ドメーヌ・ド・ベレーヌとニコラ・ポテル
安くて良さそうなブルゴーニュのワインがないかな〜とあれこれ調べていたら良さそうなのがあったので買った。ドメーヌ・ド ・ベレーヌ ブルゴーニュ・クロ・バルド。定価3300円税込がセールで2000円台で入手でき、vivinoの評価は4.0。最近vivinoに実装されたユーザすなわち私との「マッチ度」は97%と出ている。シンクロ率97%となれば出撃一択、ということで買ったそれを本日抜栓することとした。
さてこのワイン、ニコラ・ポテルという造り手が手がけるワインなのだそうだ。知らない。ということで名前で検索してみるとニコラ・ポテルは1969年生まれのニコラ・ポテルさんが1996年に設立したメゾンなんだけど、2004年に売却、2008年には自分の名前を冠した会社を去った、とある。去っちゃった。
メゾン・ニコラ・ポテルは今も存続しているが、じゃあニコラ・ポテル本人はどうなったのか。調べると、タカムラワインハウスのサイトの本人来日イベントのページにわかりやすい説明があった。現在、ニコラ・ポテル絡みのブランドは4つあるようだ。
【1】ドメーヌ ・ド ・ベレーヌ >ニコラ・ポテルのドメーヌもの。
【2】ロッシュ・ド ・ベレーヌ>ニコラ・ポテルのネゴシアンもの。
【3】コレクション・ベレナム>ニコラ・ポテルが他生産者のワインを瓶買いしたもの。
【4】ニコラ・ポテルと名のついたもの>2008年以降ニコラ・ポテルは関わっていない。
うむ、なるほどよくわかった。「ニコラ・ポテル」と名がついたもの以外はニコラ・ポテルが関わっているということですね。わかりやすわかりにくい。ロバート・モンダヴィ・ワイナリーがロバート・モンダヴィと関係ない的な資本主義社会あるある。いずれにせよ、ニコラ・ポテルはドメーヌ・ド・ベレーヌとロッシュ・ド・ベレーヌを率いており、私が購入したのはドメーヌ・ド・ベレーヌだからニコラ・ポテルが自社畑のブドウで造ってるんだろう多分。
で、ドメーヌ名の「ベレーヌ」ってなに? となるのだが、公式サイトに答えがあった。ドメーヌ ・ド ・ベレーヌの本拠地はボーヌ。ボーヌは、紀元1世紀に太陽の神ベレヌスにちなんでベレーナと呼ばれ、ベレーナ、ベレーナ、ボレーナ、ボレーヌ、ボーヌ(途中適当です)……みたいな伝言ゲーム的な感じに名前が変遷していった経緯があるのだそうだ。東京でいえばドメーヌ ・ド ・トキオ、みたいな感じですかねわかんないけど。そしてTOKIOにはダッシュ村でワイン造ってほしい関係ないけど。
ドメーヌ・ド ・ベレーヌのワイン造り
さて。ではこのニコラさん、どんなふうにワインを造っているのだろうか。公式サイトに詳しく記載されているので見ていこう。赤ワインの場合、収穫されたブドウの4割ほどを除梗し、残りを「丸ごと収穫」にするとある。うん、おかしいなここ。翻訳が変だなどう考えても。「vendanges entières」って書いてあるな、原文には。これどうやら全房を使うってことみたいですね。4割は除梗、残りは全房を使う。するとどうなるか……は私にはさっぱりわからないがともかくそうなんだそうです。
その後、ステンレスタンクやオークの古樽で20〜25日間、最高32度の温度で発酵。プレスして、1年以上オーク樽で熟成されるようだ。
ドメーヌ・ド ・ベレーヌ ブルゴーニュ クロ・バルドの位置情報
さて、公式サイトにはそれぞれのワインのヴィンテージごとのデータシートが完備されていて、しかも畑の緯度経度まで記載されている。これである。
47°05’50.92”N 4°54’56.73”E
と、言われましてもなので、さっそく上の座標をグーグルマップにコピペしてみると、畑の場所が示された。今夜私が飲むワインが収穫されたのはこの畑だっ。
クロ・バルドは地図上はコンブランシアンに近いけど行政区分的にはコルゴロアンになるみたい。コート・ド ・ニュイ最南端の村ですよねコルゴロアンって。たしか村名は名乗れないけどコート・ド・ニュイ・ヴィラージュは名乗れるとかじゃなかったかな。広域名ブルゴーニュ+畑(区画?)名なのはなんでなんだろう。どなたか教えてください。
難しいことはわからないので放置し、続いてはストリートビューで畑を見てみよう。いざ行け、ペグマン!
やだ……You、輝いちゃってるじゃない! 位置的には写真で見える「この畑」より奥の区画っぽいけどまあそれはそれ。なんかこう、良さそうな畑だなあという印象で嬉しい。「今日飲むブドウが獲れた畑」をストリートビューで眺めてから飲むの楽しいのでオススメです。ともかく上掲の画像らへんで収穫されたブドウ を使い、2017年に4200本造られたワインのうちの1本を今から私は飲もうと思う。ブドウはピノ・ノワール100%。1936年に植えられた古樹だそうです。
ドメーヌ・ド ・ベレーヌ ブルゴーニュ・クロ・バルドを飲んでみた
「なんで蝋キャップなんか使うんだよ。滅びよ、蝋キャップ!」とか言いつつ蝋キャップをボロッボロにしつつなんとか開栓してグラスに注いでみると、うーん、いい香り。私には「ピノ・ノワールの香り」としか言いようのない香りがする。そしてグラスに注ぐと、うーん、明るいルビー色。まさにブルゴーニュのピノ・ノワールに期待する色。そして飲んでみるとこれぞまさしくブルゴーニュの……ってしつこい。自分だけど。
なんですかねこれは。ものすごく優等生的な、5段階評価の5がひとつもないけど3もひとつもない的なスペックを感じる。いわばシーズン成績で打率.271、本塁打8本、32打点の守備も走塁もソツなくこなす三塁手みたいな印象だ。どこにも不満はないし贅沢は言わないけどせめてホームラン2桁打ってくんないかなみたいな選手、じゃなかったワインであった。
2000円台で買えるのを前提にすれば、とても良いワインだったように思います。
購入はカーブ・ド ・エル・ナオタカ。2月25日までポイント10倍をやってるので実質2000円台で買える。