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ポワルヴェール・ジャック。1000円台で買えるシャンパーニュは本当にお得なのか? 【Poilvert Jacques】

日本はポワルヴェール・ジャックを世界で一番安く買える国かも知れない

シャンパーニュで有名なポワルヴェール・ジャック シャンパン ブリュットを買ってみた。私の購入価格は1998円税込とかいうシャンパーニュとしては破格値。アマゾンでも2011円で買えて、しかもprime対象商品。買えば送料無料で明日届く。安い&強い。超強い。

これって世界的に見てもシャンパーニュの値段として破格に安いのではないかとフランスのワイン通販サイトを調べてみると、一番安いシャンパーニュは19.9ユーロで売られていた。ではアマゾンではどうかと、フランスアマゾンで売ってる一番安いシャンパーニュを調べると、価格は17.4ユーロ。1ユーロ120円でざっくり計算してみると、2000円を下回る価格のものはなさそう。

ポワルヴェール・ジャック自体の価格はどうなんだとwinesercher.comで各国の売価を調べてみると、以下のような結果となった。

日本 16.34ユーロ
イギリス 23.59ユーロ
アメリカ 31.65ユーロ

日本安っ。ドーバー海峡渡ってすぐのイギリスのほうが日本より高いのはどうやら税金の関係のよう。ブレイディみかこの書籍『ワイルドサイドをほっつき歩け』によれば、ワインなどのお酒は「酒類にかかる税金が英国のほうが高いため、フランスで買ったほうが安い」ため、わざわざ渡仏して爆買いする人がいるほどらしい(それも最近はブレクジットの前に買いだめしとこうってんでフランスにワインを買いに行く人が増えているそうだ)。とくに売れているのがシャンパーニュを含めたスパークリングワインなのだそうで、一番人気はプロセッコなんだとか。

himawine.hatenablog.com

というわけでイギリスでもフランスワインは安くない。23.59ユーロは2897円で、日本の売価より1000円くらい高い。アメリカは関税を引き上げたことも影響しているのかさらに高い。フランス以外の地球上でもっとも安くポワルヴェール・ジャックを飲めるの日本説。

ポワルヴェール・ジャックとはどんなワインか

では本国ではどうなのか。フランスのアマゾンでポワルヴェール・ジャックの名前を検索しても検索結果に出てこない。公式サイトで調べてみると、最安値の「BRUT(今回飲むのと同じワインとは限らないが)」は750ml入りで12.75ユーロのようだ。日本円にして1565円。ユーロ安の影響なのか、なんなのか、ともかく現地価格から数百円しか高くない価格で日本では買える。嬉しい。送料を加味したら日本のほうが安い説まであり得ちゃうかもしれない。

ポワルヴェール・ジャックの本拠地はトリュ・サン・プリで、wikipediaによれば人口わずか111人の集落。というところくらいまでで情報はほぼ終わりなので、グーグルストリートビューに所在地を入力してみたところ、あった。

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パワルヴェール・ジャックの外観。こじんまり。(写真はGoogleストリートビューのキャプチャ)

日本でいう地方の小さい蔵元みたいな雰囲気だがストリートビューを操作して建物の隣に移動してみると、広大と言ってよさそうなブドウ畑が広がっていることがわかる。これが自社畑がどうかもわからないけど、畑より高い位置になにもないように見えて、いかにも日当たりが良さそうな傾斜地でとてもいい感じに見える。

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ポワルヴェール・ジャックの所在地に隣接する畑。(写真はGoogleストリートビューのキャプチャ)

ここから先は公式サイトに情報がなく、日本のショップサイト情報になってしまうが今回飲んだシャンパーニュ・ブリュットは、手摘みの古木ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール30%、シャルドネ20%を使い、6年熟成とのこと。だからこれなんで1000円台で買えちゃうんですかね。

東洋経済オンラインの2018年6月の記事『日本で「シャンパン」出荷量が激増した必然』によれば、「日本は米国と英国に次ぐ世界3位の「シャンパン大国」で、販売総額(約3億6700ユーロ=)では4位のドイツ、5位のイタリアをはるかに上回る」とあり、「一部の小規模なフランスのシャンパ醸造家は、日本市場のおかげで存続していると言われている」とまで書いてある。

そのあたりの真偽というか肌感覚は私には持ちようがないが、出荷量が“激増”しているとするならば、ハレの日のための酒であった(と、1年前まで私は信じて疑うことがなかった)シャンパーニュが、実は1000円台でも買うことができて、別になんでもない日に今日は高めの刺身でも買っちゃうか、デパ地下で、くらいの感覚で飲めるようになっていることは大きく影響しているのではないかと思える。私に至っては魚肉ソーセージとかかじりながらシャンパーニュ飲んでる始末ですよこれナイショな。

1998円で買えるポワルヴェール・ジャックの実力は?

ただ、当たり前の話だが安いだけでは価値がなく、味わいがそれに付随していることが必要だ。というわけで、飲んでみよう。

トクトクと注いでみると、おお、色濃い目。ゴールドですねこれは。そしてシャンパーニュらしい細かい泡立ち。リンゴっていうかアップルパイみたいな香り。飲んでみると酸味、ちょっぴり苦味、ほどよく果実味。はいおいしい。はい美酒。美味しくないシャンパーニュなんてこの世にない。

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ポワルヴェール・ジャック シャンパーニュ ブリュットを飲みました。

今年もプロ野球ドラフト会議が10月26日に迫っており、大変楽しみなのだが、たとえるならばポワルヴェール・ジャックはドラフト5位指名の社会人左腕ということになる。契約金は3000万円、年棒は900万円。ドラフト1位選手のように1億円の契約金、1500万円の年棒とはいかないが、高校大学社会人と磨き上げたピッチングスタイルで1年目からワンポイントリリーバーとして活躍、65試合に登板し、欠かせない戦力として活躍する。これ完全にポワルヴェール・ジャックです。たとえ1万円レンジのワインに挟まれたとしても、ブルペン、じゃなかったセラーのなかでポワルヴェール・ジャックには明確な役割がある。ポワルヴェール・ジャックの社卒ドラフト下位左腕感マジ異常である。

おいしくないシャンパーニュは存在しない。ポワルヴェール・ジャックはそのことを体現してる感じがする。ありがとう、ポワエルヴェール・ジャック。また買う!