ヴィーニャ・ソブレイラ「オンディーニャス ド マール アルバリーニョ」を買ってみた
先日、たまにワインを買うショップ「カーヴ・ド・エル・ナオタカ」で大変お得にワインが売られていたので買った。
経緯↓
単品でワインを買う場合、どうせだったら送料を無料にしたいと思うのは人情。となると1本で送料無料のワインを同梱するのが得策……ということでショップ内の送料無料ワインのコーナーを探ると、スペイン西部ガリシア地方の有名産地、リアス・バイシャスのアルバリーニョが1628円で売られているのを発見した。ワインの配送料をざっくり1000円とすれば実質628円みたいな気分で買うことができる。
リアス・バイシャスのアルバリーニョを私はほとんど飲んだことがないが、ざっくりと「夏にピッタリ」みたいなイメージがある。ならばもう買う一択でしょうこんなもんはと買った結果家に届いたのが今回取り上げるヴィーニャ・ソブレイラの「オンディーニャス ド マール アルバリーニョ」だ。
以上のようにこのワイン、超がつくほどの“ついで買い”であり、ブログ記事として取り上げる予定はなかった。駄平日の夜に雑飲みして瓶ゴミの日に別れを告げる。永遠に。みたいな、純アルコール摂取用ワインとして購入したため写真撮影すらしていなかったのだが、飲んでビックリ1000円台の白ワインとして侮れないおいしさで、急遽記事として取り上げるに至った次第だ。リアス・バイシャスのアルバリーニョおそるべし。
リアス・バイシャスとアルバリーニョ
さて、リアス・バイシャスといえばアルバリーニョ、アルバリーニョといえばリアス・バイシャスだとはよく聞くけれども勢い余って原産地呼称も「D.O.アルバリーニョ」にしようとして普通にダメだった(品種名は原産地呼称としてはNG)みたいな経緯があるレベルなんだそうだこの土地。マジでアルバリーニョ一本槍。ストレートのほかにはフォークしかマジで投げない永川勝浩現広島東洋カープ一軍投手コーチを思わせる潔さである。
アルバリーニョはアルザスあたりから持ち込まれたリースリングの親戚っていうかクローン(?)で、プティ・マンサンとも近い関係にあるみたい。高温多湿の環境を好み、垣根ではなく棚仕立てで栽培されることも多いようだ。実際、Googleストリートビューで見てみると、ヴィーニャ・ソブレイラのアルバリーニョの畑も棚仕立てであるように見える。ヨーロッパのブドウ畑も全部が全部垣根仕立てじゃないんだなー。
ヴィーニャ・ソブレイラ「オンディーニャス ド マール アルバリーニョ」を飲んでみた
飲んでみると、これもう本当に「海」としか言いようがないくらい海味なわけなんですよ。えっ、なんで? っていうくらいハッキリと塩味がする。
生産者の所在地は海のそばで、土壌や吹く風には塩分が含まれているに違いない。その土の味、風の味がダイレクトにワインの味になっていて、なるほどこれがテロワールってやつか、みたいになる。
公式のテイスティングノートには「口に含むと、白い花を連想」させるって書いてあるけど私が連想したのは白い花ならぬ白い磯である。磯フラボンってやつですね、俗に言う。(言わない)
このワインにはもうひとつ味わい的に想起させられるものがあってなにかといえばヤクルトだ。温度が上がると海水のニュアンスが去り、ヤクルトのニュアンスがやってくる。先発投手の海水選手が5回2失点で試合をつくり、6回からヤクルト選手が登板してくる。そしてこのヤクルト選手もいい仕事してる。
実際に海水とヤクルトを混ぜたとすれば飲めたもんじゃない代物となるのは明白。なのにそのふたつのニュアンスが溶け込むワインはうまい。こういうのって本当にワインの不思議だよなあと思う。なんなの。
ちなみにこの日合わせたメニューはマグロとイカの刺身。鮮魚店で切ってもらったばかりの新鮮なヤツだが私はしょうゆとワサビではなく塩とレモン、そしてオリーブオイルでいかせていただいた。で、これが無茶苦茶このワインに合った。アルバリーニョを飲む際は塩レモンオイルで刺身にかぶりつくべしっていうのを家訓として遺したい勢い。
というわけでこのワイン、1本から送料無料で買える上においしくて大変気に入ったのだった。もっと海水に近い味がするもの(ウニとか)と合わせたらもっとハマりそうな気もするし、今後も送料無料が続くようならリピートもありえる。
ちなみにスペイン語の「リア」は「入江」の意だそうだ。「リアス」はその複数形。「リアス式海岸」のリアスはそのスペイン語から来てるそうですよ。これ豆知識。