ルカ・マローニ99点、サン・マルツァーノ「エッダ」2019
本メルマガにおそらくもっとも多く登場している生産者はチリのコノスルだ。ついでシャンパーニュのポワルヴェール・ジャック。その次に登場しているのがサン・マルツァーノだと思う。本拠地はイタリア安ワインの総本山、プーリア州だ。スペインはラマンチャ、フランスはラングドック・ルーション、イタリアはプーリアのワインを買っておけばその夜はなんとかなる。
サン・マルツァーノのワインは過去に2000円台、1000円台、500円以下と異なる価格帯のものを飲んでおり、とくに2000円台の「コレッツィオーネ チンクアンタ」はオールタイムベスト級に素晴らしかった。そして「肉のハナマサ」で買った488円の「ミルーナ ロッソ」もこれはこれでどっこい悪くなかった。
というわけでイタリア安ワイン界隈の有料生産者認定をしているわけなのだが過去に飲んだ3本はすべて赤。意外なことに初めて白を飲んだというのが今回取り上げる「エッダ」だ。ルカ・マローニ高評価ワインセットに入っていたやつで、最高得点99点を叩き出しているワイン。
サン・マルツァーノ「エッダ」はどんなワインか
公式サイトのプロダクトページを見ると、エッダはIGPサレントだからイタリアのブーツの足首前側、空手の回し蹴りの打点あたりで造られたワイン。エッダはサレントの方言で「彼女」の意だそうです。ヒューウ!
使用ブドウはシャルドネをメインに、複数の地元品種が混ぜ合わされているそう。発酵後、澱とともに4カ月フレンチオーク樽で熟成させ、週に1回バトナージュ。どちらかというとこってり系な感じかな? 飲んでたしかめてみましょう。
サン・マルツァーノ「エッダ」を飲んでみた
グラスに注いでみると、意外と薄めの輝くイエロー。グラスからは青山フラワーマーケットの店先を通りがかったときのような花の香り、銀座高野の前を通りがかったときのような果実の香りが一体となって立ち上ってくる。
飲んでみると、こっ、これは……トロピカル系シャルドネ !(略称:トロシャル ※そんな言葉はない)
ピーチとかパイナップルとかのテンプレ通りの南国系フルーツの味わいで、ビーチとかプールとかが連想されすぎて味わいにモヒート成分まで感じてしまう。カクテルを連想させるワインってはじめてだなすげえな。それでいて、王道のシャルドネらしいピシッと筋の通った酸味もあって、それがビーチを見守るライフセーバー的に全体を引き締めている。プールサイドの低音が効いたBGM的に樽も効いていて、季節は秋から冬に向かっているが、グラスのなかは常夏だ。トロピカってる。
うーんおいしいなこれ。ここまで堅実においしいを重ねてきたルカ・マローニ高得点セットにあって頭ひとつ抜けておいしい。シャルドネで造ったアロマティックワインみたいな印象で、強いていえば味わいが華やかすぎて料理に合わせにくいのが欠点かもなと思ったけれども普通におでんに合った。アンタこんなに夏っぽい印象なのにおでんに合うのかよやるな。公式の推奨提供温度は12-14度。夏のイメージを連呼してきたが、温度高めで味わうと意外と冬の暖房の効いた部屋で飲むのも乙な気がしてくる。さすが99点。
ルカ・マローニ6本セット、なんだかんだで楽しめていて、買って良かった感あり。今のところ赤は2打数2安打で濃い甘系なので好みは分かれると思うけども。