コノスルの「ビシクレタ レゼルバ」シリーズ13種類+αを全部のむ!
「コノスル ビシクレタをぜんぶ飲む」ということをしようと思い立ち、全種類をネットで注文。ここまで6銘柄を飲んできた。13種類+ファミリマート限定ボトルを飲み干して独自に「コノスルランキング」を制定しようというのが趣旨。今回はその3回目でいよいよ残りは8種類と先が見えてきた。
今回は「ブルゴーニュ品種」をテーマにシャルドネ、そしてピノ・ノワール3種類(ピノ・ノワール、ピノ・ノワール クールレッド、ピノ・ノワール ロゼ)を飲んでいきたい。
どれもおいしそうな4銘柄。まずはシャルドネから飲んでみよう。
コノスル ビシクレタ シャルドネはどんなワインか
ラベルを見てみると「アンオークト シャルドネ」という表記。あれ、樽のかかったシャルドネと、そうでないシャルドネがあるのかな? と思いきや実はコノスルのシャルドネはすべてステンレススチールで熟成されており、樽のかかったシャルドネはない。
なんでも、以前はシャルドネ表記だったが、ピュアな味筋であることをアピールするために、現在アンオークト シャルドネへとラベル変更をしている最中なのだそうだ。なので市中在庫にはシャルドネ表記とアンオークト表記が混在しているみたいです。ちなみに公式に問い合わせたので一次情報。
使用ブドウはシャルドネ100%で、収穫は手摘み50%。ステンレスタンクで4〜12カ月熟成。アルコール度数13%、残糖3.8g/l、PH3.43、総酸は6.17g/l。残糖が意外と少なく酸が意外と多い。
飲んでみると、これは究極の中庸みたいに言いたくなる味わい。サシで飲んでもとくに話すことがあるわけでなく、お前んちの下の子もう5歳になるのかー(3分沈黙)みたいになるにも関わらず異様に居心地のいい友達、みたいなワインだ。
血の滴るステーキにもそこそこ合うだろうし、わかめときゅうりの酢の物にもそこそこ合うような、ど当たりもないけどど外れもない、映画でいえば釣りバカ日誌的な安定感があった。
コノスル ビシクレタ ピノ・ノワール クールレッドはどんなワインか
続いてはピノ・ノワール3種類。
まずはコノスルランキング1位候補の一角で、私をワイン沼に突き落とした罪深いワインのひとつ、無印ピノ・ノワール。冷やしておいしいというピノ・ノワール クールレッド、そしてピノ・ノワール ロゼだ。まずはクールレッドから見ていこう。
このワインには公式のテックシートがない。14度が推奨温度で、冷蔵庫で2時間、あるいは冷凍庫で15分、あるいは氷の入ったバケツで5分冷やして飲んでもらいたいと書いてある。
なのでとりあえず冷蔵庫で冷やして飲んでみたのだが、正直ちょっとすっぱ渋いっすねこれ。居酒屋でグラスの赤ワインを頼むと出てくる冷えっ冷えのアレ的な印象で、うーんどうなんだろうこれ。
一方で温度が上がるにつれて、どんどんおいしくなっていくのも事実。でもこれ冷やしておいしいピノ・ノワールなんですよねってなるのもまた事実。製造部門はいい仕事をしているが、企画がそもそもどうなんだっけ的ないやそれを言ったら営業がさあみたいなあとで会議で揉める系のアレではないのかという気がする1本だった。誰かに勧めることはない。
コノスル ビシクレタ ピノ・ノワール ロゼはどんなワインか
次はピノ・ノワール ロゼだ。ピノ・ノワール100%で、産地は出ましたコノスルが誇る所有畑中最南端の冷涼産地、ビオビオヴァレー。本企画の1回目に飲んだリースリングが同ヴァレーのワインで大変おいしかったのだった。名前もいいしワインはうまいし最高なんだよなビオビオヴァレー。どのワインも酸味が大変良い。
収穫日は2020年の3月の9日から21日にかけて。果実は手摘みされ、ステンレスタンクで6カ月熟成される。アルコール度数は13%、残糖5.6g/l、PH3.2、総酸は6.2g/lだ。
飲んでみると、うーんこれは非常にいいな。プロヴァンスのロゼみたいな甘酸っぱさがあってとても飲みやすい。香りはピンク色のチェリーで、味は白桃。嫌いな人いるのかよ系の味わいだ。ラベルに「ほろよい」って貼り得る。
まったくのノーマークだったが、隠れた名品だと感じた。推せる。ワイン会ならぬママ会に持参するならWEEK4で飲む大本命・ゲヴュルツトラミネールを抑えてコレが1位まである。
コノスル ビシクレタ ピノ・ノワールはどんなワインか
WEEK3のラストは無印ピノ・ノワールだ。ワインにハマりたての頃、たった2年前のことなのにずいぶん昔に感じるが、その頃に飲んでなんておいしいんだ! と感動したワインのひとつだ。
私が飲んだのは2019ヴィンテージでテックシートは2020のものだから参考までにだが、ピノ・ノワール100%を手摘み15%で収穫し、20%は樽で、80%はステンレスタンクで6カ月熟成。アルコール度数は13.5%、残糖は3.5g/l、PHは3.54で総酸は5.2g/lだ。樽熟成を経ているのはWEEK1で飲んだカベルネ・ソーヴィニヨン以来。意外と樽がかかってないんですね、ビシクレタは。
で、飲んでみるとこれが感動するほどキチンとおいしい。花の香り、果実のおいしさ、キレイな酸味、そこはかとないダシっぽさ。
これは1000円以下で薄うまピノ・ノワールなんて存在しないと思っていた時期が私にもありました状態。昭和の時代からやっているカウンターバーの年季が入った一枚板のような静かな渋みが全体を締める。
2年前、ワインにハマって間もなく飲んだワインが今飲んでもキチンとうまいのが、なんだかとてもうれしい。え、お前の舌が1ミリリットルも成長してないだけじゃ……? という心の声が聞こえないでもないけど無視だ。
発表! 暫定コノスルランキング
さて、そんなこんなでWEEK3も大変楽しい飲み比べとなった。記事の最後に恒例のコノスルランキングの中間発表に移る。新たに4本を加えた計10本、3日間くらい悩みに悩んで出したランキングがこれだっ。
【コノスルランキング WEEK3】
10 ピノ・ノワール クールレッド(New!)
9 メルロー
8 シラー
6 シャルドネ (New!)
5 リースリング
4 カルメネール
3 ピノ・ノワール ロゼ(New!)
2 カベルネソーヴィニヨン
1 ピノ・ノワール(New!)
というわけでピノ・ノワールがここまでのNO.1。カベルネ・ソーヴィニヨンと味の強度は同じで、方向性がまったく違うという印象で、濃いワインか薄いワインかならば私は薄いほうがほんのわずかに好きなので、ピノ・ノワールを暫定1位とした。
スマッシュヒット感があったのがピノ・ノワール ロゼ。ピノ・ノワールの良さはそのままにさらに冷たい温度で楽しめるのが素晴らしく、果実味酸味のバランスも非常に良かった。さすがビオビオヴァレー産、大変ビオビオしてておいしかったビオビオしててってなんだよ。
それに対して、これ冷やす意味……ってなったピノ・ノワール クールレッドはこの順位とさせていただいた。9位のメルローとの間には越えられない壁がある。
また、シャルドネは究極の中庸という印象だったのでこの順位だが、食事を一切邪魔せずすべての料理のおいしさを10%ずつアップさせる特定機能性飲料みたいな明確な役割のあるワインだと思う。
※
さて、コノスルぜんぶ飲む企画もいよいよ次回が最終回。大本命・ゲヴュルツトラミネールが登場する。これまで何本も飲んできておいしいのは重々承知。飲む前からBEST3に入るのは確実と思っているのだが、全種類を飲んだ上でその評価はどう変化するのか。2021ヴィンテージのヴィオニエ、無印マルベック、ファミリーマート限定マルベックのマルベック兄弟が脇を固め、なんとなく一発逆転の可能性をいずれも秘めている気もしている。
一カ月ほぼコノスルだけを飲み続けての最終発表がどういう結果となるか。どうか最後までお付き合いいただきたい。