ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

エノテカの「Discover The World診断」とは? 参加してみた!

好みの産地や品種がわかるエノテカの「Discover The World診断」

エノテカのワイン診断「Discover The World診断」を受けてきた。いきなりだが「ディスカバー・ザ・ワールド診断」ってすごい名前だな。世界発見診断である。スーパーひとしくん出てきそう。

さて「Discover The World診断」は「6種類のワインを飲み比べて、あなた好みの産地を発見しよう!」という趣旨のもの。1650円で参加できる大変お得なイベントだ。

6種類の赤ワインを飲み比べていきます。

着席すると1〜6まで数字が書かれたシートの上に、赤ワインで満たされた6つのグラスが並べられる。エノテカ公式アプリのガイダンスに従って飲み進めていくと、おのずと自分の好みの産地がわかるというわけだ。

さて、私がお邪魔した銀座店のカフェバー、エノテカ・ミレでは各ワインの解説が記されたA4ペライチが中身を伏せた状態でテーブルに置かれた。

「中身を見ながらでも、ブラインドでも、どちらでもお好みでお楽しみください」ということのようだ。私は己の恥をさらしていくスタイルのワインブロガー。ここはブラインド一択である。

というわけで、ここからは気になる方にとってはネタバレを含む内容となるが、必ずしもブラインドが趣旨のイベントではないと思われるため、1〜6のワインの名前も最後に公開する。そのあたりご注意の上、読み進めていただければ幸甚だ。

 

エノテカの「Discover The World診断」でブラインドテイスティングに挑戦!

さて、まずは「1」と「2」を飲み比べよと指示が出る。「1」は軽やかで香り高いタイプ。「2」は樽が効いていて果実味が強いタイプ。味的に「1」はブルゴーニュピノ・ノワールだと思われる。



さて、私のブラインドテイスティングは味覚で判定するのではなく文脈から推理するインチキテイスティング。この場合、「1と2の飲み比べである」「1は(たぶん)ブルゴーニュピノ・ノワールである」という点から、「2」は新世界のピノ・ノワールだと予想した。

そして「2」は明らかに樽が効いている。カリフォルニア=樽と考えるのは時代遅れかもしれないが、それでもなおカリフォルニア=樽である可能性は高いので、「2」はカリフォルニアのピノ・ノワールと予想。その上で今回の飲み比べでは「2」を好みと判定した。冬は樽の効いたワインが飲みたくなるんですよ自分。

 

 

ブラインドテイスティングは進む

「2」が好みだと回答すると、続いて「2と5と6を飲み比べよ」という指令が下された。まず「5」を飲んでみたが、これはとてもおいしいワインだった。果実がしっかりとあり、酸味、渋みは穏やかで飲みやすいタイプ。香りもとても良い。

私はこれをチリのカルメネール……はちょっとマニアックなのでメルローと予想した。かなり好みだ。

続いては「6」だがこれは「5」同様に濃いめのスタイルながら、少しエレガントな印象。「5」と「6」の違いはなんだろう。「5」が新世界ならば「6」はおそらく旧世界(根拠はない)……「5」がボルドー品種のメルロー(たぶん)ならば、「6」は新旧ボルドースタイル比較でスペイン・リオハのテンプラニーリョだッッ(根拠はない)! と予想した。

私は「5」が好きでした。

このように私の内面は大いに盛り上がっているのだが、外見上はおじさんが一人黙々とワインをくんくんスロスロしているだけ。ガチで知り合いに見られたくない。

「2」と「5」と「6」、どれもおいしいが強いていえば私の好みは「5」だった。「2」もおいしいんだけど、時間が経つとちょっと樽が強すぎる感じがしちゃったんです。

「1」「2」「5」「6」と飲み進めていったので、最後は「5」と「3」「4」の飲み比べとなる。

 

ブラインドテイスティングはさらに進む

まず「3」だが、渋みと酸味がしっかりあって、外観はルビー色。バランスの良い味わい。なんとなく頭に浮かぶものはあるが判断は一旦保留し、「4」を味わってみる。

「4」は6杯のなかでもっとも色が濃く見えて、味わいもパワフルに感じた。そして全然わかんない。まったくわからない。

「3」の第一印象は「キアンティ?」だったので、ここまでの経緯から「4」は新世界と予想。論理学においてある命題に対して、その命題の仮定と結論をそれぞれその否定に置き換えた上で両者を入れ替えた命題のことを対偶というが(注:私は論理学のことをまったく理解していません)、イタリアのサンジョヴェーゼの対偶はなにかと考えた場合、答えはひとつ。それはアルゼンチンのマルベックだ。色も濃いし。スーパーひとしくん使っちゃう!

というわけで「3」をイタリアのキアンティ(サンジョヴェーゼ)と予想。「4」をアルゼンチンのマルベックと予想した。で、やっぱり私の好きなのは「5」だった。私の好みはチリのメルロー。なるほど納得だ。コノスルのメルローおいしいんですよ、地味に。

とはいえ、以上はすべてブラインドでの予想。実際のところはどうなのだろうか。伏せて置かれた“正解”のチラシを裏返す時間がやってきた。

ここからネタバレです。先入観なしで「Discover The World診断」を受けたい方はご注意ください。

よろしいだろうか。

 

エノテカの「Discover The World診断」結果発表

ではいってみよう。以下に私の回答と正解を列挙する。


【1】
予想:ブルゴーニュ/ピノ・ノワール
正解:ブルゴーニュ/ピノ・ノワール
銘柄:オリヴィエ・ルフレーヴ サントネイ・ルージュ2020(5280円)

【2】×
予想:カリフォルニア/ピノ・ノワール
正解:カリフォルニア/カベルネ・ソーヴィニヨン
銘柄:ケンダル・ジャクソン グランド・リザーヴ カベルネ・ソーヴィニヨン2019(5500円)

【3】
予想:キャンティ/サンジョヴェーゼ
正解:キャンティクラシコ/サンジョヴェーゼ
銘柄:カステッロ・ディ・アマ キャンティ・クラシコ アマ2020(4290円)

【4】×の極み
予想:アルゼンチン/マルベック
正解:北ローヌ/シラー
銘柄:シャトー・ド・サン・コム クローズ・エルミタージュ2020(3960円)

【5】×
予想:チリ/メルロー
正解:ボルドーブレンドカベルネメルロー>プティヴェルド)
銘柄:シャトー・ド・ベズ セカンド・ベズ2019(5500円)

【6】
予想:リオハ/テンプラニーリョ
正解:リオハ/テンプラニーリョ主体
銘柄:マルケス・デ・ムリエタ マルケス・デ・ムリエタ・リゼルヴァ2017(4180円)

というわけで私がチリのメルローと予想した一番好みのワインである「5」はボルドー  のワインだった。チリワインはボルドーから運ばれた苗木をもとに発展したワイン。正解銘柄のセカンド・ベズにはメルローも38%含まれているのでこれは広い意味での正解だ(注:不正解)。

私の好みは「ボルドー赤」という診断結果でした。

私はボルドーワインのことを、わたしひょっとしてボルドー先輩好きかも……とバスケ部の後輩みたいな気分で最近とみに思っていたのでいずれにせよこれは納得の結果だ。告っちゃう。

 

エノテカの「Discover The World診断」のブラインド結果は!?

ブラインドの結果に戻ると、「1」「3」「6」はだいたい正解。「2」もピノ・ノワールカベルネ・ソーヴィニヨンを間違えたという点に目をつぶれば(つぶれない)産地は合っていた。

問題は「4」だ。ローヌのシラーをアルゼンチンのマルベックと予想したのだがこれはどんなコンテクストを駆使しても弁明のしようがないの逆に草、である。スーパーひとしくん使った結果がこれ……!

あと、そもそも一見まあまあ当たっているようにも見えるが、それは単純に私がエノテカのワイン診断を過去にも受けたことがあり、エノテカの出題傾向をなんとなく把握している、ということが最大の理由だ。キアンティとブルピノ、そしてカリフォルニアは高確率で出るはず。次点でスペインとチリ。

さらに、エノテカがこの企画を行うのは主にワイン初級者をさらなる沼に案内するのが本来の目的のはず。ならばマニアックな品種は避けて王道の産地と品種を新旧世界バランス良くチョイスするだろう……という、初歩的な推理さ、友よ、みたいな判断に基づいて品種をあてはめた結果がたまたまいくつか当たったまでのこと。北ローヌのシラーをマルベックと判断した、それが私の真の実力だ。あとこの企画そもそも必ずしもブラインドテイスティングってわけじゃないですしね。

ただ、やってみるとこれが非常に面白い。そして驚くべきは提供された6杯のワインが4000〜5000円級のものばかりという点。この価格帯のワインをこれだけ飲めて参加費1650円という時点で神イベントなのは間違いがない。6種すべてを飲み干して、一番気に入ったセカンド・ベズのファーストラベル「シャトー・ド・ベズ」を店員さんに勧められてグラスでいただき、大満足で帰路についたのだった。

楽しいし勉強になるし、さらにお得においしいワインが飲める的側面もあるので、みなさんぜひ参加してみてください。

産地はともかく6本のなかの私的ベストは間違いなくセカンド・ペズ。1stよりいいまであった。↓

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