ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ニール・エリス グルーエンクルーフ シラー。やっぱりうまいよ、南アのシラー【NEIL ELLIS GROENEKLOOF SYRAH】

やまやとコルドンヴェールと私

最近「やまや」に行くのが日常の小さな楽しみのひとつになっている。イオンの資本がはいっているやまやがイオンと共同出資で設立したという輸入元・コルドンヴェールのワインが豊富に揃い、っていうか有名ワインを除いてはほぼコルドンヴェールのワインだけしかなく、その閉じた生態系の(私にとって)未知な感じがたまらないのだ。

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ニール・エリスの「グルーエンクルーフ シラー」を飲みました。

ヴィノスやまざきとか、なんならエノテカとかカルディだってそうじゃんと思われるかもしれないが、価格帯が絶妙なんですよやまやは。とくに1000〜2000円レンジの充実感は他の追随を許さない。かつ品揃えが幅広く、イタリア特化みたいなところがあるカルディとの差分になっている。子供のころ100円玉を握り締めて駄菓子屋に通った感覚で私はやまやに通っている。あと「まい悪い、やまやいるわ今」という回文も作成しましたのでご報告しておきますワインの話だった。

 

ニール・エリス グルーエンクルーフ シラーはどんなワインか

さて、そんなこんなやまやで買ったのが、南アフリカの生産者、ニール・エリスの「グルーエンクルーフ シラー」だ。お値段1650円。

ニール・エリスはどんな生産者なのか、公式サイトにあまり情報がないので調べたところ、wineanorak.comというサイトに詳しい説明があった。

それによると、ニール・エリスはもともとKWVとグルート・コンスタンシアで修行した人物。独立して南アフリカでは珍しいネゴシアンとなった彼は、セラーを借りてブドウを仕入れ、ワインを造っていた。

そんな彼に転機が訪れたのは1993年。ステレンボッシュでワインエステートを所有していたハンス・ピーター・シュローダーという人物とパートナーシップを締結。ネゴシアン、ニール・エリスは、こうしてセラーとブドウ畑を手に入れたのだそうだ。

 

himawine.hatenablog.com

 

今回飲んだのは、グルーエンクルーフ シラーはフレンチオークの大樽でマロラクティック発酵後、新樽率5%の樽で15カ月、その他は500リットル入りの樽で熟成させたというワイン。使うのはシラー88%、サンソー12%だそうだ。なんとなく南アっぽいブレンドな感じがする(適当)。

で、ビックリするのはこのワインの現地価格で、なんと140ランドなんですよ奥様。と言われてもピントこないと思うが日本円にして1084円。それが南アからはるばる旅して日本のやまやの店前で1650円税込で売られてるのけっこうすごいと思うんですよ。突然やまやの話に戻るけどやっぱりすごいんですよ、やまや。

 

ニール・エリス グルーエンクルーフ シラーを飲んでみた

と、やまや愛を吐露しつつワインをグラスに注いでみると、若干暗いたとえで恐縮だがご先祖様の墓前にお花を供えたとき、みたいな香りがふわりと漂ってくる。私は(安い)赤ワインをかなり冷やして温度を上げながら飲むのが好きなのだが開けたては温度の低さもあってか渋みが強め。

時間経過とともにその渋みがおだやかになってくると一気にパラダイス方向に舵が切られ、雨のあとの雲間からオレンジ色の光が射すように果実味が出てきてやだアナタおいしいじゃないの。

以前、南アの人気生産者・ステレンラストのWEBセミナーに参加した際、南アフリカでは「シラー」と呼ぶ(表記する)か「シラーズ」と呼ぶかに規定はなく、できあがったワインのスタイルに合わせて生産者が任意に選ぶのだと教えてもらった。

himawine.hatenablog.com

このワインの表記はシラーだが、まさにシラー。黒胡椒ではなくて白胡椒っぽくて、果実味よりはエレガントさが楽しめる。だけどそこは南アなので、果実味がないわけではまったくなく、しっかりと甘酸っぱいチャーミングさもある。もう一声味わいに厚みがあったら最高だけどそこは1650円。これで十分である。

ところでこのワイン、vivinoで調べると「Shiraz」の表記になっていて、「Shyrah」表記の商品は見当たらない。そういった意味でもアレですね、両者の中間的な良さがある。というわけで、南アフリカのワインらしい、新世界と旧世界の良さをいいところどりをしてお値段なんと1000円台という優等生的なワインだったのだった。

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vivinoだとShiraz表記。なぜなのか。ちなみに評価も納得の高さ。

やまや探検、まだまだやめられそうにないですなこれは。たまらん。