ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

マスダの南アフリカワイン試飲会行ってきたのでおいしかったのを「16種類」選んでみた

インポーター・マスダの南アフリカワイン試飲会に参加した

インポーター・マスダが主催する南アフリカワインの試飲会に行ってきた。マスダはどうやらサービス精神のブレーキがぶっ壊れてる会社であるようで毎回試飲可能な銘柄が豪華かつ非常に多いのだが、今回もなんと57種類が試飲できた。

私のなかで「試飲会に呼んでいただけたら飲める範囲で多くのワインを飲む」という謎マナーがあるので、今回も57種類すべてを飲んだ。おかげでヘロヘロですありがとうございます。

さて、今回の南アフリカワイン試飲会はいくつかのブロックに分かれていた。

1:さっぱり白ワイン
2:こってり白ワイン
3;泡
4:ピノ・ノワール
5:ピノタージュ、シラーなど
6:カベルネ・ソーヴィニヨンなど

見ての通り1→6(実際はそのような番号による区分はないが)と数字が大きくなるほどワインの肩幅が広くなっていく。私は超どミーハーふつうの酒飲みなのでまず泡を飲み、次いで1から順に飲んで行った。やっぱり最初に泡のみたいじゃないすか…!

というわけで、各カテゴリごとに「これは!」というワインを挙げていきたい。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【泡編】

まずは泡カテゴリから。以前飲んで好きだったのはクローヌのロゼ、そしてステレンラストのスパークリングシュナンブランだったが、今回感動したのはやはり新ヴィンテージ(2021)で登場したクローヌのロゼだった。

後ろがロゼ。ロゼがヤバい。

価格は4200円と少々お高めだが、これは4000円前後の泡として明らかに世界最強の座を狙って戦えるレベル。分厚い果実と酸と複雑さ、同価格帯でこれに匹敵する泡はやっぱりなかなかないよなあと思う味わいだった。素晴らしい。

もうひとつ印象的だったのだがリーベックという生産者のスパークリング・ブリュット。

ラベルが映えないがおいしい。

シャルドネピノ・ノワールのフリーランジュースを用い、シャンパーニュ酵母を使ってシャルマ方式で造るというなんともハイブリッド感のあるワイン。

シャルマ方式だからか2300円と安く、味わいはこの価格帯として素晴らしく。某お店の方曰く「シトラスのニュアンスに熟したりんごが加わって、味わいは最高。シャルマだから泡の持ちだけが心配」とのことだったが、泡のあるうちに飲み切ってしまえば無敵ということだと思う。

クローヌのロゼ、いつ飲んでもほんとにおいしい↓ ※リンクはVT違いです(以下同)

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【さっぱり白編】

どんどんいこう。続いては「1」のさっぱり白部門だ。一番おいしかったのは定番中のド定番、ステレンラストのマザーシップ シュナン・ブラン2022。いついかなるときに飲んでもおいしいワインという印象だが気が付けば価格も5000円となかなかいかつくなっている。

そんななか、今回コスパが素晴らしいと感じたのがドルニエのココアヒル シュナン・ブラン2022。

この「ココアヒル」のシリーズぜんぶおいしかった。

一部フレンチオーク樽で熟成しているというだけにバニラ感があり、全体にトロピカル風味があってうまい。それでいて価格は2000円と安い。今回のBESTコスパ白はこれで決まりだ。

これは高コスパ

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【こってり白編】

続いてはこってり白ワイン部門。このカテゴリの横綱といえばブーケンハーツクルーフのセミヨンとかポール・クルーバーのセブンフラッグス シャルドネとかラーツのイーデンハイデンシティシュナン・ブランとかのモンスターワインだと思われるが今回はいずれも未出品。

そんななか、なんだこりゃうますぎる、となったのがロングリッジのオースティン シュナン・ブラン2022。

ドゥミ・セックスタイルなのだそうでかなり甘めなのだが、酸もバッチバチにあってバランスが非常に良い。

同じくロングリッジのシャルドネやアタクラシアのシャルドネもおいしかったが、このオースティンが頭ひとつ抜けた味わいだった。

なんでも良年のみ生産される系キュヴェらしく、飲んだことがなかったのもさもありなん。甘いはジャスティ、を体現する白ワインだった。

驚きのおいしさだった↓

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【ピノ・ノワール編】

白と泡のゾーンを抜けてここからは赤ワイン。まずはピノ・ノワール部門からだが、ここは大定番にして私の考える安うまピノ・ノワール地上最強銘柄であるロングリッジのキュヴェ・リカがやっぱり抜けてうまい。

3600円のワインながら定価がこれより高いワインと比較しても香りが強く、味に芯がある。

しかもこの21ヴィンテージの特徴なのだろうか、すごくやわらかいわけなんですよ。会社では鬼上司なんだけど子どもの前では甘あまトロトロな人物、みたいな緊張感とゆるさのうまい具合の共存がある。南アの21ヴィンテージ、どうやらすごくいいみたいだ。

このカテゴリではデイヴィッド・ナディアのグルナッシュ2022もおいしかったが、こちらは価格が6300円。コスパという点では、やはりキュヴェ・リカに軍配が挙がると思う。

2000円台ではステラー・オーガニクスのリバーズエンド・ピノ・ノワールが2300円ながら秀逸だった。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【シラー&ピノタージュ編】

続いては5番目のシラー&ピノタージュカテゴリだが、このカテゴリの個人的ベストはキアモントのシラー2016。

マスダで寝かせておいたキュヴェなのだそうで、まさしく今が飲み頃という角のとれたまろやかうまい液。価格も4700円とそこまで高くなく、5000円以下くらいの価格でちょっと贅沢したい日に飲む、名より実のワインとしては地球レベルで最強の一角を占めるんじゃないか、という親しみやすさと深みを兼ね備えた味がする。

このカテゴリではロングリッジのピノタージュ2020もおいしかった。

今回ロングリッジ総じてすごくよかったなあ。あとブーケンハーツ・クルーフのウルフトラップ・レッドも1600円と非常に安いのにとてもおいしく、自宅のハウスワイン候補に良さそうと感じた。

「自宅のハウスワイン」、「俺のマイボール」って感じがして良いですね。

 

マスダの南アフリカワイン試飲会でおいしかったワイン【カベルネ・ソーヴィニヨンなど編】

さていよいよ最後のカテゴリ、「カベルネ・ソーヴィニヨンなど」である。私はマスダの試飲会を通じていつも思うのだが、南アフリカワインでおいしいのは、
1:ピノタージュとシュナン・ブラン
2:MCC(スパークリングワイン)
3:3000-4000円のピノ・ノワール
4:金額問わずボルドー
だと思う。というわけでこのカテゴリのワインは大概なにを飲んでもおいしい。ボルドー的な重厚感と複雑さと爽やかさがありながら、南アならではの果実味と親しみやすさも加わって、雑に言って無敵、みたいな味になりやすいのだ。野球が上手くて人柄もいい大谷翔平みたいになりやすい。

そんななか、今回の試飲会では安ワイン価格帯の3キュヴェがおいしいと思った。

まずは最初のほうでも名前の挙がったドルニエのココアヒル・レッド。

ココアヒルふたたび。

ココアヒル、南ア高コスパワインの新たなベンチマーク候補だと思う。果実が強く、「フルーティ」とか「ジューシー」とかワインに使ってはいけないとされる形容詞が脳裏に浮かびまくる味。

マスダの名物営業マン・三宅さんいわく「レストランさんにも個人飲みにも、よう売れてます」とのこと。こりゃよう売れるでしょうそうでしょう。

ブーケンハーツクルーフのポークパインリッジ カベルネ・ソーヴィニヨンもよかった。ポークパインリッジはシラーがおいしいと思っているのだがカベルネも素晴らしい。2200円とお手頃価格で確実にお値段以上の味がする。

そして今回全体ベスト3くらいに入ると思ったのがラステンバーグカベルネ・ソーヴィニヨン2022。

南アの20-21-22VTは良いみたいですよ!

なんでも南アのここ数年は、20>21>22とどんどん良くなる素晴らしいヴィンテージ3連発だったのだそうで、このキュヴェもちょっと驚くべき内容の良さがあった。

カベルネながら主体は果実でもタンニンでもなく酸。非常にフレッシュな、果実丸かじり系の酸に甘さと渋さが調味料的に足され、飲む角度によってジュースにも、スープにも、ワインにも感じられる多層的で複合的な味がする。しかもお値段2700円。推せる。

22 は売ってなかった↓

というわけで以上かなり駆け足になってしまったが、マスダの試飲会で印象に残ったワインたちをご紹介した。価格に対して圧倒的なパフォーマンスを見せ続ける南アフリカワイン、今後も目を離せそうにない。