレベルだが私は不動産デベロッパーでないので細々とこの地で造られたワインを飲んでいる。

ドメーヌ・タカヒコの畑の隣には、2020年9月に「余市ヴィンヤードグランピング」なるキャンプ施設がオープンしており、今、私がこの地球とかいう惑星の上でもっとも宿泊したい施設となっている。ワイン飲みながら焚き火眺めたい。なんなら日帰りでも行きたい。

ともかく、余市町を南北に流れ余市湾へと注ぐ登川、谷的形状になっているというその周辺にはマジかよという密度で有名生産者が軒を連ねている。田中将大投手が少年野球時代はキャッチャーとして当時投手だった坂本勇人内野手の球を受けていた、みたいな密度だ。ちなみに田中投手は後に甲子園で斎藤佑樹投手と伝説的投げ合いをすることになるが、駒大苫小牧高校1年時の明治神宮野球大会には正捕手として出場しているワインの話だった(薄く北海道つながり)。

 

余市町とキャメルファームワイナリー

今回飲んだキャメルファームワイナリーも余市町登地区の生産者。キャメルファームワイナリーはカルディコーヒーファームを運営するキャメル珈琲グループの農業法人で、設立は2014年。2017年にワイナリーが完成したという新しい生産者だ。なんでもゆるやかな丘陵地に13ヘクタールの垣根仕立ての畑が広がっているのだそうだ。行ってみたいなあ。

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キャメルファームワイナリー ピノ・ノワール プライベートリザーブを飲みました。


そのフラッグシップ的ワインが、ピノ・ノワール プライベートリザーブ。お値段なんと8800円とお高いが、昨年私はこのワインをふるさと納税の返礼品として入手したのだった。今年も余市町に課金、じゃなかった納税する予定です。好きです、納税。

himawine.hatenablog.com

キャメルファームワイナリー ピノ・ノワール プライベートリザーブを飲んでみた

このワインは一体どのように造られているのか気になるところだが、残念ながら公式サイトには情報がない。なので、飲んでみようと思います。

グラスに注いでみると色はできたばかりの明るいレンガみたいな色。香りは非常に豊かで、森みたいな香り、少し干した山でとれたベリーみたいな香りがこんこんと湧き出る。ホテルの部屋のドアを開けた瞬間にこの香りが漂ってきたら「はいこのホテル当たり」と地獄のミサワみたいな顔で言いたくなるような香りだ。

味わいは薄くて旨いスルスル飲めて危険系。スルスル飲めて危険系にも関わらず、味わいは複雑で、樽の香り、果実の香り、それと余市町のワインに共通して感じる言語化不能な特別な香りがやはりこのワインにもあって(なんでしょうか。森の奥の木についた甘やかなツユ、みたいなイメージなんです)、しみじみ旨い。

それこそ焚き火を眺めながら飲みたいしみじみ具合。暖炉でもいいし、囲炉裏でもいい。なんなら線香花火でも構わない。ガチッと堅牢じゃない、揺らぎの妙、みたいなおいしさを感じるワインだったのだった。うーん、おいしい。

というわけでふるさと納税の返礼品として非常に満足度が高いワインだった。余市に納税すると、余市の道路などが整備され、ブドウの運搬等がスムーズになり、結果より高品質なワイン造りが可能となり、我々はおいしいワインを飲むことができ、それが評判となれば海外からの評価もより高まり、余市の雷名が世界に轟くことで訪日旅行者も増え、国益に資する。

かどうかはさておいて、今回も大変おいしいワインを飲むことができて大満足だったのだった。余市町、引き続き地味に推していきたい。

 

キャメルファームワイナリーはスパークリングに力を入れていくそうです

 

「プライベートリザーブピノ・ノワール以外のものはふるさと納税にあった