ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

西友で1本687円税別! でもおいしい! 「FYIレッドブレンド」を飲んでみた。

スーパー・西友で687円のおいしそうなワインを見つけた

スーパーの西友のワインコーナーでなんだか気になるラベルのボトルと目があった。私は脳がワインで汚染されているので、このような場合ファンシーフィルターがアクティベートされ、ワインが雨に濡れた小動物に見えてくる。大変だ、保護しないと。

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FYIレッドブレンドを飲みました。

すかさず携帯を取り出してラベルをvivinoでスキャンすると3.7点の高得点。こりゃいいや、ということで買ったのが「FYI レッドブレンド」なるスペインワインである。価格は687円税別。安いぜ。スーツを新調してしまった関係で今月お金がないんですよ。いつもないけど。

 

「FYIレッドブレンド」の生産者フェリックス・ソリス・アヴァンティスについて

さて、自宅に連れ帰って調べてみるとこのワイン、フェリックス・ソリス・アヴァンティス社という生産者のプロダクトであることがわかった。

あs1952年創業だというこの会社、一貫して家族経営を貫きつつ今ではスペイン最大級の工場を持ち、115カ国で飲まれるグローバル企業にまで上り詰めた会社のようだ。

公式サイトに会社紹介動画があったので見てみると、その工場はamazonの倉庫かよみたいなデカさ。工業製品的なワインは画一的な味で面白味に欠けるみたいなご意見も散見されるけど私自身は工業製品的ワインでもなんら問題なく楽しめる雑なセンサーでワインと向き合う者の一人。巨大なタンクや工場設備を見るとむしろ「コスパ良さそう」って感じられてむしろ気分がアガる。

すべてのワインをリスペクト、がこのブログの趣旨。工場でつくったワインもイエスだ。自然派もイエスだ。高いワインも安いワインもイエスだが、ライスワインは日本酒だ、というスタンスだ。

「FYI」の意味、そして「FYIレッドブレンド」はどんなワインか

 

さて、「FYI」っていう言葉を恥ずかしながら私は知らなかったのだが「For your information」を表す略語で、「ご参考までに」みたいな意味なんだそうだ。

フランスに行った際、「SVP」ってよく書いてあってなんなんだろうなーと思い続けて帰りの飛行機に乗る直前、急に「シル・ヴ・プレ」の略か! と気づいたときみたいな気分

。日本でいうとなんだろう。「あけおめ」「ことよろ」とかだろうかワインの話だった。

公式サイトの商品ページをみると、このワインはテンプラニーリョ、ガルナッチャ、カベルネブレンドして造られているのだそうだ(ただしダウンロード可能なテクニカルシートにはテンプラニーリョとシラーのブレンドと書いてある。本当の品種、それはあなたの心が決めることだ)。

ブドウはスペインの様々な産地でとれたものを使用してるんだそうで、大企業が安いワインをつくるときによくあるパターンですねこれ。シングルヴィンヤードならぬマルチヴィンヤード、なんならマルチリージョンから材料を調達することにより品質が安定してかつ調達価格は安くなるんだと思うたぶん。ヴィンテージ表記もないからマルチヴィンテージなのかもしれない。

 

このワインと同じ感じで造られてるっぽい↓

himawine.hatenablog.com

 「FYIレッドブレンド」と西友と私

以上のことから、スペインのどこかでとれたブドウが、ラ・マンチャでワインになり、船に乗って日本に来て西友の物流網に乗って東京のスーパーの棚に税抜き687円の値札をぶら下げて置かれ、たまたま通りがった(金欠の)私の買い物カゴに入ったことがわかった。なんかこう、小学生のころツバメは東南アジアまで飛んで冬を越す、みたいな話を聞いたときのあの感じに似たなにかを感じませんか。

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vivinoの点数は3.7。ほんとおいしいですよこれ。

「よく来たね……」と小鳥を手のひらで包むタッチで実際のボトルを手にとり、そっと裏ラベルを見てみると、このワインの輸入元は西友の調達部門である西友プロキュアメントで、販売元は合同会社西友とある。自社輸入商品であることも低価格の理由なわけですね。ワインの価格を調べるのに便利なワインサーチャーで調べたところ、このワインを世界でもっとも安く買えるのがどうやら西友っぽい。

さて、西友のサイトにもこのワインは掲載されており、商品サムネイル画像の下に「詳しく見る」と書かれた領域がある。クリックしてみると、こんな文言が出てきた。

「フルーティーでミネラルの香りが広まり、持続的でエレガントな赤ワインです。」

うーん、なにを言っているのかわからない。 諦めてそろそろ飲もう。ちなみに添加物として「PH調整剤」なるものが亜硫酸塩とともに入っているようだ。

 

FYIレッドブレンドを飲んでみた。

グラスに注いでみると、色はかなり濃い目の赤紫色。グラスの向こう側が透けない感じの濃い色だ。

で、飲んでみるとですね。まさしくカリフォルニアレッドブレンド味。アルコール度数14度、果実味たっぷりの甘くて濃い味。1000円札を出して100円玉が2枚戻ってくる価格を考えればかなりおいしいんじゃないのかなこれ。ワインのいいところは高ければ高いほどおいしくなるのにも関わらず、安ければ安いだけまずくなるわけではないところだなあ。

 

このブログにおける100円台赤ワインのエースはカリフォルニアの「ベンド カベルネ・ソーヴィニヨン」だが、これは久しぶりにその牙城に迫る1本かもしれない。スペイン人ってひょっとしてテーブルワイン造らせたら世界最強だったりしませんかね。スペインは夏に赤ワインを炭酸とかで割って飲むっていうけど、それにも良さそう。

 

himawine.hatenablog.com

 

西友に行ったら牛乳、卵、ヨーグルト、などと合わせて「FYIレッドブレンド」をとくになにも考えずに買い、料理しながら飲んで、食事と一緒に飲んで、残りは翌日の料理にぶち込む、みたいな使い方をする場合の最強の一角になり得るのではないでしょうか。

 

 

とはいえ高級ワインも飲みたい。リカマングループが赤ワインくじリニューアルしてます。