ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

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ロシアンリバーヴァレーってどんな産地? 2640円のおいしいピノ・ノワールを飲みながら調べてみた。

ロシアンリバーヴァレーはどんな産地か

以前3000円以下のおいしいピノ・ノワールを教えてくださいとtwitterでお願いしたところ教えていただいたカリフォルニア、ソノマはロシアンリバーヴァレーの生産者、ペドロンチェリ・ワイナリーのピノ・ノワールを飲んでみた。ロシアンリバーヴァレーのワインを飲むのは初めて。なのでこの産地についてまずは超ザックリ調べてみた。

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ペドロンチェリワイナリー ロシアンリバーヴァレー ピノ・ノワールを飲みました。

wikipediaによれば、ヨーロッパからやってきた移民たちによってブドウの樹がこの地に植えられたのは19世紀のこと。その後禁酒法の時代に壊滅的打撃を受けながらも戦後はバルクワインへのブドウ供給源として復活。1970年代にはガロとケンダル・ジャクソンが巨額の投資を実行するなど高品質ワインの産地として躍進し、1983年にAVA(アメリカブドウ栽培地域)として承認されると、1990年代後半からはピノ・ノワールの産地としての名声が確立され、さらなる爆発的な投資を呼び込んだとある。いいなこのゴールドラッシュ感。ピノ・ノワールは樹に生る黄金であります。

 

ロシアンリバーヴァレーの気候と名前の由来

なんでも海からの冷たい風による朝霧がこの土地の特徴なんだそうでで、その冷却効果は夜間の気温が日中の最高気温から35〜40度も下がるくらいだというからすさまじい。昼間は真夏、夜は真冬、な〜んだ? っていうなぞなぞ状態。正解はロシアンリバーヴァレーだ。

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ロシアンリバーヴァレーAVAの位置。画像はwikipediaより。一部改変。

さらに土壌は水はけが良く、冬の間の雨水は春にブドウ畑を潤し、夏の暑さはおだやか。結果、ブドウはゆっくりと酸味が保たれたまま熟していくのだそうだ。はいこれ神がくれた土地。

そして、なぜカリフォルニアなのにロシアン・リバーという名前なのかといえば、それは19世紀にこの川を探検したロシア人がロシア人居留地を河口に建設したことに由来するそうです。もともと住んでいた人々は「東の水」と呼んでたそうな。シンプルすぎる。

 

ペドロンチェリワイナリー「ロシアンリバーヴァレー ピノ・ノワール」はどんなワインか

さて、今回飲んだベドロンチェリワイナリーは、そんなロシアンリバーヴァレーで1927年にその歴史をスタートさせた家族経営のワイナリー。エレガントさを追求したっていうそのピノ・ノワールは、発酵後、新樽率25%のフレンチオークの小樽で8カ月の熟成後、リリースされるんだそうだ。

歴史あるワイナリーがピノ・ノワールの好適地でつくるワイン、その味はいかがなものか、いざ飲んでみよう。

 

ペドロンチェリワイナリー「ロシアンリバーヴァレー ピノ・ノワール」を飲んでみた

グラスに注いでみると少し濁った薄めのルビー色でこの時点でおいしい確定みたいな色と香りがする。飲んでみると、うーん、梅。過去最高レベルの梅感。昔懐かしいロッテの梅ガム、あのニュアンスだ。

公式サイトで調べると、ロッテの梅ガムには、砂糖(国内製造)、水あめ、ぶどう糖、還元パラチノース、ウーロン茶抽出物、食塩、ゼラチン/ガムベース、酸味料、香料、軟化剤、甘味料(アセスルファムKスクラロース)、アントシアニン色素、などが入っているのだそうだ。ウーロン茶抽出物が気になる。

それに対して今飲んでるピノ・ノワールの原材料、ほぼブドウだけ。それにSO2がおそらくちょっと。なのに、酸味料や香料、甘味料を駆使したよりもさらに複雑で豊かな味と香りがする。いや梅ガムもおいしいけれども。ワインってすごい。

梅っぽさがあるだけに、大きくは薄うま系なんだと思うけど、新世界のピノ・ノワールの豊かさとチャーミングさもちゃんとあるような気がする。口がキュッとすぼまるような甘酸っぱさは完熟したグミの実のような感じだ完熟したグミの実食べたことないけど。渋みも少なめ。

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安うまピノ・ノワールMAP的にはバランス型、やや「甘酸っぱ」寄り。

2640円の値段の通りにきっちりおいしい。ロシアンリバーヴァレー、いずれ再訪問したい産地である。

 

安うまピノ・ノワールMAP三傑(3000円以下歴代BEST)

【3位】

【2位】

【1位】