シャトー・トロンコワ・ラランドとボルドーとサンテステフ
春先に「セレスト」というショップの4380円のワインくじを購入したところ、「シャトー・トロンコワ・ラランド」というワインが当たった(ヴィンテージは2011)。
調べると7000円くらいするワインなのでラッキーだったのだが、こういった高いワインは開ける機会がなかなかつかめずセラーを圧迫しがちなので母の日を機にスポンと開けることにしてしまった。
さて、トロンコワ・ラランドはボルドーはサンテステフのワイン。なのだが、ボルドーのワインのことが私はちょっとどうかと思うほどわからない。なんかあれですよね、二つの川が交わってひとつの川になって右岸と左岸がある。右岸がメルロー、左岸がカベルネ。あれ、逆だっけ? とかそれくらいのレベルだ。あれホントにどっちがどっちだっけ。
サンテステフはたしかメドック地区だったはず。メドック地区といえばメドック格付け。五大シャトーは大体メドック。悪そうなやつは大体ともだち。この程度の知識で歩むこの道、的な状態だ。お恥ずかしい。
調べると、メドック地区でもっともジロンド河の河口よりにある村名AOCなんですねサンテステフ。で、wikipediaを読むとカベルネ・ソーヴィニヨンが主体であるはずの左岸にありながら土壌が粘土質であるためメルローの比率が高く、「香りがおとなしく、酸味が強い」のが特徴だそうだ。
格付けシャトーは、
シャトー・コス・デストゥルネル(2級
シャトー・モンローズ(2級
シャトー・カロン・セギュール(3級
シャトー・ラフォン・ロシェ(4級
シャトー・コス・ラボリー(5級
とあり、今回飲んだシャトー・トロンコワ・ラランドはシャトー・モンローズのオーナーが所有している。
そのオーナーはオリヴィエ・ブイグという人物。フランス語版の個人wikiに記されたその肩書きを今から書くので驚いてください。「億万長者の実業家」ですよ。本当にそう書いてある。そんな肩書あるのかよ。ロワールの「クロ・ルジャール」も所有していて、2020年の推定財産は28億ユーロだそうです。これ億万長者ってレベルじゃなくないスか。全然イメージできないが参考までに前澤友作氏の資産が20億米ドルだそうですよワインの話だった。
シャトー・トロンコワ・ラランドとは
さて、シャトー・トロンコワ・ラランドはどんな生産者なのか。それは、公式サイトに貼られた見事というほかないYouTube動画をご覧いただければ一発でわかる。
以下、3点の写真はYouTubeの画面キャプチャだ。
立地はシャトー・モンローズとシャトー・カロン・セギュールに挟まれた感じの好立地で……、
メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンが半々、プティ・ベルドが少し栽培されている。
うーん、わかりやすい。入ってるなー、資本。
前出のオリヴィエ・ブイグがこのシャトーを取得したのは2006年。しかるべく資本が投下され、2010年に設備の大幅な刷新がなされたようだ。私の手元にあるワインのヴィンテージは2011。大規模な熟成庫、垂直プレス機、温度調節機能付きの22基のステンレスタンクといった設備の恩恵を受けたワインということになるのかもしれない。楽しみ。
シャトー・トロンコワ・ラランドを飲んでみた
というわけで開けて飲んでみた。飲んでみたんですけどこれすっぱいですね普通に。10年の眠りから覚めてまだ全然目が開いてない寝ぼけまなこ状態っぽい。というわけでしばし待ち、その間に肉を焼くなどしたあとに料理とともに再度飲んでみると印象が一変していた。
真夏の夜8時頃の闇、みたいなぬるっとした質感に、ブルーベリーや土みたいな香り。少し色あせた透明度の高い赤紫色で、うーん、いかにもボルドーのいいやつって感じする。10年も経ってるんで熟成も多少なりともしてるんだろうけど、私はワインの液体のどこが熟成による影響なのかさっぱりわからないのでそのあたりはわからない。
データシートを見ると2011年はメルロー42%、カベルネ・ソーヴィニヨン47%、プティ・ヴェルド11%を使用。ヴィンテージチャートを見ると、あまりいい年ではなかったのか、ワインアドヴォケイトで88点、ワインスペクテーターで91点となっている。
それでもとにかくちゃんとおいしいと感じられたのだった。絶賛! 激うま! とかではないけれども。ともかくこういう自分では買わないワインと出会えるのは、ワインくじの大きな魅力ですよね。