ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

アストラーレ ロッソ ヴィノ ディタリア。1000円で買えるイタリア赤ワインの実力は?【Astrale Rosso Vino D'italia】

アストラーレ ヴィーノ ロッソ ディタリアとはどんなワインか?

ある日街を歩行していたら「酒のやまや」があったのでなんの用事もない上に次の予定もあったが入った。「酒のやまや」には入店したことがなく、そこでどんなワインが売られているのか知りたかったからだ。人生はいつだってナウ・オア・ネバーの連続だ。

せっかくだしなんか買おうと思い立ち、となると1000円台のなにも考えずに開けて飲めるワインが欲しいなあ、財政的に、と探した末に手に取ったのがアストラーレ ヴィーノ ロッソ ディタリアである。お値段1000円+税。安いぜ。

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アストラーレ ロッソを飲みました。お値段1000円+税。

このワイン、「イタリア安ワインの逆襲がはじまった!」からはじまる店頭POPのテンションが妙に高い上に情報量も多い。「逆襲」で検索すると「攻撃されていた者が、勢いを転じて、反対に攻撃すること」だとあるけれど誰に攻撃されてたんですかね。チリワインとかか。

さて、POPによると生産者は「キャンティの名門ピッチーニ社」であり、「イタリア各地の良質葡萄をブレンドして、一つ上の美味しいワインを造る!」がコンセプトなのだそうで、イタリアの周りを十二星座がグルリと囲むラベルデザインはそのコンセプトを表現しているようだ。アストラーレはイタリア語で「星」。「ヴィンテージ無し、その上毎年セパージュ変更ですが、なぜか美味い!」とPOPは結ばれる。「なぜか美味い!」の破壊力が素晴らしすぎてじゃあ買うわってなった。理由わかんないのかよ!

アストラーレは様々な土地のブドウ、複数ヴィンテージをブレンドして造るワイン

各地のブドウを集めて造る、というとカリフォルニアとか南フランスとかのイメージで、当然ながら原産地呼称制度とかとはほぼ無縁になるんだろうけど、1000円で買うワインは大企業の大量調達、大量製造のワインのほうがロマンはないけどおいしいことが多い気が個人的にしている。

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公式サイトにも「アペラシオンの境界やルールに関係なく、最高品質のブドウを選ぶことができます」と書いてある。また、「ブレンド哲学を様々なヴィンテージの調和で表現してます」とも記載がある。複数ヴィンテージのワインをブレンドしてリリースしてるということだろうけど思い込もうとすればシャンパーニュみたいな手法ってことだなと思い込むことが不可能ではない。テンションは誰かが上げてくれるものではなく、自分で上げていくものである。おっ、シャンパーニュみたいな手法じゃん!

高級ワインは原産地とヴィンテージが超重要だが1000円のワインの場合正直あまり重要とは思えない。むしろマルチ原産地、マルチヴィンテージのメリットのほうが大きい気がする。これは楽しみになってきましたぞ(ちなみにヴィンテージ・エディションもあるみたいだが、日本未導入のようだ)。

アストラーレ ロッソの使用ブドウと製法

公式サイトからはデータシートもダウンロード可能で、それによれば使用品種は40%プリミティーヴォ、30%サンジョヴェーゼ、15%モンテプルチアーノ、15%ネロダヴォラとイタリアの代表的品種がズラリと並んだ感じで、トスカーナ、アブルッツォ、プーリア、シシリーの農家から調達したブドウのようだ。

プリミティーヴォ=プーリアで多く栽培される品種

サンジョヴェーゼ=トスカーナの主要品種

モンテプルチアーノ=ダブルッツォ(アブルッツォ州のやつ)が有名

ネロダヴォラ=シチリアの特産品種

どのブドウがどの産地からというのは明記されていないが、調べてみると使用ブドウと産地は符合する。ということで各品種が特産地から来てる感じがする。来てるに違いない。来てる(ここからが妄想になります)。高まるなこれ。

でもってプリミティーヴォは部分的に乾燥させたり異なるオーク材を使ったりして「伝統的なワイン醸造のアプローチを理解し、それをより大きなスケールで応用」していると書かれている。いいじゃないの。

アストラーレ ロッソを飲んでみた

さてその味わいやいかにとグラスに注いでみると、濃い目の紫色で香りは弱め。いかにも濃くて甘そうな味……かと思いきや、飲んでみると甘酸っぱ系ですねこれは。エノテカの説明によればサンジョヴェーゼ・ピッコロで造られるキャンティは「スミレの花やチェリーのフレッシュな香りがし、果実味と酸味が豊富なワイン」になるとある。プーリアのプリミティーヴォは私のとぼしい経験では例外なく果実味が強くて濃い系だった。3打数3安打でそうだったので、そういう傾向はあると思ってもいいはずで、その両品種がグラスの中で激突している感じがする。プロ野球でいえばスライダーとチェンジアップが持ち球、いずれも決め球とは言い難いけど両者の組み合わせでしぶとく打ち取る投手みたいなタイプ。濃くて甘酸っぱいっていう、わりと味わったことのないスタイルで、これはこれで乙だな。アリだな。1000円で買えると思えば、良コスパと言っていいのではないでしょうか。 

 

楽天だとバッグインボックスが売ってた↓

a.r10.to

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