シュロス・フォルラーツはラインガウで800年続く“世界最古のワイナリー”
先月の終わりにエノテカでセールになっていたドイツのリースリングを飲んだ。なのだが、私はドイツワインについての知識がほぼ皆無。というわけでまずは生産者であるシュロス・フォルラーツについて調べようと公式サイトを訪問すると、こんな言葉がお出迎えしてくれた。
「ウェルカム・トゥ・リースリング」
うーん、すごい。リースリングとワイナリーが概念上一体化してる。2007年放送のアニメ『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の主人公のセリフに「俺がガンダムだ!」という名言とも迷言とも言われるものがあるんだがそれかよ(長い)。でもこの公式サイトからも「俺がリースリングだ!」といわんばかりの矜恃というか第一人者的な意識を感じる。
公式サイトはこう続く。
「並外れたリースリングは人々を幸せにする。それが、私たちがリースリングだけを育てる理由です(中略)800年以上にわたるブドウ栽培の知識と伝統を生かすことで、我々のブドウはあなたを幸せにする特別なリースリングになれるのです」(ヒマワイン訳)
1211年まで公式に遡れる(!)という800年の伝統はどう考えても強い。
“ドイツ版5大シャトー”シュロス・フォルラーツのすごいところ
そしてシュロス・フォルワーツのすごいところはまだまだある。以下、公式サイトと輸入元のエノテカの生産者紹介ページから、シュロス・フォルラーツのすごいところを列挙する。
・歴史を書類で証明できる世界最古のワイナリー
・偉大な産地ラインガウに南向きの60ヘクタールの畑を所持
・ドイツに3000ある畑の中で5つしかない特級畑のひとつ。ドイツ版5大シャトー
・ゲーテが来たことがある
・国立ワイン醸造所のディレクターを務めた人物により醸造設備を近代化
・収穫量を制限。毎日ブドウをテイスティングし数回に分けて最適な状態で収穫
・ワイナリー独自の自然酵母を用いて丁寧に発酵
・ワインメーカーサッカーチームの一員としてメルケル首相を訪問
うーんすごい。ワインメーカーサッカーチームのくだりがよくわかんないけどとにかくすごいしゲーテが来たのもすごい。1211年っつったら日本では鎌倉時代で、海の向こうの大陸ではチンギス・ハンが蒙古を統一して中華に侵入した年である。ちなみに鎌倉時代が始まった年号と言えば「イイクニ作ろう鎌倉幕府」で1192年と私は教わったが現在は「諸説あり」となっており、1183年とも、1185年とも1221年とも呼ばれてるそうなワインの話だった。
ラインガウ・リースリング・クヴァリテーツヴァイン・トロッケンはどんなワイン?
でもって今回購入したのは「ラインガウ・リースリング・クヴァリテーツヴァイン・トロッケン」という長い名称のワイン。前述したように私はドイツワインの知識が皆無(ドイツワインは本ブログ初登場)のため、単語の意味を調べてみると、このような意味であることがわかった。
・ラインガウ(産地)
・リースリング(品種)
・クヴァリテーツヴァイン(クヴァリテーツ=品質。ヴァイン=ワイン。原産地呼称制度的なものという理解で合ってるでしょうか)
・トロッケン(極辛口)
日本酒でいう新潟県産山田錦純米吟醸辛口、みたいなことですねこれは。ちなみにドイツ語オンリーのショップサイトによれば現地価格は11.5ユーロ(1446円)。私の購入価格は2880円。
飲んでみた
残暑厳しい季節なので、よく冷やして飲んだ。飲んでみたらですね。はっはっは。超うまい。超トロッケン。「吟醸」という言葉の意味は「吟味した原料を用いた念入りな醸造」だそうだがこのワインにも吟醸感がある。リンゴとかレモンとかを浮かべた井戸水、みたいな清冽な香りと味がする。スイスイ飲めちゃう。赤貝とワカメとキュウリの酢の物にピンポイントで合わせたい。スダチと塩でいただく刺身(白身)とか。絶対合う(確信)。
酸味が前面に出てすごくサッパリしているので、特定の季節とか、特定の料理に合わせた場合の特攻性能はかなり高そう。実際に合わせたのはすみませんひき肉たっぷりボロネーゼだったんですけど、それはそれで肉の油を流してくれる的な良さがあった。買って良かった。
ハーフボトルで2万6000円の極甘口とか、樽熟成してるっていう辛口最上級キュヴェ(1万2000円)とかもいつか試したいなと思いつつ、ドイツワイン、ちょこちょこ飲もうと思います。
自分の買い値より安く売ってました涙