自然派ワインがグラスでたくさん飲めるお店に行った
とある仕事上の変化があって、知人が「お疲れ様会」を催してくれるというありがたすぎることがあった。
場所はとある恵比寿の居酒屋。自然派ワインをグラスで多数(本当に多数)飲むことができるのが特徴で、料理に合わせてお任せで出してもらえることになった。料理に合わせておまかせでワインを出してもらえること以上に幸せなことなんてない。
結局何杯飲んだんだっけ。7〜8杯といったとこなような気がするが、ともかく印象に残った3つのワインを記録しておきたい。
【1杯目】カミッロ・ドナーティ ソーヴィニヨン・フリッザンテ
さて、まずおいしかったのが1杯目にいただいたカミッロ・ドナーティのソーヴィニヨン・フリッザンテ。これ以前参加したインポーター・ヴィナイオータの試飲会で飲んだやつだ。
スッキリとした酸味に、グレープフルーツの皮的苦味。発泡は弱めながら泡は舌の上に長く留まる丈夫さがあり、全体に透明感があって非常に飲みやすい。おいしいなあ。
補糖をせずに瓶内二次発酵でワインを造るのが造り手のポリシーなのだそうで、私が試飲会で購入したランブルスコはなんと「泡がない(結果的に)」というすさまじいものだったが(赤ワインとしておいしかった)、このワインに関してはしっかりと泡があり、いかにも自然派! という味わいは控えめで、とても飲みやすいワインだった。
☆【2杯目】セバスチャン・リフォー オクシニス2012
次においしかったのが、お店の方が「これなんとソーヴィニヨン・ブランなんですよ」と持ってきてくれたセバスチャン・リフォーのオクシニス2012。「サンセールで自然派といえば、セバスチャン・リフォー」と言われる造り手なのだそうだ。
見てくださいよこの色。なんですかねこれは。いよかんジュース、みたいな色合いだ。これってソーヴィニヨン・ブランなんだぜ。
調べたところによればこのワイン、サンセールといえばのソーヴィニヨン・ブランの収穫をギリギリまで遅らせて貴腐菌がつくまで待ち、それをステンレスタンクで1年かけて(!)発酵、その後樽で2年熟成させることで複雑味を引き出しているんだとか。すげえ。
飲んでみるとソーヴィニヨン・ブランのすっきりさわやか草原の風、みたいな味わいはまったくと言っていいほどなく、酸味、苦味、果実味が重力によって圧縮されひとつの塊になってるみたいな濃くて複雑な味わい。ソーヴィニヨン・ブラン観変わる。
これは分類的にはオレンジワインってことになるのかな。なんというか「オレンジワイン」っていう言葉には独特な軽さを私は感じるのだが、このワインには軽さは一切ない。むしろ「すご白ワイン」みたいに呼びたいワインだった。すごい白ワインだった。
![オクシニス [2012] セバスチャン・リフォー オクシニス [2012] セバスチャン・リフォー](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/deuxhwine/cabinet/item03/3020.jpg?_ex=128x128)
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☆【3杯目】ラディコン リボッラ
そしてその印象をさらに上書きして今日イチやべえやつだったのがお噂はかねがねのラディコン リボッラ。特徴的な500mlボトルがスッと出てきたときはテンションがあがり、
「あっ、ラディコンだ!」
とクリスマスの朝にプレゼントの袋を開けたら欲しかったラジコンが出てきた小学生みたいな顔をして言ってしまった43歳は私だ。
このワインなんと赤ワインでもなくロゼですらないんですよ。ラディコン リボッラは、イタリアの白品種、リボッラ・ジャッラでつくるワイン。半月間の醸し発酵後4年間樽で熟成、さらに2年間瓶熟成後リリースされた色合いは琥珀と呼ぶには赤みが強い独特な色合い。グレナデンリキュールとかそんな色。グレナデンってなんだっけ。ザクロか。オレンジがかったザクロ色。
飲んでみるとなんですかこの弾けるような酸味は。非常に酸味が主張してくるのに嫌なすっぱさはまるで感じず、異様なまでの旨味が味わいを補完する。え、なにこれ超うまくないすか。ワインを超えたうまエキス液、みたいにしか呼べない味わいだうっまー! 有名ワイン、なんだかんだで大体うまい。
この持論がまた補強される1杯となったのだった。色の印象に引きずられているのか、味の印象もけっこうザクロ。
ラディコン リボッラ2000。高い…!
この日のお店、素晴らしかったので絶対にまた行きたい。どこの店だよ、と思った方はメール、twitterのDM等でお問い合わせください。また行く。