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突然変異種“ホワイトサンソー”の味わいは? アフリカー主催「ステレンラスト」WEBセミナー参加レポート!

南アフリカの生産者・ステレンラストとは

ワインショップ ・アフリカーが主催するWEBセミナーに参加した。西ケープ州の有名産地、ステレンボッシュにあるワイナリー「ステレンラスト」とニッポンの我々をzoomでつなぎ、あらかじめ小瓶に分けられて届けられたワインを飲みながらそれぞれのワインについて話を聞くという趣旨のセミナー。

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セミナーに先駆けて届いた小瓶たち。かわいい。

小瓶に入れて届けられたのは以下の5種類のワインで、いずれも今回のセミナーで通訳兼聞き手を担われた三宅司氏がバイヤーを務める株式会社マスダが最近取り扱いをはじめたアイテムだ。

アーティソンズ・アプレンティス・ホワイトサンソー 2019
アーティソンズ・マザーシップ・シュナンブラン 2018
バレルファーメンテッド・シャルドネ 2018
アーティソンズ・アフターエイト・シラーズ 2016
シュナン・ド・ミュスカ・ノーブルレイト・ハーベスト 2016

それぞれ適温が違うというこれらをこれは冷蔵庫、これはセラー、この子は早めに出しといて、あれツマミもあったほうがいいのかな? やべえグラスどうしよとかバタバタしてたらセミナー開始の時刻である。ちなみに参加費は小瓶(60ml×5)も含めて税込4180円。

三宅氏の説明によれば、西ケープ州には600ものワイナリーがあり、ステレンボッシュはそのうちの1/4以上が集まるまさに中心地。ステレンラストは1928年創業の家族経営のワイナリーながら、200ヘクタールもの自社畑をステレンボッシュの2箇所に有する同地区のトップ生産者のひとつ。完熟ブドウを使った白ワイン造りが特徴なのだそうだ。

ステレンラストと完熟白ブドウ

なんでも現在のオーナーたちは、祖父の代から伝わる「白ブドウは完熟して黄色くなるまで収穫してはならぬ」という教えを今も守り続けているのだとか。それにより収穫は1週間ほど遅れるが、完熟ブドウを使うことで果実味と酸味のコントラストの強いワインが造れるのだそうだ。

今回のセミナーで三宅氏を聞き役にワインについて語ってくれたのは、同社マーケティング担当のハインリッヒ・スティップ氏。まだ28歳だそうで、見た目は温和そのものという印象で口ぐせが「パーフェクト」のナイスガイだが質問にノータイムで答える頭の回転の速さはさすがの印象。

さて、以下にスティップ氏が語ってくれた内容をインタビュー形式で掲載するが、途中ワインの感想を入れたい等のブログ構成上の理由から私・ヒマワインがインタビューをしている体になっていることをお許しいただきたい。実際に話を聞いているのはあくまでも三宅氏である(私は実際はワイン飲みながら見てただけ)。また、一部参加者とのQ&Aで出た内容も加えている。それではいってみよう。

突然変異種・ホワイトサンソーで造った「アーティソンズ・アプレンティス・ホワイトサンソー」

ーーまずは「アーティソンズ・アプレンティス・ホワイトサンソー 2019」について聞かせてください。

スティップ:ホワイトサンソーはサンソーの突然変異種で、皮が白やピンク色のものです。このワインは最初、2015年にひとつの小さな樽だけ造りました、実験的に造ったのですが、美しいワインができたので2017、2018、2019年とフレンチオーク樽で造っています。サンソーは普通「赤」ですから、ホワイトサンソーは世界的にも珍しいのではないでしょうか。

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ーーうーんこれめちゃおいしいですね。どんな畑で育てているのでしょう。

スティップ:オールドブッシュヴァイン(ブッシュヴァインは垣根仕立てにせずブッシュ=草むらのような状態で育てる栽培方法。また、南アでは樹齢35年以上のブドウを古木=オールドと呼ぶことができるそう)ですね。(ブドウ樹にカメラを向けて)このように4つのメインの枝を残して、残りは切ります。ブッシュヴァインだとブドウの房が地面の近くの低い位置にぶら下がり、より微細気候を表現できるんです。

ーーブッシュヴァイン、映像で見せてもらえると超わかりやすいですね。オールドが樹齢35年以上っていうのも初耳です。では次に、アーティソンズ・マザーシップ・シュナンブランについて教えてください。

樹齢=前回の東京五輪。「アーティソンズ・マザーシップ・シュナンブラン」

スティップ:アーティソンズは細かなテロワールを表現しようと作っているシリーズです。このシュナンブランに使っているのは1964年に植樹されたブッシュヴァイン。コンクリートエッグと巨大な樽を使い、天然発酵で造っています。樽の影響を受けないような造りで、ピュアな味わいを表現しているんです。

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ーーこれまたおいしいですね。果実味もしっかりあるけど同じくらい酸味もしっかりあって。

スティップ:ステレンラストには古いシュナンブランの樹がたくさんあるから、醸造家にとっても腕の見せ所なんです。このマザーシップは、コンクリートエッグによりソルティな香りがあって、シュナンブランならではのトロピカルな感じも出ていると思います。(ブドウの幹にカメラを向けて)ほら、シュナンブランの木に緑の苔がついてるでしょ? これは適度な湿度があって、いい状態である証拠です。

天然発酵で造るシャルドネ「バレルファーメンテッド・シャルドネ

ーー続いては、バレルファーメンテッド・シャルドネです。これはその名の通り樽っぽい感じがしますね。

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スティップ:このシャルドネも天然発酵で造っています。人工酵母を使うと、ひとつのスタイルの香りになりがちなのですが、天然発酵だとより複雑な香りが表現できるからです。古いフレンチの大樽を使って発酵を行なっていますが、強すぎない樽の風味があって、酸味と果実のバランス感が楽しんでもらえると思います。

ーーお酒を飲みながらお話を伺うと、徐々に気持ち良くなってきて楽しいですねしかし。続いては赤ですね。アーティソンズ・アフターエイト・シラーズ。うはーこれはパワフルですね。

4つの微気候を表現「アーティソンズ・アフターエイト・シラーズ」

スティップ:このシラーズは3ヘクタールの畑で造っていますが、初めて収穫したとき、金曜日に収穫し、雨の影響で残りを月曜日に収穫して、別のタンクに入れていたら、それぞれ全然違う香りがしたんです。この畑は4つのエリアに分けられて、ひとつはブラックペッパー、ひとつはおそらく隣に植わっているユーカリの木の影響でミント、ひとつはブルーベリー、もうひとつはスミレの香りがそれぞれします。それらが重なり合う0.2ヘクタールのエリアだけ、その4種類共通の香りがするんです。このワインが表現しているのは、その0.2ヘクタールの畑です。

ーー面白いな〜。ユーカリの木に隣接する畑はその影響を受けたりするもんなんですね。

スティップ:ユーカリは非常に油分の多い木です。そのオイルがブドウの皮につき、ブドウはオイルがついた皮ごとタンクに入れて発酵させますから、それが影響しているんだと思います。ちなみに、私たちは黒胡椒のニュアンスがあるものをシラーズ、白胡椒のニュアンスがあるものをシラーというふうに呼んでいます。南アフリカではシラー、シラーズ、どちらの呼び名でも問題ありませんからね。このワインは「シラーズ」です。

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ーーたしかに黒胡椒っぽい感じを受けます。では最後はシュナン・ド・ミュスカ・ノーブルレイト・ハーベストですね。すごく甘いけど酸味もあって最高ですねこれは。草っぽい香りもして。5月の草原に座って蜂蜜なめてるみたいな気分です。

南アフリカと貴腐ブドウ「シュナン・ド・ミュスカ・ノーブルレイト・ハーベスト」

スティップ:シュナンブランとマスカットオブアレクサンドリアでつくったワインで、シュナンブランは貴腐ブドウ、マスカットオブアレキサンドリアはレーズン状態で収穫しています。マスカットオブアレクサンドリアはステレンラスト社で一番古いブドウなので、ラベルも創業当時のものを使って「古さ」の感じが伝わるようにしています。シュナンブランもマスカットオブアレキサンドリア南アフリカでは大昔から栽培されているブドウです。

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ーー南アフリカでも貴腐ブドウができるんですね。

スティップ:ステレンラストの北のほうの畑は、少し大袈裟にいうとボウルのような場所(盆地)にあります。山にはかからない霧がこの畑にだけはかかって、それによって冷涼になるんです。年によって、気候によって多くできるとき、できないときがありますけどね。

ーーなるほど、ありがとうございました! 完熟ブドウの魅力を堪能させてもらいました。

<了>

 

ちなみに私が一番おいしいと思ったのは完熟白ブドウにこだわってますって言ってる中でちょっと申し訳ない気持ちなのだがシラーズ。赤ワインの表現で使われる「タバコの香り」というのがちょっとアンタ何言ってんのレベルでわからなかったのだがこれは明確にタバコの香りが。紙巻と葉巻、両方の感じがした。でもって黒胡椒の香りもかなり明確にした。なんならサラミとかビーフジャーキーまで想起しちゃったレベル。それでいて果実味もクッキリとあって大変おいしく飲めたのだった。ただ、白3種と甘口ワインもどれも粒揃いでどれもおいしかったのも事実だ。

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個人的にはこちらのシラーズがとくに印象的でした。全部おいしかったけども。

というわけで、5種類のワインを飲みながら、現地の畑、現地のブドウ樹を見せてもらいながらのセミナーは非常に興味深いものであったのだった。それにしてもステレンラストの畑が広々して気持ち良さそうだった。いつか行ってみたいものである。

 

同ワイナリーのドンペリやクリスタルを相手に世界一に輝いたっていう泡も近々飲もうと思います。