ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

木村硝子店かザルトかシュピゲラウか。ワイングラス選びリアルドキュメント!

木村硝子店「サヴァ15oz ワイン/ビール」の思い出

ワイングラスが欲しいなあと思い、木村硝子の「サヴァ15oz ワイン/ビール」を購入したのは2021年3月のことだった。購入価格は2脚で約1万2000円。熟達した職人のハンドメイドだというそのグラスは羽のように軽く、薄く、その飲み心地は宙に浮いた液体が直接口内になだれ込むが如しだった。

形もかわいくて大変気に入っていたのだが割れた。半年で二脚とも割れた。早すぎる別れであった合掌。合掌してる場合じゃないんだよ。

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ワイングラス探し、悩みますよね。

一時的に、以前使っていたリーデルのステムがないタイプ、リーデル・オーのカベルネ/メルローでしのいでいたのだが、白ワイン、ましてや泡を飲むのにはボウルが大き過ぎ、かつ一度ステムありに慣れてしまうとステムレスに違和感がある。どうやら知らぬ間に戻れない橋を渡ってしまったようでステムありのワイングラスを再入手するのが至上命題となっていった。あとなんかいつのまにかリーデル・オーも割れてた。合掌。合掌してる場合じゃ略。

何遍も恋の辛さを味わったって不思議なくらい人はまた恋に落ちてくように、何遍も割れる辛さを味わったって不思議なくらい人はまたグラスを買うものだ。ただ、さすがに出費がわりと胸と財布にこたえたので今度はハンドメイドに比べて防御力に優れるというマシンメイドの安めのやつを探すことにした。友人たちを自宅に招いてのワイン会という名のただの飲み会を定期的に開催していることもあり、6脚くらいを揃えたい。

 

ワイングラス購入候補【その1】ザルト ユニバーサル

この間、さまざまな場所でワインを飲んで、いいなあと思っていたグラスがある。ザルトのユニバーサルだ。あれはいいですよ。恵比寿のワインマーケットパーティで飲んだマルセル・ダイスの上位キュヴェや銀座のエノテカで飲んだドン・ペリニヨン2010などおいしかったワインの記憶とともに私のなかでいいグラス=ザルトのユニバーサル、みたいなところがある。

himawine.hatenablog.com

なのだが、スペック上の問題もある。

ザルト ユニバーサル 容量530ml 高さ235mm  ハンドメイド 価格約8500円 

問題は高さだ。235mmがどれくらいの高さかというと、「クレラップ ミニ」の長辺と同じくらいの高さだ。身近なものでいうと、500mlのペットボトルが210mm、缶ビールの500ml缶が165mmとなる。かえってわかりにくくなったような気もするが、クレラップミニを食卓に立てて置いたインパクトはなかなかのものだ。狭小住宅在住の身としては取り回しに難があるし、6脚揃えると5万円前後になるのもさすがにキツい。私は基本酔っ払ってワイングラスを洗うので、最大の魅力の白鳥のような繊細さが破壊リスクに直結してしまうのも懸念点だ。

 

ワイングラス購入候補【その2】シュピゲラウ ディフィニション ユニバーサル

そんなザルトの価格と防御力の低さを解消するのが、シュピゲラウのディフィニション ユニバーサルだ。ユニバーサルって名乗っちゃってるだけあってこのグラスはユニバーサル激似なのだが価格は約半額の4000円弱。さらに見た目はザルトなのにマシンメイドなので耐久性が高いのが売り。ワイングラス対応の食洗機で洗えると説明にある。あらやだいいじゃないの……!

スペックを以下に記そう。

シュピゲラウ ディフィニション ユニバーサル 容量550ml 高さ237mm 重さ119g マシンメイド 価格3850円 

これはかなりいい。6脚で2万4000円ほどは、えいやっと気合いを入れれば出せないことがない額だ。しかし、いかんせんネックは価格ではなく物体としての「高さ」。転倒リスクと取り回しの悪さがどうしても気になる。なので、これも購入を見送った。

畢竟、問題は高さだ。ワインのテイスティングに一般的に使われるという国際機関INAO(国立原産地名称研究所)のテイスティンググラスが155mmで210cc。高さはあれより少し高いくらいで、容量はそれよりも大きいもの……それが理想だ。

 

ワイングラス購入候補【その4】ショット・ツヴィーゼル フィネス ウォーターEP

というわけで続いては木村硝子店のオンラインショップで探すことにした。ここの特徴は、容量、高さ、金額でワイングラスを絞り込んで検索できる点だ。ありがてえ……!

欲しいのは、テイスティンググラスとユニバーサルの中間地点。というわけでこんな数値を検索窓に入力してみた。

高さ 160-220mm
容量 220-520ml

これで一気に候補が絞り込めた。いくつか出てきたものを順に紹介していこう。

まずはショット・ツヴィーゼルのフィネス ウォーターEPだ。先がすこしすぼまった形状のグラスで、高さは181mmと低い。マシンメイドなので価格も2530円とお手頃だ。これは悪くなさそう。ひとまず候補に入れておこう。

ショット・ツヴィーゼル フィネス ウォーターEP  高さ181mm 容量370cc 2530円

 

ワイングラス購入候補【その5】木村硝子店 ギャルソン14oz

続いては、木村硝子店のギャルソン。「日本の手仕事で作られたハンドメイドグラス」だそうで、スペック的にはいい感じだし価格も3000円台半ばとハンドメイドなのにこなれている。

これは最後の最後まで購入候補として残ったのだが、そもそもハンドメイドじゃなくてマシンメイドから探すのがコンセプトだったので諦めた一脚だ。これ良さそうだよなあ改めて。

木村硝子店 ギャルソン14ozワイン 高さ190mm 容量440cc ハンドメイド 3520円

 

ワイングラス購入候補【その6】木村硝子店 ピッコロ15oz

最後は木村硝子店の「ピッコロ15oz」だ。

木村硝子店 ピッコロ15oz 高さ169mm 容量470cc マシンメイド 1210円

見た目的には割れてしまった「サヴァ15oz ワイン/ビール」にそっくりだ。ただ、これは価格の安さがパフォーマンス的にどうかと逆に気になる。どうしようかな。超悩むな。ショット・ツヴィーゼルか、これか。あるいはもうハンドメイドでもいいことにするか……悩んだ末に初心に戻り、木村硝子店のサヴァ15ozワイン/ビールのスペックを調べてみることにした。以下だ。

木村硝子店 サヴァ15ozワイン/ビール 高さ170mm 容量460cc ハンドメイド 7040円

おわかりだろうか。この数値、ピッコロ15ozに極めて近いのだ。サヴァの割れやすさ、価格という問題点をクリアしていて形状もよく似ている。前に挙げたザルトとシュピゲラウ的な関係性がそこにはある。

このような思考の過程を経て私は確信した。木村硝子店のピッコロ15ozはジェネリック・サヴァだ! と。

というわけでピッコロ15ozを6脚購入。かれこれひと月ほど愛用しているが実にいい感じだ。そりゃまあハンドメイドに比べれば厚いし重い。でも、普段使いには全然問題ない。白でも赤でも面倒なときは泡でもなんでも入れてゴクゴクおいしく楽しんでいる。いい買い物した。

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ピッコロ軍団。さすがにまだ一脚も割れてません。

と、大満足なのにも関わらず心のどこかで「ピッコロが全部割れたら次はなに買おう」と考えている自分がいる。ワイングラスをのぞくとき、ワイングラスもまたこちらをのぞいている……のかもしれないですね。

 

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